転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
前回、
『酩酊酒耐性は勝負に負けると【1D10】で減少します。
酩酊酒耐性がゼロになると、酔っ払って理性が利かなくなります。
酔っ払った人は行動不能になるので、誰かが運ばないといけません。
3人酔っ払うとゲームオーバーです……。』
と、今回のルールを決めさせて貰いましたが、作者の別人格からの「酩酊耐性値の減少数、重くね?」という意見を考慮した結果、
『酩酊酒耐性は勝負に負けると【1D6】で減少します。
酩酊酒耐性がゼロになると、酔っ払って理性が利かなくなります。
酔っ払った人は行動不能になるので、誰かが運ばないといけません。
3人酔っ払うとゲームオーバーです……。』
に、訂正させていただきます。
関係各所にはご迷惑をお掛けしました。
申し訳ございません。
担当者はすでに左手をケジメし、アラスカシンフォギアセンターで研修を受けてます。
ごあんしんください。
◆前回のあらすじ◆
ある日の中学校の昼休み。
弁当を食べていた一鳴であったが、揮発したマダの酩酊酒が学校中に充満する。酩酊し、欲望のままに行動しだすクラスメイト。
一鳴は響と未来、吉田と共に学校から脱出するため、北校舎に向かっていた。
生徒たちが泥酔して倒れたり眠ったりする廊下を乗り越えて、なんとか北校舎へ向かう為の渡り廊下にたどり着いた。
渡り廊下には、赤い顔で眠る生徒たち。
そして、吐瀉物。
うん、寝ゲロしとるな!
「ここ、通るの……?」
未来ちゃんが引きながら聞く。
「大変残念な事に、ここしかルートが無いのよね」
北校舎に向かうには、ここ通るしかないのだ。
「一応、窓から飛び降りたら外に出れるけど」
「ここ、3階なんだけど……」
吉田が窓を指差すが、響ちゃんに止められた。
「うん……、ごめんね。ここ通ろう」
未来ちゃんは折れた。
仕方ないね……。
俺たちは慎重に生徒と吐瀉物を避けながら北校舎に向かう。
「それにしても」
俺は先導しながら、問いかける。
「犯人はなにが目的なのかね」
「えっと……みんなを困らせる?」
と、響ちゃん。
「なるほど。みんなが欲望のままに行動する所を悦に浸りながら見る。そういう変態が犯人ということね」
「へ、変態かどうかはしらないけど!」
響ちゃんは真っ赤になりながら否定する。
「でも、みんなが困る所を見たいって人はいるよね……」
「そうだね」
と、華麗なステップの未来ちゃん。
「吉田くんはどう思う?」
「オレ?」
軽やかなステップの吉田は、少し考える。
「……、少なくとも犯人はバカだな」
犯人をバカと断じた吉田であった。
「理由は?」
「色々雑すぎる」
「雑?」
吐瀉物の川を飛び越えながら問う。
響ちゃんと未来ちゃんには手を伸ばして、川を越える手伝いをしながら。
「ヤバい酒を廊下に撒いて、揮発させて酔わせたのが今回の手口だ。
でも、普通はヘンなモン撒いてるヤツが居たら注意するだろ」
「するよなぁ」
そこなのだ。
酒の匂いの発生源から考えて、犯人は廊下に酒を撒いた。
昼休みに人がたくさん居て目立ちにくいとはいえ、わざわざ顔を見られたり、そもそも酒を撒くのを阻止される恐れもあるのに……。
「しかも」
吐瀉物の川を飛び越えた吉田が、窓を指差す。
窓からは遠くなった南校舎が見えた。
「2年と3年も同じような目にあってる」
「わざわざ3学年全部の廊下に撒いてるのかぁ……」
南校舎の2階と1階。
2年生と3年生もまた、狂乱の中に居た。
つまり、そこにも酒は撒かれたと言う事。
「バカだが……、偏執的だ」
「へんしつてき?」
と、吉田の言葉に返す響ちゃん。
お勉強が……、足りてない……。
「あー、徹底的みたいな?」
「つまり、バカだけど理由はあるってこと」
そんな事を言っていると、なんとか北校舎にたどり着く。
北校舎3階は確か……、音楽室とか美術室とかか。
……音楽室からは狂ったメロディの「猫踏んじゃった」が聞こえる。
「音楽室には……、近寄らないほうがいいね」
「ああ」
と、吉田と話していると。
「お前らか」
と、声をかけられた。
「ッ……、岸部先生かぁ」
にゅっ、と現れたのは現国担当の岸辺先生である。
教師の癖に耳にピアスをしてる、もう何も見たくなさそうな中年男性だ。
「あー、お前ら教室から逃げてきたのか」
「そうですよ。そう聞くって事は、この事態を教員は知ってるって事ですね」
もしかしたら、教師によって混乱が収められるかも。
そう思ったのだが……。
「少し違う」
「?」
「職員は俺以外の全員酔っ払った」
「はぁ!?」
なにやってるんだ大人!
