転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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シンシンシンフォギアーッ!
なシンフォギアラジオ出張版、見ました?
ダークニンジャみたいな格好したif響とか、XDUの新OPとか気になる情報いっぱい出てましたけれど、私が一番気になったのは……、平行世界のセレナとマリア!
大人になった色っぽいセレナさんと、なんかロリィなマリアさんがね、XDUの新OPに出てたんですよ!

可愛かった(素朴な感想)

なのでこの世界の順調にスクスク育ったセレナちゃんはifセレナさんのようになります(作者権限)
ばいんばいんのカデンツァヴナ姉妹に挟まれて悶えろ一鳴!!



第三十話 願いはすでに───

私は夢を見ている。

明晰夢、という奴だろう。

夢の中で自己の意識がはっきりしているのだ。

 

だんだんと、周りの様子がはっきりと見えてくる。

これは……もう遠い昔の───

 

「ジャネットまた祈っているのか」

「はい。 4年前、戦火によって失われた故郷のみんなのために」

 

ここは、フランスの、ドンレミ村近くの草原。

そこに、ジャネットと……(サンジェルマン)がいた。

 

「そうか……。 すまなかったな。 もっと早く、私が気づいていれば助けられた者も……」

「いえ、天使様がわたしを救ってくださったから、こうして亡くなった者のために、祈りを捧げることができるのです」

 

そうだ。この子は、ジャネットは優しい子だった。

 

「それにしても、やはり天使様はお年を取らないのですね?」

「お前は、随分大きくなったな。 出会った時が十二歳だったから───もう十六歳か」

「はい、身長だけは天使様に近付きました」

「……その、天使というのはやめてもらえないだろうか。 私は天使などではない。一介の錬金術師だ」

「錬金術師って、そんな筈ないじゃないですか。 あの時、瀕死の私を助けてくれたのは、神の御業です! 巷で錬金術師と言ったら、奇妙な研究をしている人たちですし、そんな人たちがあんな力を使える筈ありません」

「いや、私は巷の錬金術師とは違って、本当の錬金術を───」

 

私の言葉を、笑顔で止めるジャネット。

 

「フフ、わかっています。 人間には正体を隠さないといけないんですよね? 天使様のことは、神にも誓って誰にも話しません。 だから、ご安心ください」

「本当に、天使という柄でもないんだがな……」

 

そうだ……。

ジャネットはずっと私を天使様と呼んでいた。

何度違うと話しても、呼び方を変えてはくれなかったな。

……出会ったころから、思い込んだら一直線なとこらがあった。

 

 

……。

…………。

…………………。

 

 

場面が切り替わる。

これは……ああ、先程の記憶より、少し後の……。

ジャネットに会いに来て、草原に響く歌声を聞いた時の───。

 

「〜♪ 〜♪ ───あ、天使様!」

「邪魔をしてしまったか。 しかし、綺麗で優しい歌声だった」

 

歌を唄っていたのはジャネットだった。

この時か、私がジャネットの歌を初めて聞いたのは……。

 

「……ありがとうございます。 拙い歌で、ちょっと恥ずかしいですけれど……」

「そんなことはないさ」

「あの……、天使様も歌はお好きなのですか?」

「……そうだな。 あまり意識した事はないが、好きなのかもしれない。 ……母が元気だった頃に、よく唄ってくれたのを覚えている」

 

それは、とてもとても遠い記憶だ。

奴隷だった母と、馬小屋以下のあばら家で暮らしていた時の。 母と二人、必死で生きていた時の記憶。

母はいつも唄ってくれていた。

私が近所の子どもに虐められた時や、辛い事があった時に。

だか、その母も……。

 

「天使様のお母様が? それはそれは、綺麗な歌声だったのでしょうね……」

 

そう、ジャネットが聞く。

 

「……ああ。 幼い私は、母の歌が大好きだった」

「天使様は唄ったりしないのですか?」

「いや……、そんなことはない。 だが、人前で唄うような機会はほとんど無いな」

「あの……、もしよかったら、ご迷惑でなければなのですが、いつか天使様のお歌を、聴かせていただけませんか?」

「私の歌など聞いても、楽しくはないだろう」

「そんなことはありませんッ! 大好きな歌を、敬愛する天使様から、聴いてみたいのです」

 

