転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
宿将ニアールをなんとか倒せたので初投稿です。
今回はシリアス。
響ちゃんが学校でイジメられる話。
書いててしんどくなりました。
イジメ描写を微に入り細を穿つように描写出来る人たちは心が鋼で出来ているのかしら……。
そんな訳で109話、お読みください。
2月の事である。
しとしとと、涙雨の降る日であった。
雨雲で空が覆われ、薄暗い朝のこと。
学校の教室。自分の机の前で、響ちゃんが立ち尽くしていた。
「死ね」「人殺し」「金どろぼう」
などの悪口が書かれた、響ちゃんの机。
「あはは、またかぁ……」
響ちゃんが苦笑いしながらそう言う。
「響……」
未来ちゃんがバケツの中に水を汲んでくる。
「机、拭くよ」
俺は未来ちゃんの持ってきた水で雑巾を濡らす。
「立花、私もやる」
「あたしもやるわ」
クラスメイトの
「みんな、ありがと……」
響ちゃんは、目を伏せてそれだけ言った。
俺が退院して、しばらく経ち。
久々に登校したら、響ちゃんがいじめられていた。
原因は、ツヴァイウィングのライブで生き残ったから。
ライブの死者の2/3がノイズによるものでなく、逃走中の将棋倒しによる圧死や避難路を争った末の傷害致死によるものだと報道された上に、生存者や遺族にノイズ災害による国庫からの支援金が支払われる事が週刊誌に掲載されると、苛烈な自己責任論が世論を席巻するようになる。
心無い中傷が、多数の【一般人】に支持され世論となり、正義という名の暴力となるのだ。
それは、魔女狩りに似て苛烈で甘美。
故に、大多数の
響ちゃんも、そんな暴力に晒されていた。
いじめているのは別クラスの女子生徒。
その女子生徒が憧れているサッカー部の男子生徒が、ライブで死亡しており、なんの取り柄もない響ちゃんが生き残ってるのはおかしい、というのが理由らしい。
原作と同じ理由だ。
だが、原作と違ってクラスメイトの子たちは響ちゃんに同情的だ。
一夏や篠ノ之さんや凰鈴音さん、あと吉田なんかの善良な人間が在籍していたからだろう。
「千冬姉ぇ!!」
朝のホームルーム。
教室に入ってきた織斑先生に向かって一夏が声を荒げる。
「学校では織斑先生だ」
織斑先生がそう言う。
だが、いつもの生徒名簿による頭部攻撃がない。
「立花さんがいじめられてるのに、なんで学校は何もしないんだよ!」
「……」
一夏の言葉に織斑先生は目を伏せて黙る。
学校側も馬鹿ではない。
あからさまにいじめられている生徒を助けないなんてことはしない。
担任は織斑先生だし、校長は男塾塾長だし。
だが、いじめは収まっていない。
「イジメを行っている生徒についてはこちらで三者面談を行い、家庭でも指導してもらっている」
「でも、イジメは収まっていないではないですか?」
篠ノ之さんがそう聞く。
すると、織斑先生は、
「……再度、学校側でも指導はする。だがな」
と言いづらそうに言葉を続けた。
「イジメを行っている生徒が膨大すぎて全貌がつかめない」
「そんな……」
世論に踊らされた人々は多い。
情報の取捨選択が出来ず、他者を排除する暴力に伴う快楽に溺れる中学生は多いという事ね……。
「立花、不甲斐ない私達を許してくれ」
織斑先生は響ちゃんに頭を下げる。
「あ、いや! 私は大丈夫ですよ! あはは」
と、響ちゃんはそう言った。
その笑い声が虚しく教室に響いた。
◆
朝のホームルームが終わり。
俺は隣の席の吉田と話をする。
「で、ニンジャの吉田よ。この学校のイジメに加担する生徒について調査は済んでるよのね?」
吉田はクラスメイトであり、俺の護衛の緒川忍群の一員だ。
年経たメスダコと契約して使役している異端技術者でもある。
「ああ、もちろん」
中学校のイジメ加担率【1D10】
【7】割(最低保証5割)
「学校全体の7割の生徒がライブ生存者イジメに加担している」
吉田の報告に、一瞬目の前が真っ暗になった。
「7割? 70%? そんなに?」
「そんなに。世も末だな」
「悪魔が微笑む時代だよ」
この学校イジメの悪魔とか居るんじゃないの?
