転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
(前回のあらすじ)
修学旅行に同行出来なかったお詫びに響と未来にパフェを奢る一鳴。しかし、ちょうどその時パヴァリア三幹部とノーブルレッドが店内に入ってきた!
彼らは日本の【セーマン桔梗組合】がキャロルの脳を狙うことを阻止しに来たのだ。
だが、セーマン桔梗組合はかなり頑ななようで、三幹部の命を狙っているぞ……!
(アイエエエ!?パヴァリア!?パヴァリアナンデ!?)
俺は心中で大混乱であった。
なんでパヴァリアの三幹部とノーブルレッドの三人が日本の喫茶店にいるの!?
『どうやら日本には出張兼休暇で来ているようだな』
と、サイコロ神さま。
それでこの喫茶店にお茶しに来たのね。
この喫茶店、デリシャスロカカカパフェで有名になったから。
だからってなぁ……。
なぁーんで俺が居る時に来るのかなぁ。
「6名でお待ちのサンジェルマン様~」
そんな事を考えていたら、店員さんに案内されるパヴァリアご一行。
そして俺たちの席の近くへ案内された。
なんでさ。
「うわぁ、あの人たちキレイだね!」
「うん、モデルさんかな?」
響ちゃんと未来ちゃんが見惚れている。
「ねぇ聞いたサンジェルマン?あの子たち、あーしたちの事モデルみたいだって!」
「なかなか照れるワケダ」
「いや、プレラーティの事を言った訳じゃないと思うゼ?」
「ミラアルクちゃん、シーッ!」
響ちゃんたちの言葉にキャッキャしている六人。
……なかなか和気藹々としているね。
「こんにちは」
サンジェルマンが笑顔で此方に話し掛ける。
「こ、こんにちは」
キレイで大人なお姉さんに話し掛けられて、二人とも緊張した様子であった。
「ねぇ、あーしたちキレイに見える?」
カリオストロが顔をずい、と近付けて聞いてくる。
「は、はい!」
「とてもキレイだと思います」
「やぁーん!嬉しい!貴女たちもとってもカワイイわよん♪」
キャッキャと戯れるカリオストロとひびみくの三人。
「お姉さんたち、モデルさんですかぃ?」
俺はそう聞いた。
いや、錬金術師だってこと知ってるけども、このままじゃ会話にあぶれちゃうし。
しょうがないね。
「いいえ、私たちは宝石商よ」
「日本にはビジネスに来たのよ。バカンスも兼ねて家族と一緒にね」
と、サンジェルマンとヴァネッサ。
どうやら、宝石商というのが彼女たちの表向きの肩書きらしい。
『実際の所は、日本にあるパヴァリアの下部組織の暴走を諌めに来たようだが』
(暴走?)
『それ以上は禁則事項故に口外不可である』
(つまり俺に関わる何か、ということか……)
サイコロ神は裏話などは教えてくれるものの、これから俺に関わる事や現在進行形で関わっている事については教えてくれないのであった。
だが、少なくともパヴァリアのご一行が日本に来たのは俺に関わる何かが原因という事であるか……。
なんじゃろうね。
もっと聞き出したいけど、俺の話術じゃ聞き出せないだろうなぁ……。
「やぁ、ご注文はお決まりかい?」
お、パヴァリアご一行と楽しく話していたら店長のキルケーさんがパヴァリアのテーブルに注文を聞きに来た。
うーん、何度見ても前世のFGOのキルケーにそっくりだなぁ。
「私のオススメはこのキュケオーンセットさ!」
「いえ、このデリシャスロカカカパフェを六つ」
「え、キュケオーンセットを六つ?(すっとぼけ)」
「……」
「冗談さ。デリシャスロカカカパフェ六つ。しばらく待っているといいよ」
そして、キルケー店長は此方のテーブルに向かってくる。
「そこの少年!キュケオーンは要らないかい?」
「あ、サービスのキュケオーンが残ってるので大丈夫です」
「そうかい?遠慮しなくていいんだよ?」
「お腹空いてたら頼みますね」
「期待して待っているよ!」
そう言ってにこやかに去っていくキルケー店長。
……うん、やっぱり俺の知っている怪文書のキャスターだわ、アレ。
突然の第六感ロール【1D10】
(五人以上成功でボーナス)
一鳴(5以上で成功)【1】
響(10で成功)【10】
未来(10で成功)【2】
サンジェルマン(4以上で成功)【9】
カリオストロ(4以上で成功)【5】
プレラーティ(4以上で成功)【3】
ヴァネッサ(5以上で成功)【6】
ミラアルク(5以上で成功)【10】
エルザ(5以上で成功)【4】
結果、成功者【5人】
「あれ?」
と、響ちゃんが窓の外を見て声を出す。
「どうしたの?」
「アレ見て」
と、外を指差す。
「あれは……」
「ウソッ!正気!?」
「ミラアルクちゃん!」
「見えたゼ、ヴァネッサ!」
サンジェルマン、プレラーティ、ヴァネッサ、ミラアルクが何かに気付く。
でも俺には何も見えないんだよなぁ。
窓の光が反射してるのよね。
「響、なにがあるの?」
「何事なワケダサンジェルマン?」
「まったくわからないであります」
と、未来ちゃんにプレラーティ、エルザちゃん。
「全員伏せなさい!」
突然、サンジェルマンが大声で叫ぶ。
と、同時にカリオストロに床に押さえ付けられた。
響ちゃんと未来ちゃんも一緒だ。
その一瞬後、窓が割れて何かが一斉に入ってくる。
十や二十ではきかない数だ。
「きゃあ!」
未来ちゃんが怯える。
侵入者たちが店内を縦横無尽に飛び回る。
がさがさ、カサカサと虫の羽音めいた音が響いている。
「これは……」
一瞬、飛び回る侵入者の姿が見えた。
侵入者たちは白い身体をしていた。
侵入者たちは切られ加工されていた。
人の形をした、紙だ。
20cmほどの大きさの紙人形だ!
