転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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実は最近のサブタイトルは原作無印のサブタイトルをもじったものということをお前たちに教えるので初投稿です(赤髪並感)

アーマードコア新作8月発売ですって。
最近動体視力が衰えてきたワイについていけるだろうか。
まあ、買うしやり込むのは確定なんじゃけどネ!



第123話 なお昏き深海の底へ 前編

 

 

 

「敵の目的は、カ・ディンギルだと……!」

 

 二課の研究室で大声を出したのは風鳴弦十郎だ。

 

「ええ、間違いないわ」

 

 そう、返したのは櫻井了子だ。

 つい昨夜、エンジェノイズの使役者が残した機械の残骸から吸い出したデータから読み取ったものであった。

 

「一鳴くんや黒服たちが手に入れた機械の記録媒体にはカ・ディンギルの情報が入っていたわ。どこにあるのか、最大射程、現在の照準が月に向けられていること。それらの情報が、まるっと入ってたわ」

「なんという、ことだ……」

 

 弦十郎が慄く。

 カ・ディンギルは二課の最大の秘密である。

 櫻井了子に転生したフィーネが二課のエレベーターシャフトに偽装して作り上げた月を穿つ為の荷電粒子砲。

 了子がフィーネだと知られたときに、カ・ディンギルの事も二課に知らせていたのだが、カ・ディンギルの特性上大量破壊兵器扱いであるため、二課最大の秘密として二課職員に箝口令が敷かれているほどのものだ。

 それが、敵に知られていた。

 

「どこから情報が漏れた……!?」

「わからないわ。二課の誰かが喋ったのかもしれないし、カ・ディンギル建造の時に資材を米軍経由でF.I.S.から仕入れてたから、そこから知られたのかも」

「F.I.S.か……」

「ええ、そう。エンジェノイズを使役する男、ジュリアン・シーザーの古巣よ」

 

 黒服たちの記録していた映像から、団地にいた男がジュリアン・シーザーということは、ドクターウェルが証言していた。

 

「僕もビックリですよ。まさか、シーザーが黒幕だったなんて」

 

 そう言ったのはドクターウェルである。

 ウェルは手近な椅子に腰掛けた。

 

「ドクター……」

「彼は僕の同期でした」

 

 いつもヤケに僕に絡んでましたよ、とウェルはため息混じりに言う。

 

「でも、まさか神霊なんてものと契約していたとは思いませんでした。……本当ですよ?」

「ドクターを疑ってる訳じゃないさ」

 

 と、弦十郎は答えた。

 

「ならいいんですがねぇ」

 

 ウェルはどこか訝しげだ。

 

「ドクターから見て、そのジュリアン・シーザーという男はどんな男なんだ?」

「優秀な男でしたよ。僕を敵視してましたがね」

 

 弦十郎の疑問にそう答えるウェル。

 了子がそれを聞いて口を開いた。

 

「なんでドクターを敵視してたのかしら?」

「さぁ? まあ彼は僕の次に優秀な男で、プライド高く、なにより上昇志向も強かったのでねぇ。出世に僕が邪魔だった可能性もありますが」

「上昇志向の強い男が所属組織を切り捨てて、か」

「あるいはプライドを刺激されたのかも」

「神サマと契約したんですからねぇ。そりゃプライドを大いに満たされますよ。自分は選ばれたんだーって」

 

 三人はため息をついた。

 

「そのプライドの矛先がカ・ディンギルとはな……」

「どうするの、弦十郎くん」

「兎にも角にも、二課の防備は固めねばなるまい」

「同時に、エネルギー源になりうるモノのリストアップもしておくわ。動力さえなんとかしたら、撃てるものアレ」

「分解出来ないんですか?」

「すぐは無理。エレベーターシャフトを別に作らないと」

 

 弦十郎は了子に聞く。

 

「動力源には何が最適なんだ?」

「完全聖遺物ね。本来なら、ネフシュタンの鎧のような無尽蔵のエネルギーを持った聖遺物を使う予定だったわ。でもそれなりの聖遺物でも一発は撃てるはず」

 

