転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです   作:アノロン在住の銀騎士

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これからやりたい話、

○きりしらウェルと行く妙な風習の残る日本の村
○おおかみおとこ事件
○パヴァリア組の闇オークション
○一鳴を姉妹で誘うマリア&セレナ
○修羅場不可避の海水浴と海底遺跡探索
○藤尭の人生相談

なお現在の作者、
「土日出勤+夏の暑さで気力も体力もないんじゃぁ〜!」
なので投稿不規則な模様。
すまぬ、すまぬ……。



第七十二話 屍人の国のアリス⑤

 

話は数十分遡る。

六本木ヒルズ一階に突入した弦十郎、キャロル、自動人形四人。

そして米軍精鋭部隊。

 

彼らが六本木ヒルズ一階で見たものは、5メートル程の巨大な卵である。

ホールの中心に聳える、昏く黒い聖遺物。

アバドンの卵だ。

そして、その前に立つ赤い竜人。

ベリアル。

その身体は孤児院を襲撃した時よりも大きく、アバドンの卵を超えている。

 

「ウッソ、デカすぎるでしょ!?」

 

ガリィが目を見開いて驚く。

前情報からは2メートルほどの大きさとしか聞いてたなかったのだ。

驚いているのはガリィだけではない。

全員が驚いていた。

そんな人間たちを見てベリアルが笑う。

 

「ヒト猿どもが。人形を引き連れ死にに来たか」

 

ベリアルが口から炎を吐きながら言う。

 

「ベリアル……ッ!」

「風鳴弦十郎。クックック。小さいな、お前は」

 

ベリアルが弦十郎を見下ろす。

今のベリアルにとって、ただの人間など羽虫に過ぎないのだ。

ただの人間、だったなら。

 

「落ち着けお前たち」

 

そう言ったのはキャロルだ。

 

「図体がデカくなっただけだ。むしろ、的に当てやすくなったと考えろ」

「なるほど、わかりましたマスター」

 

キャロルの言葉に頷くレイア。

ファラとミカも口を開く。

 

「わかりましたわマスター。ふふ、どこから切り取ってあげましょうか」

「大きいトカゲなんだゾ。トカゲにビビるなんて、ガリィはヘタレだゾ」

「誰がヘタレだアホ!」

 

ガリィはキレた。

 

「ふ、そうだな。ただ図体が大きくなっただけ」

 

にわかに士気を取り戻す皆を見て、弦十郎は頼もしさに笑った。

 

「あなた達はアバドンの卵の破壊を!」

「OK! トカゲ野郎は任せたぜ」

「ファッキンファッキンファーック!」

 

米兵たちがアバドンの卵破壊に向かう。

 

「行かせるか!」

「キャロルくんと自動人形の四人はベリアルを!」

「了解! 行くぞ!」

 

キャロルのダウルダヴラの弦が、米兵に向かうベリアルの爪を止めた。

一瞬、動きの止まったベリアルに、弦十郎と自動人形たちの攻撃が炸裂する……ッ!

 

 

 

弦十郎&キャロル陣営VSベリアル【1D10】

 

弦十郎【4】+50(OTONA補正)

キャロル【5】

ガリィ【5】

ミカ【10】

ファラ【5】

レイア【7】

 

ベリアル【8】+80(人外補正)

 

 

 

弦十郎の拳がベリアルの腹に直撃する。

ベリアルの身体が軋む。

が。

 

「効かぬわッ!」

 

尻尾で弾き飛ばされる。

 

「ぐぅ……ッ!」

 

弾き飛ばされた弦十郎はしかし、受け身を取って体勢を立て直す。

 

「前よりも、堅い……ッ!」

「大きくなって、ウロコも分厚くなったといった所か」

 

キャロルがそう結論付ける。

 

「ならウロコが無い所を狙えばッ!」

 

ガリィがそう言うと氷柱を飛ばす。

ベリアルは炎を吐いて氷柱を霧散させた。

 

