転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
メックヴァラヌス後半プレイ後ワイ「訃堂!!」
カルマノイズ襲撃の翌日。
二課の主要メンバー、すなわち訃堂、弦十郎、了子、キャロル、ウェル、藤尭。そして一鳴は、二課内にある会議室に集まっていた。
前日に発生した、ノイズの大量発生とカルマノイズについて話し合う為である。
「では昨日判明した事を報告してくれ」
「わかったわ」
弦十郎の言葉に答える了子。
カルマノイズ襲撃の後、現場検証や報告された情報の整理を、技術部が請け負っていたのだ。
「まずは、ノイズの大量発生の方から報告するわね。原因はスマートフォンよ」
「スマホ?」
「正確には、ノイズ召喚プログラムがインストールされたスマートフォン」
「はいぃ?」
一同、驚きの声をあげる。
「詳しく説明するわね。少し前にスパムメールを利用したノイズ召喚術式による無差別殺人が発生していたのは、みんな報告書で知っているわよね」
「逆さまの五芒星を用いた異端技術、っていう奴ですよね?悪魔召喚術の起源とかいう」
一鳴の回答に頷く了子。
「そうよ。今までのスパムメールを利用したノイズ召喚は単発の、ノイズ一体しか呼び出せないもので、スパムメールを開いた人にしか危害が出ないものよ。でも、今回のノイズ召喚プログラムは連続してノイズを呼び出す事が出来るわ」
「それが、今回の原因……」
「ええ、そう。そして、このスマホは現場近くの廃墟から見つかったわ」
「見つかった時には既に電源が落ちており、ノイズ召喚プログラムが停止していたのが幸いだった」
そう言うのは弦十郎。
もし、スマホの電源がまだ生きていたら、召喚されたノイズに現場検証中の人員が殺されていたからこその発言であった。
ちなみに、そのスマホを二課で充電して起動させた黒服の一人がノイズ召喚プログラムも起動してしまい、偶然近くにいた一鳴とキャロルは呼び出されたノイズから黒服を守る事となった。
その後、迂闊な行動を取った黒服は了子とキャロルにこっぴどく怒られた。
「そのスマホから他に情報は見つかったのか?」
「いいえ、訃堂司令。スマートフォン自体は盗品でしたし、ノイズ召喚プログラム以外に異常はありませんでした」
「手掛かりはノイズ召喚プログラムのみ、か……」
訃堂が腕を組み、唸った。
「少なくとも、ノイズ召喚という特級の異端技術に精通し、それをプログラムに組み込む技術力を持っている者が相手、という事だな了子くん」
「そうよ、弦十郎くん」
「そういえば、スパムメールの送信元は辿れたのか藤尭?」
キャロルの問いに困った顔で答える藤尭。
「それが……まだ辿れていないんだよ」
「は?どういう事だ?」
「たどろうとしても送信元がモナコだったりツバルだったり……」
「なんだそれは……」
「色々なサーバーを経由してメールを送っているみたいでね……。本当の送信元にたどり着くにはまだまだ時間が掛かるよ」
「ヌゥーッ!敵はどれほどの力を持っているのか……」
訃堂がまたしても唸る!
そんな訃堂を見て、八紘が口を開いた。
「少なくとも個人ではないでしょう。組織……それも生半な大きさではないか……」
「あるいは、国か?」
「ありえるな……」
中国、インド、そしてアメリカ。
ITと異端技術に通じ、歴史的経緯や保有する聖遺物を求めて日本を狙う国は多い。
しかもノイズという、最悪の特異災害を武器に使われるのだからたまらない。
「早急にノイズ召喚術式の対策を実用化せねばならぬ」
「わかりました」
「わかった」
訃堂の言葉に頷く了子とキャロル。
ノイズ召喚術式という異端技術に対抗出来るのはこの二人ぐらいなのだ。
「ノイズの大量発生についてはこの辺にして、次は……」
「あの黒いノイズですねぇ!」
訃堂の言葉を無理矢理繋いだのはウェルであった。
徹夜での調査によりテンションが高かった。
訃堂も少し引いていた。
「う、む。黒いノイズの調査はウェル博士の領分であったな」
「はいそうですよぉ!この天才!にして英雄!ドクタァァァウェェェェルが調査してきましたァン!」
「煩い黙れ」
あまりのテンションの高さにキャロルが一睨み。しかしウェルは気にしない。
「合法お子ちゃまはシャラップ!静かになったところで、この黒いノイズについて説明しましょう!」
「……やはり仮眠の時間を挟むべきだったか」
「次からはそうしてね弦十郎くん……」
「シャラップ!!」
ハイテンションなせいでずれ落ちた眼鏡を直すウェル。
「さて!あの黒いノイズ、どうにも【呪い】の類いを身に纏っているようなんです」
「呪い?」
訃堂が聞く。
