イノベイター壊滅RTA ガンダムマイスターチャート【参考記録】   作:ナマステ

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(悪意の矛先)〜(変革の刃)

「何者かがソレスタルビーイングの技術を盗み、ガンダムを建造した?」

 

 

 その一言に、場の空気がさらに張り詰める。

 新たに出てきた三機のガンダム───スローネ。

 そして、それを駆るマイスター───チームトリニティ。

 

 新たなガンダムによって窮地を救われたものの、謎が多く、何より民間人をも巻き込むほどの過激な武力介入には、トレミーの面々はとてもじゃないが、味方には思えなかった。

 

 

「太陽炉の設計データはヴェーダの中にしか存在しないわ。つまり……」

 

「──────何者かに、ヴェーダがハックされたって言うんですか?」

 

 

 イアンが調べたスローネたちの太陽炉の構造は、ソレスタルビーイングでしか知り得ないはずの情報だ。その情報を管理している大元を辿れば、必ずヴェーダに何かしらの原因があることが導き出される。

 

 考えたくない推論だが、物事に“絶対”はない。

 スメラギの言葉はどこか重みがあり、まさかと考えていたクリスは認識を改めざるを得なかった。

 

 

「……仮にそうだとしても、太陽炉を製造するには膨大な時間がかかるぞ」

 

「少なくとも、組織の中に裏切り者がいるのは確定だな」

 

「そのようね」

 

 

 誰が? なぜ? 

 情報が足りなさすぎる。今の段階では何も結論づけることはできるはずもない。

 しかし、最悪の場合を想定していなくても、その推論が出てきてもおかしくはない状況である。

 

 だからこそ、スメラギは彼に意見を求めた。

 

 

「北斗、貴方の見解を聞かせてくれる?」

 

 

 全員の視線が一人の男に注がれる。

 ブリーフィング中、常に腕を組みながら壁に背を預けて静かにしていた彼は、スメラギに促されて初めて言葉を発する。

 

 

「……情報が少ない。所感でいいか?」

 

「ええ。貴方の直感は充分に役に立つわ」

 

 

 以前のミッションにて、彼は不明だった敵の姿と拠点を当ててみせた。本人は“勘が当たっただけ”と言っていたが……類似した状況だからこそ、スメラギは北斗の意見を聞きたかった。

 もしかしたら、彼には別の視点から何かが見えているかもしれない、という考えのもと。

 

 少し考える素振りをした後、北斗は口を開く。

 

 

「あの三人の言葉に嘘はない。特に、黒い方は本気で戦争根絶という使命のもとに動いている」

 

 

 トリニティと直接会った時のことを言っているのだろう。黒い方……とは、ヨハンと名乗った男のことか。彼は守秘義務と称してほとんど情報を開示しなかったが……逆に言えば、限定的に話した内容に嘘偽りはないと北斗は断じていた。

 

 

「トリニティは利用されているだけで、その裏で支援している者が、裏切り者ってことかい?」

 

「あれらも、いずれ用済みとなった時点で処分されるだろうがな」

 

 

 捨て駒──────そんな単語が一同の頭に過る。

 根拠はないだろうが、もしそうならトリニティから得られる情報では、裏切り者を特定するまでに至らない可能性がある。

 

 

「状況はもっと複雑だろうが…………しかし、ヴェーダのハッキングができる者、と考えれば、ある程度は絞ることはできるはずだ」

 

「絞るって言ったって……」

 

 

 非現実的だ、とスメラギは思った。

 ソレスタルビーイングは、実働であるプトレマイオスチーム以外にも組織が存在する。支援組織からエージェント、そして監視者まで。一見、少数精鋭の組織に見えて、実のところ関わりがある利害関係者は多岐にわたる。

 そのような中から裏切り者を見つけることは、向こうから尻尾を出して貰わない限りは土台無理な話だ。

 

 ……いや、だからこそ、この男の出番なのかもしれない。

 

 

「北斗、貴方にお願いしたいことがあるの」

 

「やれるだけのことはやってみよう。この件はヴェーダには入力するな」

 

 

