転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
シンフォギアXDUのifマリセレシナリオにグレビッキーシナリオ第二章、FGOのイベント。
そして仕事での決算棚卸し。
やらなきゃいけないことがいっぱいだぁ……!
インド。
国立聖遺物研究所。
夜の事。
研究所内部は蜂の巣を突いたような騒ぎであった。
「18番……いや、17番隔壁突破されました!」
「バカな、早すぎる……ッ!」
「保安部隊は何をしている!?」
「正門大扉を封鎖!続いて第2、第4、第12隔壁起動!第14及び第16障壁は開放、奴を誘導しろ!」
警備・保安室。
サイレンが鳴り、赤い警報灯が光る。
研究所内を全て監視カメラからの映像で確認できる大型モニターがある。
そのモニターを見る男たち。
完全装備の警備員も居れば、白衣を着た研究者も居る。
研究者たちがいる理由。それは──
「こちら第6保安部隊!RK-001、止まりませんッ!」
「殺す必要はないッ!冷凍保管庫に誘導しろって言ってんだ!」
「誘導、されてません!銃も手榴弾も効きやしねぇ」
大型モニターにそれが映っている。
保安部隊と戦闘……否蹂躙している生体型聖遺物。
3メートルある研究所の廊下を屈んで歩く巨体。
左腕は破損し、背中から生える九対ものサブアームも動かさずにジャラジャラと揺らす傷付いた姿。
そして、右腕に持つ輝く曲刀。
研究所で氷漬けに保管され、細胞片を研究していた生体型聖遺物が突如として起動。
冷凍保管庫から脱走して、外に出ようとしているのだ。
「……あ」
保管部隊が攻撃を止め、それを見る。
生体型聖遺物が構えた、輝ける曲刀を。
それは淡い光を放っていた。
夜空の月の光のような。
淡い、淡い、翠玉の如き刀身。
「何をやっている攻撃……いや、逃げろ!」
警備・保安室で彼らの責任者が叫ぶ。
しかし、現場の保安部隊たちは、ただ呆然と刀身を見ていた。
「綺麗だ」
彼らはずっと見惚れていた。
振り下ろされたその刀身から、光波が放たれて彼らを切り裂くまで。
生体型聖遺物は歩みを進める。
外を目指して。
「……ァァァ…………」
生体型聖遺物は目指す。
怨敵たる者の居る地を目指して。
神と、彼を殺した者を殺すために。
その生体型聖遺物、RK-001の正式な名前は【ラーヴァナ】といった───。
◆
「ナルくーん!」
小学校にて。
響ちゃんが俺に話しかける。
授業前の事であった。
「どしたの?」
「これ見てよ!」
と言って、一冊の雑誌を開いて渡してくる。
「なになに……、『インド郊外の街壊滅』……?『巨人による仕業か』?……ナニコレ?」
開いた箇所の記事によれば、数日前に巨人のような何かがインド洋に面した街に現れて、街を滅茶苦茶にしたとのこと。軍が出動するも巨人は意も介さず街を出て、そのまま海に消えていったそうな。
「お父さんが買ってきた雑誌なんだけど、ナルくんのお仕事に関係あるかな、と思って」
と、小声で教えてくれる響ちゃん。
「二人ともなにかあったの?」
と、未来ちゃんがエントリーしてくる。
「あ、未来。この記事が、ナルくんのお仕事に関係あるのかな、って」
「インド?巨人?これ、本当なの?」
記事を読んだ未来ちゃんが雑誌を閉じて、表紙を見る。
表紙には「月刊 ヌー」と書いてあった。
「響ちゃんのお父さんは何を思ってこの雑誌買ったの……?」
「お父さん、この『レイラインのエネルギーで頭皮にエネルギーをチャージ』って記事を読んでいたよ?」
「あっ……」
生え際の後退が気になる歳かぁ……。
「で、ナルくんこの巨人倒しに行くの?」
「え、ナルくんインド行くの?」
「いや、行かんよ?」
手を振って否定する。
だって2課からは何も言ってこないし。
たぶん、2課も情報はキャッチしてるだろうけど。
「これ、インド国内でなんとかするんじゃないのかな」
「そうなの?」
「うん。多分、インドの秘匿技術が関わってるだろうし、他国の介入は嫌がるんじゃないかな」
「こーどにせーじてきなはんだん、ってやつだね」
