転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
シンフォギアの曲が聞きたい。
でも作者の音楽プレーヤーは、YouTubeミュージックでお排泄物プレーヤーですの。
読者の中でオススメの音楽アプリを知ってる方はメッセージボックスに打ち込んでくださいまし!
YouTubeミュージックでは、撃槍ガングニールを聴けないの!
南米。
バルベルデ共和国。
軍事政権と、市民による反政府組織による内戦が頻発している不安定なその国の、とある村。
ジャングルに囲まれたその村は、反政府組織の支援者たちの暮らす村であった。
だが、その村の在り処を突き止めた政府軍との戦闘が勃発したのだ。
それが、つい2時間前の事。
だが、その村は。
不気味な程に静かだった。
生存者が、誰も居なかった。
戦闘が終わったのか?
確かに終わった。
第三者による介入で。
「〜♪ 〜〜♪」
その、生存者の居ない村に、歌声。
歌っているのは、一人の少女だ。
小学校低学年程の、少女。
金色の髪に、青い瞳。
白い肌。
青いエプロンドレスを着ている。
その少女と手を繋ぐ、二人の男女。
二人共、三十代程だろうか。
顔立ちが整っており、品を感じさせる。
男性の方は七三分けの髪と顎髭を生やしている。
女性の方は豊かな銀色の髪を、夜風にたなびかせている。
そして、二人の目はどちらも光を写していなかった。
彼ら三人は、既に死亡している。
死者でありながら立ち、そして歌っている。
「もう、雅律パパもソネットママもちゃんと歌って!」
と、少女が咎めるような口ぶりだ。
「あ、う……」
「うぁ……」
パパ、ママと呼ばれた雅律とソネットはただ呻くように話す。
「鎮魂曲よ、レクイエム。ここで死んだ人のためのね」
鎮魂曲。
少女は鎮魂曲を歌っていたのだ。
ここで死んだ人のための。
政府軍と、反政府組織の為の。
少女の保護者が、皆殺しにした者たちへの為の。
その、保護者が帰ってきた。
「アリス、ただいま」
「いい子にしていたかなアリス?」
少女をアリスと呼んだのは禿頭の赤スーツの男と、痩せた黒スーツの男である。
彼らが、政府軍と反政府組織を皆殺しにした少女の保護者である。
「赤おじさん、黒おじさん! おかえりなさい」
「雅律やソネットといい子にしていたかね?」
と、赤スーツの男こと赤おじさんが聞く。
アリスは口を尖らせた。
「赤おじさん聞いて! 雅律パパもソネットママも歌ってくれないの! アリスはパパとママと一緒に歌いたいのに」
「おやおやそれは。男爵、どうなっている」
赤おじさんは黒おじさんを見る。
その黒おじさん、黒男爵は雅律とソネットをしげしげと見る。
バルベルデの地で死した、雅律とソネットを蘇らせたのは黒男爵なのだ。
「ふむ……。仮の肉体と魂は確かに接続されている」
「ならばなぜ歌わぬ」
「……アリスへの命令遵守が、うまく働いていない。……なるほど、実の娘への愛が阻害しているな」
雅律とソネットの頭に触りながら、黒男爵がそう言う。
「直りそうか?」
「難しいな、赤伯爵よ」
黒男爵は、そう赤おじさんこと赤伯爵に言った。
「愛とは頑なで、そして中々思い通りにいかないものだ」
「実の娘への愛、それほど深いか」
「赤おじさん、黒おじさん?」
アリスが二人に聞く。
「雅律パパとソネットママ、歌える?」
「……ああ、これならいけるか」
「黒男爵よ、どうするのだ?」
「簡単な事だ。彼らの娘も、アリスの家族に加える」
「なるほど、実の娘の括りに、アリスを入れるか」
黒男爵は、アリスに目線を合わせた。
「私達の可愛いアリスや、お姉ちゃんは欲しくないかい?」
「お姉ちゃん!? 欲しいわ!!」
「なら、お姉ちゃんを迎えに行こうか」
「わーい! お姉ちゃんはどこにいるの?」
「日本だよ、アリス。雪音クリス、という女の子が君のお姉さんになるんだよ」
「クリス……、クリスお姉ちゃんね! 嬉しいわ!」
はしゃぐアリス。
それを見て、微笑む赤伯爵と黒男爵。
