転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
泥の王冠プレイ出来てないけど初投稿です。
なんか人をノイズにするとか設定大事故起こしてそうなあらすじ見て、ちょっとビビってるゾ(震え声)
でもだからこそプレイせんとな。
響ちゃんもキャロルちゃんもカリオストロもエロかわいいし、ね?
深淵の竜宮ムーンプールから伸びる道を走る俺。
未来ちゃんは空を浮遊しながらついてくる。
響ちゃんは俺が背負ってる。
「あの隔壁の向こうだ!」
進行方向の先には浸水及び侵入者対策の為の隔壁があった。
もっとも、無惨にも破壊されており大穴が開いているが。
更に問題は、その隔壁の向こうで銃声や轟音が鳴っていることか。
「誰か、戦ってる……?」
と、未来ちゃん。
ここには俺たちとエンジェノイズ以外は居ないはずだが。
…………あ!
「たぶん味方! 行こう!」
俺はそう言うと、隔壁を越えて深淵の竜宮内部に突入する。
「開けロイト市警だ!(短縮詠唱)」
内部は赤い非常灯が仄かに照らす広い空間だった。
瓦礫が散らばり、聖遺物と見受けられるものも雑多にこぼれ落ちていた。
無数のエンジェノイズが竜宮内を飛び回る。
そのエンジェノイズたちを撃ち落とす人型機械。
右腕には対物キャノン。
左腕にはガトリング砲。
背中にはミサイルコンテナ。
彼女は、かつて神霊エイワズと手を組み冬木で聖杯戦争を起こした阿礼 星乃。
エイワズの力で完全な母となる為に人を捨て義体となり、そして敗北して深淵の竜宮に封印されたのだ。
でもその時の彼女は頭と胴体だけだったはず。
手脚が生えてるのは、どういうこっちゃ?
「
俺の呼び声に、顔だけこちらを向ける人型機械。
その顔はかつて人間だった頃に見た阿礼星乃の顔であった。
昔はカメラアイが4つ付いた実弾防御が高そうな頭部パーツだったのに。
黒絹のような髪、白い肌。
だが、瞳は赤く光った。
「……久しいわね、渡一鳴」
「無事だったのか」
ガトリング砲を撃ちながら星乃が答えた。
「ええ。で、あいつらはなにかしら?」
「エンジェノイズ、エイワズの同類が生み出したものだよ」
「通りで、不思議と繋がりを感じるわけだわ」
そう言いながらも、右腕のキャノン砲で大きなエンジェノイズを撃ち落とす星乃。
「というかその顔と手脚はどうやって直したのよ」
「菊江が見つけてきたヤントラ・サルヴァスパという聖遺物の力よ」
と、背中のコンテナからミサイルを撃ち出して迫りくるエンジェノイズの群れを堕とす星乃。
菊江さんは星乃の幼馴染の従者であり、星乃と共に深淵の竜宮に送られたのだ。
世話するついでに聖遺物見つけてきたんか……。
「その菊江さんは?」
「そこの小部屋の中よ」
星乃の後ろには部屋の扉。
その中にいる、ということか?