「響、せめて漢字で話そうよ……」
バカっぽい話し方の響ちゃんに苦言を呈する未来ちゃんであった。
「まぁ、向こうが助けて、って言ったら助けに行くのかも知れないけどね」
「そっかぁ……」
少し残念そうな響ちゃん。
「インドの人たち困ってるだろうし、ナルくんが助けに行くのかなって思って……」
「優しい子やねぇ」
俺は響ちゃんの頭を撫でてやる。
やめてよー、なんて言いつつも抵抗せずに撫でられている。
「クソが……」
「イケメンがよ……」
「俺の立花さんが…………ウッ、ふぅ……」
「俺も撫でられてぇ」
クラスの男子からの怨嗟の声が聞こえてくる。
一部おかしな声が聞こえる気がするが、俺の耳には何も聞こえないな(震え声)
「ほーら、じゃれ合ってないで。もうすぐ先生来るよ?」
そう言って響ちゃんを引き摺って席に戻る未来ちゃんであった。
◆
そんな訳で放課後。
授業?冬休み前の小六の授業なんてざっくりしたもんよ。
さっさと帰ろうとランドセルを背負おうとした時、スマホが震える。
2課からの連絡だ。
「もしもし一鳴です」
『一鳴くんか。八紘だ』
相手は2課の副司令、八紘さんだ。
「なにかありましたか?」
『ああ、実は面倒な事態になってな。今放課後か?』
「はい」
『なら、家に迎えを寄越すから、2課まで来てほしい』
「わかりました」
電話が切れる。
響ちゃんと未来ちゃんが近寄ってくる。
「なにかあったの?」
「お仕事?」
「うん。なにか急ぎっぽい」
「そっか……」
心配そうな二人。
俺は二人の頭を撫でた。
「心配しなくても、大丈夫よ」
「うん……」
「わかった」
少しだけ、二人とも安心したようだった。
「あのイケメン、顔の皮剥ぎてぇな……」
「クソクソクソクソ……!」
「小日向さんまで…………ウッ、ふぅ……」
「俺のチンチンも撫でてくれないかな」
やっぱこのクラス怖いわ……(恐怖)
さっさと帰ろ。
そんな訳で。
途中まで3人で帰る。
途中で別れて、一人家に帰り着く。
「ただいま」
「おかえり。2課からお迎えが来てるわよ」
と、お母様。
俺のお賃金でエステ行ったり高い化粧品買って若々しい。
まぁ、端金だしええんやが。
ちなみに親父もお高いスーツ買ってエリートサラリマン感出してる。実際係長でエリートなんだけども。
閑話休題。
リビングに顔を出すと、テーブルで母さんと話す女の子が一人。
キャロルちゃんだ。
「あらキャロルちゃん」
「やっと、帰ってきたか。早く部屋にランドセル置いてこい」
そう言って、椅子から立ち上がるキャロルちゃん。
「あら、もう行っちゃうの?」
と、母上。
「ええ。しばし緊急の案件で……。紅茶ご馳走さまでした」
「また来てね。一鳴の事、よろしくね」
そんなやり取りを見ると、俺は部屋にランドセルを置きに行く。
戻ってくると、玄関に立つキャロルちゃん。
「さぁ、行くぞ」
「はい」
テレポートジェムを割るキャロルちゃん。
赤い光が身を包む。
一瞬で転移、家の玄関から2課のエントランスホール。
時間節約である。
「ヘリコよりずっとはやーい」
「当たり前だ、テレポートだからな。ほら、行くぞ」
そう言って歩いていくキャロルちゃんに着いていく。
「そういや、何事なんです?平日に呼び出されるのはよっぽどの事だと思うんですが」
「詳しくはこれから説明されるだろうが。……簡単に言えば───」
キャロルちゃんが振り向いて壮絶に笑いながら言う。
「インドが厄介事を持ってきたんだ」
◆
「つい先日、インドの国立聖遺物研究所から一体の聖遺物が暴走、研究所を破壊しながら逃げ出した」
2課の発令室にて八紘さんが説明してくれる。
大型モニターには、その聖遺物の姿。
左腕は千切れて、右腕には翠色に光る曲刀。
背中からは装飾品のように揺れる十八本の腕。
傷つきながらも屈強なる、怪物の姿。
「この聖遺物は、スリランカから発掘された【ラーヴァナ】と呼称される生体型聖遺物だ」
「ラーヴァナ?」
聞いたこと、あるような……。
たしか、真・女神転生で都庁に出てくる悪魔だったか?