「ちょうど良いか、アメリカ政府からの追求がバルベルデにも伸びだしていたからな」
「ああ」
「だが、日本か。長旅だな」
「構わないだろう。船を手に入れる必要はあるが」
「ならばフェリーにしよう。小さな船など、アリスには相応しくない」
「乗客は、殺しても?」
「もちろん。殺してアリスの召使いにしよう」
そう話す赤伯爵と黒男爵。
だから気付かなかったのだろう。
雅律とソネットの目に涙が浮かんでいたのを……。
「クリス……」
「にげ、て」
◆
2040年6月。
もうそろそろ梅雨入りだな、という頃。
俺は孤児院に来ていた。
弦十郎さんと共に、お菓子を持って。
「全員『礼』だッ! 弦十郎のオジキと一鳴の兄貴がお越しだッ!」
と、子どもたちに歓迎される。
全員、ピチッとお辞儀をしている。
「ナスターシャ院長、今度は何を見せたんです?」
「えぇ、少しジョジョの第5部をアニメで」
「なるほどぉ」
これは、あれじゃな。
ペリーコロさんがポルポの財産を受け取るついでにトリッシュを連れてきた所じゃな。
そこに感化されたかぁ……。
「あぁうん。全員楽にしてくれ……」
弦十郎さんの言葉を聞いて子どもたちもお辞儀を辞める。
弦十郎さんもどこか呆れ顔だ。
「はーい、お菓子持っていきなー」
俺がお菓子を渡してやる。
「ありがとうございます、オジキに兄貴!」
子どもたちから礼を言われる。
言われてるんだけどなぁ。
なぁ!
「ナスターシャ院長、次に来るまでに一部を見せてジョナサンの黄金の精神で、みんなを上書きしといてください」
「わかりました。……私は3部が好きなのですが」
「俺は7部ですねぇ!」
ジョニィとジャイロの関係性とか、馬とか好きなの。
キャッチ・ザ・レインボー戦が特に好きね……。
「俺はやはり4部が好きだが……」
と、弦十郎さんも話に入ろうとするが。
「一鳴さん、弦十郎さん」
と、声をかけられる。
声の主は調ちゃんだ。
側に切歌ちゃんとクリスちゃんもいる。
「相談があるんです」
「相談?」
なにやら相談があるらしい。
クリスちゃんが俺たちの前に出る。
「クリスちゃん何かあったの?」
「うん」
頷くクリスちゃん。
「クリス先輩、最近ずっと不思議な夢を見るんです」
と、調ちゃん。
「夢?」
「ただの夢、って言われたらそれまでだけどさ……」
「そんな事ないデス! 絶対大切な事デス!」
クリスちゃんの言葉を否定する切歌ちゃん。
なんだか、ただ事ではない。
俺は弦十郎さんと顔を見合わせた。
「クリスちゃん。詳しく教えて?」
◆
話の発端は一週間ほど前。
夜。
クリスちゃんが眠っていると、夢を見た。
クリスちゃんは真っ暗闇の中にポツンと一人で居たという。
辺りを見渡していると、少し離れた所にぼんやりと人の姿が見えた。
目を凝らしてよく見ると、それは、バルベルデで死別したはずのクリスちゃんのご両親だったという。
「パパ! ママ!」
思わずクリスちゃんがそう叫ぶと、クリスちゃんのご両親は、
「クリス、早く逃げなさい」
「クリス、逃げて。ずっと遠くに」
と、そう言うのだという。
何から逃げれば、どこに逃げればいいのかわからないし、そもそも死んだと思っていた両親に会えたクリスちゃんは、ご両親に近付こうとした。
だが。
一歩、歩みを進めて、身体が動かなくなった。
ガタガタと、歯がなる。
鳥肌が立つ。
恐怖で震えた。
クリスちゃんのご両親、その背後に。
恐ろしい、怪物が見えたのだという。
炎と共にある、人の顔の赤い竜。
悪霊を従えた、死人のように青白い肌の男。
その怪物たちが、クリスちゃんと目を合わせようとして───
そして、目が覚めるのだという。
「それが、一週間ずっとなんだ……」
そう、クリスちゃんは言った。
孤児院の食堂、その隅の席で、俺たちは固まって話を聞いていた。
「そっか、クリスちゃんのご両親と、怪物が……」
その夢は辛いだろう。
死んだ両親が出てきて逃げろ、と伝えるのだ。
その後ろには怪物。
不安にもなる。
「死者の報せ、か」
「恐らくは」
