転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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高難易度のシェム・ハさま限凸したけど、上限突破で要求してくる素材の量がエグすぎる。
さすが神様やでぇ……。



第四十九話 オートスコアラー・スクランブル③

 

我々は恐怖した。

我々は慄いたのだ、神と呼ばれた者の力を。

聖遺物と呼ばれる神秘の威力を。

 

我らの技術の結晶が、容易く砕かれたのを見た。

我らの智慧の結晶が、容易く捉えられたのを見た。

 

アレは、人が敵うモノではない。

人は、神には勝てない。

ならば、人はあの暴君たる神々に(かしず)き生きねばならぬのか。

人は、神の奴隷なのか……。

 

違う、と誰かが叫ぶ。

我らの技術と智慧は神に勝る、と誰かが叫ぶ。

 

そうだ、と誰かが叫ぶ。

その声はだんだん増えていく。

そうだ、我々の叡智は神にも負けない。

 

我々はさらなる技術の発展でもって、神に勝たねばならない。

その為には。

我らが技術でもって、人を進化させねばならない。

人を、人体を、我々の技術でもって。

 

神に勝つには、人には無駄が多すぎる。

もっと、純粋にならないと神には勝てない。

故にこそ。

人を完全なる兵器と変えねばならぬ───

 

 

 

 

新生の四騎士(メカニカルクォーターズ)、そう名乗る自動人形たちと相見えて。

決闘を申し込まれたその後。

俺とキャロルちゃんは2課の発令室にいた。

弦十郎さんもまた、苦い顔であった。

 

「───そうか、彼女らはキャロルくんの自動人形の技術を使って作られているのか」

「ああ。間違いない。アレはオレの技術を、知識を利用して作られた自動人形だ」

 

キャロルちゃんはあの四騎士たちについて俺と弦十郎さんに説明してくれた。

キャロルちゃんの自動人形、すなわち終末の四騎士であるガリィちゃんたちと同じ顔、同じ技術を利用して作られた自動人形であると。

 

「だが、犯人は錬金術師ではないな」

「と、言うと?」

「これだ」

 

キャロルちゃんが右手に持ったものを見せてくれる。

小さな手の中には、いくつかの部品類と球形の金属塊。

 

「これは?」

「アイツらが量産型と呼んでいた自動人形のパーツ、まあ動力部だな」

 

そう言われても、ただの部品にしか見えない。

それは弦十郎さんも同じだったらしい。

 

「スマン、キャロルくん。詳しく説明してくれ」

「ああ。このパーツはな、奴らの動力部。文字通り心臓部だ」

「うむ」

「錬金術師はここに魔力由来の炉心を使う。だが、これは水素電池だ」

「なに?」

 

水素電池。

まあ要するに科学的なエネルギーという事。

 

「錬金術師はまず水素電池なんて使わん。たとえそれが量産型の自動人形でもな。だが、あの量産型に使われていたのは水素電池だった」

「だからこそ、下手人は錬金術師ではないと」

「ああ。恐らくは、錬金術的なパーツは全て科学的な代用品を用いているのだろう」

「ならば、下手人はいくつか絞り込めそうだ」

 

俺にもなんとなくわかってきたぞ。

 

「犯人は錬金術師でなく、1000体の自動人形の部品を用意できて、キャロルちゃんの技術を知る事が出来る人物、あるいは組織?」

「うむ、そうだな」

「でも、キャロルちゃんの技術を知る事が出来るのって、錬金術師たちですよね?」

「いや、そうは限らない」

 

キャロルちゃんが首を振る。

 

「パヴァリアの連中にはオレの技術を提供している。そして奴らは世界中の金持ちと繋がりある」

「金で技術を買えるって事か。……つまり、1000体の自動人形の部品を用意できる……工場?」

「ああ、重工業系企業だろう。それならば、阿礼星乃を拐った理由もわかる」

 

阿礼星乃はかつて、重工業系の会社の株主であり。

そして彼女の肉体は完全なる機械となっていた。

彼女の持つ技術を狙った企業の仕業か……。

 

「でもなんでキャロルちゃんの自動人形のコピー品けしかけてきたのでしょう?」

「それは、現時点ではわからんな……」

 

俺と弦十郎さんは頭をひねる。

そんな俺達にキャロルちゃんが口を開く。

 