 既にスメラギの意図はわかっていたらしい。

 全貌を明らかにしないまでも、少しでも進展すれば、やれることが見えてくるはず。

 北斗は退出する──────と思いきや、ふと足を止めた。

 

 

「それと、仮に他のマイスターが、トリニティと交戦になった際は?」

 

「……その時に指示します。ただ、もし何も無かったら現場の判断を尊重するわ」

 

「承知した。地上に降りる」

 

 

 ……近い将来に、誰かが辛抱できなくなる。

 この男はそこまで見透かしているようだ。スメラギとしても、その未来は充分に予測できる範疇だったため、思わず笑顔になってしまった。

 

 初めて会った時、自動人形(オートマタ)と話している気分だったことが懐かしく思える。しかし、ソレスタルビーイングとしての活動が始まってから、少しだけ印象が変わってきていた。

 

 機械的で感情の起伏は少ないこと。

 何を考えているかはわからないが、単純にアレは先を見過ぎているだけであること。

 ……あと、冗談かと思うくらいに酒が強いこと。

 アレルヤはともかく、スメラギもドン引きするほどに酒を飲んでもケロッとしていた。あの後、親のモレノに酷く怒られていたのは記憶に新しい。

 

 

『イアン、0ガンダムの改修案だ。二週間以内に手配を頼む』

 

『二週間!? 無茶言うんじゃない! GNアームズの開発で、ワシがどれだけ余裕がないかわかってるのか!』

 

『既に一機はロールアウトできるだろう。できないなら、別に弟子に頼んでもいいが』

 

『できないとは言っとら──────んん!? 何だこの装備は!? お前、0ガンダムに火薬庫でも背負わせる気か!?』

 

 

 ……あとは、人使いが荒いことくらいが悩みの種ではある。

 

 彼の無茶振りには皆──────特にイアンは何度も振り回されているようなので、今に始まったことではないだろうが。

 

 

「いいのか、スメラギさん」

 

「何かしら?」

 

「何って……こんな状況でマイスターを一人自由にさせることだよ」

 

「今更じゃない?」

 

 

 スメラギの返答に、ラッセも確かにと納得した。

 きっと、この場にいる全員が一人の問題児(刹那)のことを思い浮かんでいるに違いない。

 

 ……今はとにかく、待ちの時だ。

 

 

「それに──────彼にはもう、目星がついているかもしれないわよ?」

 

 

 ただ、それもすぐに打開されるだろう。

 そんな予感をしていた。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 計画もチャートも歪み(ガバり)始めるRTA、第一部の折り返し地点に入っちゃっ……たぁ! 

 

 前回は“三角形になって、三人で武力介入しないか(トリニティ)”の過激な介入行動を見たところまででした。

 ここからソレスタルビーイングはトリニティの動向を見定めるために静観することになります。刹那が我慢できなくなるまで、何もすることがなくなるんですよね。トリニティにカチコミしてもいいですが、ホモくん単独で喧嘩をふっかけると普通にリンチされます。クゥーン……。

 

 

 なら指を咥えて待ってるしかないのか、となりますが、状況が動かないなら、動かせばいいんです。

 本筋となるミッションまでのモラトリアムを使って、物語の進行を短縮させるように立ち回りましょう。

 

 まず、刹那のトリニティへの敵意を煽っておきましょう。地味ですが、こうすることで刹那が三馬鹿に喧嘩をふっかける時期が若干ゃ早まります。

 やっちまおうぜ。やっちゃいましょうよ?

 そのための、ガンダム。あと、そのためのソレスタルビーイング。

 

 さらに、スメラギさんから裏切り者の調査の許可をいただきました。無差別テロの際の立ち回りと、スメラギさんの信頼度が一定値に達していたので任されました。ブリーフィング中、ホモくんのステータス上げをしていただけなんですけど、いい感じに話がそっちの方向に行ってくれましたね。

 もろちん、経験値配分は攻撃全ツッパです。この時点で、ことMSの戦闘における攻撃面でのパイロットの能力値は、第一部でトップクラスになります。ただし名前がホモです。

 