その時のジャネットの熱の入りようは、流石の私もたじろぐ程だった。

 

「……そこまでのものではないのだがな。 わかった。 気が向いたら、その時は聴かせてよう」

「ありがとうございます。気が向いたら、ですね」

「ああ、そうだ」

「ではなるべく早く、天使様の気が向くよう祈っております」

「……あまり期待するなよ」

「いいえ、これ以上ないくらい、期待しておりますので」

「お前は……まったく」

 

そう言っても、ジャネットは笑ったていたのだったな……。

それにしても。

ジャネットも、プレラーティも、カリオストロも。

なんで私の歌を聞きたがるのかしら……?

 

「……天使様、もう一つ聞きたいことがあるのです」

「なんだ? 私で答えられることなら、答えよう」

 

この時の、この質問をしたジャネットは、とても凛とした顔をしていた……。

 

「イングランド王国との戦い……。 わたしたちは勝てるのでしょうか?」

 

イングランド王国との戦い。

百年戦争と呼ばれる争い。

イングランド王国とフランス王国の、王位継承権と領土を賭けた戦争。

 

「……次の戦いに限ってなら、恐らく負けるだろう」

「そんな……」

「最終的な戦いの勝敗はわからない。 だが、オルレアンを舞台とする次の戦いについては、無理だ」

 

私は、はっきりとジャネットに伝えた。

 

「戦いは兵数ではない。 敵に倍する兵力があったとしても、指揮官の能力や兵士の士気次第でどうとでも転ぶ」

「…………」

 

私の言葉を、ジャネットは黙して聞いている。

記憶の中でその様子を見ているから、これからどうなるかわかるから、私にはそれがショックを受けたからではなく、懸命に理解しようとしているからだとわかった。

私の言葉を、これからの戦いに役立てようとしているのだ、と。

 

「フランス王国はスコットランド王国との連携が取れていない。 数だけ揃っていても、これでは力の半分も出せないだろう。 対してイングランド王国側は、兵数こそ少ないが、そういった不安要素はなく、その差が出る可能性が高い」

「私の故郷、ドンレミ村は一度戦火に見舞われました。 あれから四年、なんとか復興し、人も戻ってきています。 わたしは、再び村が戦火に焼かれることを望みません。 しかし、次の戦いに負ければ、戦火はまた村へと迫るでしょう」

「……そうかもしれないな」

 

意を決したように、ジャネットが口を開く。

 

「天使様……わたしに指揮官を務める力はあるのでしょうか?」

「ジャネット……なにを考えている?」

「護りたいのです。 わたしの大切な場所を。 そのために、わたしに出来ることがあるのならば───」

 

そして、ジャネットはジャンヌ・ダルクとなった。

フランス王国の希望として、人々を導く英雄に───。

 

 

……。

…………。

…………………。

 

 

「……天使様、お久しぶりです」

 

甲冑を纏ったジャネット───否、ジャンヌ・ダルクが私の前に立っている。

 

ここは、ドンレミ村近くの草原。

何度もジャネットと語らい合った草原。

ジャネットはジャンヌ・ダルクとなって百年戦争に身を投じ、そして英雄となり人々を導いている。

 

「ああ……活躍は聞いている」

「はい……。 天使様のお言葉のお陰で、なんとか勝つことができています」

「私は、何もしていない」

「いいえ。 戦いの本質を、わたしは天使様のお言葉で学びました。 指揮官としての自分を高め、兵たちを鼓舞する……。 兵士一人一人が死力を尽くし、それを束ねる指揮官が正しく指揮を行えば、どのような戦いでも勝機を見いだせます。 

だから。

今のわたしが、フランス王国があるのは、天使様のお陰です」

「そうか……。 だがジャネット、本当にこれで良かったのか?」

 

私はジャネットに問いかけた。

 

