転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
誰か書いて♡♡♡
2036年7月下旬。
アメリカのパーフェクトソルジャーによる、とある部隊がギリシャに進軍した。
アメリカの秘密兵器であるパーフェクトソルジャーには我が社の技術の結晶である義体技術が一部使われており、彼らの義体の整備・改修の為に我々も技術士官として同行していた。
我らには一つの使命があった。
ギリシャにて蘇ったという、オリュンポス十二神。
現代においても魔獣を生み続けるという怪物の母エキドナ。
そして、欧州に眠る聖遺物の数々。
異端技術と呼ばれる、これらのオーパーツを一欠片でも本社に持ち帰ることが、技術士官である我らの裏の使命だったのだ。
ギリシャへの進軍は苦難の連続であった。
我らの乗る軍用機は空を翔ける戦車に乗る双子の神、アポロンとアルテミスに射落とされた。
部隊の4割がここで死んだ。
ギリシャの洗礼を受けて、それでも生き残った我々は運良く山岳部に不時着した。
軍用機はもはやスクラップと化し、帰りの足が無くなってしまっても、任務は続行しなければならない。
表も、裏も。
進軍する我々のパーフェクトソルジャー部隊は、エキドナの産む魔獣たちを容易く打ち破っていった。
空を飛ぶもの。
地を走るもの。
ぐねぐねしたもの。
硬いもの。
男のようなもの。
女のようなもの。
魔獣たちは多種多様であったが、投薬と義体化によるパーフェクトソルジャーたちの敵では無かった。
だが。
時々現れるアポロンやアルテミス。そして突如として地上に落とされる稲妻によって人員はどんどん減っていった。
そして、いつしか。
部隊は、5人ほどに減っていた……。
我々は疲弊していた。
倒しても倒しても現れる魔獣たちにも。
逃げても逃げても、いつの間にか現れる神たちにも。
装備を捨て、武器を捨て。
逃げて撤退して遁走して。
我々は口に出さずとも、同じことを考えていた。
【神に挑むべきではなかった】と。
我らは疲れ切っていた。もはや、任務などどうでもいいと思えるほどに。
だが、我々は成し遂げて、帰ってきたのだ。
ギリシャに進軍して、2週間が経ったあの日に。
ギリシャのかつての国境付近で【ソレ】を見つけたのは偶然だった。
空を翔けるアルテミスに見つかり、豪雨の如く降り注ぐ魔弾の如き矢から逃げて逃げて。
いつの間にか、目の前に【ソレ】はあった。
アルテミスは我らを見失い、どこかへ去った。
我々は、不思議と【ソレ】が原因だと思った。
【ソレ】は崩れ落ちた城であった。
城の上半分は焼け焦げて、ほぼ原型を失っていた。
おそらく、ゼウスの稲妻で焼かれて落ちたのだろう。
それは、信じられない事に、空に浮く為のカタチをしていたのだ……。
我々はその不思議な城の中を調査する事にした。
中に人気は無く、我々以外に動くものは無かった。
内部を見て、私は恐れた。
その城に使われている技術の数々に、数多使われた至高の知恵に!
