転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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思いの外長くなってしまった上にここしばらく投稿出来てなかったので、分割して初投稿です。



第六話 俺とオペレーター陣と八紘さんとツヴァイウィング(前編)

 

 

我輩は異世界転生者である。

……前にもやったな、これ。

まあ、ともかく。

俺は異世界転生者だ。

戦姫絶唱シンフォギア……にそっくりな世界に転生し、日夜シンフォギア装者としてやっていく為にキャロルちゃん師匠のシゴキに耐える日々を送っている。

 

アニメの世界に転生した男である。

 

創作ではよくあるモチーフとなった転生であるが、当事者としてはどんな感じだろうとは、転生当時はよく思っていた。

二次元なのか三次元なのか。

 

答えは三次元。

アニメの実写ドラマで、アニメの人物と瓜二つの俳優女優を起用した、そんな感じだ。

実写ドラマ化に反対していた人がキャストを見て手のひらを返す、それぐらいそっくり。

そっくりというか、本人なのだが。

 

それを踏まえて藤尭朔也と友里あおいの話である。

二人とも二課のオペレーターである。

藤尭さんは軌道計算に優れていて、友里さんはコーヒーインストラクターの資格を持っている。二人とも仕事の出来るオトナである。

二課に所属して二人を紹介された時、アニメで親しんだあの姿の実写版が目の前に現れたのである。

 

あ、藤尭さんと友里さんだ。

 

紹介されずとも、魂で理解出来た。

藤尭さんは綾○剛に似ていて、友里さんは髪を切った仲間○紀恵。二人とも美形だぁ……!

 

さて、美形と仲良くなりたいと思うのは人の常、俺もそうである。

そして二人はオペレーターでもある。二人との連携も訓練内容に組み込まれており、様々なシチュエーションで二つの指示を聞いて最適な動きをする訓練も繰り返してきた。

 

聖遺物由来の火事が発生してマンション内に人が閉じ込められたとか、ノイズの大量発生で民間人の避難が遅れているとか。

 

そんな訓練を繰り返してきて、また前世の営業経験も活かしてコミュニケーションしてきた結果。

藤尭さんと友里さんとは、中々仲良くなれたのであった。

 

 

 

「はい、あったかいものどうぞ」

「あったかいものどうも」

「あったかいものあざっす」

 

夕方。

休憩室にて。

友里さんの淹れてくれたコーヒーを受け取る藤尭さんと俺。

前述の連携訓練終了の後の休憩である。

 

「あ"ー、うまい!」

「ふふ、ありがと」

「子どもがコーヒーの味わかるのか?」

 

五臓六腑に染み渡るコーヒーを楽しむ俺。

そんな俺を見てからかう藤尭さん。

 

「わかりますー。家のコーヒーより美味しいですし」

 

それに前世で飲んだコーヒーより美味しいからネ!

 

「嬉しい事を言ってくれるわね、はいサービス」

「あざまーす!」

 

友里さんからチロルチョコを貰う。

 

「あ、ズルい」

「素直に美味しいって言ってくれる子にしかあげません。で、藤尭くんは?」

「……美味しいですよあおいさん」

「はい、よろしい」

 

藤尭さんもチョコを貰う。

うーん距離感が近い。

これはふじともなのだろうか?

 

 

 

藤尭と友里の関係は?【1D6】

 

1 ただの仲の良い同僚

2 ただの仲の良い同僚

3 ただの仲の良い同僚

4 両片思い

5 ただの仲の良い同僚

6 藤尭さんは補食された後

 

結果、【2】

 

 

 

いや、ただの距離感が近い同僚だな。

前世で社内恋愛チェッカーお局山下の薫堂を受けた俺が言うのだから間違いないのである。

 

「それにしても今日も大変だったわね」

「あれはなぁ……」

 

今日の訓練の話である。

午前中、戦闘訓練では得られたデータを元にシミュレートされた異形パーフェクトソルジャーと戦ったのが切っ掛けである。

これがまた強敵なのだ。

腕を振るえばコンクリートがプリンめいて砕け、戦車砲を受けてもピンピンとする耐久力を誇り。一瞬で時速200㎞に達する瞬発力。

バルベルデでアメリカンパーフェクトソルジャー軍団が負けたのもわかる強さである。

こんな化物と戦わされたのだ。

 