話を聞いた弦十郎さんとナスターシャ院長がそう言った。
「それに、今日の夢は……」
クリスちゃんが口ごもる。
「何かあったの?」
と、聞くと。
「怪物が出てくるまでは一緒だったんだ」
両親の後ろに、怪物が現れる。
いつもなら、目が合う前に目が覚める。
だが、今日は。
そこで、怪物たちと目が合った。
人頭竜体の怪物と、死人のような怪物と。
二人の怪物は、厭らしく嗤い。
そして。
「見つけたぞ、雪音クリス」
「お前を連れて行くぞ、雪音クリス」
「お前の両親と共に行こう」
「お前を迎えに行こう」
「「我らの娘と共に!」」
と、言った。
そして、両親の泣く声と共に、目を覚ましたのだという。
「だから、今日相談したんだ」
俺と、弦十郎さんが来るから。
「弦十郎さん、ヤバくね?」
「ああ……」
弦十郎さんが冷や汗をかく。
それぐらいの、事態だ。
一週間ずっと見ていた同じ夢が、今日に限って違っていた。
それも、怪物が迎えに来るという形で。
「こういうのに詳しい了子さんやキャロルちゃんは?」
異端技術、夢のお告げや夢に出てきた怪物に詳しそうな二人の名を出すが……。
「二人は遭難船の調査だ。……ちょうど、テレビでやっているアレのな」
弦十郎さんの言葉の後、テレビを見る。
テレビでは、ニュースをやっていた。
ここ最近、巷を騒がしているニュースだ。
そのニュースの概要はこうだ。
北米─南米を航海していたフェリー、サンタモニカ号が何故か日本近海で発見された。
サンタモニカ号の中には乗客・乗員が一人も居らず、厨房では食事の用意がされていた。
食事は湯気が出ており、つい先程まで調理されているようであったという。
そんな事から、現代のメアリー・セレスト号事件と呼ばれている。
日本政府は、異端技術か聖遺物が関わっている可能性があるとして、二課に調査を依頼。
その依頼を受けて派遣されたのが了子さんとキャロルちゃんであった。
……南米から流れてきた船。
突如消えた乗客。
夢に現れたクリスちゃんのご両親。
クリスちゃんの夢と関係ありそうな事象である。
そう考えていると、弦十郎さんに電話が掛かってくる。
「了子くんからだ」
渡りに船、丁度良かった。
そう思ったのだが……。
「もしもし、俺だ。一体どうし───」
「弦十郎くん! 今、孤児院!?」
弦十郎さんの携帯から、了子さんの慌ただしい声。
「そうだが……どうした、何かあったのか?」
「サンタモニカ号の調査していたんだけれど、船長室で何枚かの写真が見つかったわ」
「写真?」
「ええ。その写真は全て、雪音クリスちゃんの写真よ!」
「なッ!?」
「バルベルデで救助された時の写真から、今年の写真まで。隠し撮りじゃないわ、異端技術で念写それたものよ!」
念写とは……。
「じゃあ船長が何かやらかしてそうって事ですか?」
弦十郎さんが携帯をスピーカーモードに切り替え、俺も了子さんに質問出来るようになった。
「船長、ではないわね」
と、了子さん。
「どういう事です?」
「船長は多分殺されてるわ」
「……はい?」
「この船、一見なにもないように見えるけど、船内全域からルミノール反応が検出されたわ」
ルミノール反応。
ようは血とルミノールが反応して光る事。
この反応は、血を拭き取ってもその跡が光るのだ。
それが、船内全域?
船内で、血の跡が発見されたという事か。
そしてそれはキレイに掃除されていた……?
「ええ、そうよ。犯人はね、乗員乗客を皆殺しにした後、この船で過ごしていたのよ」
「……その船、広いだろう」
「ええ、そうね」
「その掃除に、どれだけかかる」
「それは───」
「簡単なことだ」
第三者の声。
キャロルちゃんだ。
「キャロルちゃん!」
「一鳴、孤児院にいるんだな。いいか、いつでもシンフォギアを纏えるようにしておけ!」
キャロルちゃんが、声を荒げる。
それは、どこか慌てるような感じで。
「一鳴、敵は乗客乗員を皆殺しにした。だがな、その後、自分たちが殺した人間を操って掃除させたんだ!」
「は……え?」
殺した人間を操った?
