イノベイター壊滅RTA ガンダムマイスターチャート【参考記録】   作:練り物

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 度々になりますが、アンケートのご協力ありがとうございました。
 取り急ぎ、この話で方向性だけでも示せることができればなと思います。


裏話︰再臨前の小休止

 ──────経済特区・日本。

 

 昔からユニオンと人革連の交流は盛んだったが、連合が“連邦”と名を変え、加盟国が増えてからというもの、さらに元AEUも交えた経済の中心地として発展の一途を辿っている。

 周辺の国々も連邦に加入しているためか、街中にいる者は戦争とは縁のない生活を過ごしている。

 

 

「あれからそろそろ五年……か」

 

 

 真冬の夜、絹江・クロスロードは白い息を吐きながらビルの大型ビジョンをぼんやりと眺める。

 映るのは、何の変哲もないニュース番組。独立治安維持部隊であるアロウズが設立されてからというもの、いつも似たような報道ばかりで欠伸が出そうだった。

 

 思いを馳せるのは、ソレスタルビーイングによる武力介入の只中にあった頃。

 当時はバラバラであった各国も、彼らという“共通の敵”の登場により結託し、対処にあたった。ガンダムが居なくなった今も、こうして分裂することなく統一国家としての歩みを進み続けている。

 

 

「……イオリア・シュヘンベルグは、本当にこの結末を予期していたの?」

 

 

 イオリアの目的は連邦政府の実現だったのか。

 それとも、あくまでここは通過点でしかないのか。

 もはや誰も知る人間も、知ろうとする人間もいなかった。

 

 既に、彼女も記者ではない。

 理由はわからないが、絹江が独自に動いていた取材活動が上層部にまで話が及んでしまった。社内で認められていない謝礼の出費はまだしも、取材したユニオン軍人の消息、大株主であるラグナ・ハーヴェイへの突撃取材と……さらにはその後の暗殺事件。気がつけば、危険な橋わたりどころか、大きな川の氾濫に巻き込まれる寸前であったことが判明した。つまるところ、首を突っ込みすぎてしまったのだ。

 

 社内で色々とごたごたがあったが、最終的には後方部門へと左遷されられてしまう始末。勿論、彼女は猛反対したが、当時の上司と弟の沙慈が結託して必死に説得された結果、しぶしぶ了承することになる。

 

 ……今思えば、彼女自身も確かに無謀だったと反省していた。

 もしあのままイオリアを追っていれば、今頃沙慈は天涯孤独になってしまうかもしれないところだった。望んだ部署ではないにしても、干されることもなく順調にキャリアを積めているのは、充分に恵まれている立場だろう。

 

 けれど、絹江は芯から諦めることはできていない。

 謎は残されたままどころか、都合のいい情報が覆いかぶさるように真実が隠されようとしている。今もなお、彼女の心中では父親から受け継いだ意志が、炎のように燻り続けている。

 

 今の絹江には、虚飾を剥がす力も真実を追う立場もない。

 ……唯一手がかりがあるとすれば、あの男(・・・)の存在だ。

 

 

「あの人、いつ私を殺しに来るのかしら……」

 

 

 リニアトレインの公社前で会った、王留美の護衛をしていた男。

 殺す、と言い残してから一度も彼女の前に現れることなく、もう五年になる。

 一体、今頃何をしているのだろうか。

 もしや、彼も始末されてしまったのではないか。

 

 

「やめやめっ! 今は沙慈の就職祝いをしないと!」

 

 

 頭を振って頭を切り替える。

 殺しに来るのを待つなんて、悪い冗談だ。

 

 今はそれどころではなかった。

 何故なら、ようやく弟が念願の仕事に就職することができたのだ。これから宇宙に上がることも増え、顔を合わせる機会も少なくなる。昔のガールフレンドをいつまで経っても引きずっている点は少し心配であるが……盛大に祝って送り出してやろう。

 ……絹江の心中には、弟が自立した後はどうしようか、なんて若干の下心もあるのはここだけの話である。

 

 ふと、頭に冷たいものが当たり、思考を中断させられる。

 空を見上げれば、灰のように小さい雪が振り始めていた。

 