「全然ダメだゾ」

「うっさい!」

「単発の攻撃ではダメね」

「ああ、派手に協力だ」

 

ファラとレイアが仕掛ける。

ファラの突風とレイアのコインがベリアルを攻める。

 

「無駄だ!」

 

ベリアルがダウルダヴラの拘束を解いて、ファラとレイアを拳で叩き潰そうとする。

 

「隙ありよぉ、トカゲ野郎!」

 

ガリィが成形した巨大氷柱2つが、ベリアルの拳を撃ち抜く。

 

「ぐぅ……ッ!」

「今よ、ミカちゃん!」

「わかったゾ!」

 

大きな隙を晒したベリアルにミカがカーボンロッド射出!

狙いは目だ!

 

「バラバラだゾ!」

「ぐおおおおおッ!!」

 

カーボンロッドがベリアルの顔面に直撃。

 

「やった?」

「バカ、それはフラグというものだ……ッ!」

 

キャロルが迂闊な発言をしたガリィに叫ぶ。

そして、キャロルの言葉は事実となった。

 

「マハラギダインッ!!」

 

ベリアルが、不思議な呪文を唱える。

すると、弦十郎たちを狙うように炎が燃え盛った。

 

「ぐお……ッ!!」

「くぅ……ッ!!」

 

弦十郎とキャロルが防御態勢を取る。

が、自動人形たちは一瞬防御が遅れてしまった。

 

「きゃあああ!」

 

炎で弾き飛ばされる自動人形たち。

 

「ガリィ! ミカ! ファラ! レイア!」

 

キャロルが叫ぶ。

 

「うぅ……」

「ごめんだゾ、マスター!」

「私達は、もう」

「派手な、炎だ……!」

 

自動人形たちは、躯体の各所が焼け焦げ、溶けていた。

メンテナンス無しでは、動けぬほどであった。

 

「フハハ、初戦はヒト猿と人形よ。このベリアルの敵ではないわ!」

 

ベリアルが笑う。

その顔は血に塗れていたが、それでも嗤っていた。

ベリアルの勝利か……。

そう思われたとき。

銃声が響いた。

 

「撃って撃って撃ちまくれ!」

「アバドンを破壊せよ!」

「ファッキンファッキンファッキンファーック!!」

 

アバドンの卵の元へたどり着いていた米軍兵たちが、破壊工作を開始したのだ!

 

「よし、ヒビが入った!」

「あと少しだ!」

「……あれ?」

 

アバドンの卵にヒビが入った事で喜ぶ米兵たち。

だが。

異変が起きた。

卵が、グニャグニャと歪みだしたのだ。

 

「な、なんだ……?」

「と、とにかく撃て!!」

「ファーック!」

 

異変に逸り、攻撃を再開する米兵たち。

だが。

アバドンの卵から、一本の手が生え、そして。

米兵を1人摑んだ。

 

「な……!」

「うわあああ!」

 

その手は、米兵を卵の中に引き込む。

そして、中から悲鳴。

 

「ギャアアアア!!」

 

それと同時に、咀嚼音。

 

「うそ、だろ……」

「食った、のか……?」

 

米兵たちは攻撃を止め、慄いた。

そんな米兵たちに、アバドンは。

更に腕を生やして捕まえようとした。

その数、4本。

 

「うわ、わ!」

「ヒィィィ!」

「た、助け」

「いやだ、死にたくない!」

 

4本の腕が卵の中に引き込まれる。

咀嚼音がする。

 

「て、撤退!」

「アバドンが目覚めた!!」

 

米兵たちが撤退しようとする。

が。

アバドンは目の前の食事(米兵)を逃すつもりはないようだった。

 

卵から2本の腕。

その腕が地面を掴み、力を込める。

そして、跳躍。

逃げる米兵の真上!