 さて、これからはガンダムに乗らない諜報ミッションになります。正体に近づいていくことで、金ピカホモ大使のケツを叩いて、早くヴェーダの掌握に動いてもらいましょう。金ピカのケツとか汚えケツだな。

 

 なぜこのタイミングで行動するのかというと、第一部のクリアに必要な戦力を確保できることがわかったからです。GNアームズも0ガンダムの最終装備も、最終決戦時には導入できる目途が勃ちました。本シリーズが始まって戦闘ばかりやっていましたが、ここから能動的にRTAすることができます。

 

 ここはメタプレイの見せ所さんです。

 まあ、黒幕はアレハンドロ・コーナーなんですけどね、初見さん。

 

 あの金ピカホモ大使に繋がるための手がかりを、結論ありきで回収していきましょう。推理? 直感? はは、いや、そんなわけないじゃん。

 

 まずやることはストーカーです(直球)

 勘違いしないでほしいですが、別に変態郵便屋みたいなムーヴをするわけではありません。単純に同じような調査をしている人間を尾行して情報を集めるだけで、いかがわしい意味はありません。

 

 

 今回、ストーカーする相手は絹江っ。

 クールビューティーなマスクとスレンダーな体(嫉妬)

 まだ22歳の報道記者は、私のストーキングに耐えることができるでしょうか。

 

 それでは、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わざわざお呼び立てしてすみません」

 

「軍の近くで会うよりは良いさ……それより、謝礼の方は?」

 

 

 場所はユニオンのアメリカ南にあるバーです。

 なぜ、女なんだ……と言われるホモもいるでしょうが、しょうがないでしょ。他に原作で描写されていないんだから(逆ギレ)

 

 ここで絹江姉貴が実際にスローネを目撃したユニオン軍人に取材をしています。

 ……この軍人、謝礼積まれたからって、機密情報話すとか何を考えてるんですかね。冷静にならないでも懲戒どころの話じゃないですよ。

 

 

「会話の中でラグナに報告と言ったんですね?」

 

「聞き間違いかも知れないがな。俺が知ってるのはこれだけだ」

 

「……この事を軍には?」

 

「報告はしていない。アンタみたいな人が高く買ってくれそうだったんでな」

 

 

 あ、軍にも話してないんでしたねそういえば。良いんですかァ~?俺バラしちゃいますよォ~~?(ねっとり)

 まあ、この後文字通りバラされるのでどうでもいいですが。そんなことより【ラグナ(・・・)】というキーワードを手に入れました。これでここでの目的は達成です。やったぜ。

 

 え? こんな秘密裏のやり取りをホモくんはどこで盗み聞きしてるのか、だって? 

 

 

「お客様、あの、少々飲み過ぎでは……?」

 

 

 近くのカウンターで飲んだくれロールしてます。

【酒豪】のおかげで、いくら飲酒しても判断能力は衰えません。無駄能力とはいえ、せっかくの能力なので有効活用しましょう。通常プレイの時はバーテンダーにでも変装しましょう。

 しかし、あまり騒ぐと絹江姉貴が場所を変えてしまう可能性がありましたので、ここは泣き酒ロールしてます。

 ちくしょう……俺が何をしたっていうんだ……なんであのコーラ(サイダー野郎)は肝心な時にこっちを狙うんだよちくしょう……ううう……。

 

 

「……ま、まあ、そのうち良いことありますよ」

 

 

 優しいっすね先生……気休めでもこのロール選んで良かったなって思えちゃう……。

 

 冗談はその辺にして、絹江姉貴が去った後、それとなく店を出ていきます。

 得られた情報を王留美にリークして調べてもらえば、すぐにソレスタルビーイングの監視者に【ラグナ・ハーヴェイ】という者がいることが判明します。この流れで王留美のエージェントに情報を洗い出してもらえれば、あとは時間経過でトリニティの裏が取れます。はやっ、こいつもう終わりかいな!? 

