転生者はシンフォギア世界でオリジナルシンフォギア装者として生きるようです 作:アノロン在住の銀騎士
そういやXDU4周年ですね。え、そんなやってたのあのゲーム!?
4周年記念のデュランダルギア、シナリオもギアのデザインも最高でした。これからも宜しくねXDUフタッフ! 期待してるゾ!
フォニックゲイン。
歌の力とも称され、聖遺物を励起・増強させるエネルギーである。
このフォニックゲインを多く発揮させる歌を唄える者は高フォニックゲイナーと呼ばれる。
雪音クリスもその一人だ。
故に風鳴弦十郎は、雪音クリスの歌が必要だと言ったのである。
ベリアルとネビロスという悪魔を喰らった完全聖遺物アバドンを倒すために。
今もアバドンと戦い続ける一鳴のシンフォギアを増強させる為の歌を、クリスに歌ってほしいのであった。
「歌ってほしい。クリスくんの歌が必要なんだ」
弦十郎の頼み、クリスは弦十郎を見た。
「あたしの……歌を?」
クリスは、シンフォギアの特性を知らなかった。
フォニックゲインの高まりで強くなる事を知らなかった。
だが、ベリアルとネビロスに攫われた後の事は覚えていた。
自身の両親やアリスと歌った事、彼女らの歌を聞いたベリアルとネビロスが満足気に笑った事、これでアバドンは目覚めるという言葉を。
「よくわかんねーけど、あたしの歌が、一鳴に必要なんだな?」
「ああ」
弦十郎が頷く。
クリスが言葉を続けた。
「あたしの歌が、アバドンを目覚めさせたように一鳴を強くするんなら、あたしだけじゃダメだ。……ママ!」
クリスは、アリスを介抱するソネットを呼んだ。
「クリス、話は聞いていたわ。私達の歌が必要なのね」
ソネットはそう言う。
だが、その目はアリスに向けられていた。
「……アリスちゃん、一緒に歌いましょう?」
「……え?」
アリスは戸惑う。
当たり前だ、アリスはソネットたちを利用していたのだから。
アリスの保護者であるネビロスが勝手な理由からその死体から蘇らせ、物のように扱っていた。
だがソネットの、アリスを憎む筈のその声はしかし、慈愛に満ちていた。
「私と……?」
「ええ、あそこで戦っている男の子を助ける為に歌が必要なんですって」
「……いいの?」
アリスは問う。
「私、あなた達に酷いこと沢山したわ」
「そうね。……でも、あなたはずっと、寂しかったんでしょう?」
「……え?」
「一緒に過ごしてきて、なんとなくわかったわ。アリスちゃんは、きっと愛されたかったんだって。そんな子を憎めるはずないじゃない」
そう言ってソネットは笑いながら、アリスの頭を撫でた。
「それに、私はあなたのママでもあるもの」
「僕にとっても、大事な娘さ」
雅律もまた、そう言って笑った。
「……ありがとう」
アリスは決意を込めて立ち上がった。
洗脳されていたとはいえ、アリスに愛を注いでくれたソネットと雅律が、アリスを許したのである。
アリスはその愛に報いたかった。
「行きましょ、クリスお姉ちゃん!」
「ああ!」
クリスとアリスは手を繋いだ。
今も戦う、一鳴を助ける為に。
「雅律さん、私達も」
「ああ」
ソネットが手を伸ばし、雅律がその手を取る。
一組の家族は戦場に向かう。
ただ希望を歌うために。
◆
「GyaaaaA!!」
アバドンの腕が
俺はその腕を戦輪で受け流す。
黒い槍の如きその攻撃は重く鋭く、受け流すだけでも手一杯であった。
「ハァ……ハァ……」
息が荒い。
疲労が溜まっていた。
六本木ヒルズは瓦礫となり、その瓦礫を飲み込んだアバドンの大きさは三十メートルになろうとしていた。
もはや大怪獣である。
いや、シンフォギアはゴジラとコラボしてたしな。
そらアバドンも怪獣になるわね(震え声)
などと考えていたら、アバドンが跳躍し、大口を開けて俺を飲み込もうとしてきた。
「うおおーッ!」
シンフォギア脚部のバーニアを吹かして回避。
アバドンが衝撃波を起こして着地。
俺はそこから少し離れた所に同じく着地。
「ハァ……ハァ……、みんな、逃げたかしら」
俺もそろそろ撤退をしようか、そう考えた時。
歌が、聞こえた。
「この声……」
流麗で涼やかな、しかし確かな火のような意志のある歌声。
クリスちゃんの歌声だ。
それだけではない、ソネットさんと、アリスの歌声も聞こえる。
声の聞こえる方を見渡すと、少し離れたビルの屋上にクリスちゃんとアリス、ソネットさん。その隣で雅律さんがバイオリンを奏でている。
「なんで……」
なぜ彼女らが歌を歌うのか、疲労した脳ではすぐに答えが出せなかった。
「Gguuu……」
アバドンも、クリスちゃんの方を見る。
