転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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エルデの王になったので初投稿です。
ラニ様結婚エンドを選んだので、2週目はフィアちゃんかハイータちゃんルートにしようかしら?

それはそれとして、そろそろ一鳴くんの新曲考えないといけない。
水着ギア編のときに水着ギア用の歌詞は考えたけれど使う暇なくて結局お蔵入りだし。
つんく♂や米津玄師とか考えてくれないかしらね……。


第110話 陰謀の夜、聖女は嘯く

 

 

立花洸。

響ちゃんのお父さん。

旧姓は守崎。

響ちゃんのお父さんは入婿なのである。

その洸さんが家に帰ってこないのだという。

 

『いつもなら、この時間には帰ってくるのに……』

 

時刻は夜の8時半。

日勤のサラリーマンである洸さんなら、7時前には帰ってきているはず。

それが、帰ってきていない。

残業するという連絡もない。

 

「二課に連絡しよう」

 

俺は電話口で響ちゃんにそう言った。

原作では、響ちゃんのお父さんは会社で大きなプロジェクトから外されて社内で持て余すように扱われてプライドズタズタになり、酒浸りになって家庭内暴力するようになって最終的に蒸発したのだったか。

だが、この世界では響ちゃんは既にシンフォギア装者となっている。

 

もしかしたら、シンフォギアの秘密を探ろうとした他国のエージェントに攫われたのかもしれない。

もし、そうでなくても二課及び緒川忍群の力を借りたらすぐ見つかるだろうし。

 

「わかった。すぐに捜索に入ろう」

 

弦十郎さんに連絡を取ると、そう言ってくれた。

そして、二課や緒川忍群を動かしてくれたのだが……。

 

 

 

響パパの行方【1D10】

 

1 わからなかった……

2 わからなかった……

3 わからなかった……

4 わからなかった……

5 わからなかった……

6 わからなかった……

7 謎の女性と会っていたのを最後に行方知れず

8 謎の女性と会っていたのを最後に行方知れず

9 謎の女性と会っていたのを最後に行方知れず

10 熱烈歓迎

 

結果【1 わからなかった……】

 

 

 

次の日。

俺と響ちゃん、未来ちゃんが二課に呼び出された。

洸さんの行方についてだ。

 

「お父さん、どこにいるかわかったんですか!?」

 

響ちゃんの言葉に、弦十郎さんは首を横に振った。

 

「すまん、わからなかった」

「そんな……」

「夕方、会社から帰宅して、響くんの家の最寄り駅に居たのは確認出来たのだが……」

 

前日の夕方6時過ぎ。

洸さんは退勤した。

終業直後であった。

ライブの前までは、30分から一時間は残業していたそうだが、社内で腫れ物のように扱われているので終業直後の退勤という事だろう。

それから、行方が摑めない。

 

「退勤ルートの監視カメラは?」

 

と、俺が聞く。

弦十郎さんは首を振った。

 

「駅からは人混みに紛れてしまってな。その後はまだ確認出来ていない」

「そうですか……」

「だが、な」

 

弦十郎さんは言いづらそうに口を開いた。

 

「当時、響くんの家の近くで他国のエージェントや悪意ある人間が活動していた訳ではないようだ」

「つまり……」

「……洸さんは、自分から居なくなったという事だ」

 

弦十郎さんが、その言葉を口にした途端。

響ちゃんが膝から崩れ落ちた。

 

「響ッ!」

 

すかさず、俺と未来ちゃんで支える。

 

「お父さん、逃げたんだ……」

 

響ちゃんが、呆然としながら言葉を紡ぐ。

 

「私が生き残って、会社で居場所なくなったから、皆に虐められたから」

「響!」

「私が、生きてるから……」

 

響ちゃんが大声で泣く。

その響ちゃんを未来ちゃんが抱き締める。

 

「響のせいじゃない。響のせいじゃないよ」

「うわああああああん!」

「響は悪くないから。絶対」

 

ぎゅ、と未来ちゃんは響ちゃんを抱き締める。

 

「弦十郎さん、捜索は続けてくれますか?」

「ああ。無論だ」

 

だが、と。

弦十郎さんは俺にしか聞こえないように声を潜める。

 