 

 いえいえまだです。これからです。

 ついでに、王留美にラグナ・ハーヴェイと面会のアポを取って貰いましょう。

 

 ラグナ・ハーヴェイも金ピカホモ大使にとっては捨て駒に過ぎませんし、まだ裏切り者と断定できる証拠はありません。

 ですが、あの二人から見て、“トリニティ登場から間もなくガンダムマイスターが探り始めた”という状況を作ることが大事です。

 小心者の金ピカホモ大使は計画を早めて、トリニティとの交戦が始まる前に擬似太陽炉を各国に横流ししてもらいましょう。俺にもちょっと回してくださいよぉ?

 

 まあぶっちゃけ、ここはアポが取れなくてもいいです。取れなかったらこのままトリニティとカチコミしに──────

 

 

『ラグナ・ハーヴェイ氏から了承の返事がありました』

 

 

 オリチャッタヨ……。

 そこまで確率は高くないはずなのですが……どうでもいい時に幸運発揮する、RTAあるあるです。

 

 どうせなら、この時点で金ピカホモ大使とリボンズに会えればいいんですけどね。残念ですが、時系列的には既に王留美が大使と会って、トリニティの見解について話をしています。決定的な証拠が手に入るまで、ホモくんが会う機会には恵まれません。

 立ち回りを工夫すれば、この時点でも金ピカホモ大使にも会えるかもしれませんが、リボンズには接触すらできません。危機管理能力が高すぎる。あーつまんね。

 

 まあいいです。せっかくなので会いに行きましょう。この場合の分岐は、本来のチャートにもちゃーんと書いています。

 

 表側の体裁として、ホモくんは王留美の護衛として参加します。実際にラグナ氏と話ができますが……証拠がない以上、当然はぐらかされます。

 なんかトリニティの一人が『ラグナに報告〜』なんて言ってたみたいなんですけど……と言っても無駄です。でも、相手は辿り着くのも時間の問題と焦って計画を早めてくれるでしょう。少々運要素が絡みますが、祈りましょう。

 

 さて、やることはやりました。王留美から『こんなので良かったの』的な視線を向けられますが、何にせよこれで世界の統一は加速する、なんて強キャラみたいな台詞を返しておきましょう。

 いずれわかるさ、いずれな……。

 

 あとはトリニティが民間施設を襲撃するタイミングでカチコミしに──────ちょっと待って!? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか赤い髪のイイ男がいますね……? 

 これは間違いない、幻のひろし……幻のサーシェスだ! 

 

 おっゔぇ、髭剃ってスーツ着ているせいで一瞬見逃しそうになりました。あの男とラグナ氏の面会は、本来ならもうちょっと後なんですけど……あの金ピカホモ大使、早速動き始めましたね。

 (思い通り進み過ぎちゃって)笑っちゃうんすよね。

 

 運がこっちに向いてきていますが、調子に乗って密談を盗み聞きをすると100%バレます。ここは攻めるチャートでも、迂闊な行動は取らないようにした方がいいです。

 “監視者と傭兵が何か話をしていた”という事実だけでも充分な成果です。半信半疑だった王留美も“監視者で表の立場もあるくせに傭兵と密談してるとか、何かアイツ怪しいゾ”と思ってくれたことでしょう。

 

 まあ、このツインテチャイナも協力はしてくれますが、味方ではないんですけどね。ハハァ……。

 

 当然、ホモくんもサーシェスと直接の面識はないので、“モラリアで顔を晒したイナクトのパイロット”と記憶しておきます。あとで刹那に伝えて、答え合わせをお願いしましょう。

 

 とにかく、この時点でサーシェスが動き始めているとなると、金ピカホモ大使は大急ぎで宇宙に上がってヴェーダへと行こうとしているでしょう。ご対面する頃にはもう手遅れの状態です。RTAとしての目的を達成しましたので、王留美にお礼を言って別れて、今度こそカチコミの準備に──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、すみません。ちょっとよろしいでしょうか?」

 

 

 わかったわかったわかったよもう!(半ギレ)

 

 はやく行動させてくださいよ。ランダムイベントか何かですか。面倒なんで倍速流しま──────

 

 

「私、JNNの記者です。あの、ちょっとお話をお伺いしたいのですが……」

 

 

 ア!(納得)

 そりゃあ、サーシェスが居るってことは絹江もいますよね! 原作ではこの後、不幸にも赤塗りの傭兵に処分されてしまうやつですね! サーシェスより先に出てきたから、絹江はこっちに来ますよね!