その城は芸術品と言いたくなるような、緻密な計算によって建てられたものだと理解した。
この城を設計したのは。
この城を建設したのは。
間違いなく、天才なのだと。
我々は、とある部屋を見つけた。
内部は広い空間で、また天井も高かった。
その中央には天井まで届こうかという祭壇。
その祭壇は多数の棺桶によって形作られていた。
そして、その棺桶の中には。
ひび割れた人形が眠っていた。
オートスコアラー。
近くにあった端末にはそう記されていた。
擬似的な自我を持つ、人形。
量産可能な、兵士の代替品。
我らの探し求めた異端技術がそこにはあったのだった───
◆
2040年1月下旬。
2課の研究所にて。
キャロルはエルフナインからの報告を聞いていた。
「キャロル、間違いないよ。白騎士の持っていた弓は【ケイローンの弓】! 赤騎士の剣には【クラウ・ソラスの欠片】が、黒騎士の天秤には【古の冬の小箱】が埋め込まれてた。全部チフォージュ・シャトーにあった聖遺物だよ!」
エルフナインの報告に頷くキャロル。
「やはりそうか……。どこかで見たことがあるとは思っていたが……」
「うん。全部チフォージュ・シャトーにあったものだから、キャロルの予想が正しかった事になるね」
エルフナインがキャロルに報告する前。
黒騎士と戦闘した後のキャロルは一つの予想を立てていた。
終末の四騎士を元にした自動人形の量産技術と、新生の四騎士の持つ聖遺物はチフォージュ・シャトーから持ち出されたのではないかと。
その為に、キャロルはエルフナインに新生の四騎士の持つ聖遺物の調査を依頼したのだ。
その聖遺物は、チフォージュ・シャトーに収められていたものではないか、と。
結果、四騎士の持つ聖遺物はチフォージュ・シャトーに収められた記録が残っていた物であった。
かつてシャトーの建造を任されていたからこそ、シャトーの建材である聖遺物の管理していたエルフナインには、それらがかつてシャトーにあったという記憶が残っていたのだった。
その調査結果は、すぐに2課上層部に伝えられた。
「なるほど……、かつてのキャロルくんとエルフナインくんの住んでいたチフォージュ・シャトーから……」
その報告を聞いた弦十郎は難しい顔をする。
「かつてのシャトーは、ゼウスのケラウノスによって撃ち落とされたのだったな」
「ああ。あの時はギリシャの上空にいたからな」
「なら、シャトーはギリシャに落ちたという事か」
「ああ」
「ならば、キャロルくんのオートスコアラーを模した自動人形を作成、量産したのはギリシャということか」
言葉を繋いだのは了子だ。
「技術的には可能ね。ギリシャが占拠した欧州には彼女たちの製造を可能にする企業が多くあったもの。ドイツの【アルブレヒト・ドライス】、イタリアの【レオーネ・メカニカ】、フランスの【メリエス】。北欧の【アクアビット】にロシアの【テクノクラート】もそうね」
「それだけでは、ないかもしれん」
そう言ったのは、八紘だ。
「どういう事だ八紘兄貴?」
「ああ。私も噂で聞いたに過ぎないが、アメリカのパーフェクトソルジャーがギリシャに侵攻した時、とある部隊が多数の異端技術や聖遺物を持ち帰ったらしい」
八紘は更に言葉を続けた。
「だが、それが真実ならば、アメリカが今回の事件の背後にいる可能性がある」
「その部隊が、撃ち落されたチフォージュ・シャトーを発見した、という事か」
考え込む弦十郎。
「八紘兄貴」
「ああ。ツテを頼って噂の真偽を確かめよう」
「頼む」
そう言った事を話し合った2日後。
青騎士が出現した。
出現した場所は、リディアン音楽院。
特異災害対策機動部のすぐ真上であった。
◆
「お、やっと来たゾ」
と、青騎士は呑気にそう言った。
青い馬型自動人形に腰掛けた、ミカを元に作られた自動人形。
両腕の大きな掌は高圧縮カーボンロッド精製機能の代わりに、有機物を分解するナノマシン精製機能が備え付けられている。
凶悪な能力の自動人形だ。
リディアン音楽院の生徒は既に避難している。
敷地内には人っ子一人いない。
その敷地内に居るのは自動人形のみである。
青騎士の迎撃に出たのは、レイア、ファラ、ガリィ、ミカの4騎。
終末の四騎士総出での迎撃だ。
「あれが最後の
「ミカの模倣品ね」
レイアとファラがそう言い合う。
青騎士はその言葉に答える。
「そうだゾ。そこのオリジナル同様、戦闘特化なんだゾ。お前らなんてバラバラだゾ」
「そういう所も、ミカちゃんそっくりね」
と、ガリィ。
「ところで、お前たちだけか?」
「ああ、そうだが?」
レイアがそう返すと、青騎士は笑い出す。
「キャハハハ!シンフォギアもお前たちのマスターも、アタシに恐れをなしたのか?」
「違うゾ」
と、ミカ。
「お前なんて、ミカたちだけで充分だって事だゾ」
「……は?」
「もう一度言ってやるゾ。お前なんてミカたちだけで充分倒せるって事なんだゾ」
青騎士から表情が消える。
「……そうか。わかったゾ」
「……ッ」
ミカたちが戦闘態勢を取る。
青騎士からプレッシャーが放たれる。
他の四騎士とは格が違う、強さである。
「お前、目障りだゾ」
「アタシもそう思うゾ」
オリジナルと
青騎士が片手で手綱を握る。
馬型自動人形が駆け出す。
青騎士のもう片方の掌から黒い煙、有機物分解ナノマシンだ!