 もちろんその聖遺物は塵になるけどね、と了子。

  

「そもそも向こうにはF.I.S.から掻っ払った聖遺物もありますしね。今日明日にも来るんじゃないですか?」

 

 ウェルの疑問に弦十郎が答える。

 

「いや、それはないだろう」

「なぜそう思うの弦十郎くん?」

「もし、F.I.S.の聖遺物が使えるのなら、2年前の段階でカ・ディンギルを奪取しにくるはずだ。それがないということは、F.I.S.の聖遺物は使えないんじゃないか?」

「フォニックゲインを集めてる所じゃないんですか? ほら、聖遺物をメルカバーに乗っけてツヴァイウィングやらなんやらの一流アイドルのコンサート会場上空でコッソリ集めてるとか」

「それもないと思うわ」

 

 今度は了子が答える。

 

「メルカバーは頑丈な完全聖遺物な上に神獣鏡によってステルス機能を得ているわ。そのステルス機能は神獣鏡を利用しているからこそ、フォニックゲインを弾くと考えられるわね」

「つまり、安全なメルカバーの中で聖遺物の起動実験は出来ない、ということですねぇ」

「ええ、だからこそ」

 

 了子の言葉を弦十郎が繋げた。

 

「奴らは聖遺物を他所から得る必要がある、ということか」

「そういうことよ」

 

 二課の方針は決まった。

 

「カ・ディンギル及び二課の防備を固める。と、同時に記憶の遺跡や深淵の竜宮、聖遺物研究機関への注意喚起も行わねばならなんな」

「一鳴くんたちはどうしますか?」

 

 ウェルが聞く。

 

「常に二課に詰めてもらう必要はないだろう。彼らは学生だからな。だが、なにかあったらすぐに現場に向かえるようにしておこう」

 

 そういうことになった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 色々あった4月。

 それでもまあ、なんとか小休止といったところか。

 ここ数日は平穏である。

 クリスちゃんを膝枕しながら、リディアン音楽院の昼休みを屋上で過ごす俺である。

 

「んぅ、一鳴……」

「はいはい」

 

 クリスちゃんの頭を撫でる。

 サラサラの髪を堪能する。

 慈しむように、優しく優しく。

 

「んふふ」

 

 クリスちゃんはご満悦みたいやね。

 ちなみに、もちろん周りに人は居ない。

 居たらクリスちゃんはこんなに素直に甘えてこない。

 仔猫みたいな性格だからネ。

 かわいい。

 クリスちゃんはすごくリラックスしている。

 平穏である。

 だが、平穏とは簡単に壊れるもので……。

 

「ナルくーん! あ、いた!」

 

 バァン、と屋上のドアが開いたかと思ったら響ちゃんが駆け寄ってきた。

 

「うわーッ! びっくりさせんなバカ!」

「ぎゃん!」

 

 飛び上がったクリスちゃんが響ちゃんの頭を叩く。

 スパーンと良い音。

 

「ご、ごめんねクリスちゃん。イチャイチャしてるときに」

「い、イチャイチャはしてねえよ!(震え声)」

「え、でもナルくんに膝枕してもらって───」

「いいから! なにか用があったんだろ(声だけ迫真)」

 

 クリスちゃん迫真の話題転換である。

 

「あ、そうだった。弓美ちゃんが明日の流れ星一緒に見ようって」

「あー、明日のね」

 

 明日、ナントカ流星群とやらが日本で観測出来るのだとか。

 あれよね、原作でもあったよね流れ星イベント。

 響ちゃんが未来ちゃんと約束してたけど、ノイズが来て台無しになったやつ。

 この世界なら大丈夫だろうか。

 

「クリスちゃんもどう?」

「あ、あたしもか……?」

「クリスちゃんも弓美ちゃんと仲良いでしょ」

 

 そう。

 あのアニメオタクの板場弓美、いつの間にかクリスちゃんと仲良くなってたのである。

 なんでも、同好の士とかなんとか。

 うたずきんはまだ出来てないはず。

 いや、待てよ。

 クリスちゃん割と少女趣味だから、リリカルな○はとかプ○キュアとか好きそうだし、アイツ沼に沈めおったのか?