 ……いや、ちょっとおかしいですよね。絹江は独自で動いているはずなので、いくらサーシェスの動きが早くても、比例して早くなることってないですよね。どういうことだよ! ちゃんと説明してくれよ!

 

 ドウスッペ……ドウスッペ……。

 

 いや、絹江姉貴は第二部に向けて、生存させた方がRTA的にも良い方向に行くんですけど……困りましたねぇ後藤さん……。

 最初に刹那の敵意を煽ったせいで、保護していたら時間的にトリニティ戦に参戦できません。そうなったら、リカバリー策で最終決戦前に刹那と一緒に地球に降りないといけなくなります。

 かといってここで放置すると、原作通りサーシェスに首を突っ込んで死んでしまいます。

 

 保護する時間をかけないで、かつサーシェスと接触させない。そんな都合の良い方法なんてあるわけ──────ここでオリチャー発動! 

 

 

「──────」

 

 

 去り際に耳元でこの台詞を吐くことで、絹江姉貴の意識をホモくんに釘付けにさせます。そして全力で離脱します。

 

 こんなこと言われた後に、怪しい少年兵調教師に取材しようなんて思わないはずです! そもそも上司と後輩にあれだけ言われてるんだからさっさと身を引けよ! いい加減、記者の手に負えないことに気づけって! 

 

 ……仮に絹江姉貴がそのまま死んでしまったら素直に諦めましょう。第二部が原作通り進むだけですので、デメリットはほぼないですし。いやあ、我ながらナイス機転です。

 

 おっ、ちょうどトリニティが民間人に武力介入したニュースが出ました。では0ガンダムに乗って戦いに行きましょう。ユクゾー! 

 

 

 

 

 

 

 距離からして、一番槍は原作通り刹那に譲ることになります。ティエリアも参戦してフォーメーションを組んで戦っています。この戦闘は、スローネの一機が一定の損傷を負えば終了になるため、撃墜させる必要はないです。

 

 狙いは(スローネ)アイン!!!!お前だ!!! 

 

 

『──────なっ! 新手か!?』

 

 

 そうだよ(肯定)

 機体性能はあちらが上ですが、パイロット性能はこちらが上です。さらに、スローネアインはハムに腕を切り落とされていますので、接近戦に持ち込めばこちらの独壇場です。

 動くな! 1mmも動かずビームサーベルを受け入れろ……! 

 

 

『させるか!』

 

 

 GNランチャーを撃たれますが、構いません。GNフェザーを発動しながらシールドを構えて突撃します。

 GNランチャーは強力ですが、ハイメガでなければシールドと複合装甲、そしてGNフェザーがあれば防げます。そのかわり装甲とシールドはおじゃんになるので、脱ぎ捨てて機動性を上げます。受け取れえええええ!! 

 

 

『くっ!』

 

 

 はい、GNランチャーを切り取れました。

 フハハハ! ついに手に入れたぞ! ここは安定させるように何度も練習した甲斐がありました! 

 

 あとは、この隙にティエリアくんがトライアルシステムを展開すれば、やることはありません。強制解除されますが、ロックオンの兄貴が助太刀して戦闘終了になります。

 

 

 

 

 

 キリがいいので、今回はここまで。次回もよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 絹江・クロスロードは、AEUのリニアトレイン公社前で立ち尽くしていた。

 

 彼女は独自の調査で新型のガンダムに【ラグナ】が関係していることを突き止め、公社の総裁であるラグナ・ハーヴェイへと会いに来ていた。

 振り返れば、同社の総裁に辿り着くまで、彼女自身も驚くほどに運が良かったと言わざるを得なかった。なにせ、たまたま日本の会社にいる上司へ相談した際、絹江の会社であるJNNの株主にラグナ・ハーヴェイという人物がいることを知ったのだから。

 まさかとは思ったが、他に手がかりもない。上司からいい加減首を突っ込むなと言われたが……とにかく、少しでも話を聞くことができればと思って足を運んだ。しかし、門前払いされるばかりで途方に暮れるばかり。

