転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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見てくれた方ありがとうございます!!
承認欲求が満たされていく……!

それはそれとして、今回ハーレム要素入ってきたので苦手な人はブラウザバック重点な?


第八話 マリア16歳襲来(E:リディアン制服)

マリア・カデンツァヴナ・イヴ16歳は激怒した。

必ずや、かの邪知暴虐な渡 一鳴を除かねばならぬ。

マリアには恋はわからぬ。

マリアはリディアン音楽院二回生である。毎日歌を歌い、過ごしてきた。

リディアンには男はほぼいない。

だから恋がわからない。

 

その連絡を受けたのは夏休み直前となった7月のある日である。

マリアは妹のセレナと電話で話をしていた。

最近の出来事や、勉強でわからないこと。

いつものような内容であったのだが、一つ、セレナが爆弾を投入した。

 

「月読さん、恋をしているの」

 

月読 調はマリアの妹分である。

セレナと同じくらい大切な家族だ。

その、家族が、恋をした。

目の前が一瞬真っ白になった。

しかしマリアはレセプターチルドレンの長子である。

すぐに意識を取り戻し、あれやこれやと話を聞いた。

 

そして教えられたのは、最近風鳴弦十郎と共に孤児院に出入りしている渡 一鳴という少年に、熱い視線を向けて世話を焼く調の愛らしさであった。

セレナの口調は熱かった。

女の子は皆恋バナが好きだからだ。

 

マリアは激怒した。

必ずや、かわいい妹分の調をたぶらかした渡一鳴を除かねばならぬ。

 

「セレナ、その一鳴くんが次に孤児院に来るのはいつかしら?」

「えっと、ちょっと待ってね姉さん。……マムー!次はいつ弦十郎さんと一鳴くん来るかなー!!………………お待たせ姉さん。次は8月5日だって!」

「そう、ならその日は私も孤児院に戻るわね」

「本当、姉さん!」

「ええ、久々にセレナや皆に会いたいし、弦十郎さんや一鳴くんにもご挨拶したいもの」

「やったっ!」

 

無邪気に喜ぶセレナ。

その愛らしさに微笑むマリア、しかし孤児院に戻る目的が調をたぶらかす渡 一鳴の邪悪な(決めつけ)正体を暴く為と知ったらセレナはどう思うだろうか……。

そんな訳で。

マリア・カデンツァヴナ・イヴ16歳は我らが一鳴とエンカウントする事となった。

 

 

 

 

2039年8月5日。

金曜日。

子ども的には待ちに待った夏休みではあるが、二課職員である俺にとっては出勤日である。

8月の俺の出勤日は木・金・土・日、夏休みなのに出勤日が倍になった。悲しいね、バナージ。夏休みに働かなきゃいけないのが悲しいね。でも市民の安全を守る為だからね、しょうがないね。

しかも夏の暑さでヒートアップしたのか、キャロルちゃん師匠のトレーニングがキツくなりました。

キャロルちゃん師匠のビームを掻い潜りながら異形パーフェクトソルジャー倒せ、とか民間人助けろとか。

 

やったけどね。

出来るまでやれ、がキャロルちゃん師匠のスタンスなので、出来るまでやりましたけどね。

そんな地獄めいた出勤日ではあるものの、今日は訓練する必要がありません。

だって弦十郎さんと孤児院に行くからね。

 

二月からずっと、俺は月に一度の孤児院訪問に着いて行っている。

孤児院の子どもたちは皆話が合うし、シンフォギアの事を隠さなくて良いので、悩みや愚痴も言えるのである。

それにね、調ちゃんにね、毎回ね、また来てねってお願いされるからね(照れ)

 

まあそんな訳で、俺は毎月弦十郎さんと一緒に孤児院に出向いているのだ。

そして、今日も俺は弦十郎さんと車に乗り、後部座席にお菓子を詰め込んで孤児院にやって来た訳なのだが……。

 

「あなたが渡一鳴ね」

 

いつもはナスターシャ院長が出迎えてくれるのだが、今日は見たことのない日笠陽子ボイスの少女が出迎えてくれた。

桃色の髪の、リディアン音楽院の制服を着た、白い二の腕や太ももが眩しい美少女。

あからさまにマリア・カデンツァヴナ・イヴなのだ!