「ラーヴァナは、ラーマーヤナという叙事詩に出てくる羅刹の王……。まぁ、魔王だと思ってくれ」
羅刹、ラークシャサはインドの鬼だそうで。
その鬼の王がラーヴァナ。
スリランカ……叙事詩においてはランカー島を根城にしていたとか。
「ああ、そうだ。ラーマーヤナ。ラーマとシータの話の敵役か!」
「そうだ。よく知っていたな一鳴くん」
ラーマーヤナ。
要は妻であるシータを攫われたラーマの冒険の話だ。
そしてシータを攫ったのがラーヴァナ。FGOでのラーマとシータの話から興味を持って、前世で調べたことがあったなぁ。
「そのラーヴァナ、聖遺物だったんですか?」
「正確には、聖遺物の特徴をもった生命体だな」
「???」
キメラ、という事かしら?
訳わからんみたいな反応していたら、キャロルちゃんが助け舟を出してくれた。
「コイツの組成物質のうち、4割は聖遺物だが残った6割ほどは生物なんだ」
「両者の特徴を持っているから生体型聖遺物、という訳だ」
「ちなみにコイツの組成する生体の遺伝子構造が人間に酷似しているらしい」
つまりこのラーヴァナ、6割ほどは人間ということか……。
「話を戻そう。逃げ出したラーヴァナはインドの街を破壊しながら南下。海を渡りスリランカにまで移動した後、反応が消失した」
…………薄々気付いてはいたが。
この事件、今日響ちゃんに見せてもらった雑誌の事件じゃない?
噂をすれば影がさす、とはいうものの。
因果なものを感じるなぁ……。
「しかしスリランカから───一鳴くん、どうした?」
「いえ、今日学校で友だちがこの事件の記事が載った雑誌持ってきたので」
「ああ、ヌーか」
どうやら八紘さんも知っているらしかった。
「ちょうどそのヌーの記者がこんな写真を撮っていてな」
と、モニターに映される一枚の写真。
それは夜空の写真だ。
だが、しかし。写真の中央。
燃え盛る隕石のような光が写っていた。
「この光を画像解析したらこんなものが写っていたんだ」
八紘さん写真を解析、加工していく。
ボカシを減らし、光を抑え、高解像処理していく。
「あっ!」
そこに映っていたのは光ではなく。
翼を広げた戦闘機の直上に乗る、ラーヴァナであった。
「これは2日ほど前、東京湾にいたヌーの記者が偶然撮影した物を2課がヌー編集部へのガサ入れの時に押収したものだ」
「2日前……東京湾……え、ラーヴァナ日本に来たんですか?」
インドの街を破壊し尽くしたラーヴァナが日本に来てたの?戦闘機に乗って?
「この写真が撮られる数十分前。スリランカから超高速で飛び立つ飛翔体の存在をインド政府は確認している。日本とスリランカの距離は約6700キロ。つまりラーヴァナは、マッハ20オーバーの速度で日本までやって来たという事だ……!」
「は?」
マッハ20……?