「ナルくん、この人。人? 味方なの?」
と、響ちゃん。
「かつては敵だったわ」
「今は共闘できるでしょうが」
「勝手にしなさい」
星乃は素っ気なく言うと向かってくるエンジェノイズをガトリング砲で迎撃する。
「ご無沙汰しております、一鳴さま」
小部屋の扉が少し開き、菊江さんが顔を出す。
「あ、お久しぶりです」
「それと、そのお二人もシンフォギア装者ですね。星乃さまの従者、菊江と申します」
「はじめまして、立花響です!」
「小日向未来です」
「菊江、危ないから部屋から出ないで!」
キャノン砲をドカドカ撃ちまくる星乃。
「というかあなた達もシンフォギア装者なら手伝いなさい!」
シンフォギア&星乃VSエンジェノイズ【1D10】
一鳴【8】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
響【2】+5(錬金術補正)+3(未来補正)−5(ケガ補正)
未来【10】+5(錬金術補正)+3(響補正)
星乃【5】+10(義体補正)
合計、【68】。
エンジェノイズ軍団【4】+40(数補正)
合計、【44】。
数だけで大して強いエンジェノイズは居なかったので、特に苦もなくエンジェノイズを倒しきった。
というか星乃が強すぎる(震え声)
「取り敢えず、一段落かしら」
と、星乃がキャノン砲とガトリング砲から硝煙を出しながら言う。
「奥にまだいるっぽいけど」
敵の目的はカ・ディンギルのエネルギー源になる聖遺物である。
それを手に入れるまでは、殲滅し切るまで撤退しないだろう。
深淵の竜宮には他のエリアもあるのだ。
「星乃、あの敵は月を穿つ荷電粒子砲のエネルギー源になりそうな聖遺物を探しているんよ。心当たりない?」
「それなら、私より菊江の方が詳しいわ。ヤントラ・サルヴァスパを見つけるためにあちこち見てきたみたいだし」
と、ひょっこり顔を出す菊江さん。
「話は聞かせていただきました」
「菊江、どうかしら?」
「心当たりはあります。ここの更に地下階に、ここより危険な聖遺物が納められたエリアがあります。おそらくはそこかと」
俺たち装者3人は菊江さんから詳しい場所を聞いた。
「ありがとうございます、菊江さん」
「いえ、皆さんには助けてもらいましたからね」
菊江さんが笑顔でそう言ってくれる。
「あなた達はそこに向うのでしょう?」
「そうだな」
「……気をつけなさい、今相手したエンジェノイズより大きく強力な個体がそこに向かったわ」
「忠告ありがと。二人も早く脱出して!」
「私はともかく菊江はどうするのよ」
「ヤントラ・サルヴァスパの力で潜水艦にでも変形したら?」
「そんなアホなこと……、出来そうね」
目を瞑った星乃が引き気味にそう言った。
ヤントラ・サルヴァスパは星乃の義体に格納されてるみたいだった。
「一鳴さま、響さま、未来さま。私達はここで待っています」
菊江さんがそう言う。
「危うくなれば、共に脱出を。ですのでここに戻ってきてください。」
「……しょうがないわね。菊江がそう言うなら、待っててあげるわ」
星乃がため息をついた。
「ありがとうございます、菊江さん。あと星乃」
「さっきから思ってたけど、私の扱い雑じゃない?」
「響ちゃん、未来ちゃん、行こう!」
「無視するんじゃないわよ(半ギレ)」
だって星乃は元々敵だし。
お前の起こした聖杯戦争のせいで俺の童貞はサヨナラバイバイしたんじゃい!
そんな訳で特に気配りする気も起きないだけであった。
それはそれとして、響ちゃんを背負い未来ちゃんと共に深淵の竜宮の奥に向かう。
地下階に向かうにはエレベーターと階段がある。
だが、エレベーターは停止しており、その扉はこじ開けられていた。
おそらくは、エレベーターは破壊されているだろう。
階段で向かうことにする。
こういう時、浮遊できる未来ちゃん羨ましいわね(羨望)
いや、俺も飛べるけどさ。
「響ちゃん、脚は大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
今は響ちゃんを背負ってるので独り善がりな高速移動はNGなのだ。
優しく、しかし急いで地下階に向かう。
海の底の、そのまた底に。
開けてビックリ玉手箱、その底にある碌でもない宝物を守るために。
「ナルくん!」
未来ちゃんが叫ぶ。