 

「あっはい。俺が一鳴ですが?」

「マリアくんじゃないか、久しぶりだな」

「お久しぶりね弦十郎さん。そして初めまして、私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ。昔この孤児院に居たのよ。よろしく」

 

右手を差し出すマリアさん。

俺も右手で握手をする。

力強い、握手であった。

 

「よろしくお願いします、カデンツァヴナさん。カデンツァヴナ、という事はセレナさんのお姉さんですか?」

「ええ、そうよ。妹たちがお世話になっているわね。……鍛えられた戦士の手、貴方が装者だというのは本当なのね……」

 

そう言って手を離すマリアさん。

 

「さあ、行きましょう。皆貴方たちを待っているわ」

 

 

 

 

俺が孤児院の子どもたちと過ごす時はいつも、談話室でお菓子を食べながら話をしたりゲームをしたりしている。

弦十郎さんはいつも、ナスターシャ院長と話をする為に席を外している。

大人が居ない方がいいだろうと、弦十郎さんは気を使っているのだろう。

 

しかし、今日はいつもと違ってマリアさんと一緒である。

マリアさんはまだ16歳のはずなんだけれども、それでも俺や皆は全員小中学生でマリアさんは高校生。心情的にどうしても大人として見てしまう。

前世じゃ高校生なんて、遥か昔の事のはずなんだけどネ!

 

「それじゃあ、一鳴くんはここに来るようになって半年ほどなのね」

「ええ、そうですね。皆には良くしてもらってます」

「でしょうね、皆良い子だもの」

 

現在、俺は何故かマリアさんと面談めいた何かをしています。

孤児院の皆は戸惑いつつも遠巻きに見守っています。たぶん、この面談は初めからやる事になっていたのね。

あとマリアさんの対応が少し刺々しい気がします。

 

「……単刀直入に聞くわ渡 一鳴」

「アッハイ、なんですか?」

「何故この孤児院に通うのかしら?何か目的があるのかしら?」

 

いきなりそんな事を聞いてくるマリアさん。

正直、質問の意図がわからない。

わからない、が。

マリアさんは真っ直ぐ俺の目を見てくる。

人を測る目である。

こちらの心を、真意を見定める。そんな目だ。

ならばこちらも心をさらけ出して答えなければならない。

 

「目的、という程大層なものはありませんね。ただ、ここの皆と話をしたり遊んだりするのが楽しいので」

「学校の友だちは?」

「いますよ。一緒に遊びに行くこともあります。でも、ここの皆には俺の仕事の事も話せますし」

「装者の事で隠し事をしなくて良いから?」

「そうですね。突き詰めればそうなるかもしれません。それでも、なにより」

「なにより?」

「友だちだから、一緒に遊びたい。話をしたい。それが目的……なんでしょうかね」

「友だち、ね」

 

考え込むマリアさん。

 

 

 

マリアさんの決断は!?【1D10】

 

1 調との仲は認められないわ!!

2 まあ、認めてあげる

3 まあ、認めてあげる

4 まあ、認めてあげる

5 調との仲は認められないわ!!

6 まあ、認めてあげる

7 まあ、認めてあげる

8 まあ、認めてあげる

9 貴方になら調を任せられるわ

10 ……この胸の高鳴りは何ッ!?

 

結果、【10】

 

 

 

『ほう……』

 

と、サイコロ神が呟く。

なに、何があったの?運命はどう転んだの?

 

『貴公、なかなか罪な男であるな』

 

どういうことなの……(困惑)

 

『すぐにわかる、すぐに』

「一鳴くん。私とも友だちにならない?」

「え?」

「貴方の話を聞いて、私も一鳴くんと友だちになりたくなったの。ダメかしら?」

「いいえ、喜んで友だちになりましょう」

「ありがとう!私の事はマリアって呼んで。私も貴方を一鳴と呼ぶわ!」

 

そう言って、俺の手を両手で優しく包むマリアさん。

出会った時の握手とは違い、本当に優しく慈しむように。

離す気配がない。

 

「あー、マリア、さん?」

「あと、もう一つ質問いいかしら?」

「え、アッハイどーぞ」

「今好きな人はいるの?」

「マリアッ!?」

 

調ちゃんが声を荒げる。

それも当然か、好きな人はいるのかと質問したマリアさんの頬は少し赤くなり目は潤んでいたのだから。

サイコロ神が言っていたのはこういう事かぁ。

どうしてこうなったのぉ(困惑)

 

「えーっとぉ、居るような。居ないような」

「どっち!?男ならはっきり答えなさい!」

「はい!いまぁす!!(テンパリ)」

「……そう。ならもう一つ、年上の女性は好きかしら?」

「はい、好きでぇす!!(テンパリ)」

「そう……。なら、いけるわね(小声)」

「マ リ ア ?(絶対零度の視線)」

 

キレたナイフのような視線でマリアさんに詰め寄る調ちゃん。

あーもう滅茶苦茶だよ……。

俺はセレナさんに助けを求める視線を送った。

 

(がんばれ!)

