転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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ハイラルを巡っているので初投稿です。
今回も寄り道多いので嬉しい悲鳴が止まらない。
メインシナリオやってる時間がなくてェ。
執筆する時間もなくてェ。
あ、止めてロケット着けないで書きますから!




第124話 なお昏き深海の底へ 中編

 

 

 その日は、いつものように始まった。

 天気は晴れ。

 春の陽気に夏の面影が見え始めた、少し暑い日のこと。

 人々は街を歩き会社、あるいは学校に向かう。

 今夜は流れ星が流れるという。

 人々の話題はそれで持ち切りだ。

 仲の良い者は、きっと連れ立って夜空を見るのだろう。

 そんな、平和な日。

 

 そんな日に彼らは来た。

 かの聖典によれば、怪物は海より来るという。

 だが、天使たちは海に来たりて、水底の竜宮城に向かう。

 月穿つ尖塔の、心臓を得るために。

 

 

 ◆

 

 

 ドーモ、一鳴です。

 今日は流れ星が見れるということで、リディアンも一日その話題で持ち切りでした。

 俺も楽しみ。

 流れ星なんて前世でもそんなに見れなかったしねぇ。

 

「じゃあアンタたち、18時に学校集合だからね!」

 

 と、弓美さん。

 今日はみんなで流れ星を見る約束をしていたのだ。

 俺と響ちゃんと未来ちゃん、クリスちゃん。

 弓美さん、寺島さん、安藤さん。

 7人で見る予定。

 

「ちゃんときねクリ先輩も連れてくるのよ!」

「はいはい」

 

 弓美さんはいつの間にやらプリティマイラバークリスちゃんと仲良くなっていたので気安い。

 おのれ板場ァ……。

 などと考えていたら、教室内のスピーカーから声が響く。

 

「一年生の小日向未来さん、立花響さん、渡一鳴さん。校長室まで来てください。一年生の───」

 

 放送で俺たち3人の名前が呼ばれる。

 この学園の校長は記録上の存在であり二課の作り上げた虚像である。

 なので校長室は完全な空き部屋であり、その実態は二課のエレベーターシャフトに直結している秘密通路である。

 つまりこの放送は学園の連絡に偽装した二課からの呼び出しであり、緊急の案件が発生したということだ。

 

「弓美ちゃん、ごめん。流れ星見れないかも……」

 

 申し訳なさそうに響ちゃんが言う。

 

「えーっ! 前から約束してたじゃない! アンタら何やらかしたのよ!?」

 

 声を荒げる弓美さん。

 そりゃ怒るよなぁ。

 

「ちょっと他言無用な問題でね……。ごめん」

「ごめん。流れ星はクリスちゃんと楽しんで」

 

 未来ちゃんと俺も弓美さんたちにそう言う。

 

「弓美、3人ともこう言ってるんだから」

「そうですわ。校長先生からの呼び出しなら、仕方ありません……」

 

 安藤さんと寺島さんがフォローに回ってくれる。

 

「むー、わかったわよ! その代わり、なるべくさっさと面倒事終わらせて、一緒に流れ星見るわよ!」

「うん、ありがとね」

 

 弓美さんの優しさが染み渡る。

 

 そんな訳で俺たち3人は校長室から秘密のエレベーターに乗り二課に向かう。

 二課の発令室に着いたとき、出迎えたのは八紘副司令であった。

 

「来たか。放課後早々すまない」

「いえ。で、なにがあったんです?」

「エンジェノイズが出現した」

「……ッ!」

「場所は日本近海……。深淵の竜宮直上だ」

「聖遺物を狙いに来た、ということですね」

 

 敵の狙いはカ・ディンギルにあるというのは判明していた。

 そのカ・ディンギルを動かすための聖遺物を手に入れる為に、深淵の竜宮に収められている聖遺物を狙いに来たということだろう。

 

「弦十郎とキャロルくん、オートスコアラーの四騎には、カ・ディンギル防衛のため二課に待機してもらわねばならない。深淵の竜宮の防衛は君たちだけで行ってもらう」

「「「わかりました!」」」

 

 弦十郎さんが待機してるから今回の作戦は八紘さんの仕切りとなる訳ね。

 

「現場の映像、来ました!」

 

 と、オペレーターの藤尭さんが叫ぶ。

 

「よし、映してくれ!」

 