階段が終わり、地下階が見えてくる。
「よし、行こう!」
「うん!」
俺たち3人は深淵の竜宮地下階に突入した。
そこは上の階よりも広く、伽藍としている。
非常灯が赤く照らすエリアは広々としており、聖遺物はあちこちにある大きな金庫のような部屋に封印されているようだった。
その金庫はいくつかが破壊されて、中にある聖遺物が床にこぼれ落ちていた。
人形。
椅子。
なんらかの粘土板。
割れたガラス瓶とそこから漏れる液体。
それらの散らばる奥。
とても大きな金庫がある。
いや、あれは金庫というよりもむしろ別のエリアへの入口というべきか。
そしてその入口を壊そうとするエンジェノイズの群れ。
上の階よりも大きく強力な個体ばかりだ。
その中でも特に強力な個体がこちらを振り向く。
体長5mほどで、彫像のごとき均整の取れた肉体をした美しい若者の姿をしている。
大きな羽が一対背中から生えており、剣と円盾を携えている。
「侵入者確認、排除開始」
「見た目の割に機械的だな!」
「やろうナルくん!」
シンフォギアVSエンジェノイズ【1D10】
一鳴【9】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
響【10】+5(錬金術補正)+3(未来補正)−5(ケガ補正)
未来【6】+5(錬金術補正)+3(響補正)
合計、【58】。
エンジェノイズ:typeハニエル【8】+20(性能補正)
エンジェノイズ軍団【7】+20(数補正)
合計、【55】。
「響ちゃん、未来ちゃん、雑魚は任せた!」
「うん!」
「了解!」
俺は響ちゃんを降ろすと、アームドギアの戦輪を振りかざしながら大きなエンジェノイズに向けて突撃する。
それを左手の円盾で受け止める大きなエンジェノイズ。
「ハニエル、状況開始」
「お前の名はハニエルか!」
そう叫びながら戦輪を高速回転。
戦輪と円盾の間で火花が飛び散る。
しかし、ハニエルの体幹は揺るがない。
流石5m級。
ハニエルの後から突撃してくるエンジェノイズたちは未来ちゃんがなんとかしてくれてる。
だが、何体かは神獣鏡の攻撃を抜けてくるやつもいる。
「させない!」
響ちゃんが地面を殴る。
地面には魔法陣。
攻撃を抜けたエンジェノイズたちの真下にも魔法陣が現れる。
そして、その魔法陣から黄金の土の槍が形成され、エンジェノイズたちを貫く。
キャロルちゃんの教えた錬金術だ。
エンジェノイズ軍団撃破!
「救援要請。救援要請。至急来られたし」
「その前に倒してやるよォ!」
戦輪を、さらに高速回転。
火花がさらに散る。
それでいい。
互いの姿が見えなくなるくらいで。
「行け、戦輪!」
腰アーマー展開。
中に納められていた小戦輪が飛び上がる。
炎を上げて高速回転しながら、小型戦輪がハニエルの背後から攻撃する。
「!?」
「隙ありッ!」
攻撃を受けたハニエルは一瞬体制を崩す。
そこを逃さず戦輪を振り上げる。
相手の腕は円盾ごと跳ね上がる。
腹が、ガラ空きである。
「スダルシャナパンチ!」
なんのことはない、ただの炎を纏った拳を打ち込む。
「救援要請。救援要請。きゅうえん……」
だが、それが効いたのか、ハニエルは後ろに倒れる。
「きゅ……え…………」
そして、灰となって消えた。
「状況終了。二人とも無事?」
「うん。未来は?」
「うん、私も大丈夫」
と、言い合っていたら。
深淵の竜宮全体を襲う振動。
更に何かを破壊する音。
それは上から聞こえてくる。
そして。
天井が崩れる。
「きゃあ!」
「なんなの!?」
俺は響ちゃんと未来ちゃんをかばう。
瓦礫とホコリが舞う。
その中から、幾条もの銀色の光線。
俺はとっさに小型戦輪を盾にする。
銀の光線が当たった小型戦輪が銀となって地面に落ちる。
こんな事ができるのは……。
「ハニエルがやられるとは……。深海までご苦労だな、シンフォギア」
神霊ツァバトのエントリーであった。
ツァバトの両側には、顔のないシェム・ハのような熾天使型エンジェノイズが2体立っていた。
「ツァバト、お前こそこんな海の底になんのようだ?」
「わざわざ話す必要はないな」
ツァバトたちは、目的がカ・ディンギルの奪取と月の破壊ということがバレていることに気付いていないみたいだ。
「それもそうだ、な!」
俺はツァバトに戦輪を投げつける。