「それは、アイツらを全て倒して主とやらを引きずり出せばいいだろう」

「……確かに」

 

幸か不幸か。

相手はこちらに決闘を挑んできた。

向こうは一体、こちらは何人でも。

そんなハンデマッチを。

 

「舐められたものだけれど、青騎士のアレ見せられたらね……」

「有機物を分解するナノマシンか……」

 

青騎士、ミカちゃんを元に作られた自動人形。

彼女の指先から出す黒いナノマシンは、有機物を分解する性能を持つ。

そのナノマシンの霧に包まれたら人間はものの十秒で分解されてしまう。

勝てるのか……?

 

「それに、黒騎士の天秤もヤバいよね」

「此方でもモニターしていた。街一つを冷気で氷点下にする能力。了子くんによれば、あの街は何らかの要因で気候を変動されていたと」

「気候変動……、あそこだけ北極圏にされてた的な?」

「なんらかの聖遺物か哲学兵装だろう」

 

暗黒メガコーポなら、聖遺物でも哲学兵装でも用意出来るだろう。

ならば、白騎士の弓矢も赤騎士のレーザーブレードもそれに連なるものか。

 

「厄介な……」

「まったくだ」

「だが、それでもやらねばならん」

 

と、弦十郎さん。

そうだ。この一件で阿礼星乃が拐われているのだ。侍女の菊江さんと共に。

元は敵対していたけれど、助けなくてはならない。

 

「その上で、キャロルくん。君には別件で仕事がある」

「オレにか?」

 

弦十郎さんは頷いた。

 

「ああ。あの四騎士に対抗するための、な」

 

 

 

 

一週間後。

俺はとある街に出撃していた。

新生の四騎士の内の一騎、白騎士が出現した為だ。

白騎士、レイア・ダラーヒムを元にした自動人形。

白い馬に乗り、金の弓矢を持つ。

ただの一騎。

他の四騎士も、量産型もなし。

決闘、なのだろう。

 

「と、言う訳で頼りにしてるよレイア、ミカちゃん」

「派手に、任せておけ」

「頑張るゾ!」

 

俺は隣に立つレイアに目を向ける。

レイアもまた、俺を見ている。

次に反対に立つミカちゃんを見る。

ミカちゃんはニッコリ笑っていた。

 

一週間前。

弦十郎さんがキャロルちゃんに任せた仕事は、キャロルちゃんの四騎士の早急な修復であった。

青騎士の有機物分解ナノマシン、これに対抗する為に無機物で出来た自動人形をぶつけるためであった。

そうして、キャロルちゃんとエルフナインちゃんが頑張った結果、レイアは復活した。

 

ファラとガリィはまだ復活していない。

どうにも調整が難航しているらしい。

だが、それで良いと言っていた。

ここでレイアとミカちゃんに新生の四騎士との戦闘経験を積ませて、ファラとガリィにその経験を共有させるらしい。

ちなみにキャロルちゃんはエルフナインちゃんの護衛として側に侍っている。

星乃を拐った犯人は、自動人形を更に発展強化させる為に作成法を知るエルフナインちゃんを拐う可能性があったからだ。

そんな訳でキャロルちゃんは今回お休みである。

 

「ふむ、一鳴、ミカ。あれか?」

「ああ、そうだね。あれが白騎士」

「レイアにソックリだゾ」

 

無人の街。

車が乗り捨てられた道を、常歩で近づく白い馬の機械。

その背に乗る、白騎士。

 

「そこのオリジナルを元に作られたからな」

 

白騎士はジッとレイアを見ている。

レイアもまた、白騎士を見ている。

 

「ふむ、自動人形2機ははじめましてだな。私は白騎士」

「白い馬に乗ってるから白騎士なのか?」

「ああ。わかりやすくて良いだろう?」

 

白騎士はそう言いながら、弓に矢を番える。

 

「では、はじめよう」

「派手に急ぐな」

「逸っているのだ。目の前にオリジナルが居る」

 

ギリギリと、弦を引く白騎士。

 

「私はお前に勝ちたい。レイア・ダラーヒム。派手に胸を、顔を、手を、足を!撃ち抜いて殺したい!」

「良いだろう白騎士。お前の挑戦を派手に受けよう!」

 