 八紘さんがそう言うと、発令室のモニターに映像が映る。

 どこまでも青い海と空。

 そして、白い身体のエンジェノイズの群れ。群れ。群れ。

 カモメのように水面に群がる。

 海の中には大きな魚のような姿の白い影。

 あれもまた、エンジェノイズであろうか。

 

「これは……」

「こんなに……ッ!」

 

 オペレーター陣が驚きを隠さない。

 群がるエンジェノイズの数が、2年前のライブ襲撃の際と遜色ないからである。

 それだけ、敵も本気ということか……。

 

「未来……」

「響……」

 

 響ちゃんと未来ちゃんが、強く手を握る。

 二人にとってはトラウマを刺激する光景だろう。

 

「二人とも、大丈夫?」

「うん、大丈夫」

「ナルくんは?」

無問題(モーマンタイ)ヨー」

「カタコト!?」

「いざって時は絶唱ヨー」

「とんでもない事言った!」

 

 二人が俺の手を取った。

 

「絶唱って危険なんだよね。そんなことしちゃ駄目だから」

「私達がナルくんも守るから。だから、絶唱なんて止めて」

 

 響ちゃんと未来ちゃんに本気で止められてしまった。

 冗談だったんだけどね(小声)

 

「……うん、頼りにしてる」

 

 冗談抜きで。

 二人に負担をかけさせる訳にはいかない。

 絶唱せずに、エンジェノイズを蹴散らさないと。

 

「……それはそれとして、どうやって現場まで行くんです? 空からは無理でしょ」

 

 エンジェノイズがウヨウヨいる中でヘリコプターに乗って現着は出来そうにないワケダ。

 

「ああ問題ない。了子くんから案を貰ってるからそれを元に作戦を組ませてもらった」

 

 八紘さんはそう言って作戦を説明してくれた。

 その作戦とは───。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 青い空、透き通る……とはちょっと言いづらいグレーな都会の海。

 その海を背中に響ちゃんと未来ちゃんを乗せて泳ぐ俺。時速60キロでかっ飛ばしている。

 

 久々登場、深海型ギアである。

 上半身はインナーのみ、下半身は装甲が集まり人魚のような形になっている。

 背中に光る輪っかを背負い、手には先端が熱くなる銛型のアームドギアを持つ。

 水中を時速60キロで泳ぎ、背中の光輪で暗い深海を照らす。

 そんなギアが深海型ギアである。

 

 作戦はこうだ。

 深海型ギアを纏った俺が響ちゃんと未来ちゃんを乗せて深淵の竜宮まで行く。

 これで空飛ぶエンジェノイズたちはスルー可能だ。

 深淵の竜宮には隔壁があるので、浸水してもすぐに排水するという。

 そんな深淵の竜宮で響ちゃんと未来ちゃんを降ろした後、深海型からノーマルなシンフォギアに戻して、三人で聖遺物を防衛する。

 そういう作戦だ。

 

「ナルくん大丈夫、重くない?」

 

 と、背中に乗り光輪を掴む響ちゃん。

 響ちゃんと未来ちゃんも既にシンフォギアを纏っている。ノーマルな奴だけど。

 二人はまだ心象変化のギアを持っていないのだ。

 深海トレーニングが必要、必要じゃない?

 

「全然平気よ。でも落ちたら戻るの手間だからしっかりしがみついてね。体をもっと密着させて!」

「うん、こうかな?」

オッケイ(んほーたまんね)!」

「ナルくん?」

 

 未来ちゃんの視線が絶対零度である(震え声)

 

「危ないのは本当だから(掠れ声) 未来ちゃんもしがみついて、ね?」

「変態」

 

 と言いながらも体を密着させる未来ちゃん。

 控えめおっぱいがむにっと押し付けられる。

 ところで深海型ギアは装甲が下半身に集中している。

 つまり下半身のスペースはほぼゼロというわけで。

 熱膨張したご立派様が装甲に押し付けられて痛い。

 痛ぁい!