ツァバトは戦輪をバレーのレシーブのように受け止め、弾き返してきた。
「油断も隙もないな、シンフォギア」
「お前相手に余裕もないからな」
俺は弾き返された戦輪を掴み取りながら言った。
「だが一人ケガをしているな。不運なことだ」
「その分こっちでカバーするし(震え声)」
「ナルくん、私は大丈夫だから!」
と、響ちゃん。
「響、私も一緒だよ!」
未来ちゃんもそう言う。
「どこまでやれるか、楽しみしておこう」
ツァバトがそう言うと、熾天使型エンジェノイズたちと共にこちらに攻撃してきた。
シンフォギアVSエンジェノイズ【1D10】
一鳴【3】+13+3(マリア補正)+3(セレナ補正)+3(クリス補正)
響【3】+5(錬金術補正)+3(未来補正)−5
未来【2】+5(錬金術補正)+3(響補正)
合計、【41】。
ツァバト【6】+20(分霊補正)
熾天使型【2】+20(性能補正)
熾天使型【10】+20(性能補正)
合計、【78】。
ツァバトの攻撃を受け止める俺。
小型戦輪による直接攻撃や、ファンネルめいたビーム射出なども交えて多角的に攻撃する。
これでツァバトは俺相手に集中せざるをえない。
あとは、熾天使型2体の相手を響ちゃんと未来ちゃんが出来るかどうかだが。
「よそ見はいけないなぁ!」
ツァバトがそれを許してくれない。
ツァバトのチョップを戦輪で受け止める。
高速回転する戦輪とツァバトの腕が火花を散らす。
「頑丈な奴め!」
「2年前のように倒れてくれるなよ!」
あっチョップの圧が強い!
押し返しきれない。
俺はチョップを受け流しながら、小型戦輪でツァバトを攻撃。
その隙に距離を取る。
ちら、と響ちゃんと未来ちゃんの様子を確認。
「うわあああ!」
「きゃあああ!」
二人が吹き飛ばされていた。
聖遺物を収めている金庫に激突する。
「響ちゃん! 未来ちゃん!」
「あの2人では、熾天使の相手は出来なかったか」
その熾天使型エンジェノイズ2体は、吹き飛んだ響ちゃんと未来ちゃんの元へ歩いていく。
「二人とも! いま助けに───」
「行かせんぞ!」
ツァバトがツァバトが身体を倒しながら突撃。
両手を地につけ、片脚を軸に蹴りが放たれた。
メイアルーアジコンパッソ!
「読めてるぞ! イヤーッ!」
俺は前転で回避。
そのまま身体を倒したツァバトに戦輪を叩きつける。
「甘いッ!」
ツァバトはそれを更に横回転で回避。
回転の勢いを利用し立ち上がる。
「そこで聞いておけ、貴様の仲間の断末魔を!」
ツァバトによるガトリングの如き拳の応酬。
俺は戦輪を構えて防御。
嵐の如き攻撃に、二人を助けに迎えない……!
「クソっ!」
なにか、なにか手はないか。
そう、思考していたら。
「■■■■■───!!!!!」
獣のような唸り声が聞こえて……。
熾天使型エンジェノイズが吹き飛んできた。
吹き飛んできた熾天使型は俺とツァバトにぶつかりそうになったが、ツァバトが後退した隙に俺も後退し、ちょうど二人の間を飛んでいった。
「一体なにが……」
唸り声が聞こえた方を見ると、響ちゃんが立っていた。
「ウゥゥゥゥ……、グゥゥゥゥゥ」
響ちゃんは全身がドス黒く染まり、瞳が紅く光っていた。
右手は握られて突き出されている。あれでエンジェノイズを吹き飛ばしたのだろう。
左手は何かを掴んでいる。寄木細工の手のひらサイズの箱だ。
黒いオーラが漏れている。
響ちゃんは暴走していた。
金庫の中にあっただろう左手に持った箱型の聖遺物のせいで。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
暴走した響ちゃんがもう一体の熾天使型エンジェノイズを殴り飛ばした。
「ひび、き……?」
その側にいた未来ちゃんは、呆然と変わり果てた響ちゃんを見ていた。
「■■■■■───ッ!」
響ちゃんはお腹を押さえて苦しんでいる。
響ちゃんの持つ箱が、原因なのだろう。
「……面倒な」
ツァバトがそう零す。
「いや、アレは放っておけばいいか」
「……どういうことだ?」
思わず、ツァバトにそう聞く。
「あの小娘の持つ箱は呪いのたぐい。持つ者も苦しめ、いずれは殺すだろうよ」
「なに……?」
「腹を押さえているだろう? 内臓が捻れて苦しんでいるのだ」
響ちゃんの、内臓が……!?