レイアは、指の間に硬貨を挟む。

 

「アタシを仲間外れにしないで欲しいゾ!」

「そうとも。俺もいるんだぜ?」

 

ミカちゃんが高圧縮カーボンロッドを両手に持つ。

俺も、アームドギアの大戦輪を構える。

 

「さあ、派手に殺ろう!この私、白騎士に勝利の上の勝利を!そしてお前たちに敗北を!!」

 

白騎士が矢を放つ。

強く、重い一矢。

それを、レイアの飛ばした硬貨が弾く。

 

「いいや、派手に勝つのは我々だ!」

「いくゾ!」

「あ、頭は壊さないでね大事なチップがあるから!」

「わかってるゾ!」

 

白騎士との決闘が始まった。

 

 

 

VS白騎士【1D10】

(一鳴、レイア、ミカの合計値 VS 白騎士)

 

一鳴【6】

レイア【2】+5(対抗心補正)

ミカ【9】

 

白騎士【5】+10(対抗心補正)

 

 

 

白騎士の矢は疾く、そして重かった。

アームドギアで矢を弾くので精一杯であった。

矢の暴風雨。

まさに、そう呼ぶに相応しい猛攻だった。

だが、それでもミカちゃんは凄かった。

 

「アハハハハ!ぜーんぶ薙ぎ払うゾ!」

 

高圧縮カーボンロッドを振り回し、矢を薙ぎ払って白騎士に向かって進む。

レイアも負けていない。

 

「派手には派手だッ!」

 

矢を硬貨で撃ち落とし続ける。

しかし、それを黙って見ている白騎士ではなかった。

 

「ならばこちらは更に派手にッ!」

 

その言葉と共に、矢の数、速度、威力が上がる。

それと同時に馬を走らせる。

矢が、縦横無尽に飛んでくる。

無尽蔵に飛んでくる。

 

「うおおおおッッ!!」

「アハハハハ!ヤバいゾ!」

「二人とも背中を合わせろ!」

 

俺たち三人は背中を合わせて対処する。

が、それは対症療法でしかなく。

勝つための手段が必要であった。

 

「このままじゃ……ッ」

「地味に危機……ッ!」

 

俺とレイアの意見が合致する。

しかし、ミカちゃんは……。

 

「知ってるゾ!こういう時は、『将を射んとする者はまず馬を射よ』だゾ!」

 

この危機を脱する為の一石を投じていた。

高圧縮カーボンロッドを投擲。

馬の胴体に当たった。

 

「なにッ!?」

 

馬の体勢が崩れる。

白騎士が落馬。

受け身を取ったようだが、高速移動していた為に慣性で滑る。

矢の雨が止まる。

 

「よくやったミカッ!」

「スゴいよミカちゃん!」

「教育テレビ見た成果だゾ!」

 

俺とレイアは白騎士にトドメを刺す為に一気に距離を詰める。

 

「舐めるナァッ!!」

 

白騎士が即座に反撃しようと、矢を番えようとする。

が。

 

「遅い」

 

レイアの硬貨が、白騎士の胸に突き刺さる。

 

「ア───」

 

白騎士が自身の胸を見る。

穴が空いた、水素電池を射抜かれた自分の胴体を。

 

「まけ、タ───」

 

白騎士の眼が裏返る。

そして、そのまま倒れ。

機能停止した。

 

「白騎士、お前は私に勝ちたい、そう言ったな」

 

レイアが白騎士を見る。

 

「私もそうだ。お前にはなんとしても勝ちたかった」

 

レイアは硬貨を生成、指に挟み、そして魔力に還元する。

その一連の動作はマジシャンのようであった。

 

「矢を番える一瞬、それがお前の敗因だ」

 

白騎士の動作は恐ろしく早い。

一瞬で矢を番え、一瞬で狙い、一瞬で射抜く。

恐ろしく早いが、レイアが硬貨を生成し撃つ速度には至らなかった。

レイアが硬貨を生成する速度の方が、白騎士が矢を番える速度より速かった。それだけだった。

 

「派手に、私たちの勝利だ」

 

白騎士との対決。

俺たちの勝利である。

 

 




ずっと正月休みなら、ずっと小説書いていられるのに……(正月休み終わり感)
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