転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
シンフォギア展見に行きました。
名古屋クッソ遠かったけど、行ってよかった(小並感)
GXの序盤を大迫力で公開してたけど、最高だったゾ。やっぱシンフォギアは歌がいいんだよね。
シンフォギアを好きで良かった、そう思えた展覧会でした。
サンキューシンフォギア、フォーエヴァーシンフォギア。
だからボクも一鳴くんの新曲を考えないといけない(震え声)
シンフォギアは歌が大事だし、ネ……(遠い目)
人類の脳波を伝うネットワークに存在する隠し部屋。
壁も床も天井も白くて広い部屋。
壁に飾られた名画。
その中央には黒いソファとガラステーブル。
テーブルに乗ったケーキスタンドに用意されたケーキやサンドイッチ。
バラルの呪詛から逃れた神霊たちの隠れ家。
そこでシーザーと銘歌が各々契約した神霊を背後に立たせて紅茶を飲んでいた。
そこに現れたのは、赤いスーツを着て赤いシルクハットを被る男装の麗人。
彼女の名前はアグリッパ、だったもの。
高名な錬金術師が、神霊エロヒムに感染し肉体を奪われた成れの果てである。
「久しいね、二人とも」
「お久しぶりですエロヒム様。2年ぶりですわね」
にこやかにエロヒムに挨拶するのは銘歌。
その銘歌に笑顔を返して、エロヒムはソファに座る。
「ああ。もう2年か。本当に久しぶりだね」
「まったくだ。2年も待たせるなど……」
口では憤慨しつつも、エロヒムの為に紅茶を淹れるシーザーであった。
「すまないねシーザー。ああ、紅茶ありがとう」
「で、今回呼び出した理由は?」
シーザーがエロヒムに問う。
エロヒムは口を開いた。
「時は来た」
「!?」
「……あら」
その言葉に、シーザーは驚き銘歌は微笑んだ。
「この2年、中国と南米について調べたが。あれらは我々の計画の邪魔にはならない」
エロヒムは紅茶に口をつけた。
「中国聖遺物研究所を誑かしたラスプーチンと千年狐狸精にもなれないケモノは、ロマノフ王朝復古を嘯く誇大妄想家で、我らの邪魔は出来まいよ」
エロヒムはまた、紅茶に口をつける。
「南米を夜で包んで隠した者は、夜の裡から出てこれない。恐れることはない、太母シェム・ハ復活の準備を進めよう」
エロヒムはシーザーを見た。
「シーザー、メルカバーは直ったかな?」
「ああ、もう直ってる。試験飛行もバッチリさ」
「いいね。実にいい。シーザーとツァバトには忌々しい月の破壊をお願いしたい」
「任せておけ」
シーザーはそう言うと笑ってみせた。
「フハハ、銘歌が
「カ・ディンギル?」
シーザーの言葉に疑問を浮かべるエロヒム。
「カ・ディンギルは巨大な荷電粒子砲だ。櫻井了子、いやフィーネがかつて二課のエレベーターシャフトに偽造して建造していたものだが、櫻井了子が二課に降ってからは放置されている。だがな、コイツの標準は今も月に向けられているし、エネルギー源さえあれば月を穿てる!」
「素晴らしいな。だがシーザー、エネルギー源はどうする」
「それも、心当たりがある。日本領海内の海底に深淵の竜宮と呼ばれる聖遺物の管理施設がある。そこなら有用なエネルギー源となる聖遺物もあるだろう」
シーザーの言葉に満足げに頷くエロヒム。
「素晴らしい。素晴らしいよシーザー。月の破壊については君に一任しよう」
「任せておけ。その代わり……」
「ああ、君の復讐も一緒に成すがいい」
「クフフ、感謝するぞエロヒム。待っていろ、ウェルキンゲトリクス……!」
シーザーはニヤニヤと嗤いながら思考の中に潜っていく。
「あらあらシーザー様はもう心ここにあらずなようで」
それを見た銘歌が笑うのであった。
「やっと、悲願が叶うのだからね」
そう言ってエロヒムはまた言葉を続けた。
「銘歌。君には月を壊した後の、太母シェム・ハ復活の儀式を一任する」
「わかりましたわ」
銘歌は微笑んで答えた。
「2年前の作戦で浄罪した者たち。その内108名を我が信徒としました。太母も誰に宿ろうか悩むというものですわ」
「それはそれは……」
エロヒムの目が鋭くなる。
「ところで銘歌。君は私たちに隠し事はしてないかな?」
「……なんの、事でしょう?」
銘歌は微笑みながら、エロヒムを見た。
冷や汗一つ、垂らさずに。
「オキナガタラシヒメ」
「……」
「古代日本の聖母の頭蓋骨を手に入れたそうじゃないか。そして、君は頭蓋に宿らせた神を操る術を持つ。太母を、その力を己のものにするつもりは、無いかな?」
エロヒムから殺気が飛ぶ。
それを受け止める銘歌。
「スラオシャの如き耳の大きさですわね。ご安心を、あの頭蓋骨は予備プランとして用意したものですわ。わたくしの見つけた巫女たちでは太母を受け止めきれなかった時の予備の予備です」