 

 さらに、同時期に唯一の肉親である弟の沙慈が、海外で事故に遭ったガールフレンドのルイス・ハレヴィのいるスペインに行く、とメールで告げられ、しかもルイスの事故の原因は例のガンダムによる襲撃で──────と、頭が痛くなるような思いもしていた。しかし、彼女を呆然とさせたのはそれが原因ではない。

 

 面会中で相対して貰えなかったはずの公社から、来客と思しき者たちが出てきた。見たところ、中国系の服装をしている二人の男と一人の女。男はともかく、女の方は絹江も見覚えのある──────王留美であった。なるほど、確かにあれほどの人物であれば、一介の記者の相手をする暇があるはずもない。

 

 相手は世界有数の名家の当主。

 さすがに突撃で取材を依頼することはできないだろう。しかし、彼女からガンダムの情報が得られるかもしれない。そんな歯痒い思いをしていた折だった。

 

 王留美は立ち去ってしまう。一人の男を残して。

 絹江は好機と見た。当主ならともかく、おそらく護衛の者であれば話しかけるハードルは低くなる。大して情報は得られないかもしれないが、せめて取っ掛かりだけでも得られればと思い、男に話しかけた。

 

 

「あの、すみません。ちょっとよろしいでしょうか? 私、JNNの記者です。あの、ちょっとお話をお伺いしたいのですが……」

 

 

 近くで男の顔を見て、どこかで見覚えがあると思った。はっきりとは思い出せないものの、つい最近見かけたような気がしていた。確か、ユニオンに取材へ行った際、浴びるように酒を飲んでいた男が居たような──────

 

 そこまで考えたところで、まさかと絹江は違和感を切り捨てる。あの飲んだくれとは明らかに雰囲気が異なっている。

 現に、男は一切表情を崩さずに、まっすぐに絹江を見つめている。その迫力に、無意識に生唾を飲み込んでしまう。

 

 

「あ、あの……よろしい、でしょうか? 勿論、ご協力いただけた際の謝礼は───」

 

 

 弾みます、と言い終わるよりも前に、男の顔が近づいてきた。男の顔が耳元まで距離が近づく。

 ぎょっとした反面、内密な話かとも期待した。

 もし、本当にガンダムに関する話であれば、この場で話すには些か開きすぎている。であれば、場所を変えようと提案した、その時であった。

 

 ……その言葉を、絹江は生涯忘れることはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────お前を殺す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そして、今に至る。

 

 

「何なの、あの人……」

 

 

 冷や汗が止まらなかった。

 あの男から発せられる殺気は、少なくとも一般人には耐えられないほどの鮮烈かつ、無機質な恐怖を駆り立てる。まるで、全自動で動く裁断機を前に、裁断される順番を待っているような感覚だった。

 

 しかし、絹江にはひとつの確信があった。

 

 

「やっぱり私は、真実に近づいている」

 

 

 上司や同僚、後輩にも散々止められたが、間違いなく己は核心に迫ってきているということ。

 その事実が、彼女の震える足を立たせる原動力となる。

 

 

「父さん……私も、事実を繋ぎ合わせて、真実に……!」

 

 

 亡き父の思いを継く女は、今日のことを忘れないように記憶に刻み、再び虚飾にまみれた真実を追い求めるべく立ち上がらせる。彼女はラグナ・ハーヴェイ、そして、己を殺すと宣言したあの男の行方を追う決意がこもっていた。

 

 このままラグナ・ハーヴェイと面会しに行きたい気持ちが募るが……絹江は踏みとどまった。勝手に弟がAEU(こっち)に来ようとしている。さすがに姉としては放っておけなかった。ため息をひとつつくと、スペイン領までの経路を調べながら公社へと背を向け、その場を後にした。

 ……公社から出てくる、血のように赤い車の存在を気づかないまま。

 

 

 

つづく




この場では生き残りましたね。

作中登場する機体について(2ndシーズンより反映します)

  • 俺がガンダムだ(原作・外伝機体のみ)
  • バエルだ!(他作品の機体なら良いよ)
  • 私色に染め上げて欲しい(オリ機体も可)

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