「未来ちゃん! 今すぐ響ちゃんの左手の箱を壊すんだ!!!」
「ッ! わかった!」
俺の慌てた声に未来ちゃんは、すぐに行動する。
アームドギアで響ちゃんの左手を狙う。
「響、ごめん!」
未来ちゃんVS響ちゃん(暴走)【1D10】
未来【10】+5(錬金術補正)+3(響補正)
響【2】×5(暴走補正)+5(錬金術補正)+3(未来補正)−5
未来ちゃんの攻撃が当たる、そう思った時。
「■■■───」
お腹を押さえていた響ちゃんが動いた。
右手で未来ちゃんのアームドギアを掴んだのだ。
そのままアームドギアを握りつぶそうとする響ちゃん。
未来ちゃんのアームドギアにヒビが入る。
「響ィッ!」
未来ちゃんが叫ぶ。
それに呼応するかのように、鏡型のユニットが現れる。
鏡から光線が放たれる。
聖遺物を浄化する、神獣鏡の光だ。
「■■■■■!」
響ちゃんはアームドギアを離して避ける。
後退する響ちゃん。
だが、よろける。
右足のケガが響いたのだ。
そこを見逃す未来ちゃんではない。
「響、元に戻って!」
神獣鏡の光が響ちゃんの左手に当たる。
叫び声のような、甲高い音を立ててボロボロになっていく寄木細工。
それに合わせて、響ちゃんの色が戻ってくる。
黒から、響ちゃんに。
そして、箱が完全消滅。
気を失った響ちゃんが倒れようとするが未来ちゃんが肩を抱いて受け止める。
よかった、無事で。
と、思ったのだが。
ドカァァァァン、と大轟音。
振り向くと、エリア最奥の金庫に大穴が空いていた。
ツァバトの仕業であった。
あの野郎、俺が響ちゃんと未来ちゃん見てる間に……!
「未来ちゃん! 響ちゃんを連れて、星乃と脱出を!」
「ナルくんは!?」
「アイツを止める! 最悪俺は一人でも脱出出来るから二人で早く逃げるんだ!」
「……ッ、わかった! また後で!」
響ちゃんを背負った未来ちゃんがツァバトが竜宮に侵入したときに空けた穴から脱出する。
こういう時、浮けるシンフォギアは便利だと思う。
「ツァバト!」
それはともかく。
俺はツァバトの後を追い、奥のエリアに向かった。
金庫を越えた先は……。
「さっむ!」
極寒だった。
思わず戦輪から炎を出してしまう。
だからわかった。
明るくなった最奥のエリアに眠る、その大きな威容を。
「なに、これ……」
それは、竜であった。
大きな翼の生えた、ずんぐりとした肉体。
首は短く、手脚は太い。
紅と金で彩られた身体は青く凍りついている。
「ニュークリアドラゴン、グラウスヴァインという」
ツァバトであった。
その竜、グラウスヴァインの前に立っていた。
「太母シェム・ハの記憶にある。先史文明期に太陽系の外から到来した、我らの知らぬ文明の兵器だ」
「……お前ら以外にも宇宙人がいるのか」
「ああ。当時も慌てたみたいでな。コイツを凍らせて封印するためにアヌンナキの1/3と大陸一つを犠牲にした」
グラウスヴァインの封印のために、それだけを犠牲に……。
というか犠牲にした大陸、ムーとかアトランティスじゃね?