 

「ナルくん大丈夫? やっぱり二人はきついのかな」

「大丈夫だと思うよ」

 

 心配する響ちゃんと冷たい目の未来ちゃんであった。

 でも未来ちゃんそんなこと言いつつおっぱい押し付け続けてるんだけどね。

 あんたも好きね。

 股間が痛いね(震え声)

 とかなんとか言っていると。

 

「見えてきた」

 

 水平線に群がるエンジェノイズたちが見えてくる。

 

「よし。潜るよ」

 

 ここからは潜水して深淵の竜宮に向かう。

 空を飛ぶエンジェノイズに絡まれると面倒だしね。

 

「本当に大丈夫なの?」

 

 と、響ちゃん。

 水中で息が出来るのか不安なのだ。

 

「大丈夫。俺はこのギアで水深5000メートルまで行ったから」

「響、ナルくんと一緒なら大丈夫だよ」

 

 未来ちゃんが響ちゃんの手を握ったみたい。

 

「うん、そうだよね。ナルくんと一緒なら大丈夫だよね」

「うん、任せておくれよ」

 

 さて、というわけで。

 浦島太郎に助けられた訳ではないけれど。

 深淵の竜宮まで、ご案内である。

 

「さあ、行くよ!」

 

 俺は海に潜る。

 下半身の装甲からエネルギー放出、俺たちを囲むように球状に形成。

 水圧から身を守ると共に、水中でも呼吸が出来るようになる。

 どんな理屈かはわからない。

 シンフォギアって不思議!

 

「わぁ……!」

「すごい……!」

 

 背中の二人も問題なさそう。

 海の中の光景を楽しげに見ている。

 ……が、ここは既に戦場なのだ。

 

 白い巨体に大きな口の、魚のようなエンジェノイズが襲いかかってきた。

 というか見た目まんまエヴァのガギエルである。

 サイズは10メートルほどだが。

 それでもあの大きな口は脅威である。

 

「二人とも、しっかり捕まってて。ちょっと、暴れるから!」

 

 

 

 一鳴VSガギエル【1D10】

 

一鳴【9】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)

合計【31】

 

ガギエル【1】+15

合計【16】

 

 

 

 ガギエル。

 魚を司る天使と言われている。

 だから魚の姿をしているのだろう。

 大きな口を開けて、猛スピードで迫ってくる。

 それでも───

 

「───敵じゃあ、ないけれど!」

 

 俺はそれを紙一重で躱すと共にガギエルに銛を突き刺す。

 銛の先端が加熱、ガギエルの肉を焼く。

 俺はその銛を一閃し、ガギエルを分断!

 真っ二つになったガギエルは灰となって海に消えた。

 

「いっちょ上がりッ!」

「ナルくんスゴイ」

 

 ガギエルを余裕綽々で倒した俺に賛辞を送る響ちゃん。

 

「な、ナルくん。下、下!」

 

 と、未来ちゃんが俺の肩を叩く。

 言われた通り下を見ると。

 

「■■■■■ーッ!」

「■■■■■ーッ!」

「■■■■■ーッ!」

 

 無数のガギエルが大口を開けて接近してきていた。

 

「大歓迎やね(震え声)」

「言ってる場合じゃないよ!」

「どうするの!?」

 

 響ちゃんと未来ちゃんが肩をパシパシ叩いてくる。

 どうするってそりゃ……。

 

「あんな数いちいち戦ってらんない! 最高速度でぶち抜くよ!」

 

 俺は一気に加速して海の底の竜宮城に向かう。

 大口で噛み付いてくるガギエルは、ぎりぎりでかわしていくが……。

 

 

 

一鳴VSガギエル軍団【1D10】

 

1 響ちゃんが噛まれた!(響の戦闘ダイス−5)

2 未来ちゃんが噛まれた!(未来の戦闘ダイス−5)

3 一鳴くんが噛まれた!(一鳴の戦闘ダイス−5)

4 なんとか突破

5 なんとか突破

6 なんとか突破

7 なんとか突破

8 なんとか突破

9 なんとか突破

10 熱烈歓迎

 

結果【1 響ちゃんが噛まれた!(響の戦闘ダイス−5)】

 

 

 

「うぐっ!」

 

 俺の背中で響ちゃんが呻く。

 後ろを見るとガギエルの中の一体が響ちゃんの右脚に噛み付いていた。

 

「離れろッ!」

 

 俺は銛を逆手にもつと、そのガギエルに向けて投擲。

 銛はガギエルに当たり、響ちゃんの脚を開放した。

 

「響! 大丈夫!?」

「うん……。少し痛いけど、へいきへっちゃらだよ」

 

 響ちゃんは強がる。

 だが、響ちゃんの右脚の傷跡からは血が流れて海に広がっていた。

 

「響ちゃん! 大急ぎで深淵の竜宮に向かう! そこで応急処置をしよう」

「うん。……ナルくん、ありがとう」

 