俺は凄く頑張った。

隙を突いて切り、削り、焼き。反撃をギリギリで避けて、受けて、流す。

永遠に続くかと思われた攻防を凌ぎきって倒したのだ。

初見で。

倒したのだ。

凄く頑張った。

 

それを見ていたキャロルちゃん師匠。

「ほう、午後からの訓練は厳しくしてもよさそうだな」と呟いて。設定を弄くったかと思ったら。

午後からの藤尭さんと友里さんとの訓練にて、三体の異形パーフェクトソルジャーと戦わされた。

民間人の多く居る休日の商業施設、という設定で。

当然民間人の避難と救助を最優先にしなければならない。

だが三体の異形パーフェクトソルジャーである。

そう簡単に避難も救助もさせてくれない。

まず近場の人を狙うし、俺が見えていたら優先して俺を襲う。

 

何度も死んだ。

その度にキャロルちゃん師匠からボコボコに詰られた。

阿呆め何を死んでいるんだお前のせいで民間人が多数死ぬぞ午前中の奮戦はマグレか?等々。

藤尭さんもドン引きだし友里さんも厳しすぎると提言してくれたのだが、キャロルちゃん師匠は頑として聞かず。

 

俺も悔しいので何度も再挑戦して。

3時間。

それだけ再挑戦しつづけてやっと、民間人の犠牲なしに異形パーフェクトソルジャー三体を倒したのであった。

 

友里さんはその訓練の事を言ったのだ。

 

「一鳴くんの訓練は何度も見てきたけど、やっぱり厳しすぎるわ。弦十郎副司令も八紘副司令も何も言わないけど……」

「キャロルの言い分もわかるからなぁ」

「俺を少しでも早く一人前にする、ってやつですか」

 

現在、世界は神様復活のギリシャ、内ゲバでぐずぐずのアメリカ、ヴリル協会及び強硬派と合流したパヴァリア光明結社。その他聖遺物研究を始めたインドに聖遺物強奪を目論む中国、とカオスの極みにあり。

故にシンフォギア装者である俺の成長は急務である。

それがキャロルちゃん師匠の考え。

言ってる事はわかるし二課の上層部も許可してるけどやっぱりやり方が厳しい、というのが友里さんの考え。

 

「大丈夫、辛くない?」

 

友里さんが俺に目を合わせて聞いてくれる。

大きな瞳に整った鼻立ち、白い肌。仄かに香る良い匂い。

美人の顔が近いと顔が熱くなってしまうネ……。

 

「だ、大丈夫っす。なんやかんやでキャロルちゃん師匠、こっちが出来ない事はやらせませんし。出来たらちゃんと褒めてくれますし」

「そう? 辛かったらちゃんと言うのよ」

「うす……」

 

あたふたする俺を見て藤尭さんがニヤつく。

 

「なんだ?照れてるのかー?」

「て、照れてなんかいないですし! 美人だなーとか思ってないですし!!」

「からかっちゃ駄目だってば。 ……でも何かあったら言ってね、美人なお姉さんは一鳴くんの味方だからね」

「あざっす……」

 

にやにや、にっこり。

微笑ましい視線に晒されて俺はどうなってしまうのか。

そんな事を考えていたら───

 

「む、先客がいたか」

 

そう言ってグレイのスーツを着こなす副司令、八紘さんが休憩室に来る。

ビシッと立ち上がる藤尭さんと友里さん。

俺も一瞬遅れて立ち上がり挨拶する。

 

「お疲れ様です八紘副司令!」

「ああ、お疲れ様。三人とも楽にしてくれ」

「コーヒー、お注ぎしますね」

「すまない、たのむ」

 

友里さんが素早くコーヒーを淹れに行く。

洗練されてるなぁこの辺りの動き。

仕事が出来る人の動きだよ。

 

「君たちは訓練の後か?」

「はい。一鳴くんとの連携訓練です」

「そうか、どうだった?」

「なんとか合格点は貰えました」

「そうか、頑張っているようでなによりだ」

「あざっす……じゃなく、ありがとうございます」

 