紙人形が百単位の数で喫茶店に侵入してきたのである。
虫の羽音めいた音は、そいつら同士が擦れた時に発生する音だったのだ。
「なんじゃこりゃあ!」
「アイエエエ!?」
「コワイ!」
喫茶店のお客さんも悲鳴をあげる。
「動いちゃダメよオチビちゃんたち!」
と、カリオストロが俺たちに声をかける。
「いまサンジェルマンたちが何とかしているから」
「もう終わったわ」
そう、サンジェルマンが声を掛ける。
それと同時に喫茶店内を飛び交っていた紙人形たちが動きを止め、ヒラヒラと舞い落ちてくる。
「サンジェルマン!」
「対陰陽術術式、念のために用意しておいて正解だったわ」
「それ、仕掛けるの大変だったんだゼ。紙人形の群れをかいくぐらなきゃだったし」
「すばしっこいわたくしめらにぴったりの仕事であります!」
「お疲れ様ミラアルクちゃん、エルザちゃん」
サンジェルマンとノーブルレッドが紙人形を止めたようだった。
店内をよく見ると、店内を囲むように四方向の壁に幾何学模様のカードが貼られていた。
模様は淡く光っている。
あのカードが【対陰陽術術式】、という奴らしい。
……陰陽術?
今度の敵は陰陽師かよぉ!?
「このオチビちゃんが式神に気付いて良かったわぁ!」
そう言って響ちゃんの頭を撫でるカリオストロ。
「ええ、お陰で術式を手早く用意出来たもの」
「被害も無くて良かったワケダ」
「でもプレラーティは最後まで式神に気付かなかったわよね?」
「ちょっと何言ってるかわからないワケダ」
俺も気付けなかったから、居心地が悪い。
シンフォギア装者なのに……!
とにかく。響ちゃんをはじめとして、パヴァリアの半数以上が気付いた為に迅速に対応出来た、という訳だった。
「そうだわ!オチビちゃんたち、今の内に逃げなさい!」
カリオストロがそう言う。
サンジェルマンも追従した。
「そうね、裏口から逃げなさい!店長さんが避難誘導しているわ」
確かに怪文書のキャスターがお客さんを逃がしているようだ。
「みんな、早くお逃げ!裏口は安全みたいだから!」
「た、助かった……」
「アイエエエ……」
他のお客さんもほうほうのていで裏口に向かう。
「お姉さんたちは?」
響ちゃんが聞く。
サンジェルマンが微笑む。
「私たちは大丈夫よ」
「君たちが逃げたら私たちも逃げるわ」
そう、サンジェルマンとヴァネッサが答える。
そうこうしている内に、他のお客さんと店長さんは逃げたようだった。
「ひ、響。ナルくん……」
「うん。……行こ」
「そうだね 」
未来ちゃんが裾を引っ張る。
俺と響ちゃんも逃げることにした。
……ここはサンジェルマンたちに任せておいた方が良さそうだ。
後で二課に報告して、場合によってはシンフォギア装者としてここに戻らなければならない。
そう考えていたのだが……。
「おっと、そうはいかねェなァ!」
何かに響ちゃんと未来ちゃんごと、抱え上げられる。
それは紙だ。
幅50~60㎝ほどの、白い紙の帯。
後ろを見る。
高さ二メートルほどの、紙。
いや、紙人形。
俺たちは巨大な紙人形に抱え上げられてたのだ……!
「きゃあああああ!!?」
「なんなの!?これ!!」
二人が叫ぶ。
「騒ぐんじゃねェぞ餓鬼ども」
男が二人、割れた窓ガラスを踏みながら入ってくる。
髪を金色に染めた男と、黒いスーツを来た男だ。
髪を染めた男の方が、此方を睨みながらそう言った。
それに答えたのはサンジェルマンだ。
「貴方たちは……!」
「よう、パヴァリアの皆様。動くなよォ!餓鬼どもが潰れることになるぜ?」
そう言うと同時に、紙人形が腕に力を入れる。
思わず呻く俺たち。
男たちは、パヴァリアの関係者であるらしかった。
サイコロ神の話から考えるに、パヴァリアの下部組織のメンバーか?