そのナノマシンが固まり、大きな爪となる。
「お前ら全員、ここでバラバラにしてやるゾ!!」
「それはこっちのセリフだゾ!!」
青騎士とミカが激突する───!
終末の四騎士VS青騎士【1D10】
レイア【6】
ファラ【4】
ガリィ【6】
ミカ 【10】+5(対抗心補正)
青騎士【7】+10(対抗心補正)+10(性能向上)
「バラバラだゾ!」
ミカが掌から高圧縮カーボンロッド射出。
それを青騎士はナノマシンを固めた爪で握り取る。
そして、握りつぶす。
「無駄だゾ!」
青騎士はそう言うと、爪を振るう。
爪は再び分裂し、無数のナノマシンとしてオートスコアラーたちに襲い掛かる。
「吹き飛ばして差し上げますわ!」
ファラが風を操りナノマシンを吹き飛ばそうとする。
が……。
「それは、悪手だゾ」
青騎士が嗤う。
確かに、目に見えるナノマシンは風で吹き飛ばされた。
「ぐ、動きが……!」
「なんで、私たちは、人形なのに……ッ」
レイアとガリィの動きが悪くなる。
有機物分解ナノマシンは、無機物で出来た自動人形には効果が薄いはずなのに。
「まさか、関節を固めて……ッ」
「正解、だゾッ!」
青騎士は戦闘が始まった時、すでに辺り一面にナノマシンを散布していた。
そして、わざとナノマシンを固めて目に見える形にしてみせた事で、ナノマシンを視認できる、とオートスコアラーたちに認識させた。
そしてファラの風によって更に撒き散らされたナノマシンを操って、彼女たちの関節部に忍ばせて、爪を形作った要領で密集・固形化させて動きを鈍らせたのだ。
「反撃だゾ!」
「キャアッ!」
再び掌の周りにナノマシンを集めて巨大爪を作成、ファラを弾き飛ばす。
ファラは吹き飛ばされ、立ち上がる事が出来ない。
ナノマシンに関節を固められたのだ。
「まず一人、だゾ」
「ファラッ!」
青騎士が馬型自動人形を走らせる。
ファラを踏み潰すつもりだ。
ファラは逃げる事が出来ない。
このままファラは踏み潰されてしまうのか……!?
「やらせないゾ!」
「ぐえっ!?」
ファラの間近に迫る青騎士の側面から、ミカが迫りカーボンロッドで殴り飛ばした!
青騎士が吹き飛ぶ。
「な……なんで、動くんダ?」
「ナノマシンなんて、燃やせば良いんだゾ!」
そう言ったミカを見て、青騎士は驚愕した。
「な、ハァ!?」
ミカは、
身体のあちこちから炎があがる。
キャロルに作ってもらった身体が、服が。
ガリィに結んでもらったリボンが。
燃えていた。
「燃えてるアタシに、ナノマシンはくっつかないゾ!」
「あ、アホだゾ……!」
「ミカちゃん!」
焼身したミカに呆れる青騎士。
ファラはそんなミカに悲痛な叫び。
「戦闘特化で熱に耐性があるとはいえ、それでも……」
「もって5分だゾ。バーニングハート・メカニクスよりも長持ちだゾ」
それでも1分しか変わらないが。
「コイツを倒せるのは、きっとアタシだけだゾ」
ミカは一瞬、背後を見る。
関節を固められ、動けなくなったレイアとガリィを。
「速攻で終わらせるゾ」
ミカが駆け出す。
瞬く間に青騎士の眼前!