うーん、弦十郎さんと違って八紘さんとの会話は少し固くなってしまうなぁ。

普段八紘さんは政府関係者との会合やらで二課には居ないしなぁ。あんまり話せないのよね。

 

「コーヒーお持ちしました」

「ん、ありがとう」

 

ごくり、一口。

 

「うん、美味しい」

「ありがとうございます」

 

ホッとする友里さん。

 

「……そうだ。三人とも、二週間後の日曜の14時から2時間ほど空いているだろうか?」

 

ふと、八紘副司令が聞いてくる。

 

「二週間後……俺は空いていますけど」

「私も空いてますね」

「俺はキャロルちゃん師匠とのトレーニングがありますけど」

「それなら私の方からキャロルくんの方に言っておくから大丈夫だ」

 

八紘さんがキャロルちゃんに話をして俺の予定を変えさせる程の用事、一体何事なのだろうか……?

 

「あの、八紘副司令?一体どんな用事が?」

「ああ。娘の翼のことだ」

「翼、さん?」

「ああ、一鳴くんは知らなかったわね?八紘さんの娘さんの風鳴翼ちゃん」

「時々フォニックゲインの実験なんかで二課に来てたんだけど……一鳴くんは会ったことなかったっけ」

「無いっすねー。タイミング悪く」

 

どうやら翼さん、時々二課に来ていたらしい。

でも俺、土日祝しか二課に来ないし、基本的にトレーニングルームに籠りきりだから会えていないのだ。

 

「で、その翼さんがどうしたんです?」

「うむ。翼がアイドルデビューしてな」

「それは、おめでとうございます!」

「スゴイじゃないですか!」

 

お、ツヴァイウィング結成したのね!

 

「ありがとう。聖遺物発掘チームの天羽くんの娘さんの奏さんとツヴァイウィングというユニットを組んでな」

「ああ、天羽さんとこの」

「あの【お宝センサー天羽】の娘さんの」

 

なんなんだ奏さんのお父さんのその二つ名は!

 

「そのツヴァイウィングの初ライブが二週間後の日曜日の14時から、七越デパートの屋上で行われる。……一緒に来てほしい」

「えぇ……」

「えーと……俺たちにですか?」

「そうだ」

「な、何故でしょうか……?」

 

何故一緒に行かなければならないのか。

何故一人で行かないのか。

なぜお宝センサー天羽を誘わないのか。

 

「その、な。恥ずかしいだろう、父親がわざわざ初ライブ見に来たなんて。年頃の娘には」

「まぁ、そうなんですかね?」

「そんな事無いと思いますけど。翼ちゃん、八紘副司令の事が大好きですから」

「そ、そうか?」

 

テレる八紘さん。

 

「と、とにかく。こう、ライブを父親がわざわざ見に来たなんて年頃の娘にはイヤだろうし、仕事の途中で偶然見かけたから、ぐらいの感じにしておきたい」

「だから俺たちに……」

「仕事の途中でデパートの屋上には寄らないと思うんですけど(名推理)」

 

友里さんの名推理にもめげる様子のない八紘さん。

 

「八紘副司令、お宝センサー天羽って人とは一緒に行かないんですか?娘さんとユニット組んでるんですよね」

「天羽くんはその日は遺跡調査の仕事でな……逆に動画撮影を任されてしまった」

「なんとタイミングの悪い……」

 

八紘さん曰く、血涙流していたらしい。

 

「まぁその日なら空いてますし大丈夫ですけど」

「私も大丈夫です。久々に翼ちゃんに会いたいですし」

「俺もキャロルちゃん師匠がOKなら問題ないっす」

「そうか、ありがとう!」

 

破顔する八紘さん。

すっごい嬉しそうだ。

 

そんな訳で俺と藤尭さんと友里さんの三人はツヴァイウィング初ライブを見に行く事になった。

 

 

 




書くたびに八紘さんに苦労人とか子煩悩とか変な属性が付いていっちゃう(ビクンビクン)

後編はまた一週間後辺りに……。
今宵は、ここまで……。
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