 

サムズアップされた。

俺は切歌ちゃんに助けを求める視線を送った。

 

(やばいデス、調マジギレデース!こんなにキレた調、ドラクエのセーブデータ上書きしちゃった時以来デスよ!)

 

テンパっていた。

俺はクリスさんに助けを求める視線を送った。

 

(ったく、しょうがねぇなあ……)

 

やれやれと、そんな思いを全身から漂わせながら調ちゃんとマリアさんの間に入るクリスさん。

やっぱ最後に頼りになるのは、キネクリ先輩なんやなって。

 

「二人とも落ち着けって」

「でもクリス先輩、マリアが、マリアが!」

「わかってるから落ち着けって、な?」

「…………はい」

「マリアも、一旦こいつから離れろ、な?」

「………………わかったわ」

 

そう言って争いを調停するクリスさん。

 

「マリア、一体どうしたんだよ。こいつに色々聞いていた意図はわかるけど、どうしてこうなるんだよ」

「私にもわからないわよ!ただ胸が高鳴って……」

「なんでだよ!」

「だからわからないの!ただ、こう、こうなんていうの、キュンってなったのよ!」

「正直わかる」

「えぇ……(困惑)」

 

喧嘩したと思ったら意気投合した調ちゃんとマリアさんに困惑するクリスさん。

俺も困惑してる。

 

「とりあえず別の部屋で話し合え、な?」

「わかった」

「行きましょう、調」

 

 

 

恋する乙女の話し合いの結果【1D10】

 

1 一鳴を奪い合う事になった

2 取り敢えず三人でデートすることになった

3 取り敢えず三人でデートすることになった

4 取り敢えず三人でデートすることになった

5 一鳴を奪い合う事になった

6 取り敢えず三人でデートすることになった

7 取り敢えず三人でデートすることになった

8 取り敢えず三人でデートすることになった

9 セレナ「二人とも恋人になったら?」

10 更なるヒロインの登場で孤児院は危険な領域に突入する

 

結果、【10】

 

 

 

『あっ……』

 

と、サイコロ神が呟く。

なんだその、「やっちゃった」みたいな反応は!?

 

『貴公、これから起こることに備えよ』

 

なに、なんなのよぉ!?これ以上なにが起こるっていうの!?

 

『運命の大事故だ』

 

 

 

新たなるヒロイン颯爽登場【1D6】

 

1 セレナさん

2 切歌ちゃん

3 クリスさん

4 セレナさん

5 切歌ちゃん

6 セレナさんと切歌ちゃんとクリスさん

 

結果、【4】

 

 

 

「じゃ、二人とも行こっか」

 

そう言い出したのはセレナさん。

あまりにも自然な言い出しに、皆して驚いた。

 

「え、セレナ?どうしてセレナも来るの?」

「だって私も、一鳴さんの事良いなって思ってたから」

「セレナ!?」

 

どういうことなの?(混乱)

 

「私も一鳴さんと一緒に話をしていて話が合うな、もっと一緒に居たいなって思ってたんだよ」

「なら、なんで私の相談に乗ってくれたの?お洒落のアドバイスも」

「だって、最初に好きになったのは月読さんだから」

 

だから譲ろうって思ったの、そう言って俯くセレナさん。

 

「でもマリア姉さんまで一鳴さんの事好きになって、調さんと意気投合するし」

「……」

「だったら私もって、そう思ったの。ダメかなマリア姉さん、月読さん」

「……セレナ」

「私も一鳴さんの事好きになっちゃダメかなぁ?」

 

そう言うセレナさんは泣いていた。

きっといろいろな感情が渦を巻いていて、それが溢れてしまったのだろう。

 

「わかったわ、行きましょうセレナ」

「いいの、マリア姉さん?」

「ええ、勿論よ。だって貴女は私の妹で、同じ人を好きになった仲間じゃない」

「そうだよ、セレナ。私が言えたことじゃないけど、自分の気持ちを押し込めないで」

「月読さん……」

 

そう言って、談話室を出ていく三人。

残された俺たち。

 