「……なら、その言葉を信じようかな」
エロヒムはそう答えた。
だが、その一瞬後。
「でも、裏切ったら殺すからね」
ソファに座る銘歌のその後ろ。
見知らぬ男が銘歌の首元に刃物を押し当てていた。
銘歌だけではない。
銘歌に侍るシャダイにも同じように刃物を向ける女。
刃物は両方とも、白銀に輝いている。
「……心臓に悪いですわよエロヒム様」
「「「ふふ、すまないね」」」
ティーカップを持つアグリッパ、銘歌とシャダイに刃物を向ける男女の三人が同じ声同じタイミングで発言した。
同一自我の複数同時運用。
その、一端であった。
「今は君を信じる事にするよ」
「シェム・ハの復活は我らの悲願」
「失敗しないでおくれよ」
3人のエロヒムが念を圧す。
銘歌は頷いて答えた。
「ええ。わたくしも信者たちを守らねばならぬ身。粉骨砕身、大母復活に臨みますわ」
「頼んだよ」
エロヒムは、またアグリッパの肉体分一人に戻った。
「私は邪魔者を牽制することにする。ギリシャのオリュンポス十二神にアメリカ。そして、イギリス。無数の私を送り込んでいるが、まだ足りないからね。君たちの支援は出来ないよ」
「構いませんよ」
微笑みを崩さず、銘歌が答えた。
「え、ああ。構わない。人手がいるなら至天院から借りる」
エロヒムに話しかけられ、正気に戻ったシーザーは慌ててそう答えた。
二人がそう答えると、エロヒムは紅茶を一口飲む。
「では二人とも、よろしく。次に会うときは、シェム・ハの御前で」
「ああ」
「わかりましたわ」
◆
「これより大特訓を行う!!!」
弦十郎さんが声を張り上げる。
雪が積もる二課所有の山中の、小さい広場でのことであった。
弦十郎さんの後ろでは業務用のテントが建てられ、中は臨時の作戦詰め所のように二課オペレーター陣がパソコンとにらめっこしている。
「これから3人には、この山の中に召喚されたアルカ・ノイズを倒していってもらう」
弦十郎さんの横、フワフワのコートを着込んだキャロルちゃんが指を鳴らす。
山の中にアルカ・ノイズを召喚したらしい。
所々で、木々より大きいアルカ・ノイズが頭を見せている。
「一鳴くんはソロで、響くんと未来くんはチームとして撃破数を競ってもらう。勝者には二課の予算内でなんでも願いを叶えよう。敗者には罰ゲームとして、親父とキャロルくんによる特別トレーニングを受けてもらう」
弦十郎さんはそう言い切る。
そして、並ぶ俺たちを見てこう言った。
「なにか質問は?」
「はい」
俺は手をあげた。
「なんだ一鳴くん?」
「どうして正月三が日に特訓しないといけないんですか(電話猫感)」
現在2043年1月3日。
朝におせちの残り物食べてたら突如呼び出されたのであった。
響ちゃんも未来ちゃんも同じらしかった。
「親父が言い出したからだ(目そらし)」
「あっ……(察し)、ふーん……(白目)」
そういう事らしかった(震え声)
「はいッッッ!」
「なんだ響くん?」
勢いよく手を上げたのは響ちゃん。
「勝ったら冬休みの宿題手伝ってくれますかッ!?」
「……オレが手取り足取り見てやろう」
キャロルちゃんが壮絶な笑みを浮かべてそう言った。
響ちゃんは半泣きになった。
「はい」
「なんだ未来くん?」
控えめに手を上げたのは未来ちゃんだ。
「ついでに響の受験勉強も見てあげてください」
「……この後、対受験特別チームを発足させよう」
響ちゃんと未来ちゃんは今年リディアン音楽院に入学予定だ。
何かあったとき二課に集合しやすいし、受験も簡単だしね。
簡単のはず……。
ちなみに俺の進学先は……。
一鳴の進学先【1D10】
1 リディアン音楽院(今年から共学)
2 リディアン音楽院(今年から共学)
3 リディアン音楽院(今年から共学)
4 リディアン音楽院近くの男子校
5 リディアン音楽院(今年から共学)
6 リディアン音楽院(今年から共学)
7 リディアン音楽院(今年から共学)
8 リディアン音楽院(今年から共学)
9 リディアン音楽院近くの男塾
10 中卒労働者
結果【6 リディアン音楽院(今年から共学)】
まあ俺もリディアン音楽院である。
元々二課がシンフォギア装者を見つけるために作った学校なので、二課がある程度の裁量権を持っている。
そんな訳で元々女子校だったリディアン音楽院は今年から共学化、俺もそこに放り込まれることとなった。
「質問はもうないな」
弦十郎さんは俺たちを見る。
「それでは始めるぞ。制限時間は3時間。響くんと未来くんにとっては特にこれまでの特訓の集大成となる。頑張ってくれ」
そして、勝負の火蓋は切って落とされた。
「始めッッッ!!!」