「俺たちも緒川忍群も諜報のプロだ。ただの会社員が行方をくらましても一週間で見つけるだろう。

だが、今回は妙だ」

「妙とは?」

()()()()()()()()()()()

 

弦十郎さん曰く。

素人が自分の足で失踪しても、何がしかの手がかりを残す。

例えば、監視カメラの映像。

例えば、目撃証言。

例えば、物的証拠。

 

しかし、今回それらが見つかっていない。

 

「今回の失踪、プロが関わってるかもしれない」

「プロ?」

「逃し屋、という奴だ」

 

犯罪者や、なにかやらかした人を秘密裏に他国に逃がす裏社会の住人のことだ。

それが今回関わっているのだろうか……。

 

「それでも二課で捜索は続ける」

「よろしくお願いします」

 

俺は弦十郎さんに頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

その日も立花洸は定時で退勤した。

ひと月前ならば、「もう帰るのか~?」と言われたし、自身も好んで残業していた。

だが、社内で腫れ物のように扱われる今となっては、定時でタイムカードを通しても何も言われなくなった。

屈辱だった。

 

かつてはバリバリと働いていたし出世レースにも乗れてたと思う。

入婿である自分が妻を子どもを、義母を経済的に支えていたのだという自負があった。

それが、今では……。

 

「チッ……」

 

思わず舌打ちが出る。

すべてが変わったのは、娘が遊びに行ったライブ会場でノイズ災害が発生したあの日。

多くの人が死んで、しかし娘は生き残れた。

無事に生きててよかったと思うし、社内でも生きてて良かったと喜んでくれた。

だが、取引先の、それも重要な取引先の社長の令嬢がそのライブで命を落としたのだという。

 

「そちらの社員のお嬢さんは生きてて良かったですな」

 

と、その社長は言った。

だが、よくわからない理由でその会社との取引量が減り、結果としてその会社との取引を重視していたプロジェクトを外された。

出世レースから外されたのだ。

それから、社内での扱いも変わった。

腫れ物のように扱われた。

屈辱だった。

会社内ではそれなりに優秀な人間として通っていたのに。

 

酒量が増えた。

妻との喧嘩が増えた。

先週、思わず妻を打ってしまった。

妻の怯え、憎み、そして哀しむ瞳が忘れられない。

 

「チッ」

 

また、舌打ちが出る。

苛立ちが収まらない。

また、帰って酒を飲もう。

飲んで、忘れよう。

すべて。

 

「少々すみません」

 

声をかけられた。

街角。

駅から家までの帰宅路の途中。

商店街の隙間にあるせまい横道から声が聞こえた。

 

「あなたは神を信じますか?」

 

そう言ったのは、僧衣を纏った若く美しい女性。

そのバストは豊満であった。

無視しようかと一瞬洸は思ったが、なんとなく返答した。

 

「居ないよ神なんて」

「何故そう思うのです?」

「いま不幸だから」

「それはなんと……。なぜ不幸なのか教えていただけませんか? 話すだけで楽になるやもしれません」

 

僧衣の女性はそう言う。

不思議と、洸は今までの顛末を話していた。

 

「娘さんが…………会社で…………奥様を…………なるほど。大変でございましたね」

 

長い時間話していた気がする、洸はそう思った。

しかし、洸は家路を急ぐ気にはならなかった。

もっと目の前の女性と話したいとすら思った。

だから洸は気付かなかった。

 

洸の周りに人が居なくなってる事に。

結界を使われていることに、洸は気付かない。

気付けない。

 

「洸さま。人はなぜ、そのように相手を思いやれぬ行動をするかわかりますか?」

「さあ。人の本性は悪だからじゃないの?」

 

洸は昔習った性悪論を諳んじた。

 

「いいえ。いいえ、人の本性は善ですわ」

 

僧衣の女性は言い切った。

 

「人は善です。無垢なるものですわ。ですが、それが歪められているのです」

 

僧衣の女性は一歩近付いた。

 

「洸さま、バベルの塔の逸話はご存知ですか?」

「聖書の? 神様に近付きたい人間たちが大きな塔を建てたけどそれが神様の逆鱗に触れて、人間たちが協力して塔を建てられないように言葉を乱したっていう奴でしょ」

「ええ、そうですわ。人類の言葉は乱された。意志の統一は阻止されたのです。それは過去にあった実話です」

 