「ええ、呪詛、怨念。そういった類いの精神に悪影響を与える何か。それがあの黒いノイズの黒さの原因ですねェ!」
「そう言える根拠は?」
「僕が調べた所によれば、その日避難させようとしていた老人ホームの人たちが凶暴化していた事が確認されています」
だから老人ホームの避難が遅れていたんですよォ、と続けるウェル。
その報告に疑問を呈する八紘。
「なぜそれだけで黒いノイズが呪いを身に纏っている、と言えるのだ?」
「アメリカに居たときに、呪われた聖遺物のレポートというのを読んだ事がありましてね。【ティルフィング】というものなんですが」
ティルフィング。
北欧神話に出てくる魔剣である。
持ち主の願いを三度叶えるが、持ち主に破滅をもたらす呪いが掛けられている。
掛けたのはドヴェルグ。オーディンの子孫スウェルフラーメに無理矢理捕らえられ、魔剣を作らされた為に呪いを掛けたのだ。
「ええ。強力な力を持っていますが、研究に関わろうとした人間が凶暴化してしまう為、現在は封印処置で倉庫に放置されてますね」
「なるほど……。老人ホームの件と似ているな」
「故に僕は、このノイズは呪いを纏っていると確信したんですよォ!」
ハイテンションが止まらないウェル。
「で、この黒いノイズを倒す手段はあるのか?」
キャロルがうんざりしながら聞く。
「通常のノイズよりも強く、強力な再生能力を持つこの黒いノイズを倒す方法は一つ。一撃で倒す、これしかありません」
「……具体的には」
「絶唱ですね」
ざわつく面々。
ただ一人、前世の知識を持つ一鳴だけは冷静であった。
絶唱はフォニックゲインを爆発的に高める決戦機能だが、その代償として肉体にバックファイアによるダメージを負うことになる。
危険な賭けであった。
「フォニックゲインをチャージしての一撃は?」
一鳴が聞く。
冷静に、答えを知っているかのように。
「合法お子ちゃまの戦闘データを見る限りは、極めて難しいでしょうねぇ……。手足が吹き飛んで平均0.6秒で再生してますから、生半な攻撃では倒せないでしょう」
「だが、絶唱などッ!」
机を叩いて立ち上がるキャロル。
それを止める一鳴。
「なぜ止めるッ!お前が死ぬかも知れないんだぞ!!」
「うん、わかってる。でもそれはウェル博士もわかってるんでしょう?」
「勿論!」
「なら対策も立ててますよね」
「よくわかってるじゃないですか!」
そう言って、机の上にあるものを置く。
緑の薬剤の入った銃型の注射器。
了子がいち早くその正体に気付く。
「LiNKERね」
「ええ。これで適合率を上げて上げて上げまくって、バックファイアのダメージを低減させるって考えです!」
LiNKER。
人と聖遺物の適合率を上げる薬剤である。
絶唱のバックファイアは適合率が低くければ低いほどダメージが大きくなる。ならばLiNKERで適合率を上げてしまえ、という訳だ。
「これなら過保護な合法お子ちゃまも安心じゃァないですか?」
「ふん……。確かに死ぬほどのダメージにはならんだろう。それ相応のダメージは負うだろうがな」
「それは覚悟の上だよキャロルちゃん」
一鳴の言葉を聞き、訃堂に顔を向けたキャロル。
「風鳴訃堂ッ!次に黒いノイズが出たときはオレも出るぞ!」
「わかった、その時は頼むぞ」
「キャロルちゃん……」
「一鳴、お前を鍛えたのはオレだ。そのお前にノコノコ死なれたら寝覚めが悪いからな!」
「うん、ありがとう」
確かな師弟の絆がそこにはあった。
そういう訳で。
カルマノイズとのリベンジ戦では絶唱を用いる事となった。
◆
会議から二日後。
再びカルマノイズが現れた。
現れた場所は商業地区。
通常ノイズが……、
ノイズのオトモ【1D10】
1 小規模(10体ほど)
2 中規模(50体ほど)
3 中規模(50体ほど)
4 中規模(50体ほど)
5 小規模(10体ほど)
6 中規模(50体ほど)
7 中規模(50体ほど)
8 大規模(100体ほど)
9 大規模(100体ほど)
10 カルマノイズくん「誰も来ねぇ……」
結果、【1】
10体ほどのノイズがカルマノイズと共に現れた。
夏休みということもあり、カルマノイズとの戦闘に備えて二課に詰めていた一鳴はキャロルと共に現場にヘリコプターで急行した。
「では作戦通りに行くぞッ!」
「了解ッ!」
ヘリコプターから飛び降りる二人。
既にシンフォギアとファウストローブは着装済みである。
「まずはオトモのノイズを倒す!」
一鳴の先制攻撃【1D6】
1 カルマノイズに邪魔された……!
2 5体倒した!
3 全滅させた!
4 全滅させた!
5 5体倒した!
6 カルマノイズに邪魔された……!