ニヤリと嗤い、そのビルの方へ向かう。
「させるかッ!」
腰アーマーから小型戦輪を、アバドンに向け射出。
ただ、その進行を妨害しようとしたのだが、その刃がアバドンの皮膚を裂き、その炎がアバドンの肉を焼いた。
「Gyaaaa!!?」
アバドンが痛みに後退する。
「……フォニックゲインか!」
俺は合点がいった。
フォニックゲインで、こちらのシンフォギアを強くしてくれているのだ。
危険を冒してまで。
「ありがとね」
俺はクリスちゃんたちに向けて手を上げた。
クリスちゃんも手を上げて応えてくれた。
一鳴VSアバドン【1D10】
一鳴【3】+5+3(マリア補正)+3(セレナ補正)
+100(フォニックゲインの高まり)
アバドン【5】+80(ベリアル捕食)+15(ネビロス捕食補正)+5(ヒルズ捕食補正)
フォニックゲインが高まり、黄金の光となる。
溢れたフォニックゲインが、シンフォギアの力となる。
スダルシャナの炎が燃え上がり、戦輪の回転は黄金回転に至ろうとする。
「これでぇッ!!」
紅蓮一閃・滅破
俺は戦輪を振るう。
戦輪の108の刃は回転し、その回転は炎の嵐を生む。
その嵐は赤い斬撃となり、アバドンに向かって飛ぶ。
「Gya────!」
アバドンが叫び、その斬撃を腕で受け止める。
だが、その斬撃はアバドンの腕をたやすく焼き切り、アバドンの本体に達した。
「─────a」
そして、アバドンは。
その身を真っ二つにして、倒れ伏した。
アバドンは動かなくなった。
こちらの勝利である。
俺は、シンフォギアのバーニアを吹かして飛翔。
クリスちゃんたちのいるビルに着地した。
「クリスちゃん!」
「一鳴!」
互いに名前を呼び合う。
「ありがとう助かった!」
「こっちこそ。助けに来てくれて、ありがとうな」
クリスちゃんが照れくさそうに笑う。
俺の意識はクリスちゃんに向けられていた。だからこそ、アバドンの動きに気付かなかった。
アバドンの指が、わずかに動いたのである。
その指は、俺に、そのそばにいるクリスちゃんに向けられていた。
「Gu……A」
アバドンの指先から、闇色の魔力光が放たれる。
「あ……」
俺がそれに気付いた時、魔力光は目前まで迫り防御は間に合いそうも無かった。
せめてクリスちゃんを庇おうとした、その時。
アリスがその眼前に飛び出した。
「きゃあああッ!」
アリスが泣き叫ぶ。
しかし、そこから動こうとせず、手を伸ばして光線を防ぐ。
光線が収まる。
アリスの腕は黒焦げ、崩れていた。
「ねぇ、死んでくれる?」
アリスが涙ながらに口ずさむ。
瞬間、真っ二つになってなお生きていたアバドンは、全身が塵となった。
「アリス!」
「アリスちゃんっ!」
クリスちゃんとソネットさん、雅律さんがアリスちゃんに向かう。
「お兄ちゃん、油断してちゃダメね」
アリスが半ばふざけたように俺を咎める。
「ごめんね、助けてくれてありがとう」
「クリスお姉ちゃんを助けたのよ」
そう、笑いながら言うアリス。
だが、その笑いはすぐに引っ込んだ。
「……もう、終わりね」
アリスの身体が崩れだしていた。
「アリス……?」
「クリスお姉ちゃん、私、もうさよならみたい」
アリスは残念そうに言った。
「黒おじさんが死んで、私の身体を保つ為の生命エネルギーをゾンビから取り出せなくなったから」
「そんな……」
クリスちゃんの眼から涙が溢れる。
「泣いてくれるの? 私、クリスお姉ちゃんに酷いことしたのに」
「そうだよ! あたしのパパとママ好き放題しやがって! ……それでも、一緒に歌って仲良くなれたのにッ!」
「クリスお姉ちゃんは優しいわね」
アリスが穏やかに笑った。
「素敵なパパとママと、優しいお姉ちゃんが出来て、私嬉しかったわ!」
「アリス……」
「ありがとう、大好きよ……、クリス、おねえちゃん」
そう言って、アリスの肉体は崩れ、土塊となった。
魂は、黄金の粒子となって、天に登っていった。
「クリス……」
「私達も、そろそろ終わりみたい」
雅律さんとソネットさんがそう言う。
「パパ、ママ。……嫌だよ、ずっと側にいてよ」
クリスちゃんの眼から涙が止まらない。
そんなクリスちゃんを雅律さんとソネットさんが抱きしめた。
「僕達もゾンビだから」
「ネビロスが居ない今、いつかは崩れ去るのよ」
雅律さんとソネットさんはクリスちゃんを強く抱き締める。
「クリス、学校で友だちは出来たかい?」
雅律さんがそう聞く。
クリスちゃんは頷いた。
「クリス、病気してない?」
ソネットさんがそう聞く。
クリスちゃんは頷いた。
