転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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貴重な夏休みに初投稿です。
終わりが近い夏休み、お辛い仕事を忘れるために本日二度目の投稿よ!
今回はひびみくがシンフォギア特訓する回です。


第113話 ひびみく大特訓

 

 

響ちゃんと未来ちゃんがシンフォギア装者になってしばらく。

ツヴァイウィングのお陰で、気持ちも取り直してシンフォギア装者の為の特訓にも力が入っている。

そんな二人の調子は……。

 

 

 

ひびみくの調子【1D10】

 

1 アカンやん!

2 ええやん……

3 ええやん……

4 アカンやん!

5 ええやん……

6 ええやん……

7 メッチャええやん……

8 ええやん……

9 アカンやん!

10 熱烈歓迎

 

響ちゃん【2 ええやん……】

未来ちゃん【10 熱烈歓迎】

 

 

 

響ちゃんの調子は良いみたい。

 

「稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打てッ!」

「言ってること、ぜんぜんわかりませんッ! でもッッッ!」

 

弦十郎さんの指導の元、二課のトレーニングルームで弦十郎さんとスパーリングする響ちゃん。

響ちゃんのシンフォギアの拳を素手で受け止める弦十郎さん。

拳が当たるたびに「ズパァンッッッ」と重苦しい音が響くのだが、弦十郎さんは涼しい顔だ。

……なんでなんともないのん(震え声)

手のひら痛くないの……?

 

「あ、ナルくん!」

 

と、響ちゃんが手を止めてこっちを見る。

ニッコニコ笑顔。かわいい。

 

「調子どう?」

「うんッ! バッチリ!」

「響くんは筋がいいな」

 

弦十郎さんもそう言って響ちゃんを褒める。

気性ゆえか、響ちゃんは原作通りにアームドギアを出せなかった。

「じゃあ殴ればええじゃろ?」と訃堂じいじの言葉で、響ちゃんは弦十郎さんから徒手空拳の指導を受けていた。

 

「よし、次は鉄山靠の練習だッッッ!」

「はいッッッ!」

 

そう言うと二人はまた訓練に戻った。

俺はその場を後にして、未来ちゃんの様子を見に行くことにした。

 

未来ちゃんは確か、キャロルちゃんから指導を受けていたはず。

今は、キャロルちゃんの研究室にいるみたい。

 

「失礼しまーす」

 

そう言って研究室に入ると。

 

「つまり、錬金術の四大元素は乾・湿と熱・冷の二対の相反する性質の組み合わせで───」

「地・水・火・風の四元素の他に、天体を構成するアイテールという元素が───」

 

キャロルちゃんとエルフナインちゃんが未来ちゃんに錬金術の講義をしていた。

なにやってんの?

 

「なにやってんの?」

「む、一鳴か。見ての通り錬金術を教えているが?」

 

キャロルちゃんがそう言う。

 

「え、シンフォギアは?」

「ああ、()()()()()()

 

終わった……?

 

「え、終わったって?」

「未来はもう、オレが用意したカリキュラムはすでにパスしたぞ」

「えぇ……」

 

俺がヒィヒィ言いながらこなしていたシンフォギア訓練を、もう終わらせたのん……?

 

「未来はお前より才能あるぞ」

「ぴぇ……」

 

未来=サンは俺よりツヨイのか……。

強いのか。

つよい、のか……。

 

「その、ナルくん。なんかごめんね……」

 

俺の瞳から光が喪われたのを見て、未来ちゃんが申し訳無さそうにする。

 

「いいのよ? いいのよ……?」

 

俺は未来ちゃんの頭を撫でる。

サラサラの黒髪は撫で心地がよい。

 

「ん、もう。ナルくん恥ずかしいよ……」

 

そう言いながらも、未来ちゃんは俺に身を任せる。

そんな俺達を呆れ顔で見ながら、キャロルちゃんが口を開く。

 

「まあ、終わったのは初級カリキュラムだから明日からは中級カリキュラムだがな」

「あ、まだあるのね」

 

未来ちゃんが覚えることはまだまだあった。

 

「それで? なんで錬金術を教えてるのん?」

 

その疑問に答えたのはエルフナインちゃんだった。

 

「未来さんの神獣鏡は錬金術と相性が良いんです」

「なにっ?」

 

エルフナインちゃん曰く。

神獣鏡のシンフォギアのメイン武装は鏡から出るレーザーである。

錬金術で空気中の水分量を増減させて光の屈折率を変えればレーザーの軌道も変えられるし、氷のレンズを作ってそれにレーザーを通せば拡散レーザーとして広範囲攻撃出来るという訳だった。