 そうして。

 ガギエルの猛攻を躱しながら深淵の竜宮に辿り着く。

 本来なら潜水艦で向かうべき場所である為、深淵の竜宮には潜水艦を停めるためのムーンプールがある。

 ムーンプールとはなにか。

 お風呂で風呂桶を逆さにして沈めると、風呂桶の中には空気が残る。

 それのでっかいバージョンがムーンプールだ。

 風呂桶、もといムーンプールの下から、深淵の竜宮の内部に侵入する。

 中は薄暗く、非常電源用の赤い電気が仄かに辺りを照らすばかりであった。

 未来ちゃんが響ちゃんを支えながら上陸。

 その後、俺がビッタンビッタンしながら上陸。

 シンフォギアを解除、そしてノーマルなギアを再展開する。

 深海型ギアは陸上では無力だからだ。

 

「響、しっかりして!」

「うん、大丈夫だよ未来。……あいたッ!」

 

 動こうとした響ちゃんが右脚を押さえる。

 ガギエルの噛み跡がシンフォギアの装甲を貫いていた。

 

「この近くに医務室があったはず。そこで手当しよう。……ごめんね響ちゃん」

「ナルくんは悪くないよ!」

 

 謝る俺を響ちゃんが止める。

 

「ナルくんは悪くない」

「……うん。ありがと」

 

 不甲斐ないな俺。

 響ちゃんに大丈夫って言ったのにこの体たらくよ。

 それでも今は、反省してる場合ではない。

 

「未来ちゃん、そっち支えて」

「うん」

 

 俺が響ちゃんの右側を、未来ちゃんが響ちゃんの左側を支えて医務室に向かう。

 医務室はムーンプールからすぐ傍にあった。

 中はやはり薄暗かったが、消毒液と包帯はすぐに見つかった。

 シンフォギアを解除した響ちゃんを椅子に座らせる。

 

 海の中は雑菌でいっぱいである。

 しっかり消毒しないといけないワケダ。

 

「いたたたたッ! しみるよぅ」

「響我慢してッ!」

 

 だから未来ちゃんが響ちゃんの右脚を消毒してるのを、止めるわけにはいかないのだ(目そらし)

 

「ナルくん助けてッ!」

「お労しや響ちゃん……。感染症対策にはしっかり消毒しないと」

「ナルくーんッ!」

 

 あ、未来ちゃんが消毒液使い切った。

 それじゃ包帯巻きましょ。

 俺は響ちゃんの前で跪くと、右脚を持つ。

 右脚の膝から下に噛み跡。

 傷はそんなに深くないみたい。シンフォギアの装甲は無駄ではなかったということね。

 これなら完治したら傷跡は消えるだろう。

 

「不幸中の幸いかな」

「ナルくんがあのエンジェノイズすぐ倒してくれたからだよ」

「そりゃすぐ助けますよ」

 

 そう言いながらグルグル包帯を巻いていく。

 ただ適当に巻いてるわけではない。

 怪我をしても、歩いた時に痛みを感じにくい巻き方があるのである。

 二課に入った当初に了子さんから教わったものだ。

 たぶん、響ちゃんと未来ちゃんも出来るはず。

 

「響どう?」

「うんしょ、と。……うん、平気だよ!」

 

 未来ちゃんに声をかけられた後、響ちゃんが立ち上がり医務室の中を歩き回る。

 問題なさそうね。

 

「でもそれはあくまで応急処置、無理したらすぐ痛むから無理しないこと。というか、ここで待機してて欲しいんだけど」

「駄目だよ! 私はちゃんと戦えるから! 二人だけにやらせたりしない!」

「そう言うと思った」

 

 響ちゃんは俺たちとともに戦うと言う。

 本当は無理してほしくないんだけど。

 でも気持わかるし、放置したら絶対来るだろうしなぁ。

 連れて行くしかねぇなぁ。

 

「無理しないで。何かあったら俺と未来ちゃんにすぐ言ってね」

「うん!」

 

 ……さて、少々予定は狂ったが。

 聖遺物防衛のために、深淵の竜宮の中枢に向かうとしよう。

 中枢にはおっかない聖遺物がいくつもあるみたいだし、ね。 

 





響ちゃんの戦闘力が低下してツライツライ。
3人はこの先生き残る事が出来るかしら……。

いや、でも深淵の竜宮ってことはちょっとアレな聖遺物あるよな。
じゃあダイスとプロット次第ではアレがコレしてこーなるか。

……いけるな
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