結果、【6】
一鳴によるアームドギア戦輪投擲。
渦巻く炎と108の刃はノイズを残さず滅する筈であった。
しかし、前回の戦闘で学習したのかカルマノイズが戦輪を弾き、ノイズたちを守る。
「キャロルちゃん!」
「問題ない!」
キャロルが腕を振るうと、指先の弦がカルマノイズに絡み付き束縛。
「ぐぅっ……!今だ!」
「わかった!」
彼らの作戦はこうだ。
キャロルのファウストローブの力でカルマノイズを束縛してる間に、一鳴が絶唱してカルマノイズを滅する。
本来なら初手で通常ノイズの数を減らしてから絶唱する予定であったが、今回現れた通常ノイズの数が少なかった事から絶唱の使用に踏み切ったのであった。
ちゃんと絶唱出来た?【1D6】
1 問題ない!
2 問題ない!
3 ノイズによる妨害
4 問題ない!
5 問題ない!
6 カルマノイズの束縛が解けた!
結果、【5】
「
───Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl───
」
一鳴が絶唱を歌う。
一鳴のシンフォギアから発せられるエネルギーは風を起こし、ノイズたちを近付かせない。
カルマノイズはその風に抗おうとし、ダウルダブラの弦をギチギチと引き千切ろうとする。
だが、その抵抗は叶うことはない。
絶唱を歌い終えた一鳴はアームドギアである戦輪を生成し、構える。
それは先程とは違い、直径3m程の大きさの巨大戦輪であった。
戦輪からは無数の刃が三段重ねに生えており、その間から太陽面爆発めいた超高温の炎が巻き起こる。
戦輪が円鋸めいて高速回転し、炎が勢いを増す。
「やれ、一鳴!」
「どぅおりゃぁぁぁあ!!!」
キャロルの掛け声を合図に巨大戦輪投擲。
巨大な戦輪はノイズを巻き込み尚回転を増し続ける。
そして巨大戦輪がカルマノイズに直撃。
無数の刃がカルマノイズの身を削り落とし、超高温の炎が傷を広げていく。
そのダメージはカルマノイズの再生能力を越えていた。
「いけぇぇぇぇ!!!」
一鳴の掛け声と共に巨大戦輪回転数倍増!
カルマノイズの身は既に千々に砕かれ、その欠片も炎に焼かれて塵にすら残らず。
こうして。
カルマノイズは消滅したのであった。
一鳴のダメージ【1D6】
1 ちょっと鼻血が出ただけ
2 血涙が少し
3 ノーダメージとは恐れ入った
4 ちょっと鼻血が出ただけ
5 血涙が少し
6 絶唱顔
結果、【5】
「あー、視界が赤い!」
そう言う一鳴。
一鳴の目からは血の涙が流れていた。
「おい、大丈夫か!?」
「え、ああ大丈夫大丈夫。特に痛みはないけど……血止まらないなぁ」
絶唱のダメージで血涙が止まらない一鳴であった。
本来なら七孔噴血するほどのダメージである筈だが、大分軽く済んでいた。
現着までのヘリコプターの中でLiNKERを打っていた成果であった。
「おい本部!医療チームは控えさせているな!?すぐに帰投するから病室を一つ開けておけ!」
「いや、そんな慌てなくても大丈夫よキャロルちゃん。痛みは本当に無いし。血も止ま……止まらない!」
「いいから!とっとと帰るぞ!」
一鳴を引きずるキャロル。
その先にはヘリコプターが待機していた。
そんな訳で。
初戦にして最初の強敵カルマノイズは、多少の負担はあったもののなんとか倒せたのであった。
◆
「シンフォギア、そしてファウストローブ。恐ろしい力だな」
「しかり。されど、我らの知恵と我が【兵士】が有れば、あれらは恐れるに値せず」
「確かに、な。お前の力はああいった単一の力に対して有利に動ける」
「……なにか有るのか?」
「敵はシンフォギアやファウストローブだけじゃない。風鳴訃堂やフィーネ、そして忌々しいウェルキンゲトリクス!」
「契約者よ」
「わかっている。僕は冷静だ。……とにかく、油断だけはするな。奴らは強大だ」
「理解はした。しかし、所詮は我らが被造物。我が【兵士】には敵わず。我らを信じよ」
「……まぁいい、その【兵士】だが早速使うことになりそうだ」
「ほう?」
「あの女から連絡があった。二課に潜り込ませた【信者】からの情報だ。【神獣鏡】の研究施設に目星が付いた」
「鏡が見つかったか!朗報である。して、いつ取りに行くべきか」
「シンフォギア装者はまだ小学生だ。小学生には修学旅行というものがあるだろう。……10月20~21日だ」
「戦力が手薄な時を狙うか。理解した。それまでに【兵士】の数を増やしておくとしよう」
「ああ、頼んだぞ■ァ■■よ。真なる神とやらの復活にも、僕の夢にも神獣鏡が必要不可欠なんだからな」
深夜に振るダイスは極端な出目を好む。そんな11話でした。
あと、誤字報告ありがとうございました。
ハーメルンぽちぽち触ってたらいつの間にか誤字修正されててハイテクを感じました。
次回はみんな気になるエルフナインちゃんやオートスコアラーの面々の安否についての話をする予定。
ほな、また。