 

「つまり未来ちゃんは水タイプ……ってこと!?」

「どちらかといえばエスパータイプかと!」

 

俺の戯言にノリノリのエルフナインちゃんである。

 

「まあ、エスパーといえばエスパーだが……。いや、とにかく! 今は未来の勉強中だ。一鳴は邪魔だからあっち行ってろ!」

 

塩対応のキャロルちゃんである。

 

「ひどい! 親しい仲にも礼儀ありよ!」

「親しい仲だからぞんざいに扱ってるんだろうが」

 

俺の抗議を受け流すキャロルちゃん。

……俺のこと、親しい仲って思ってくれてたのね。

 

「それはそれとして俺も錬金術使いたい。黄金作ってガッポガッポよ!」

「黄金錬成は才能ないと無理だが……。まあ才能あるかどうかは見てやる」

 

 

 

一鳴の錬金術の才能【1D10】

 

1 ないやん……

2 ないやん……

3 ないやん……

4 エロ魔術の才しかねぇ

5 ないやん……

6 ないやん……

7 あるやん!

8 ないやん……

9 エロ魔術の才しかねぇ

10 熱烈歓迎

 

結果【8 ないやん……】

 

 

 

「諦めろ」

「くぅん……」

 

キャロルちゃんに一刀両断された。

俺に錬金術の才能は無かった。

 

「悲しい……。俺も火とか水で攻撃したかった」

「火は出せるだろ」

 

俺が出せるのは火というか、日というか。

シンフォギアが太陽由来だしね。

 

「あの、響はどうなのかな?」

 

と、未来ちゃん。

 

「響ちゃんに錬金術の才能、あるかなぁ」

 

響ちゃんと錬金術、もっとも遠いところにないかな?

いや、黄金錬成とかアマルガムとかしてたけど。

響ちゃん自身が錬金術行使していたわけじゃないし。

 

 

 

響ちゃんの錬金術の才能【1D10】

 

1 ないやん……

2 ないやん……

3 ないやん……

4 ないやん……

5 ないやん……

6 ないやん……

7 あるやん!

8 ないやん……

9 エロ魔術の天才

10 熱烈歓迎

 

結果【7 あるやん!】

 

 

 

「あった」

 

弦十郎さんと響ちゃんが訓練していたトレーニングルームに向かったキャロルちゃんが、帰ってきてそう言った。

後ろには弦十郎さんと響ちゃん。

 

「あるんだ!」

 

未来ちゃんの顔が明るくなった。

 

「あったの!?」

 

俺は驚いた。

 

「え、何の話?」

 

響ちゃんはなにも聞かされていないのか、キョトンとしている。

 

「喜べ立花響。お前、錬金術を扱えるぞ」

「えっと、錬金術?」

「……魔法だ。魔法」

「魔法!」

「未来も扱えるぞ」

「未来も!」

 

響ちゃんは目を輝かせる。

そんな響ちゃんにキャロルちゃんが現実を叩き込む。

 

「まあ、勉強はする必要があるがな」

「ウ゛ッ!」

 

苦虫を噛み潰したような顔をする響ちゃん。

 

「という訳で弦十郎。そっちの訓練が一段落したら連れてこい。錬金術を叩き込むから」

「わかった。頼んだぞキャロルくん!」

「任せておけ。未来は優等生だから特に苦労する事は無かったが、響の場合はスパルタでいくか」

「ぴぇ……」

 

壮絶な笑みを浮かべるキャロルちゃんと、蛇に睨まれた蛙のような響ちゃん。

そういや蛙を意味する方言の一つにビッキーってあるらしいね(震え声)

 

「ところで一鳴くんは錬金術の才能は無かったのか?」

 

弦十郎さんがそうキャロルちゃんに聞く。

 

「なかった」

「なかったのか」

「ああ。皆無だ」

 

俺の錬金術の才能は皆無らしかった。

おつらい。

 

「へぇーなかったんだ」

 

ニヤニヤと響ちゃん。

 

「私と未来にはあったのに」

「響、そんな風に言ったらかわいそうだよ」

 

未来ちゃんがフォローに回るがそれすらも俺の心には棘のように突き刺さる。

 

「トレーニングルーム行こうぜ……。久しぶりに……、キレちまったよ……!」

 

俺はシンフォギアを纏った。

 

