カスミトアケボノ 「図書館」編   作:本条真司

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42話 冬風夜斗暗殺計画

「派手に行くぜ!」

黒鉄は夜架と共に西に向かって走り、草薙と流華は東に向けて進軍し始めた

と同時に、奏音に呼ばれた佐久間・アイリス・雪音・桜音・愛音がグレイプニルから飛び降り、着地。夜斗の隣に並ぶ

「霊斗、南を頼む。俺たちは北を制圧する」

夜斗はそう言って、神機を地面に突き刺した

頷きながら霊斗は召喚獣を出し、兄妹たちを従えて南に移動する

夜斗たち恩恵保持者は北にいる人間を前に、人工恩恵保持者を含む8人が恩恵を起動した

いつぞやの飛龍が雪音、桜音、愛音に飛び込み恩恵として起動する

「おそらくは戦闘するのは最後になる。俺たちの力を示すぞ」

「ふっ、まさかこんなときがくるなんてね。窮鼠猫を噛むとはよく言ったものさ」

「んー…。まぁ、私も鈍ってたしたまにはいいかな」

「久遠たちには拠点を守ってもらうとして、私たちは自分の身を守ろうかしら。過激にね」

神機が召喚され、雪音たちも武装を召喚した

「「「「神機解放!」」」」

「研ぎ澄ませ、バスターソード!」

「解放。華やげ、ターミネートキャノン」

「芽生えよ、メテオバスター」

雪音の大剣、桜音のガトリング砲、愛音の大砲

それぞれが赤い光を放つ

そして夜斗たちの神機が淡く輝き、解放される

「ここから先は俺たちの戦争だ。俺を殺そうとしたこと、地獄で後悔しろ」

夜斗の神機が横一文字に薙ぎ払われ、剣圧により戦闘機が切断される

アイリスはレッドタブレットを使い、アイリスの意思で動く戦闘用機械人形と魔術人形を構築する

「愛音、私を守っといてね。制御で忙しいから!」

機械人形と魔術人形が襲い来る人間相手に素手で立ち向かう

柔道合気道などなど、あらゆる武術を利用して人間を倒し、その人間が持っていた武装を使って剣術や射撃、斧を利用して新たな人間を蹴散らしていく

「ふむ、アイリスだけには遅れを取りたくないね。他の人ならまだしも」

「私だけにはってなにさ!」

機械の羽が複数のナイフになり佐久間の手に収まる

そしてそれを扇のように広げ、投げる

「僕の神機の能力は、複数の設定を競合させずに持つことができるというものだよ」

佐久間が指を鳴らすと、ナイフたちがそれぞれ別々の属性を纏った

あるものは火、あるものは氷、あるものは雷

本来は同じ神機である以上、一つの属性に留まるのだが、解放すれば意のままに操作できる

「血気盛んね。私も本気でやろうかしら」

クスリと笑って奏音が銃を構える

「私の神機は、複数に増えることができるわ。他の能力じゃ意味ないけど、私の能力を使えば全周囲砲火できる」

数百に上る奏音の神機が召喚され、照準を始める

終わったとき、奏音は全てに射撃の命令を出した

「…別に俺いなくても終わりそうではあるが…。俺の神機は、振ったときや矢を放ったときの風圧で、人間の肺活量や声域で唱えられない失われた秘術を起動する」

弓に変形した神機に矢をつがえ、放つ

「魔術・殲滅の残光。ちょっと控えめバージョン」

夜斗の放った矢が魔法陣を形成し、そこから数多の光の矢が降り注ぐ

矢の雨は人間や魔族など一切関係なく心臓を貫いていく

「…あれ、控えめにしたつもりなんだが…」

夜斗は自分で実行した惨劇に目を点にして呟いた

これで北側は全て鎮圧したことになる

「南側オワタぞ」

「それはどっちだよ」

「東西完了だ。あとなんかあるか?」

「ないと思うが…」

恩恵保持者&緋月家VS過激派魔族&反図書館の戦争は、圧倒的な大差をつけて夜斗たちが勝利した

元政府たちもやっと諦めがついたのか、とある崖――アイリスが黒鉄と初めてであったあの場所から、身を投げたという

「…終わったな。長かったぜ、作者的に」

「メメタァ…」

 


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