と、現実逃避したい所だけれどそういう訳にもいかず。
響ちゃんを守るために、なんとかしなければ。
と、考えていたら。
おトイレに行っていた響ちゃんと未来ちゃんが帰ってきた。
響ちゃんが、水浸しの状態で。
教室が静まり返る。
トイレで水をかけられたのか。
二人は何も言わずに自分の席に向かう。
未来ちゃんがタオルを、響ちゃんがタオルと体操服を持つ。
「立花、小日向!」
篠ノ之さんが声をかける。
「箒ちゃん、大丈夫だよ。大丈夫。へいき、へっちゃらだから」
「とてもそうは見えないわよ!!」
笑いながらそう言う響ちゃんに、凰さんがそう返す。
俺は、そんな響ちゃんに近づく。
「あ、ナルくん……」
「タオル貸して、風邪引いちゃうよ」
俺は響ちゃんからタオルを受け取ると響ちゃんをワシャワシャと拭いていく。
「わッ、ナルくん!?」
「未来ちゃん、タオル貸して」
「うん」
近づいていた未来ちゃんから、タオルを受け取り響ちゃんを拭く。
未来ちゃんは目が赤かった。
「なんで、響だけなの……」
未来ちゃんの目から涙があふれる。
「響ばっかり、酷い目に合うの……」
「ほんとにね……」
俺はそれだけ返した。
「本当に、酷い話」
◆
一鳴おこ度【1D10】
1 ちょいおこ
2 おこ
3 まじおこ
4 おこおこのおこ
5 プンプン丸
6 激おこプンプン丸
7 ムカ着火ファイヤー
8 カム着火インフェルノ
9 激おこスティックファイナリアリティプンプンドリーム
10 滅 尽 滅 相
結果【4 おこおこのおこ】
俺は怒っていた。
善良を気取る蒙昧な一般人に。
他者に暴力を振るうを快楽とする人間の悪性に。
なによりも。
響ちゃんがいじめられて、未来ちゃんが涙を流した事に。
俺は怒っていた。
過去形だ。
怒って、いたのだ。
怒りの時間は終わり。
往々にして、怒りは持続しない。
怒りの後にやってくるのは、憎悪か殺意だ。
そんな訳でお昼休み。
響ちゃんと未来ちゃんを篠ノ之さんと凰さん、あと一夏に任せて、俺は別のクラスの前に来ていた。
隣には吉田。
「いざという時にはお前を止めないとな」
「吉田……」
そんな吉田に感謝しつつ。
俺は隣のクラスの扉を開ける。
「ねぇ、今度はあの税金泥棒になにしよっか?」
「服脱がせて写真撮ろうよ」
「いいね、それ! あいつ身体つきはまあまあいいし、ついでに売春させようよ! あいつのツレの小日向とかいうのも一緒に!」
あら^〜不快な声!
殺意の高まりを感じるわ!
「お邪魔しまーす! このクラスにイジメやってるメスブタが居るって聞いたけど、誰?」
俺の言葉に、そのクラスの生徒たちが一斉に目を向ける。
「あ、なんだよお前?」
「君かい? 響ちゃんをイジメてるのは?」
目当ての女子生徒から声をかけてきてくれた。
ラッキーである。
「何あんた? あいつ助けに来たの? でもあいつ人殺しでしょ? 自分が助かるために人を押し退けて逃げたんでしょ?」
「サイテーの人殺しだよね」
「生きてるだけで害悪だよ、あんな奴」
取り巻き共とピーチクパーチク。
「はっはっは! 何も知らない癖に」
俺はその女子生徒の顔に狙いをつける。
「ほざいてるんじゃねェよ!」
そして右ストレート。
鼻の軟骨をへし折る感触。
「ぎゃああああ!」
当該女子生徒が鼻血を噴き出して倒れる。
「きゃああああ!」
「何してんだテメェ!」
取り巻きの女子生徒が叫ぶ。
「テメェらも同罪だァ!!」
女子生徒二人も殴り倒す。
鼻の軟骨を折った感触!