◆
一鳴VSひびみく(1/3)【1D10】
一鳴【10】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
累計『32』
響【7】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
未来【4】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
累計『31』
◆
一鳴VSひびみく(2/3)【1D10】
一鳴【2】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
累計『56』
響【4】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
未来【7】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
累計『62』
◆
一鳴VSひびみく(3/3)【1D10】
一鳴【6】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
累計『84』
響【9】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
未来【9】+5(錬金術補正)+5(連携補正)
累計『100』
◆
3時間後、俺たちはまた広場に集まっていた。
アルカ・ノイズ狩りの結果発表の時だ。
「一鳴くん84体、響くんと未来くん累計100体。よって響くんと未来くんチームの勝利!」
「やったよ未来!」
「うん!」
響ちゃんと未来ちゃんが抱き合って喜び合う。
あら^〜。
じゃない!!
「異議あり! 俺はたくさん大型アルカ・ノイズを倒しました! その分のポイントは!?」
「大型アルカ・ノイズも小型アルカ・ノイズも平等に1ポイントだ」
俺の異議はキャロルちゃんにより無慈悲にも却下された。
かなしみ……。
「大型倒し損……」
「現場では評価するから……」
弦十郎さんがそっと慰めてくれた。
やさしみ……。
「それでは立花響。勝者のお前にはオレが付きっきりで冬休みの宿題もリディアン音楽院入試対策もやってやろう」
「きょ、きょひけん(震え声)」
「あると思っているのか(龍の眼光)」
キャロルちゃんの眼光に響ちゃんは泣いた。
「未来〜〜〜!」
未来ちゃんに泣きつく響ちゃん。
「キャロルちゃん、響のことよろしくね」
「任せておけ」
未来ちゃんは無慈悲にも響ちゃんをキャロルちゃんに押し付けた。
「未来ぅ!?」
「響はもっとちゃんと勉強しなきゃ駄目だよ。一緒に学校行けないよ?」
「うぅ……ッ」
危機感は持っていたのか、それ以上は何も言わない響ちゃんであった。
「小日向、お前はどうだ。受験勉強でわからないところがあるならオレが教えてやる」
「ありがとうキャロルちゃん。数学、少し教えてもらっていい?」
「ああ。数学ならエルフナインが詳しい。教え方も上手だろうしな」
「ありがとう!」
未来ちゃんとキャロルちゃんは仲がいいなぁ。
未来ちゃん真面目だし、心の距離感バグってないからキャロルちゃんも居心地いいのだろう。
響ちゃん? あの子は大型犬だから(震え声)
「俺も声楽が不安なのキャロルちゃん」
「お前はオレと訃堂と特訓だ」
「わァ…………ぁ……」
流石の俺も泣きたくなった。
おつらみ……。
「そもそもなんで今特訓なんですかァ!?」
俺の疑問に答えたのは弦十郎さんだ。
「親父いわく、そろそろ敵が動き出しそうな気がするとのことだ」
「勘かい」
でも訃堂じいじの勘は当たるのよね……。
「敵って、ツァバト?」
「ああ」
ツァバト。
エンジェノイズを率いて米国F.I.S.を滅ぼし、ツヴァイウィングのライブを襲撃したシェム・ハの分霊。
この2年は動きがなかったが、とうとう動き出すのか。
「だから一鳴くんには親父とキャロルくんの特訓を受けてもらう。力なき人々と、実戦経験のない響くんと未来くんを守るために」
「そう言われちゃ、しょうがないですね」
他人を守るには強くならないといけないのだ。
でもいつかは響ちゃんと未来ちゃんに背中を預けたいね。
二人とも、本気でシンフォギア頑張ってるんだし。
「なんで地獄の特訓うけまァす……」
「骨は拾ってやるから……」
俺は弦十郎さんにそっと肩を叩かれるのであった。
はい、そんな訳で次回から原作時間軸突入です。
つまりこれまでは序章。これからが第一章なワケダ。
章タイトルは『神蝕穿月学舎 カ・ディンギル』です。
FGO味たっぷり!
そんな訳でこれからも拙作共々よろしくお願いします。