速いってことしかわからない速さだ。そして、その速さを出せる戦闘機なんてそうそうないし、そもそも外に居るのにマッハ20の速さに耐えられるラーヴァナの尋常ならざる頑丈さよ……!
「インドの聖遺物研究所の人間によれば、ラーヴァナが乗っているのは【プシュパカ・ヴィマナ】と呼ばれる聖遺物らしい。スリランカの地下遺跡から発掘された物だと思われる。ラーヴァナもこの地下遺跡から発掘されたそうだ」
プシュパカ・ヴィマナ。
そもそもヴィマナ、ヴィマーナはインド神話における空飛ぶ戦車、空飛ぶ神殿である。
シンフォギアXDUで『機械仕掛けの奇跡』に出てきたり、Fate/zeroでギルガメッシュが乗ってたりしたアレである。
そしてプシュパカ・ヴィマナはそれよりも小さいもの。プシュパカが『花のような』、という意味だそうで、プシュパカ・ヴィマナもXDUに出てきたヴィマーナよりも小さい。
それでも全長30メートルあるのだが。
デカいな……。
まあ、身長5メートルオーバーのラーヴァナが乗ってるんだから、それぐらいある必要があるのだけども。
「あー、八紘副司令?インドの街を滅茶苦茶にしたラーヴァナが、マッハ20オーバーの速度を出せるプシュパカ・ヴィマナに乗って、日本に来た……という事ですか?」
「……更に付け加えるなら、ラーヴァナは『チャンドラハース』という聖遺物の曲刀を持っている」
八紘さんがモニターにラーヴァナの映像を再び出し、右手をアップする。
右手に持つ、美しい曲刀を。
「このチャンドラハースの能力は不明だ。ただ、チャンドラハースを見た者は魅了されたかのように動かなくなった、という報告がある」
「わかりました訂正します。超ヤバい聖遺物3つが何故か日本に来てるんですね?」
「そういう事だ」
八紘さんが眉間を押さえる。
……頭が痛い。
「今回の一件、インド政府からラーヴァナもプシュパカ・ヴィマナもチャンドラハースもなるべく損傷なく返還して欲しいと言われていてな……」
「無茶言わないでください……」
「父……訃堂司令もそう言っていてな。今直接インド政府高官から話を聞くとインドに向かった」
「行動力の化身……!」
ちなみに、弦十郎さんも護衛として共に向かっているとか。
インド政府高官は災難やね……。
「……で、今ラーヴァナはどこにいるかわかるんです?」
「……写真が撮られた場所から潜伏先を絞っている所だ」
つまりなにもわかっていないワケダ。
これはキャロルちゃんも「インドが厄介事を持ってきた」なんて言うよなぁ。
「それで、俺はどうしましょ。しばらくこっちで待機ですかね」
「そうだな。申し訳ないが……」
「八紘副司令!」
と、友里さんが血相変えて叫ぶ。
「ラーヴァナ出現しました!」
「なにッ!?」
噂をすれば影がさす、か。
「海から現れて……リディアンに真っ直ぐ向かってます!!」
リディアン。
リディアン音楽院。
その地下には2課。
つまり───
「ここに向かってるの!?」
「ッ、すぐに街に避難勧告!一鳴くんはすぐに出撃、キャロルさんは遊撃!人命救助と一鳴くんの補助を臨機応変に頼む!」
「了解!」
「任せておけ!」
俺とキャロルちゃんは外に向けて駆け出す。
叙事詩における羅刹の王、聖遺物を操る聖遺物。
そんなラーヴァナがなんでここを狙っているのかしら。
───おめでとうございまーす!デュオレリック用の聖遺物が手に入りまーす!───
まさか。
これがデュオレリック獲得イベントなの?
一鳴くんのクラスメイト、人数が30人でその内男子が15人。
一鳴くんへの嫉妬に狂うのが10人。
彼女居るので特に何も思わないのが2人。
寝盗られ趣味に目覚めてしまったのが1人。
一鳴くんに叶わぬ恋をしているのが2人です。
うーん、カオス!