「何をしているか……」
「わかっているぜェ。飼い主のテメェらに噛みついているんだってなァ 」
「お前たちが大人しくしていれば、子どもたちは開放する」
俺たちは人質と言うワケダ(プレラーティ感)
いや、ふざけている場合じゃない。
ちら、と響ちゃんと未来ちゃんを見る。
二人とも目元に涙を浮かべて震えている。
……、いざという時にはシンフォギアを使ってでも助けなければならない。
それで、二人にシンフォギア装者だとバレる事になっても……。
「それで貴方たちの目的は何かしら、セーマン桔梗組合の陰陽師さん?」
と、カリオストロが聞く。
セーマン桔梗組合というのがコイツらの組織名か……。
「目的はテメェらよ、パヴァリアの幹部ども」
「俺たちはパヴァリアの支配から脱却する」
「支配?支援の間違いなワケダ」
うん。
完全に組織間の争いに巻き込まれてるわね(白目)
余所でやって欲しいです(哀しみ)
うん、隙を見せたらシンフォギア装着して、さっさと響ちゃんと未来ちゃん助けて逃げましょ。
「支配だ。俺たちは錬金術師じゃねェ。陰陽師だ。テメェらの指図は受けない」
「パヴァリアの支配から脱却し、キャロルの脳を得て、俺たちは上に行く」
…………うん。
いま、変な事を言わなかった?
【キャロルの脳】?
「キャロルのバックに何がいるかわかっているの?」
「そんなのはどうでも良いことだァ」
「キャロルの叡智を得る事が出来れば、パヴァリアも風鳴も、そして関西陰陽師連盟も!」
あぁ、間違いない。
この男たち、キャロルちゃんを狙っている。
キャロルちゃんの頭の中の異端技術を。
だめだ、こいつらここで逃がしたら確実にキャロルちゃんに害が行く。
それだけでなく、この場でサンジェルマンたちパヴァリア三幹部殺す気だっていうなら、響ちゃんや未来ちゃんもここで殺すだろう。
コイツらにはその凄みがある。
「おい」
思わず、声が出てしまう。
全員の視線が俺に向く。
「な、ナルくん……?」
響ちゃんが声を震わせて聞いてくる。
「なんだァ糞餓鬼ィ……」
「キャロルの脳云々ってさぁ……それ、キャロル・マールス・ディーンハイムちゃんをどうにかするって事?」
「貴様……ッ!?キャロルの関係者かッ!?」
黒スーツの男が驚愕の表情を浮かべる。
否。
パヴァリアの皆も驚愕していた。
「この子……ッ!?」
「まさか……!」
『───── Sudarshan tron』
聖詠を歌う。
一瞬にしてシンフォギアが装着される。
黒い部分の多い赤銅色の装甲。
細身の機械鎧は全身を覆い、腰から伸びる大型スカートアーマーは脚を隠す。
顔の上半分を仮面が隠し、額からは角型アンテナが伸びる。
シンフォギア、装着完了。
シンフォギアの背中から炎が吹き出る。
それはスペースの都合で形成されなかった戦輪の代わり。
それは、浄化の炎。
神聖な炎が燃やす対象は、俺が選べる。
響ちゃんと未来ちゃんには、傷ひとつ付けない。付けさせない!
一瞬にして消し炭となった紙人形から開放された俺は、同じく開放された響ちゃんと未来ちゃんを空中で抱えて着地。
「ナルくん……?」
「なに、それ……」
二人は怯えている。
俺の突然の変化に。
当然だよねぇ……。友達が突然メカメカしい装甲を
「聞きたい事は後で答えるし、隠し事していたのはキチンと謝る。だから、今は逃げて」
「……うん、わかった」
「……ちゃんと後で話してね」
そう言うと、二人は裏口へ向かう。
髪を染めたの男がそれを逃がすまいと紙人形を投げる。
俺は腰サイドアーマーから小型チャクラムを射出し、それを撃ち落とす。
「テメェ……」
「お前たちが陰陽師だろうが錬金術師だろうがしったこっちゃないけどねぇ」
背中の炎は戦輪と姿を変える。
エネルギーが固着化されたのだ。
俺はその戦輪を手に取り、振り回す。
炎が軌跡を描く。
「俺の師匠と友だちに手ェ出すってんなら、容赦しねぇぞ!!」
皆様お待たせしました。
無事、エリちの宝具レベルを5にして、なのはコラボを楽しんで、ドラングレイグの地を蹂躙してきた銀騎士です。
本当にお待たせして申し訳ない!
ダクソ2をやったらダクソ3をやりたくなり、しかもフロム作品がダウンロード版で丁度良くセールで安くなったので、ダクソ3とブラボ買ってやってました。
本当に申し訳ない(博士感)
しかもポケモンも鎧の孤島が始まったのでやってました。クリムガンちゃんとドラミドロちゃん可愛いよ……。
とにかく。
上質なシナリオはたっぷり補給したので、これからは週一投稿に戻せたらな、と思います。
週一じゃなかったらダクソ3とポケモンにハマってるな、と呆れといて下さい。
ほな、また……。