 やりおったのかアヤツ?

 後で弓美さんとOHANASIかしら(白い悪魔並感)

 

「それはお前と未来といつもの三人と一鳴とか?」

「うん、そうだよ」

「なら、行こうかな」

「やったー」

「抱きつくなバカ!」

 

 あら^〜。

 そんな訳で7人で流れ星を見ることになった。

 

「でもどこで見るのさ」

「ここ。リディアンの屋上で見れるんだって!」

「はえー」

「楽しみだね」 

「だね」

 

 ワシャワシャと、響ちゃんの頭を撫でてやる。

 この世界では、この子も流れ星見れたらいいな。

 そう思った。

 

 キーンコーンカーンコーン。

 

「あ」

「あ」

「あ」

 

 昼休み終わっちゃった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 午後の授業は遅刻しました(震え声)

 未来ちゃんから呆れた目をされました(白目)

 興奮した(超絶小声)

 

 それはそれとして放課後。

 

 いつものようにトレーニングの為に二課に寄る。

 なんでも敵の狙いはカ・ディンギルで、動力源として聖遺物を奪取する可能性が高いのだとか。

 だからこそ、二課でカラテ訓練を積み備えるのである。

 ……そういえば、デュランダルはどうなったのだろうか?

 絶世の名剣デュランダル。

 本来ならEUの経済破綻の際、日本が不良債権の一部を肩代わりする代わりに手に入れたとかなんとか。

 でもこの世界EUが経済破綻したら速攻ギリシャの神様が欧州亜大陸滅茶苦茶にしたからなぁ。

 で、調べてみたらデュランダルは日本にないみたい。

 日本に譲られる前にギリシャの神様がやらかしたというワケダ。

 

 じゃあ敵はどれを使うつもりなのだろう。

 パッと浮かんだのは、ラーヴァナの持っていた月の微笑みチャンドラハース。

 今は記憶の遺跡に安置されているのだったか。

 あれは完全聖遺物だから、デュランダルの代わりとしては丁度よいだろう。

 あとは、深淵の竜宮にある聖遺物か。

 色々あったよねあそこ。

 ヤントラ・サルヴァスパとか、アナベル人形とか。

 グラウスヴァインなんてのも居た記憶がある。

 でも俺ワイルドアームズはやったことないし知らないのよね。

 ブックオフで攻略本手に入れたのと、ネットサーフィンしてグラウスヴァインが生きた核爆弾ドラゴンというのは知ってる(震え声)

 そんなのが日本の海底にいるのか(恐怖)

 

「一鳴さん、どうしましたか?」

 

 と、資料室で難しい顔をしていた俺を心配してか、エルフナインちゃんが声を掛けてきた。

 

「ああ、エルフナインちゃん。いや、なんでもないのよ。ただ、敵はどの聖遺物を求めるのかなって」

「ああ、例のジュリアン・シーザーのことですね」

 

 エルフナインちゃんはムムムと考え込む。

 

「素人考えではありますが」

「聞かせて?」

 

 俺なんて素人以下だしねぇ。

 エルフナインちゃんは研究者。

 ジュリアン某の事はエルフナインちゃんの方がわかるだろう。

 

「了子さんの資料によると、カ・ディンギルは聖遺物のエネルギーを利用した荷電粒子砲です。ですが、そのエネルギー自体は電気エネルギーでも全く問題ないのです」

「うん」

「つまり、ボクならヤントラ・サルヴァスパでカ・ディンギルと二課の電気系統を変えて電気エネルギーで発射させますね」

「なるほど……」

 

 ヤントラ・サルヴァスパは機械をなんでも操作可能にする聖遺物。

 それを使えば、機械まみれの二課を改造してカ・ディンギルに電気エネルギーを集めることも可能、というワケダ。

 