「は───?」
「うりゃー!!」
カーボンロッドで殴られる青騎士。
吹き飛ばされる。
「ぎゃ!?」
「まだだゾ!!」
吹き飛ばされた青騎士に向けてカーボンロッド射出!
青騎士は咄嗟にナノマシンを放出して防御するが……。
「ゾ───?」
カーボンロッドがナノマシンを喰い破る。
「弱いゾッ!!」
ナノマシンの群れを貫き進み、カーボンロッドは青騎士の両手の掌を突き破る。
「ギャッ!?」
「隙あり、だゾ!」
掌を破壊されて、怯んだ青騎士に向かって突き進むミカ。
そのミカを阻まんと、馬型自動人形が立ち塞がる。
が。
「無駄だゾ!」
その馬型自動人形を、ミカが勢いのままに持ち上げる。
そして、青騎士に投げつけた。
「グギャッ!?」
「───!?」
青騎士と馬型自動人形が激突。
地面に倒れ込む。
「トドメだゾ!!」
そこ目掛けて飛び上がったミカが、カーボンロッドを形成。
そのまま、青騎士と馬型自動人形に向けてカーボンロッドを振るう。
落下速度も相まって、恐ろしい破壊力だ。
「あ───」
「うりゃー!!」
カーボンロッドが青騎士と馬型自動人形に叩き付けられる。
カーボンロッドがひび割れる程の威力。
地面はひび割れてめり込み、青騎士と馬型自動人形の胴体は砕け散る。
「────………」
「────………」
そして。
青騎士と馬型自動人形は機能停止した。
「勝ったゾ!」
ミカが両手を上げて勝利のポーズ。
その身体は黒く焦げつつあった。
「ミカちゃん!」
「この、アホンダラ!」
青騎士が機能停止して、動けるようになったファラがミカに向けて強風を放つ。
と、同時にガリィが水をぶっかける。
蒸気を出しながら、ミカの身体の火が消化されていく。
「派手に無茶苦茶する」
「だからって焼身自殺してたら世話ないんだよッ!」
レイアはミカに呆れ、ガリィは怒っていた。
「みんな、ありがとうだゾ」
「ったく……。ボディに異常はないの?」
ガリィはミカの身体をあちこち触る。
「……うーん、多分大丈夫……、あ!」
「なによ?」
「マスターに作ってもらった服、燃えちゃったゾ……」
ミカは現在、ぽんぽんすーであった。
服は燃えてしまった。
「……はァ〜〜〜。服ならまたマスターに作ってもらったら良いでしょ、もう!」
「そうするゾ!」
朗らかに笑うミカであった。
◆
青騎士、撃破。
阿礼星乃の居場所を示すチップ、全て入手。
───それと同時に。
次世代の、義体。
完成。
今回のシナリオ、ミカちゃん大活躍じゃない?スゴイ!
ちなみに、次回でクライマックス。このままミカちゃんに頑張って貰いたい(願望)
◆聖遺物説明◆
【ケイローンの弓】
ギリシャ神話のケンタウロス、ケイローンの用いた弓。
ケイローンは賢者であり、様々な英雄の師匠でもあった。有名なヘラクレスもアキレウスもケイローンの弟子。
【クラウ・ソナスの欠片】
アイルランド民話に出てくる光の剣、その欠片。
様々なエネルギーを光に変換する力を持つ。
赤騎士のレーザーブレードの柄の部分に埋め込まれていた。
【古の冬の小箱】
中に冬の概念が閉じ込められた箱。
元ネタはマイティ・ソーであるが、作者はマイティ・ソーを見たことが無い。じゃあどこで知ったかというと、やる夫スレの『エージェントやる夫の日常茶飯事』という作品。めっさ面白いからみんな見るといいよ。マーベル作品はスパイダーマンとメタルマンしか知らない作者でも楽しめたもの(露骨な宣伝)