「さっき、職員室に酒の匂いが充満しだしてな。あっという間に全員おかしくなった」
「え、じゃあ岸辺先生は……」
「俺はさっさと逃げてきた」
「えぇ……」
逃げちゃ駄目だよ……。
「渡、流石に無理だって。だって織斑先生いたもん」
「あぁ……」
じゃあ仕方ないな、というムードに即座に変わった。
織斑千冬。
我が校1年生の学年主任であり、クラスメイト一夏くんの姉である。
担当教科は体育。
そんな織斑先生。
強いのだ。
単純に、筋力とか技量とか。
そういうフィジカルが強い。
バレーボールを腕の力だけで割れるのは、流石におかしい。
ついたあだ名が「ゴリラ」「メスハルク」「織斑くん可哀想」である。
なお、名指しされた一夏くんはシスコンである。
閑話休題。
そんなゴリラゴリラ織斑が職員室に居るなら中年男性は逃げるわなぁ。
「で、お前らは?」
「俺たちは外に逃げるとこっス」
「階段は?」
「防火扉で塞がれてました」
俺は岸辺先生に教室の惨劇を教えた。
「子どもも酔うのかよ……ハァ」
ため息一つつくと、岸辺先生は渡り廊下に向かう。
「岸辺先生、どこ行くんですか」
「ガキども抑えてくる」
「一人でですか」
と、吉田。
「吉田。俺はな、一応教師だ。生徒を守る義務がある」
「織斑先生からは逃げたのに……」
「ゴリラは対象外だ」
「織斑先生ェ」
「ま、ガキどもには負けねぇよ。アホやってるやつらを気絶させればいい」
そう言って、南校舎に歩を進める岸辺先生。
「あ、そうだ。お前らはそのまま東の方の階段に向かえ。西の方は防火扉で塞がってた」
「わかりました」
「ありがとうございます岸辺先生」
岸辺先生は右手を軽く上げて、去っていった。
「……かっこいいね」
「だね」
響ちゃんとそう言い合う。
でも……。
「岸辺先生、ゲロ思いっきり踏んで行ってたよな」
「うん。……あ、男子も踏んでる」
「あのオッサン教師向いてねぇな」
◆
岸辺先生の言った通り、北校舎の東階段で下に向かった俺たち。
2階にたどり着いたが……。
「わたりくん!」
誰かに呼び止められた。
ろれつの回らない声。
確実に酔っ払ってる。
「よしだくんに、たちばなさんとこひなたさんまで!」
声の主は山田先生であった。
顔を真っ赤にしながら、大股で歩いてくる。
ブラウスのボタンは既に外され、大きな胸がバルンバルン。
「ナルくん」
「ミテナイヨ」
未来ちゃんの冷たい視線。
こうかは ばつぐんだ!(ドラゴンタイプ感)
「あぁ、2階には職員室があったな……」
北校舎2階。
職員室と理科室があったなぁ。
「よにんとも、いまじゅぎょうちゅうでしゅよ!」
「いや緊急事態なんですよ」
「いいわけはききましぇーん! よにんともせいとしどうしつにれんこうれしゅ!」
うーん、この酔っぱらい。
「どうした山田くん」
職員室から、織斑先生が顔を出す。
「おりむらせんせぇ、ふりょーでしゅ! ふりょー! じゅぎょーさぼってでーとでしゅ!」
「なに!? それはイカンな。お前ら生徒指導室に来い!