「敵を、人を殺すのが戦争だ。 指揮官とは味方を生かすために、敵を殺す命令を下す者。 その業は、前線の兵士よりもよっぽど深い。 命令一つで多くの人命が失われる……」

「……はい、そうですね」

「……辛くないのか?」

「辛くないといったら、嘘になります。 けれど、それでもわたしは、大切なものを護りたいのです。 自分の故郷を、祖国を、人々を護るために剣を取りました。 これは、わたし自身が決めたことです。 だから、天使様が気に病むことではありません。 この辛さも、何もかもわたし自身の選択が原因なのです」

「……それでも、あの時、私はお前に戦いの才があると答えてしまったことを悔やんでいる」

 

そうだ。

私が、ジャネットに戦いの才があると答えなければ、ジャネットは戦いの道を歩まず、焚刑に処されることも無かったというのに……!

 

「天使様はお優しいのですね。 わたしのような者を心配してくださって……」

「お前には、戦場よりも故郷の村の景色が似合っている。 のどかな風景の中で、楽しげに唄っている姿が……」

「わたしも、そう思います。 けれど、わたしが戦場を去れば、この故郷にまで戦火は及んでしまいます。 大切なものを失い、後悔したくないのです。 護れる力がありながらそれを捨てたら、きっと後悔しまいます」

「……戦場では、何が起こるかわからない。 私は、お前と会えるこの時間を楽しみにしている……」

「光栄です、天使様」

 

微笑むジャネット。

 

「お前という友を失いたくはない。 だが、私自身が力を振るう事は禁じられている……。 こうして少しの間、この場所でお前の話を聞いて、月並みな助言をするくらいしか、してやれることがない……」

「それで十分です。 こうして、私の話に付き合ってくださるだけで……」

「……何か、私に出来ることはないか? それでも私は、お前に何かしてやりたいと思っている」

「……いつか、ずっと先になるかもしれませんが、一つだけ、お願いを聞いて貰えますか?」

「ああ、言ってほしい」

「この長い戦いが終わったら、わたしを天使様の───

 

 

…………………。

…………。

……。

 

 

「───あ」

 

目が覚める。

 

「おはようございます、天使様(マスター)

 

ふわふわのベッド。

整った調度品。

カーテンの隙間から差し込む朝日。

横で眠るプレラーティとカリオストロ。

 

「おはよう、ジャネット(セイバー)

 

私は側に立つ自身のサーヴァントに挨拶する。

 

「……どうされました?」

 

きょとん、とするジャネット。

頬に手を当て、自分が微笑んでいる事に気付いた。

 

「いいえ、ただ」

 

───懐かしい、夢を見ただけよ。

 

 

 

 

「えー。 では、朝の作戦会議を始めるわね」

 

ドーモ、一鳴です。

聖杯戦争二日目の朝、パヴァリア組が宿泊する部屋での作戦会議です。

朝食はすでに取った後。明太子の取り過ぎを注意されたりされなかったり、特にトラブルはなかったです。

ちなみに、会議の司会は了子さんである。

 

「まず、昨日の戦闘のデータを踏まえての、今日の方針だけれど」

 

昨日の戦闘。

まず思い浮かべるのは、ラーガ・スンのサーヴァントを一瞬で倒したアレイスター・クロウリーの攻撃である。

 

「サーヴァントを銀へと変えたあの攻撃か……。錬金術にはあのような攻撃は無いのだろうか」

 

弦十郎さんの言葉に答えたのはパヴァリア三人娘。

 

「黄金錬成。……万物を黄金へと変える術式がそれに酷似しているが、アレイスター・クロウリーがそれを手にしたという報告は聞いていない」

「それに、パヴァリアに記録された黄金錬成術式はあくまで核融合による元素転換で、アホみたいに莫大な魔力が必要なのよね……」

「つまり机上の空論な上に、光線を射出して元素転換するなんて無理なワケダ」

 

と、言うことだった。

さて、あの攻撃。俺の記憶が正しければ、シェム・ハの使った攻撃である。

で、あるならば。あの攻撃は【埒外物理学】な訳で。

……つまり訳のわからない攻撃なワケダ(プレラーティ感)。

 