「クリスさん、俺はどうするべき?」

「自分で考えろ、そんな事!こっちはこっちで頭がパンクしそうなんだよ!」

「アタシも訳がわからないデスよぉ!」

「我子どもだからこういうのまだ早いと思う」

「拙もそう思います」

 

皆混乱していた。

 

 

 

悲喜こもごもな話し合いの結果【1D6】

 

1 取り敢えず四人でデート

2 三人とお付き合いして♡

3 三人で一鳴くんを逆レする計画を立てる

4 取り敢えず四人でデート

5 三人とお付き合いして♡

6 三人で一鳴くんを逆レする計画を立てる

 

結果、【1】

 

 

 

「一鳴くん、なにも言わず私たちとデートして」

 

30分後。

帰って来た三人。

そしてセレナさんにいきなりそんな事を言われた。

 

「デート?」

「うん。一鳴くんももうわかっていると思うけど、私たち三人とも一鳴くんが好きなの」

「……うん、わかっていたけども」

 

ズバッと直球で言われた。

もう覚悟は決まっている、ということか。

 

「一鳴くんもいきなり三人とも恋人にしろ、なんて言っても困っちゃうよね?」

「だから私たちとデートして貰うわよ渡一鳴!」

「うんうん」

 

それが、三人が話し合って決めた結論であるらしかった。

……いや待て。

いま、「三人とも恋人にする」って言った?

「三人の内の一人を恋人にする」じゃなく?

 

「うん、言ったよ」

「アイエエ!?なんで三人と付き合う前提なの?」

「だって、もし私たち一人だけ恋人になれたとしても、選ばれなかった二人は絶対諦めないわよ」

「なら三人とも恋人になろうって結論になったの」

 

なるほど、選ばれなかった二人が敵に回るくらいなら三人で協力体制を取った方がメリットが大きい、という事ね。

心は未だに大荒れだけど、頭では理解した。

 

「で、デートの日程なんだけど───」

「話は聞かせてもらったッ!!」

 

バァン、と扉を開けたのは弦十郎さん。

その後ろには片手で頭を抱えるナスターシャ院長。

 

「すみません一鳴さん。家の子達がご迷惑を……」

「いえ、此方こそトラブルの種になってしまってなんと言えば良いか……」

「確かに三人も恋に落とした一鳴くんに原因はあるが、責任を感じる必要はないと思うぞ。恋は『された』側でなく『した』側にこそ主体……つまり責任があるのだからな」

 

弦十郎さんによるフォローが入る。

……弦十郎さんらしくないフォローだな。

 

「……俺だって、恋の一つや二つしたことがあるぞ。とにかく、女の子にここまで言わせたのだから、覚悟は決めなくてはならない」

「……そうですね。うん、わかりました」

「という訳でデートの日程なのだが……」

「明日か明後日でお願い出来ないかしら」

 

と、マリアさん。

 

「む……そんなに早くか?女性は色々準備する事も有ると聞いたが……?」

「ええ、普通はそうなのだけれど」

「明後日がマリア姉さんの誕生日なんです」

「だから、それに合わせたくて……」

「なるほど、なら明日だな」

 

即決する弦十郎さん。

 

「良いんですか、キャロルちゃんに相談しなくて?」

「ああ、問題ない。明日は急遽キャロルくんに仕事が入ったようでな」

 

スマホを確かめる。

確かにキャロルちゃんからのメールで、明日は訓練は休みである旨が伝えられていた。

 

「なら……!」

「ああ、こちらとしては明日デートしてもらうのは問題ない」

「俺も覚悟は決めました。行きましょう、デートに!!」

「やった!」

「明日は宜しくね、一鳴」

「がんばらなきゃ」

 

喜ぶ三人娘。

とにもかくにも。

俺、渡 一鳴は、明日、美少女三人と付き合う前提でデートすることになりました。

そういう事になった(強弁)

 

 




サイコロくん「そこです、自爆しなさい!」

プロットくん「え、ちょっ待って次回は戦闘回グワーッ!」

作者ワイ「プロットさーん!!!」

サイコロくん「必要な犠牲でした……」

そんな感じの八話でした。
どうしてこうなったの……?
使ってるサイコロが悪いのかしら。イエローサブマリンで買った六面と十面のクトゥルフ神話TRPGサイコロだから……?
エルダーサインが何か良からぬ事をしているの?


そんな感じで次回はデートですよデート!
次回もお楽しみにー。

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