 急いで帰るべく、絹江は再び夜のビル群へと歩みを戻す。

 踏み出した足は、強く地面を踏みしめていた。

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 とある宙域の資源衛星群。

 そこでは、一度は壊滅したソレスタルビーイングが新たなる力を蓄えている最中であった。

 薄暗い部屋の中、目を刺すように眩く照明に照らされる格納庫のハッチには『GN-0000』と刻まれている。

 

 ダブルオーガンダム。

 トランザムシステムと同じく、イオリア・シュヘンベルグから送られてきた“ツインドライヴシステム”の理論を用いた初めてのモビルスーツ。

 ……相性の問題で、手元にある既存の太陽炉では起動できないことは悩みの種だが、実現すれば既存のモビルスーツを凌駕する存在になることは間違いない。

 

 ──────世界を変える力。

 その魅惑的な響きに、最大出資者である王留美は歓喜に震えそうであった。

 

 

「ダブルオーと、もう一機ありますわね?」

 

「ああ、あれか……」

 

 

 ダブルオーの隣に、もう一機分のハッチがあった。他とは違い、表面には何も刻まれていない。単なる空き区画ではないことを彼女に見抜かれたイアンは、どこから説明するべきか悩むようにヘルメットを抱えた。

 

 

「王女サマはガンダムの歴史についてわかっていると思うが……」

 

「当然」

 

 

 五年前に武力介入をしていたエクシアやデュナメスは第三世代。

 その前身である実験機として開発されていたアストレアやプルトーネといった第二世代。

 そして第一世代(0ガンダム)

 

 ジンクスが導入される前において、当時のモビルスーツを圧倒的に凌駕した性能もまた、度重なる試行錯誤の末に完成したものである。イアンの反応から、大前提として今までのガンダムの歴史について理解が必要になる代物のようだ。

 

 

「しかし、それが何の関係があるのですか? 第一世代から第三世代……ダブルオーを含めて第四世代までのガンダムがありますが、どれかのガンダムの発展機になるのでしょうか?」

 

「いいや、新しい機体は第一世代だ」

 

「第一世代……?」

 

 

 頭の上に疑問符が浮かぶ。

 第一世代となる機体は0ガンダム一機のみ。それはかつて実際に武力介入を行い、最期まで数々の敵を屠って散ったことは彼らが一番知っているはずだ。それをまた開発し直しているとでも言うのだろうか。

 

 すると、イアンは不敵な笑みを浮かべてこう切り返した。

 

 

「もし、ワシ達の知る0ガンダムが、本来の姿で(・・・・・)はなかった(・・・・・)、と言ったらどうする?」

 

「──────!」

 

 

 一瞬、王留美は耳を疑った。

 あえてイアンは構わずに端末を操作させながら説明を続ける。

 

 

「太陽炉の実用稼働、GN粒子の特性の解明、それを活かした兵器技術の開発・転用……やることは山積みだったんだろうが、それにしても、0ガンダムが開発に一世紀以上もかかった理由に、疑問を持つべきだった」

 

 

 イオリアが存命だった時代から、ガンダムの登場まで数世紀の空白期間があった。太陽炉の製造からヴェーダの開発や資金調達、ガンダムも数え切れないほどの性能実験を重ね、あらゆることに苦心していたのは理解できる。

 本当の理由は今になっては誰にもわからない。例外はあるかもしれないが、0ガンダムの開発に着手した者は既に没しているからだ。

 

 イアンも、そう考えていた。

 ……たった今、王留美の前に提示したものを見るまでは。

 

 

「これは……!?」

 

「0ガンダムの設計図だ。トランザムシステム、ツインドライヴシステムと同時に、ワシ達に送られてきたデータだ。そして、この設計者は──────」

 

「──────イオリア・シュヘンベルグ」

 

 

 王留美も、後ろに控える紅龍すらも息を呑む。

 数世紀前の人間が、ビデオメッセージで“ガンダム”のことを言及していたのは、彼自身も開発に関わっていたからであった。

 

 

「推測だが、後続の技術者は不完全な設計図から探り探り開発していたんだろう。まあ、完全な設計図があったとしても、はっきり言ってこんな技術や構造、理論全てに無茶にもほどがある。技術者泣かせ、なんてレベルじゃあない」

 

 

 余程苦労させられたのか、イアンは苦い顔を隠そうともしない。

 それも仕方ない。イオリアは科学者(・・・)であって兵器の技術者(・・・・・・)ではない。太陽炉を開発したとは言え、兵器開発に関しての実績については聞いたこともなかった。