生徒指導室というのはな……、あの、あれだ。生徒を指導するアレだ!」
言葉が出ない織斑先生。
駄目だ、完全に出来上がってる。
「私自らが連行してやる! 逮捕だ逮捕!」
そう言いながら、扉を破壊して現れる織斑先生。
全裸だった。
「キャーッ!」
未来ちゃんが悲鳴を上げる。
俺も上げたい(悲哀)
「なんだ小日向。人を見て悲鳴を上げて」
「織斑先生服を着てください!」
「嫌だ!!!」
すっごい否定された。
「なんで!?」
「嫌だからだ!!!」
「理由になってねぇ!」
駄目だこの酔っぱらい……。
「逮捕!」
「たいほー!」
「逮捕されるのはそっちだよ!!」
こちらに挑みかかる織斑先生と山田先生。
俺と吉田は、響ちゃんと未来ちゃんの前に立ち迎撃する。
一鳴&ヒロフミ VS メスゴリラ&山田【1D10】
(それぞれの合計値との勝負)
一鳴【8】
ヒロフミ【10】
織斑先生【9】
山田先生【4】
「たいほー!」
と言いながら挑みかかる山田先生だったが。
「んべっ!」
ズッコケた。
そしてそのまま動かない。
「……すやぁ」
寝たようである。
何だこの人……。
「山田くんはグッスリスリーピング。私はお前たちとファイティング。おーいえー」
ヘッタクソなラップを唄いながら駆け寄る織斑先生。
バストがバルンバルンしよる!
「ナルくん?」
「今戦闘中だから!」
響ちゃんの視線が突き刺さる。
「渡!」
と、名前を叫びながら俺に掴みかかる織斑先生。
負けじとこっちも織斑先生と組み合う。
「いや強ッ!」
「伊達に鍛えては……うぷっ」
うぷっ?
「渡、吐きそうだ」
「え」
「渡、受け取ってくれ、私の女子力」
そう言うと、俺の顔を掴んで口を開かせる織斑先生。
「ふぇッ!?」
「ヴォエッ! くるぞ渡。しっかり飲めよ」
ねぇ嘘だよね。
流石にそれはないよね。
「ウッ」
あ、これ駄目だ。
助からない奴だ。
織斑先生の頬が大きく膨らんでるもん。
もう決壊するもん。
女子力が降り注ぐやつじゃん。
と、思ったのだが。
「オラァ!」
吉田が織斑先生を蹴り飛ばす。
織斑先生は俺から剥がされて、そして。
「おろろろろろ」
女子力が決壊した。
その女子力は。
寝ちゃった山田先生に降り注いだ。
「すやぁ……くさっ…………すやぁ」
山田先生は一瞬顔をしかめたが、また眠りだした。
そして織斑先生は……。
「はぁ、スッキリした。……寝るか。お休み一夏」
山田先生に、覆いかぶさって寝た。
「……」
「……」
俺と吉田は無言で顔を見合わせた。
「……助けてくれて、ありがとね」
「……ああ」
俺たちは静かに1階に向かった。
◆
1階は静かであった。
1階には、調理室や技術授業用の加工室があったはず。
だが、廊下は誰も倒れておらず、教室の扉は閉められている。
ここだけ、なにもなかったかのようである。
「ナルくん……」
不安からか、響ちゃんが裾を掴む。
「ん、大丈夫よ大丈夫」
「うん」
響ちゃんを安心させた、その時。
ずずん!
と、校舎が揺れた。
「なんだ!?」
ずずん!
ずずん!
揺れはどんどん大きくなる。
「ふたりとも伏せて!」
俺は響ちゃんと未来ちゃんを廊下に伏せさせる。
電灯が点滅する。
なにが、起こっている……ッ!?
「渡、あれ」
吉田が廊下の先を指差す。
そこには一人の男。
袴姿の、禿頭の男。
「ワシがこの学校の校長! 江田島平八である!」
校長の江田島先生であった。
一歩歩く。
校舎が揺れる。
もう一歩歩く。
校舎が揺れるッ!
「なんちゅう迫力だ……」
本気の訃堂司令に匹敵する迫力だ。
何も無いワケだよ、江田島校長いるもん。
みんな酔っ払ってても、この人怖がって近寄らないよ!