「なんて。昨日キャロルと見たアニメから発想を得たんですがね」

「なんだ、アニメか。……電気エネルギーを利用した荷電粒子砲、エヴァかしら?」

「えへへ、正解です」

 

 ヤシマ作戦、という訳ね。

 

「日本中のエネルギー、エルフナインちゃんに預けるね」

「ええっ!? ボクが撃つんですかぁ?」

「メルカバー撃ち抜いちゃえ」

「ええっ!? ステルス張ってるから見えませんよぉ」

「弾道予測なんて藤尭さんにやらせろ(暴言)」

「……ちょっと、出来そうですよね」

 

 エルフナインちゃんがクスクスと笑う。

 

「つまりエルフナインちゃんとしては深淵の竜宮を狙う可能性が高いと考えるのね」

「はい。ですが、それは勿論ボクが知り得る知識から得たことです。例えば一部の人しか知らない情報で、無限のエネルギーを簡単に得られる聖遺物が記憶の遺跡にあったならそっちを狙うでしょう」

「それはそうね。でも、参考になった。ありがとうね」

 

 エルフナインの頭をワシャワシャ撫でてやる。

 かわいいね。

 

「どういたしまして。あ、あと聞きたいのですが!」

「なに?」

「キャロルとはどこまで行きましたか!?」

 

 おおう……。

 

「ど、どこまでとは(すっとぼけ)」

「その、キャロルと手を繋いだりとかチューとか!」

「くぅーん……(白目)」

 

 キャロルちゃんとは、キャロルちゃんとはそういうのではないのだ。

 師弟関係、師弟関係なのだ。

 

「え、でもキャロルは───」

 

 

 

キャロルのヒ・ミ・ツ♡【1D10】

 

1 一鳴の名前をそっと呟く日がある

2 一鳴の姿を目で追う時がある

3 一鳴を見て頬を赤らめる時がある

4 一鳴の名前をそっと呟く日がある

5 一鳴の姿を目で追う時がある

6 一鳴を見て頬を赤らめる時がある

7 一鳴の名前をそっと呟く日がある

8 一鳴の姿を目で追う時がある

9 一鳴を見て頬を赤らめる時がある

10 夜な夜な布団の中で一鳴を呼ぶ湿っぽい声が!

 

結果【3 一鳴を見て頬を赤らめる時がある】

 

 

 

「その、キャロルは時々一鳴さんを見て頬を赤らめる時がありまして」

 「ワ……!(赤面)」

 

 俺のほうが恥ずかしくなってしまう。

 

「それって、恋ですよね! 友里さんが言ってました! 初い初いしいわね、って言ってましたよ!」

「おのれ友里ォ!」

 

 何余計なこと言ってんだ友里さん!

 助けて友里さん!

 

「ですからここは一鳴さんの方からリードを───」

おい

 

 地獄の底から聞こえてきたような、恐ろしい声。

 

 キャロルちゃんのエントリーである。

 顔を真っ赤にしている。

 後ろには面白そうに嘲笑うガリィちゃん。

 

「何をしているエルフナイン」

「きゃ、キャロルこれは」

「まだ仕事が残っているだろう。戻るぞ」

 

 と、エルフナインちゃんの耳を掴むキャロルちゃん。

 

「あいたたた! キャロル、待って!」

「待たん! それと一鳴。今こいつが言ったことは忘れろ。いいな! 忘れろよ!」

 

 二人は行ってしまった。

 ガリィちゃんはニヤニヤ笑いながら残っている。

 

「一鳴さぁん。マスタァはああ見えても中身は乙女な云百年モノの生娘なので、たあっぷりリードしてあげてくださいね?」

 

 それではぁ、と言うとガリィちゃんはバレリーナのようにくるくる回りながら出ていく。

 うん。

 まぁ。

 

 

「帰ろ」

 

 そういうことにした。

 

 

 





戦闘までいかんかった(震え声)
次回は戦闘までいきます。

それでは次回。
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