 ……それを差し引いても、こうして数百年後には形になると踏んでいたあたり、彼の先見性には言葉を失うが。

 

 

「つまり……私達の知る0ガンダムの姿は、妥協によって形を成したものだと?」

 

「き、厳しいこと言ってくれるな……」

 

「ふふっ、冗談です」

 

「……まあ、当時では到底実現できない理論を前提に設計されているからな。それを実現可能なレベルで作り上げ、ワシ達が発展させていったのが、他の世代のガンダムたちだ」

 

 

 エクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ。

 彼らが知る0ガンダムから積み重ねてきた進化の過程が、間違いであるわけではない。得られたノウハウやデータは後続の機体に引き継がれ──────ダブルオーガンダムという到達点へと至った。再起したソレスタルビーイングの介入行動は、これからもガンダムたちによって成されることだろう。

 

 

「まあ、今のワシらなら話は違ってくる」

 

 

 これは、ある種の挑戦であったかもしれない。

 これまで培ったもの全ての力を注ぎ、イオリアが描いた地図に印された宝島への航海へと挑んだのだ。

 今、格納庫のハッチが開き、その全貌が明らかとなる。

 

 

「さあ、王女サマ。改めて紹介しよう。これが──────原初のガンダムの姿だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃー……プレゼン後は肩がこっちまう」

 

 

 宇宙服を脱ぎ捨て、制服へと袖を通す。

 最大出資者はダブルオーと例の機体を見て、かなり上機嫌になって帰っていった。成果発表としては上々と言ったところだろう。

 お客様の対応を終え、調整作業に戻ろうとドッグへ踵を返す。

 見れば、今度は別の者が立っていた。

 

 

「───っと、戻ったか、ティエリア。セラヴィーのテストはどうだった?」

 

「問題ない。これであれば、すぐに実戦導入できる」

 

 

 散り散りになったソレスタルビーイングで、唯一残っている正規のガンダムマイスターのティエリア・アーデ。支援組織(フェレシュテ)と合流できたとはいえ、実働隊に関しては慢性的に不足している。活動前と違い、連邦政府が確立した以上、ガンダムやソレスタルビーイングに反感を持つものが多く、スカウトも一筋縄ではいかないようだ。

 

 

「了解だ。他のマイスターが揃うまではどうしてもお前ばっかり負担がいっちまうが……こっちも可能な限りサポートする。頼んだぞ」

 

「望むところだと言わせてもらおう」

 

 

 不敵に返答するティエリア。

 その瞳にヴェーダとの繫がりばかり盲信する考えは存在しない。確固たる自身の意志が宿っている。良い意味で“人間臭くなった”ティエリアは非常に頼りになり、イアンや他の後方部門の人間も頑張ろうと思うようになる。

 

 ふと、ティエリアが視線を明後日に向ける。

 辿ると、先程まで王留美が見つめていた、何も刻まれていない格納庫のハッチが気になっているようだ。

 

 

「お前も気になるのか」

 

「ヴェーダにも、このような情報はなかった。もしかしたら、彼が0ガンダムを使い続けていた理由は……」

 

「知っていたんだろうな」

 

 

 あの男であれば、何を知っていてもおかしくないと思えてしまう。現時点で真相を問いただすことは叶わないが。

 ……そもそも、0ガンダムに限った話ではないともティエリアは思う。

 

 

「僕は彼について、何も知らないのだな」

 

「そう言えば、ワシの他にアイツの出自を知ってるのはモレノだけだったか」

 

 

 刹那やロックオン、アレルヤの出自は知っている。

 仲間を信用できていなかった時代のティエリアはヴェーダを通じて確認した上に、本人からも直接語られたことがある。

 

 ただ、北斗に関してはいくら探しても、最低限の情報しか存在していなかった。出自、人種、経歴すべてが不明で、わかることは身長と体重程度だった。

 彼も自分自身について話す人間ではない。ティエリアとしては、それが刹那とは別ベクトルの不信感を抱く理由であった。

 自身にも言えることだったな、と今更ながら自嘲してしまうのが今の彼であるが。

 

 

「いい機会だし、アイツのことをお前たちにも話しておくか」

 

 