「いかれてるのかコイツ!」
同じクラスの男子生徒たちが俺を止めようとしてくる。
が。
「ふざけんなふざけんなふざけんな!!」
俺は大いに暴れる。
男子も女子も、何人も殴り飛ばす。
響ちゃんがいじめられていたのに、何もしなかった生徒を殴り倒す。
「どいつもこいつも!」
俺は大いに暴れる。
響ちゃんがいじめられて、未来ちゃんが涙した現実に拳を振り上げるように。
「何も知らない癖に!!」
教師たちもやって来て俺を止めようとする。
だが俺は暴れて抵抗する。
少しでも騒ぎが大きくなるように。
少しでも、問題が大きくなるように。
「渡! 止めろ!!」
織斑先生が後ろから羽交い締めにしてくる。
羽交い締めというか、完全に決まった裸締めだ。
逃げることが出来ない。
「あぁぁぁ!! がァァァ!!」
「渡!! もう、終わりにしよう」
織斑先生に極められて、俺の意識が遠くなる。
教室に入ってきた響ちゃんと未来ちゃんが見えて、俺の意識は遠くなった。
◆
重症6名。
軽症28名。
それが、俺のやらかした大暴れの被害であった。
「やってくれたな、渡」
保健室に寝かされた俺にそう言ったのは織斑先生であった。
俺が大暴れしたせいで、一年生の授業は中止。
一年生の担任教師は緊急職員会議をする羽目になり、被害生徒は病院に送られた。
「立花をいじめていたあの女子生徒も病院だ。鼻骨骨折だそうだ。顔面陥没していたら、学校では庇いきれなかったぞ」
「最低限の理性は残してましたから」
「手加減する理性があるなら、平和的に解決してほしかったよ」
織斑先生がそう言って、俺の頭を名簿で小突いた。
「で、目的は復讐か?」
「半分は」
「もう半分はなんだ?」
「今回のイジメの件が大事になれば、と」
響ちゃんがイジメられている事が教育委員会や保護者会に知れ渡れば、止められるだろうかと考えたのだ。
憎悪と殺意。
その2つに動かされた俺だが、一番は響ちゃんを守ること。
響ちゃんのイジメが無くなること。
「イジメに加担しているのは全校生徒の7割だとか。もちろん、全員が響ちゃんをイジメている訳ではないでしょう。他の生存者をイジメているのでしょうね」
「……だな。世も末だ」
「悪魔が微笑む時代、らしいですよ。でも、【みんなやってるから】でイジメをやる彼らに現実を教えてやればいい。イジメは立派な犯罪だって」
正義を標榜し、暴力を振るう彼ら。
だからこそ、今回の件が大事になり、彼らの内の誰かが罪に問われたなら。
【ライブ生存者は人殺しだから何をしてもいい】という空気は雲散霧消するだろうと考えた。
曲がりなりにも正義を標榜する彼らは、自分たちを善良だと考えているのだから。
「その為にお前が悪になる必要はないだろうに」
「だからこそ、復讐心で行動力をブーストしました」
「するな!」
少し強めに生徒名簿で叩かれる。
「まったく……」
その生徒名簿で肩を叩きながら、織斑先生が口を開く。
「今回の暴行事件は某女子生徒がイジメ被害に合っていた事に対する復讐。そのイジメについて、教育委員会が重い腰を上げて調査するだろう」
「はい」
「イジメに加担していたものには多かれ少なかれ処分を下す。
そして……、理由が理由だが、渡には今回の事件を引き起こした事を反省してもらうために、2週間の停学処分とする」
「わかりました。ほとぼり冷めるまでジッとしてろという事ですね」
「そういう事だ。……ああ、あと」
織斑先生が保健室の扉を開けた。
そこには、響ちゃんと未来ちゃん。
「二人と話をしておけ」
そう言うと、織斑先生は去っていった。
入れ替わるように、響ちゃんと未来ちゃんが入ってくる。
「ナルくん……」
「……」
未来ちゃんが黙って俺の頬をつねる。
「無茶しすぎ」
「
二人の瞳は潤んでいた。
「ナルくん、ごめんね。私のせいで……」
響ちゃんがそう言った。
「私のせいで無茶しちゃって……」
「響ちゃんのせいじゃないよ」
俺はハッキリとそう答えた。
「今回の件は響ちゃんのせいじゃない、絶対に」
悪いのはイジメをしていた生徒たち。
あるいは、そういう空気を作った世論か。
イジメられる響ちゃんに悪い点は一つとして無いのだ。
「そうだよ響」
未来ちゃんが続けて言った。
「悪いのは暴力で無理矢理解決したナルくんなんだから」
「ひゃい……」
未来ちゃんが再度俺の方を抓る。
「未来、ナルくんのほっぺた伸びちゃうよ」
「伸びればいいよ、もう!」
「
そう言い合うと、二人はクスクスと笑い合うのであった。
◆
夜。
帰宅して、晩御飯を食べた後リビングでのんびりとしていた。
お母さんは怒ったあと、好物のエビフライを作ってくれた。
響ちゃん守るためにやったのはわかってる、そう言ってくれた気がした。
お父さんからは、次同じことしないようにな、とだけ言われた。
だけどその目は優しかった。
そんな訳で。
食後にのんびりとしていると、電話が掛かってくる。
相手は響ちゃん。
今日の事で電話してきたのかな、と電話に出ると。
『ナルくん、お父さんが、お父さんが帰ってこないよ……』
と、言われたのだった。
大暴れした時の一鳴くんは、スチェンカしてるときの杉元とだいたい一緒です。
あと、一鳴おこ度で滅尽滅相出てたら、学校から生徒が何名か『転校』してました(震え声)
2041年から2043年の間の展開について
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二年後に!!!シャ(ry(時間を飛ばす)
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それなりに描写して♡(3〜4話分ほど)
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ちゃんと書け♡(話数が嵩む)