「コイツが目覚めれば、この星全土は焦土となるだろう」
「そんなに危ないならすぐにお引取り頂きたいんですけお!」
「そういうな。すぐ終わる」
そう言うと、ツァバトはグラウスヴァインの肉体に右腕をねじこむ。
氷を砕くバキバキという音と、肉を裂くグチュグチュという音が鳴る。
何かを探すように右腕を掻き回すと、右腕を引き抜く。
その手には、光輝く赤い石。
「なに、それは」
「常温核融合体だ」
「物騒すぎるんですけど!」
身体の中にそんなものがあるなんて、ニュークリアドラゴンなだけある。
「それ置いてさっさと帰れ!」
「それ以上近付くと、氷が溶けるぞ?」
ツァバトに言われて、思わずツァバトに近づく足を止める。
ほのおタイプの己が、今は恨めしい。
「今のルル・アメルではグラウスヴァインを止めるのは難しかろうよ」
そう言うとツァバトは俺の横を飛んでゆく。
「ああ、そうだ。グラウスヴァインはもう死んでいる。封印が解けても動かんよ」
「はぁ!?」
騙された。
最悪である。
「待てツァバト!!!」
「また会おう、シンフォギア。我が契約者がいずれ宣戦布告するだろう時を待て」
そう言うとツァバトはさっさと深淵の竜宮を脱出していった……。
「チクショウめぇ!!」
カ・ディンギルのエネルギー源になるだろう聖遺物の保護、出来なかった。
最悪だ。
「落ち込んでる場合じゃない!」
深淵の竜宮はもう限界なのか、上の階から海水がナイアガラのように降ってきている。
俺も早く逃げないといけない。
「未来ちゃんも逃げてるといいけど」
俺はシンフォギアを深海型に再展開。
降り注ぐ海水を滝登りの要領で遡る。
上の階は水没しつつあった。
壁から海水が溢れ出し、床が一メートルほど浸水している。
「ナルくん!」
未来ちゃんの声。
クジラのような形の潜水艦から顔を出している。
「未来ちゃん!」
「遅いわよ! 早く脱出を!」
と、潜水艦から声。
近付くと、潜水艦の正面に大きな女性の顔。
星乃であった。
「いやもうちょいどうにかならない!?」
「仕方ないじゃない、ヤントラ・サルヴァスパの制御が難しいのよ!」
きかんしゃトーマスみたいな潜水艦星乃がそう言う。
まあ、贅沢は言えないわよね(震え声)
「あ、定員オーバーだからアンタはそのまま泳いできなさい」
「チクショウめぇ」
そんな訳で。
俺たちはなんとか帰還したわけだった───。
◆唐突な用語解説コーナーな?◆
○ハニエル
ハニエル (Haniel) は、エノク書などに語られる天使の一人で、その名は「神の栄光」「神を見る者」を意味する。
七人の大天使の一人とされる。
魔術において、ハニエルは寵愛を勝ち取るために呼び出される。また、彼は愛と美を支配しており、愛情、平和、調和を増やす呪文に出てくる。
byウィキペディア
メガテニストとしては赤い翼で肉体を隠す青い肌の大天使。大体カズフェルとセットのイメージ。
○響ちゃんの持ってた寄木細工の小箱
コトリバコ。
2ちゃんねるの洒落怖が出典。
女子供を惨たらしく呪い殺す恐るべき呪物。
風鳴機関が昭和期に秘密裏に回収していたもの。
○グラウスヴァイン
核ドラゴン。
筆者はワイルドアームズもグラウスヴァインギアのイベントもプレイしてないので設定をでっちあげた。
体内に腫瘍のように常温核融合体を生成するやべー奴。
死んでるのが惟一の救いか……。
と、言うわけで125話でした。
未来ちゃんが暴走響ちゃんに勝てるとは思わなかった(震え声)
愛は強しやね……(にっこり)
次回からしばらくは休養期間です。
鍛えたりイチャイチャしたりします。
ではまた次回ノシ