 後悔の表情を浮かべるティエリアを見かねたのか、イアンからこんな提案された。

 

 

「いいのか?」

 

「口止めされているわけじゃあないが、他言無用で頼むぞ──────おい、ミレイナも来い!」

 

 

 突然大声を出したイアンに反応するように扉が開く。

 するとバツが悪そうにツインテールの少女が顔を出してきた。

 

 

「パパ、バレてたですか?」

 

「ワシよりティエリアの方が早く気づいていたがな」

 

「う、アーデさんまで……ミレイナ、不覚です……」

 

 

 実際、たまたま居合わせただけのイアンの娘──────ミレイナは観念して近づいてくる。おそらくは戻ってきたティエリアを迎えに来たようだが、どうやらタイミングが悪かったようだ。

 

 

「ミレイナは北斗を知っていたのか」

 

「ちゃんと話したことはないですが、知ってるです! “無茶と無愛想と無鉄砲が服着て歩いている”人って聞いてますです!」

 

「……おい、それ誰が言ってた?」

 

「ハイドさんです!」

 

 

 自分の弟子が、娘に悪影響を及ぼしていないか心配になるイアンだった。

 彼女(シェリリン)曰く、友人(フェルト)をあそこまで泣かせたわりには温情をかけているつもりらしい。

 実際、人物評としては的外れではないし、イアンも自爆装置の件でぶん殴るつもりでいるため、なまじ反応に困ってしまう。わざとらしい咳払いをして気を取り直したイアンは、二人の前にひとつの画像を映し出した。

 

 

「何です、コレ?」

 

「赤道近くの無人島で発見された人工冬眠のためのポッドだ。ワシとモレノがソレスタルビーイングにスカウトされた直後に見つけたんだが……」

 

 

 人工冬眠──────コールドスリープ。

 再生治療が発達したこの時代においては発展することのない技術だ。話の流れから察するに、まさかとティエリアは思ったが、事実はイアンの口から直接告げられた。

 

 

「こいつの中に北斗はいた」

 

 

 ──────二人は言葉を失う。

 かの0ガンダムのマイスターは、いつかの時代から、どこかの島のポッドで仮死状態のまま低温で保存されていたというのだ。

 

 

「さらに、問題なのはこの装置を稼働させていた動力源だ」

 

 

 さらにポッド付近の部分を拡大させる。

 そこには、ソレスタルビーイングにとっては見慣れた以前の──────活動の要とも言えるべきものがあった。

 

 

「太陽炉……GNドライヴ……」

 

 

 目を見開き、呆然とするティエリア。

 理論上、太陽炉は廃熱もなく半永久的にエネルギーを生産する機関だ。いつ目覚めることになるのかわからないようなコールドスリープの装置を稼働させるには、確かに適しているかもしれない。画像で見ているせいか、ガンダムに搭載されているものよりも形が大きいような気がするが、もはやそんなことは些事でしかない。

 太陽炉とともにコールドスリープされていた過去の人間──────それが北斗・モレノと言う男の正体であった。

 

 

「……北斗に関しては、重要参考人として保護せざるを得なかった。目覚めたアイツは記憶障害を患っていてな。自分の名前や出自すらもわからなかったが──────ワシ達にはアイツがイオリアと何も関係がないとは断じられなかった。ヴェーダからマイスターの推薦があったんだからな」

 

「……ヴェーダ」

 

 

 繋がりをなくしてから久しい、量子演算装置の名を呟く。

 マイスターに相応しくない云々の話ではなく、今度は別の意味で北斗は計画に必要な存在なのだろうかと疑問が浮上してくる。

 

 

「あれ? オリジナルの太陽炉はガンダムの五つと、モレノさんのものを含めて、六つあったということですか?」

 

「そのうち五つはワシ達に、一つは支援組織に配備させられていたってわけだ。だが、ワシたちが持っている太陽炉が本当に現存する全てなのかわからん。まあ、アイツみたいなヤツが他にいてたまるかってんだ」

 

 

 その言葉には心底同意するティエリアであった。

 ……実際のところはわからないが。イオリアの用意周到なところは、トランザムやツインドライヴの件で充分に理解している。イオリア自身も実はコールドスリープで眠り続けているのではないか、とも思えてしまう。

 

 

「でも、今のモレノさんは冬眠からは開放されてますけど、前と同じですぅ……」

 