「クリス、もう思い残す事はないよ」
雅律さんが、クリスちゃんから離れる。
「クリス、愛してるわ」
ソネットさんが、クリスちゃんから離れる。
「パパ! ママ! あたしも、あたしもパパとママが大好きだよ!」
クリスちゃんが叫ぶ。
雅律さんも、ソネットさんも泣きながらその言葉を聞いていた。
「クリス、天国から見守って、いるから、ね……」
雅律さんの身体が土塊と変わる。
「クリス、さようなら。最期に皆で歌えて、よかった……」
ソネットさんの身体が土塊と変わる。
雅律さんの魂とソネットさんの魂は、黄金の風となりクリスちゃんを撫でると、天に向かって飛んでいった。
「パパ、ママ……、うわああああん!!」
クリスちゃんは泣いた。
大声で、泣いた。
俺はその背を静かに撫で続けた。
夜は明け、黄金の朝日が街を照らした。
天に登る魂を、迎え入れるかのようであった。
◆
こうして、アバドン事変と名付けられた事件は幕を閉じた。
犠牲者は3000人を超え、被害総額は2000億を超える。
それでも、生き残った人は今日を生きるのである。
「君には世話になったな」
ビリー大尉もその一人である。
アリスの死んでくれる攻撃を生き残った彼はしかし、内蔵を酷く傷付けられ軍人を続けられなくなっていた。
「なぁに、テキサスで牧場やってる弟に世話になるさ」
そう言って笑うビリー大尉。
だが、ビリー大尉は今回の作戦の失敗と部下を全員死亡させた責任を取らされ、給料と年金を全て返上する事になった。
「生きていればどうにでもなるよ」
ビリー大尉はそう笑って俺と握手した。
国を守ってきた男の、力強い握手であった。
「ではなカズナリ。お姫様に宜しく」
そう言って、ビリー大尉はアメリカに帰って行った。
「八紘さん、せめてビリー大尉の年金ぐらいはどうにかなりませんか」
俺がそう頼むと、八紘さんは首を振ってこう言った。
「ビリー大尉はアメリカに仕える人間だ。こちらがビリー大尉の処分にとやかく言えば越権行為とみなされるだろう」
「そんな」
「だが」
八紘さんはこう続けた。
「ビリー大尉の弟がやってる牧場に、まとまった額の寄付はされるだろうな」
「八紘さんッ! ありがとうございます!」
少なくとも、ビリー大尉のしばらくの生活費には困らないだろう。
その後、ビリー大尉が新しい仕事を見つけるか、弟と共に牧場をもり立てるかは、彼次第である。
さて。
アバドン事変に巻き込まれ、今日を生きる者はもう一人。
クリスちゃん。
彼女も随分と塞ぎ込んでいた。
死に別れた家族と、また別れてしまったのだから。
だが、病院での検査が終わり、孤児院に戻ると。
「クリス先輩!」
「心配したデスよ!」
調ちゃんや切歌ちゃん、他にも沢山のクリスちゃんを慕う孤児の子たちに出迎えられた。
「皆の前で、いつまでも落ち込んでられねぇよな!」
クリスちゃんはそう言って笑った。
ヤケクソ気味なのかもしれない、が。
それでも元気になったのなら、良かったのかもしれない。
クリスちゃんの好感度ダイス【1D10】
1 頼れる奴だ!
2 ……カッコ良かったな
3 あたし、なんで一鳴と話すと胸がドキドキするんだ?
4 頼れる奴だ!
5 ……カッコ良かったな
6 あたし、なんで一鳴と話すと胸がドキドキするんだ?
7 頼れる奴だ!
8 ……カッコ良かったな
9 あたし、なんで一鳴と話すと胸がドキドキするんだ?
10 熱烈歓迎
結果【1】
「一鳴は頼りになるよな。ちゃんとあたし様を助けに来てくれたし」
そう言って、クリスちゃんは笑う。
「ちゃんと助けに来てくれて、ありがとな」
「どういたしまして。お礼はデートで良いよ」
「あたしはお高い女だからな! 満足させないと許さねぇぞ」
そんなやり取りがあったりなかったり。
「じー……」
そんなやり取りを調ちゃんに見られたり見られなかったり。
いや見てたわ(震え声)
「し、調ちゃん」
「うわきもの」
「調ちゃーん!」
「すけべ。おっぱい星人。へんたい」
「調ちゃん! 許して許して」
「じゃあお高いデートしてね」
「ハイヨロコンデー!」
そんなやり取りがあったりなかったり。
クリスちゃんは笑っていたけれど。
けど、笑ってくれるなら、まあいいか。
どっとはらい!
クリスちゃんはお高い女。
早々簡単には落ちないオンナなのね。
これには雅律さんもニッコリ、ソネットさんも安心である。
ちなみにサクシャ、クリスちゃん推しなので運命に抗い10面ダイスを振りまくった。
で、出た出目が【1】【1】【4】【7】。
全て好感度最低値上昇の出目だった。
私は哀しい……(ポロロン)