カスミトアケボノ 「図書館」編   作:本条真司

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12話 アカツキオンステージ

「ふぅ…今日も疲れたな」

霊斗は自宅の前に転移し、鍵を開けて中に入った

「ん…あ、邪魔してるぜ」

そんな霊斗を迎えたのは、ダイニングの椅子で寛ぐ夜斗の姿だった

「……!?」

口をパクパクさせて霊斗が夜斗を指差すのと同時、ライフルの銃口が霊斗の頭に突きつけられた

「夜斗に指を向けるなって、私言わなかったかしら」

「言われてない!絶対言われてない!」

「奏音、やめてやれ」

神機を下ろした奏音が夜斗の隣の椅子に座り、神機の召喚を解除する

「お前らなんでここに…。って天音は!天音がいたのにどうやって入った!?」

「その天音ちゃんに招き入れられたんだ。つか呼んだのお前だろ」

夜斗はそう言って便箋に入った紙を霊斗に投げた

そこには、天音の字でこう綴られていた

“拝啓、冬風夜斗様。我ら魔族が統治者・緋月霊斗自宅における懇親会の開催を通知致します。パートナーをお連れの上、ご参加ください。また、日時及び時間については、明日の午後七時頃を予定しております。よろしくお願いいたします”

「あ〜ま〜ね〜!」

「まぁそう怒るな、緋月当主。本来なら俺が開催し、通知せねばならんことだ」

夜斗はそう言いながら机の上に置かれたコーヒーを手に取り口に含み、吹き出した

「天音ちゃんコーヒーに何入れた!?」

「え?砂糖と間違えたフリをして塩を入れてみたんだけどどうかな?」

「どうかなじゃないわ!あとフリって言ったな?完全にわざとだよな?」

「…天音、あまり遊ばないでほしいわ」

「ごめんねー」

クスクスと笑いながらキッチンから天音が顔を出す

瞬間、霊斗は魔術を起動、火の矢を天音に向けて飛ばす

「《執行者》執行モード、ゼロワン。シールド」

奏音の小声に反応し、神機が遠隔で天音の前に障壁を張った

それが火の矢を受け止め、掻き消す

「女の子に手をあげるものじゃないわ、緋月霊斗」

「また銃口を向けた!?銃口を人に向けちゃいけないって習わなかったのか!」

「「図書館」の狙撃手が人に向けないわけがないだろう?日本政府壊す前は奏音が反「図書館」勢力から防衛していたんだからな」

夜斗はそういって新しく天音がいれたコーヒーを飲む

そして机の上にカップを置き、霊斗の方に体を向ける

「今日きたのは他でもない、他国の魔族のことだ」

「…聞こう」

霊斗は夜斗の前におかれた椅子に座り、その横に天音が座る

「時間を開ける意味もない、本題に入る。まず他国が攻めてきた場合、自衛権で駆逐するのは当たり前なんだが」

「当たり前ではないだろ…。それで?」

「その際魔族が入っていた場合どうするかなと思ってな。日本の魔族はお前に文句つければいいし八つ当たりもお前でいいが」

「よくはないな!?」

霊斗は思わず叫ぶ。当然だ、過激派の所業の責任まで負うなどという理不尽を宣言されたようなものだからだ

「過激派はどうでもいい、殺すからな。穏健派もよく思わないものがいるだろう。そういう奴らがきた場合はお前に八つ当たりする」

「…理不尽だ」

「海外の場合、穏健派も過激派もない。故に消そうと思ったんだが…。それは緋月でどうにかなるのか?」

夜斗はそう言いながら奏音に目を向けた。奏音は視線を受けて、パソコンによって動画を見せる

そこに映っているのは、欧州型吸血鬼だ。路地裏にて、抵抗できない日本人女子高生を拘束し、服を剥いでいる

「これは…!」

「見て分かる通り、欧州型…つまりはイギリス辺りの魔族だ。まぁ無論このあと消したんだが、これが問題だと言われると困る」

映像では、頭部に狙撃を受けて倒れる吸血鬼が映った

天音の前に座る奏音による狙撃だろうと予測したと同時に戦慄する

映像に映っているのは岐阜県だ。電柱にそう書いてある

仮に支部がある大阪から撃ったとしても、かなり遠距離だ。この距離を狙撃したのであれば、その恩恵(ギフト)の力は計り知れない

「…それは、俺がなんとかする。この映像をもらってもいいか?」

「ああ。奏音」

名前を呼ばれた奏音は立ち上がり、椅子にかけてあった女子らしいポーチから、女子らしからぬモノを取り出した

それはUSBメモリだ。見た目はビジネスマンが使うような、かなり質素なもの

「これに映像が…?」

「ああ。存分に役立ててくれ」

夜斗はそういって奏音から受け取ったUSBメモリを霊斗に向けて無造作に投げた

それをキャッチした霊斗が、そのメモリを眺める

「魔術妨害術式…」

「それも奏音の恩恵だ。一応暗号化してるからな、それを魔術で解かれては困るだろう」

「暗号化解けないぞ、俺」

「それは大丈夫だよ、霊くん。解析ソフトさっきもらったから」

「使えるのか…?」

「よゆーだよ。私だもん」

天音はそういってVサインをした

夜斗はそんな二人を見て口端を微かに持ち上げる

「さて、仕事の話はこれで終わりだ。あとはお前から要望はあるか?」

「あ、ああ…まず───」

霊斗と夜斗の会談は夜通し行われた

 




緋月からの要望は、緋月一族編にて発表されます(多分)
そちらでご覧ください
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