「ああ、昏睡状態が五年。モレノも手を尽くしているがな……」

 

 

 あの激戦で0ガンダムとともに死亡したと思われた北斗だが、現在はベッドの上で眠り続けている。

 

 生存に関しては、奇跡としか捉えようがない。

 戦闘終了後、コクピットと太陽炉がイアンたちが避難していたコンテナの方向へと飛来してきたために回収することができた。自爆する前にGNフェザーが展開されて、太陽炉とコクピットを守った状態で押し出されたのか……と推測したが、結局のところ何もわからなかった。

 

 ただし、太陽炉の盾になるように爆破の被害を受けた北斗は死亡寸前であった。

 瞳孔が開き切っている上に、肉体のあちこちに火傷や裂傷、部分的な欠損もあった。幸いにも、件のポッドで再びコールドスリープ措置をして、設備を整えた後に蘇生措置を施すというモレノの判断によって、辛うじて命は繋ぐことができた。

 しかし、数秒でも判断が遅れていたら間違いなく彼は助からなかっただろう。

 

 ラッセのように細胞異常を起こさずに済んだため、欠損部分は再生治療によって復元することもできた。

 ……ただ、危篤状態からの緊急時のコールドスリープ措置のせいか、今もなお昏倒状態のままだ。たとえ目覚めても、あらゆる後遺症が残ってもおかしくはない。

 

 最悪、このまま──────

 

 

「目覚める」

 

 

 イアンとミレイナの心中に過ぎった諦観を、迷い無くティエリアは否定した。

 

 

「彼は目覚める──────絶対にだ(・・・・)

 

 

 それは逃避ではなく、確信を持った力強い言葉だった。

 下を向きそうになっていた二人を顔を、信じて前を向こうと奮い立たせた。

 

 

「そうだな。ワシ達が信じないでどうするってことだ。ティエリアも随分変わったなぁ。一体誰の影響を受けたのやら」

 

「……ふっ、その通りかもしれないな」

 

「え、アーデさんにそんな人がいるのですか!? ミレイナ、聞きたいです!」

 

 

 目を輝かせながらティエリアに詰め寄ろうとするが、イアンに首根っこを掴まれて静止する。

 

 

「んなことより、お前は別の要件があったんじゃないのか?」

 

「あ、セラヴィーのテスト中に出てきたデータを渡しに来たのでした! てへっ!」

 

「……やっぱりクリスの後釜はシャルかシェリリンにした方がいいかもしれんな」

 

「わ、わーっ! パパ、意地悪ですぅ!」

 

 

 ヴァスティ親子のやり取りを見たティエリアの少し頬が緩む。

 昔なら騒がしいと切り捨てていたのかもしれないが、今の彼には微笑ましいものとして見ることができるようになった。

 全く、誰の影響を受けたのだろうな、などと考えながら再び視線を格納庫へと戻す。

 

 

「……信じているぞ。北斗。僕達で、ロックオンの想いを継ぐんだ」

 

 

 去り際の呟いたティエリアの言葉は、今もなお眠り続けている北斗のガンダムへも向けられていた。

 

 本来の0ガンダム──────という言い方はやや適切ではない。

 冗談とはいえ、イアンが王留美の発言を肯定しなかったのは、彼らにとって0ガンダムは今のガンダムのベースであり、共に戦ったガンダムである以上、間違っても紛い物などと言えないからだ。

 

 だからこそ、新生ソレスタルビーイングはこのガンダムに別の名称を用いることにした。ハッチに何も記されていないのは、それこそ(・・・・)がこのガンダムを称しているのだ。

 

 

「──────頼むぞ、0(ゼロ)

 

 

 始まりを示すそのガンダムは、己の主人(マイスター)を待ち続ける。

 まもなく──────天上人は再臨を果たすことになる。

 

 

 

 




 ゼロ(羽が生えているとは言っていない)

 というわけで、ここから他作品の機体も出していこうと思います。
 沢山の人から投票を頂けた上に、実際に接戦になるまで票が割れたこともありますため、可能なかぎりは0バック!のように原作の00の設定に合わせるように寄せていきたいなと思います。無理そうならゴリ押しします。

 次回から2ndシーズンに入りますが、ちょっと遅れるかもしれません。ご容赦ください。
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