そして、そのまま。

卵ごと、米兵を押しつぶした。

ジュルジュルと、床を舐め回す音。

 

「……ッ!」

 

目の前で、あっという間に米兵たちが死んでいった事実に戦慄する弦十郎とキャロル。

 

「フハハ、アバドンが目覚めた! 流石は高フォニックゲイナー! アリスと雪音クリスとソネットの3人だけで目覚めるとは!」

 

ベリアルが笑う。

 

「さあアバドン! 食事はまだまだあるぞ!」

 

ベリアルが、弦十郎とキャロルへの道を開ける。

 

「キャロルくん、君だけでも」

「ガリィたちを置いて行けん。気合で倒せ」

 

アバドンとベリアル、その2体と戦わねばわならない現実に直面する2人。

だが、アバドンが向かったのは……。

 

「…………え?」

 

()()()()であった。

ベリアルに向かって突進したアバドンは、ベリアルを壁に叩きつけた。

 

「が、ァ……!」

 

大質量に押しつぶされ呻くベリアル。

 

「アバ、ドン。 ちが、う! エサは、あっち……」

 

そういうベリアルを無視して、アバドンは。

何度も体をベリアルに叩きつけた。

ビルが揺れる……。

 

ベリアルの動きが弱くなる。

アバドンの卵は縦に大きく裂けた。

ヒビだと思っていたのは、口だったのだ。

口から、手が伸びていた。

その口が、ベリアルを飲み込む。

 

「やめろ! ギャア痛い! やめろ、噛むな! やめ、ろ……」

 

バリバリと、ベリアルを咀嚼し、飲み込むアバドン。

その身体に変化が現れる。

卵型の身体の下半分に、脚と尻尾。

背部に羽。

口から伸びた手は4本、地に着いている。

そして、頭頂部には冠型の角。

 

「GYAGYAGYA……」

 

アバドンが、笑い声のような鳴き声をあげる。

 

「成長、した……!」

「ベリアルを取り込んで……!」

 

と、弦十郎とキャロル。

そんな二人の方を向く、アバドン。

だが、その時。

 

「目覚めたか、アバドン」

 

ネビロスが転移してくる。

アリスやクリスたちも一緒だ。

 

「クリスくんッ! 無事かッ!?」

「おっさん! あたしは大丈夫だ!」

「……あら、赤おじさんがいないわ?」

 

アリスがキョロキョロと辺りを見る。

 

「……ベリアル? どこだ?」

「食われたぞ、そいつに」

 

ネビロスにそう教えるキャロル。

 

「なに……?」

「ベリアルなら、アバドンが食べた」

「うそ……」

 

アリスが驚愕する。

その声に反応してか、アバドンがアリスを見る。

 

「Gyaha……!」

「いや……ッ」

 

アバドンの嗤い声に、命の危機を感じたのかアリスが後ずさる。

そのアリスの前に、ネビロスが壁となるように立つ。

 

「なるほど。アバドン、その名の通り破壊しかもたらさぬか」

 

ネビロスの影から、無数のゾンビたちが這い出てくる。

 

「もはやアリスの為の国は作れぬ。ベリアルの仇よ、死ね」

 

そうネビロスが言うが早いか、ゾンビたちがアバドンに向かって攻撃する。

こうして、ネビロスとアバドンの戦闘は開始された。

アバドンはゾンビたちによる攻撃に一瞬怯む。

その隙を逃さず、ネビロスが闇色の魔力弾を大砲の一斉射のように射出する。

 

「キャロルくん、自動人形を連れて離脱しろ」

 

アバドンとネビロスから目を離さず、弦十郎がそう言う。

 

「お前はどうするつもりだ?」

「隙を見て、クリスくんを助け出す」

「無茶だ……! お前も離脱しろ」

 

キャロルが声を荒げる。

そう言い合う間に戦況は移り変わる。

防戦一方だったアバドンが動いたのだ。

その腕を伸ばして、ゾンビを掴み取った。

そして、そのゾンビたちをアリスに向かって投げたのだ。

 

「アリス!」

 