「死霊魔術、ネクロマンシーだ。死霊と死体を操ったんだ。
その痕跡が見つかった。船内全域で、だ!
気をつけろ、ソイツはすでに日本に潜んで───」
突如、キャロルちゃんの声が途切れる。
ツーツーツー、と弦十郎さんの電話から聞こえる。
回線が切れたらしい。
「圏外になっている、だと……ッ!」
弦十郎さんが慄く。
俺も、自分のスマホを確認する。
圏外になっていた。
「テレビも、電波が届いていませんね」
と、ナスターシャ院長。
テレビの画面には、電波の受信が途切れた事を示すメッセージ。
「結界、ですね」
ナスターシャ院長が教えてくれた。
異端技術の一つであり、外界と内界を隔てる概念的な障壁だという。
大戦時のドイツは、【ディー・シュピネの結界】という神秘を用いていたとか。
「今回の結界も、似たようなもの。人の意識、思考、電波さえも遮るものですね」
「つまり、外界から隔離された密室と言う事ですね」
弦十郎さんの言葉に頷くナスターシャ院長。
つまり、敵は既に行動しているという事。
詰めに来ていると言う事。
「───── Sudarshan tron」
俺は聖詠を唄う。
赤銅色の装甲装着。
6つの花弁の如きスカートアーマー装着。
シンフォギア各所から漏れ出した炎が背中に集まり、光輪形成。
その光輪を手に取る。
光輪は物質化し、108の刃を持つ戦輪、チャクラムに変わる。
シンフォギア、装着完了。
キャロルちゃんの言葉を信じ、シンフォギアを即時展開した。
敵の攻撃は既に始まっているのだ。
「一鳴さん……」
調ちゃんが不安そうな顔。
「大丈夫。俺がいるから」
調ちゃんの頭を撫でる。
「みんなも、こっちに集まって!」
俺は食堂にいた子どもたちを呼ぶ。
ナスターシャ院長が、子どもたちを隅の壁際に集める。
俺と弦十郎さんがそんな子どもたちやナスターシャ院長の前に立ち、敵の攻撃に備える。
その時である。
「クスクスクス……」
と、少女の笑い声。
聞こえてきたのは前方。
誰も居ないはずの空間である。
その空間が歪み、一人の少女が現れる。
金色の髪と、青い瞳。
白い肌。
青いエプロンドレスを着ている。
「こんにちは、お兄ちゃん」
鈴がなるような声。
少女が、俺を見る。
「そんなに睨まないで。私はただ、クリスお姉ちゃんを迎えに来たのよ」
「あたし……?」
「ええ、そうよ」
クスクス笑う少女。
「私だけじゃないわ」
少女の後ろから、更に人が二人。
ふわふわと浮いて現れる。
それは、人形遣いに使われる人形のようであった。
「あ、……う、そ」
クリスちゃんが、その二人を見て震える。
二人共、三十代程だろうか。
顔立ちが整っており、品を感じさせる。
男性の方は七三分けの髪と顎髭を生やしている。
女性の方は豊かな銀色の髪を伸ばしている。
二人共、どこかクリスちゃんに似ていて。
そして、目に光を宿していなかった。
……もしかしなくても、そうなのだろう。
「パパ……、ママ……!」
「ええ、そうよ。雅律パパとソネットママ! クリスお姉ちゃんに会いたいっていうから、一緒に来たの!」
雪音雅律。
ソネット・M・ユキネ。
彼らはクリスちゃんのご両親で、バルベルデで死亡したはず。
だが、目の前にいるのは、間違いなく。
クリスちゃんのご両親なのだろう。
少女が嗤う。
口を開く。
「私達と行きましょう、クリスお姉ちゃん。雅律パパとソネットママと一緒に、私の家族になりましょう」
はい、女神転生の魔人アリスがエントリーです。
エッ女神転生のアイドルはジャックフロストじゃないの、という意見はあるかと思いますが、ワイにとってのアイドルはアリスちゃんなの。
ストジャニも4もアリスちゃんと駆け抜けたんじゃぁ〜!