「ならば、アレイスター・クロウリーについて調べるべきでは?」

 

俺は進言してみる。

埒外物理学かどうか、とにもかくにも調べないとわからないし。

 

「確かにそうだな。葛飾北斎も、正体不明の女性サーヴァントもこちらの戦力で対応可能だしな」

 

昨日の映像から、弦十郎さんはそう判断したようだった。

 

「貴方ほどの漢がそう言うならそうなんでしょうね……」

 

と、了子さん。

 

「もちろん、油断は禁物だがな。しかし、あの銀化攻撃の対処こそが火急だろう」

「だが、どうやって調べる?」

 

サンジェルマンが聞く。

 

「正面から行けば、あの攻撃が降り注ぐ。どうするつもり?」

 

 

 

対アレイスター情報収集【1D10】

 

1 威力偵察

2 パヴァリア本部に問い合わせ

3 こっそり忍び込む

4 威力偵察

5 パヴァリア本部に問い合わせ

6 こっそり忍び込む

7 威力偵察

8 パヴァリア本部に問い合わせ

9 こっそり忍び込む

10 熱烈歓迎

 

結果【6】

 

 

 

「こっそり忍び込むのはどうです?」

 

俺は提案した。

 

「阿礼邸になら、なにかしらの情報はあるはずです」

「だが、あまりに危険なワケダ」

「しかし、その危険に見合う価値はあるわね……」

 

賛成しかねるが反対もし辛い、みたいな反応ね。

 

「メンバーを厳選すれば良いんじゃないですか?言い出しっぺの俺と、もう一人ぐらい」

「一鳴くんが?」

「ふふふ、シンフォギア装者ですし小学生なんで、どんな隙間にも入れますよ」

 

俺は熱烈アピールした。

見張りだけじゃなくて、積極的に動きたいのよね。

 

「だが、なぁ……」

「なら、私も一緒に行くワケダ」

 

逡巡する弦十郎さんに、プレラーティが声を上げた。

 

「プレラーティ、貴女が行くの?」

「ああ、潜入なら私も出来るワケダ。それこそ、子どものお守りもしながら、な」

 

そう、皮肉げに言うプレラーティはしかし、どこか思い詰めた顔をしていた。

 

「ふふん、別にこちらがお守りしても構わないんでしょう?」

「抜かすワケダ。……足手まといになったら、速攻で追い返すから覚悟しとくワケダ」

 

切り捨てないだけ有情やね。

 

と、まぁそんな訳で。

俺とプレラーティによるドキドキ阿礼邸侵入ミッションが幕を開けたのであった。

 

 

 

 

阿礼邸。

森の中に建つ巨大日本家屋。

俺とプレラーティは阿礼邸を俯瞰できる木の上に並んで立っていた。

 

「あれが阿礼邸……広い」

「その上、錬金術で結界を張っているワケダ。……無策に突っ込めば、即お陀仏なワケダ」

「ならばどうします?」

 

俺の問いかけにニヤリと答えるプレラーティ。

 

「私を誰だと考えているワケダ?天才錬金術師プレラーティ様なワケダ。あの程度の結界、ダミー走らせて騙せるワケダ」

「はえー、すっごい(素)」

 

なんかよくわからないが、無力化出来るのね。

やっぱりプレラーティも一流錬金術師なんやね。

 

「よし、ダミーは走らせた。ついて来るワケダ」

「ウス」

 

そんな訳で。

プレラーティと共に阿礼邸まで走り抜けて、高い塀を乗り越えて侵入、……したのだが。

 

「お待ちしておりました、渡 一鳴様。プレラーティ様」

 

和服を着てサスマタを構えた女中軍団が待ち受けていた。

 

「星乃様とアレイスター様がお待ちです。……抵抗すれば、それなりの対応をするのでお覚悟を」

 

そんな訳で。

俺とプレラーティはドナドナと連行されたのであった。

 




ifセレナさんの話をするために、今回の話を巻きで仕上げたマンです。
雑な所があったらゴメンね。
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