ネビロスがアリスを庇う。

ゾンビが降り注ぎ、ネビロスの身体に当たる。

身動きの取れないネビロス。

その眼前に、大口を開いたアバドンが迫る。

 

「……あ」

 

ネビロスが何か言おうとする。

が、その口が言葉を発する事はなく。

ネビロスはアバドンに喰われてしまった。

 

「黒おじさん……?」

 

アリスは、目の前の出来事を理解出来なかった。

敬愛する黒おじさんを食べられた事に。

 

「……ぅ」

「……あ」

 

アリスの背後、クリスの両手を掴む雅律とソネットが呻く。

 

「あぁ、僕は……」

「うぅ、クリス」

「パパ! ママ!」

 

ネビロスが死に、雅律とソネットの洗脳が解けたのだ。

雅律とソネットがクリスの手を離した。

 

「クリス、ごめんよ。心配をかけて」

「辛かったでしょう……」

 

そう、雅律とソネットが声をかける。

だが、その声がアバドンの注意を引いた。

 

「GyaHaaaA」

 

アバドンがその腕をアリスたちに伸ばす。

愛娘を庇う雅律とソネット。

愛し子の中には、咄嗟のことからかアリスが含まれていた。

だが、その腕が一組の家族を掴む事は無かった。

 

「Gyaaaah!?」

 

アバドンの腕を阻んだのは業火であった。

アバドンとアリスたちとの間に敷かれた炎の轍が太陽のプロミネンスのような炎を拭き上げてアバドンの腕を焼いたのだ。

 

「間に合っ、たぁ!!」

 

炎の轍を敷いたのは、一鳴である。

六本木ヒルズの最上階から飛び降りた彼は、抱え上げたビリー大尉を後方支援に徹していた二課職員に預けた後、アバドンの元へ向かったのだ。

そして彼は間に合った。

 

「弦十郎さん、キャロルちゃん! クリスちゃんを連れて退避を!」

 

この場は俺が引き受ける。

そういう覚悟であった。

 

「……すぐ戻るッ!」

 

ネビロスは死に、アリスは呆然としていた。

クリス救出を妨げる者は居ない今、退避有るのみであった。

キャロルは自動人形4騎をダウルダヴラの弦で器用に抱え、弦十郎はクリスの手を引き雅律とソネットに避難を勧めた。

 

「アリスちゃんも!」

「……あ」

 

避難の中、ソネットはアリスの手を掴んでいた。

アリスは、きゅ、と小さくその手を握った。

 

 

 

 

 

 

六本木ヒルズは崩壊した。

アバドンが暴れ回り、一鳴のスダルシャナが回転する。

瓦礫はアバドンが喰らい、ネビロスが死んで制御するものが居なくなったゾンビがアバドンに掴み取りされた。

アバドンは物を食うたびに成長し、その身体は今となってはニ十メートルに迫ろうとしていた。

 

「きっつ……」

 

一鳴の頬を冷や汗が流れる。

アバドンの皮膚にはスダルシャナの刃も炎も通らなくなっていた。

大きく成長する度に、その皮膚も厚くなったと見える。

その一鳴とアバドンの戦闘を、少し離れた場所から見る弦十郎。

 

「クリスくん」

 

弦十郎が話しかける。

そのクリスは、蹲ったアリスの側にいた。

雅律とソネットも、その隣に居てアリスを気遣っていた。

 

「赤おじさん、黒おじさん……」

 

そのアリスは、保護者が死んで意気消沈していた。

 

「一鳴くんを助ける為に、力を貸してほしい」

「……どうすればいいんだ」

 

クリスの言葉に、弦十郎は答えた。

 

「歌ってほしい。クリスくんの歌が必要なんだ」




この世界のアバドンは、女神転生のような蕩けたカエルや地面に潜るオッサンのような見た目ではありません。
わかりやすく言うと、アクジキングみたいな見た目。
胎内に平行世界を持っているので、なんでも食べれるしその胃袋に限界はありません。
つよい(確信)
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