僧衣の女性は一歩近付いた。

 

「人類の意志の統一は阻止された。そして、我らの神は統一言語に封じられた。我らの、人の意志を一つにする神」

 

僧衣の女性は一歩近付いた。

 

「善にして全なる神。我らがシェム・ハ。彼女は今も唯一の言葉に封じられているのです」

「シェム・ハ……」

「ええ。彼女が目覚めれば、人の意志は統一され、人々は歪められた本性を正して善なる存在に戻るのです」

「善……」

「ええ、善。人は善なるもの。それを歪めるは月」

 

僧衣の女性は夜空の月を指差した。

洸は月を見た。

 

「嘘ではありませんわ。すべて実話」

「……」

 

洸の脳裡に不思議なヴィジョンが浮かぶ。

銀の髪の女性が、青い髪の男性と空中で戦闘を繰り広げている。

 

「その御方が善なる神シェム・ハ。青い髪が言葉を乱したエンキ」

 

僧衣の女性の言葉が響く。

場面はエンキがシェム・ハを殺す所であった。

 

「シェム・ハはエンキの左腕を銀に変えましたが、エンキは自ら左腕を切り落とし、そのままシェム・ハを殺しましたわ。ですが、シェム・ハはその魂を統一言語に隠します」

 

エンキが消える。

そして、月が不思議な波長を発する。

 

「エンキが月の遺跡を操作して、地球上の人類の言葉を意思を乱します。シェム・ハは統一言語ごと封じられましたわ」

 

場面が変わる。

真っ暗闇の中、僧衣の女性が浮かんでいる。

 

「ですが、シェム・ハは諦めませんでした。人の意思を統一するため、その魂を切り分けて分身を作り上げました」

 

僧衣の女性の背後に大きな人影が浮かぶ。

銀色の髪のシェム・ハと同じ姿。

だが、その目は単眼だ。

 

「この御方こそ、シェム・ハの分け御霊シャダイ。我らを導くもの」

「あ……うぁ……」

 

神秘体験に洸は呻くしか出来なかった。

 

「洸さま。我らは求めています。我らと共に戦うものを。人の意志を一つにする為に戦う同志を」

 

僧衣の女性は洸に手を伸ばした。

 

「虐げられた人よ、私たちと共に来てくれませんか?」

「お、俺……が?」

「ええ。あなたの力が必要ですわ」

「……うぅ」

「我らと共に戦いましょう。そうすれば……」

 

僧衣の女性は嘯いた。

 

「あなたの家族はまた、あなたを必要としますわ」

 

ガチリと、その言葉が洸の心に嵌り込んだ。

 

会社で冷遇されて。

入婿の立場で家庭で肩身が狭くて。

妻の怯え、憎み、そして哀しむ瞳。

そんな現状を覆せる未来を見た。

 

「あぁ」

 

洸は恍惚と手を伸ばした。

シャダイと共に浮かぶ僧衣の女性が神聖なものに見えた。

洸は僧衣の女性の手を取った。

 

「あぁ、ありがとうございます。新たな同志よ」

 

ニッコリと、僧衣の女性は微笑んだ。

 

「あ、あなた様の名は?」

「あら、名乗っていませんでした」

 

うっかりでしたわ、と女性は言った。

 

「私の名は、至天院銘歌。同志と共に暮らすしがない僧侶でございます」

 

女性、銘歌は洸の手を引いて歩く。

 

「さあ、共に行きましょう。私達の家に霊峰富士の底の底。樹海の底にある我らの家に」

 

銘歌に手を引かれて洸は歩く。

闇の中を。

 

 

 

 

 

 

それから2年以上。

洸の行方は不明のままである。

 






次回の構想がまったくない(震え声)
またしばらく待たせてしまうかもしれません。
ユルシテユルシテ。

2041年から2043年の間の展開について

  • 二年後に!!!シャ(ry(時間を飛ばす)
  • それなりに描写して♡(3〜4話分ほど)
  • ちゃんと書け♡(話数が嵩む)
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