「な、ナルくん……?」

「お、落ち着いて」

「錬金術が使えなくても、筋力上げて巨人砕き担げば神も殺せるんだよ(脳筋並感)」

 

今の俺ならエルデの王になれそう。

それぐらいキレていた。

俺だって本当は錬金術使いたかったのだ。

彗星アズールブッパしたかったのだ。

 

「ふむ、まあ良いんじゃないか」

「……そうだな」

 

と、弦十郎さんとキャロルちゃん。

 

「響くんにもそろそろ実戦形式の訓練に入ろうかと思ってたしな」

「未来もそろそろ戦闘を経験しておけ」

「ええっ!?」

「わ、わかりました!」

 

そういうことになった。

 

 

 

一鳴VSひびみく【1D10】

 

一鳴【5】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)

 

響【10】

未来【2】+5(錬金術補正)

 

 

 

───火烏の舞・繚乱───

 

 

腰アーマーから射出された小型戦輪が、響ちゃんと未来ちゃんに殺到する。

 

「負けるかぁッ!」

 

響ちゃんが迎撃。

小型戦輪が打ち落とされる。

 

「私もッ!」

 

未来ちゃんもまた、小さな鏡を出してレーザーで小型戦輪を撃ち落としていく。

 

二人が小型戦輪に気を取られている間に、俺は次の技の準備を完了していた。

 

 

───紅鏡光線───

 

 

アームドギアから放たれた光線は二人を貫く。

だが、その閃光を乗り越えて、響ちゃんが突貫する。

 

「稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つッ!」

 

響ちゃんの拳が俺に届く。

()()()()()()()

 

 

───幻日陽炎───

 

 

太陽光の揺らめきが生み出す幻。

シンフォギアの熱で空気中の光の屈折率を変えて、俺の幻を見せたのだ。

錬金術かわ使えなくても、光の屈折率は変えられるのだ。変えられるのだ。

つまり、響ちゃんが殴ったのは幻であり、本物の俺はその少し横。

 

「そぉい!」

 

手応えがなくて呆然としていた響ちゃんを戦輪で殴り飛ばす。

 

「うわぁッ!」

「響ッ!」

「そこまで!!」

 

未来ちゃんのところまで吹き飛ばされた響ちゃん。

そこに弦十郎さんの声。

 

「俺の勝ち。なんで負けたか、明日までに考えといてね♡」

「うぅぅぅぅぅ……!」

「ナルくん大人げない!」

 

俺の愛嬌たっぷりな声に悔しげに唸る響ちゃん。

未来ちゃんのジト目が心に突き刺さる。

 

「勝負とは残酷なのよね」

「むぅ……、次は負けないからね!」

「響、コンビネーションの特訓しよう!」

 

と、キャイキャイしていると。

 

「楽しそうじゃのう」

 

風鳴訃堂のエントリーである。

なんで(震え声)

 

「一鳴くんはまだまだ余裕もあるようだし、ワシともう一戦してみぬか?」

「俺これから塾があるので(大嘘)」

「ふふ、遠慮するな。響くんや未来くんにシンフォギア装者としての戦い方を見せてやってくれ」

 

そういうことになった。

 

 

 

一鳴VSひびみく【1D10】

 

一鳴【7】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)

 

訃堂【1】+99999999999(OTONAギャグ補正)

 

 

 

「勝てるわけないだろ!」

 

俺は叫んだ。

俺の首から下はトレーニングルームの床に埋まっている。

つまりはそういうことであった(震え声)

 

「ワシの攻撃7発耐えきったのなら上々じゃな」

 

訃堂司令が群蜘蛛を鞘に収めながらそう言った。

 

「私は最初の一撃でやられていたかも……」

「私も……」

 

トレーニングルームの端っこで見学していた響ちゃんと未来ちゃんがそう言う。

 

「二人とも、これから鍛えていけばいい」

 

と、弦十郎さん。

 

「その為にオレたちがいるんだからな」

 

と、キャロルちゃん。

 

「はいッ!」

「これからも、お願いします!」

 

響ちゃんと未来ちゃんはそう言った。

うん。大団円だね。

だから早く俺を助けてほしいかな。

トレーニングルームに埋まって身動き取れないから。

 

へるぷ、みー!

 

 





ひびみくに錬金術補正がついてしまった(震え声)
まあ、ダイスの神様の思し召しなので、仕方ないね。

次回はマリアさん回。
ツヴァイウィングのマネージャーとして社会人デビューしたマリアさんが右往左往する予定。

なお最終的に一鳴くんに抱かれる模様(ネタバレ)

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