「ワシが!」
校舎が揺れる。
「この学校の!」
校舎が揺れる。
「校長!」
校舎が揺れる。
「江田島平八であるッ!」
校舎が揺れる。
「ねぇ吉田。もしかして……」
「あぁ、やるしかなさそうだな」
「そっかぁ……」
勝てる気しねぇけど、やるしかないのね……。
一鳴&ヒロフミ VS 江田島平八である!【1D10】
(一鳴&ヒロフミの合計値との勝負)
一鳴【7】
ヒロフミ【7】
江田島平八【5】+5
「ぬぅん!」
江田島校長の正拳突きが、俺に向かう。
「イヤーッ!」
俺はその拳を受け流して回避。
その隙を狙い、吉田が江田島校長の頭を回し蹴り。
だが。
「効かぬわ!」
吉田の蹴りを受けてなお、校長の頭は揺るがず。
逆に吉田に頭突きを食らわせようとする。
「イヤーッ!」
それを防ぐ為に、俺は江田島校長の背後に回り、腰をガッチリホールド。
「ぬッ!?」
驚く江田島校長だが、もう遅い。
俺は江田島校長を持ち上げると、そのまま身体を反らして、ブリッジの体勢になる。
訃堂司令に教えてもらった技。
ジャーマンスープレックスである。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
江田島校長の背中を思い切り、廊下に叩きつける。
流石の江田島校長も、多少は効いたようだ。
俺はホールドを解いて逃れる。
「疾ッ!」
そこに吉田が、大の字になった江田島校長の鳩尾を殴る。
「ぐぅ……ッ!」
呻きながらも、吉田の腕を掴む校長。
ミチミチと、音がする。
だが。
「みご、と」
そう言うと、校長の全身から力が抜けて、今度こそ大の字で倒れた。
「ぐごーッ! ぐごごーッ!」
高鼾をかく校長。
酔っ払って寝ただけか……。
……酔っ払ってあの強さなのか。
世の中自分より強い人なんて、ゴマンといるのね。
「吉田、腕ダイジョブ?」
「ああ。少し痛いが、問題なく動かせる」
と、拳を握ったり開いたりする吉田。
「助かったわ渡。サンキュな」
「ええんやで」
二人でなければ倒せなかった男である。
吉田と腕をぶつけ合った。
男の友情であった。
◆
北校舎。1階。
正面玄関。
北校舎の出入り口の一つである。
校舎の東端と西端にもこじんまりとした出入り口はある。
俺たちも階段で降りてきた側にある東端の出入り口から出ようとしたのだが、誰の仕業か、扉が外から固定されていた。
犯人の仕業だろうか。
出れないのは仕方ないので、北校舎のちょうど真ん中にある、正面玄関に向かう事にしたのだ。
正面玄関は、主に来客や教職員の為の出入り口。
木彫りの熊やら、生徒の作った全長2メートルのオブジェやらが飾られている。
なんかこう、目を逸らしたら一気に近付いてきそうな、手足の短い白いヒトガタのオブジェだ。
「やっと外だ〜」
響ちゃんが気の抜けた声をあげる。
気持ちは、わかるけどね。
「響ちゃん、先行しないの。まだ変な酔っぱらいがいるかもだし」
「その時は、ナルくんが守ってね」
と、左腕にしがみつく響ちゃん。
動きづらいから、離れて。
そう、言おうとして時。
背の高いオブジェの影から。
俺たちにマダの酩酊酒がかけられた。
Q.どうしてルール改定した後なのに誰も酩酊状態にならないのですか?
A.ウチのオリ主と吉田ヒロフミの相性が何故か良いから。
だから最後に無理矢理酩酊ロールする(やりたい放題)
あと、最後に出てきた【目を逸らしたら一気に近付いてきそうな、手足の短い白いヒトガタのオブジェ】。
元ネタはアレです。SCPです。
最初のSCP。
オブジェで最初に浮かんだのはアレなのよね。
なお中学校にあるのはただの生徒たちの卒業制作の作品です。
動くわけ無いじゃないですか。
中学校にあるのは、ね。ウフフ……。