【完結】ONE PIECE Film OOO ―UNLIMITED DESIREー   作:春風駘蕩

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3.800年の栄華

 ひんやりとしたそれをなめると、程よい甘さが口いっぱいに広がる。

 食の欲望を満たしてくれるアイスキャンディに、ルフィはぶるっと身を震わせる。

「んめぇ~!!」

「でしょ?」

 水色の氷菓子をなめながら歓声を上げるルフィに、ヒナは嬉しそうに笑いかける。そして、自分もまたアイスキャンディをほおばる。

 その横で、エールは黙々とアイスをなめ続けていた。

 それに気づいたヒナが、訝しげに首をかしげた。

「どうしたの? エールおねえちゃん。……もしかして、おいしくなかった?」

 その悲しげな問いに、エールは慌てて首を振った。

「う、ううん。そんなことない。おいしい」

 妙にぎこちないエールの様子に、ルフィは眉を寄せた。

「美味かったら美味いっていえばいいのに………〰〰〰〰〰!!!」

 そういった瞬間、二人は急にアイスをかきこんだことによるキ―――ンとした頭痛に襲われた。

 顔全体を皺くちゃにした二人に、エールは思わず吹き出す。そのまま耐え切れずに、くすくすと笑うと、つられてルフィとヒナも大きな声で笑い始めた。

 その時、カラン、という音を立てて、足元にどこかから赤い缶状のものが転がってきた。

「ん? なんだ、これ?」

 ルフィがそれを拾い上げようとすると。

[タカ!]

 その缶が一瞬のうちに十字に展開し、真紅の鳥の形へと変形した。

 小さなタカがピィとなくと、ルフィとヒナの目が興奮で輝く。

「すっげぇ!! なんだこれ!?」

「鳥になったぁ!!」

 タカはくいくいと首を振ると、ルフィたちに背を向けてどこかへと飛んでいく。

 まるで、ついて来い、と言っているようだ。

「あ! 行っちゃう!!」

「待てよー!! 鳥―!!」

 二人は子供のように――というか一人は子供なのだが――はしゃぎながらタカを追って駆け出した。

「……え!? あ、ちょっと、まってぇぇぇぇ!!」

 置いてけぼりを食らったエールも、慌てて二人の後を追いかけて行った。

 

 *

 

 道の片隅にデン、とおかれた大きな物体。上部にはショーウィンドーのような部分があり、その中には色鮮やかな缶が並べられている。

 それをフランキーとウソップはじっと凝視していた。

「なーんなんだ? こりゃ……」

「でけー箱だな……」

 ぼんやりと観察しながら、二人はその箱に縦長の小さな穴が開いていることに気付いた。

「…………」

 ウソップは思い付きで、ポケットから一枚のメダルを取り出し、その穴に入れてみる。

 チャリン! と小気味よい音を立ててメダルが穴の中に消えていくと、ウソップは上の適当なボタンを押してみた。

[バッタ・カン!]

 ガコン、と落ちてきた缶を手に取り、「なんだこりゃ?」とつぶやきながらいじっていると、偶然上のプルトップ部分に指が引っ掛かり、ぷしゅっと音を立てて開いた。

 すると、缶はまたも一瞬で変形し、比較的大きな足を持った緑色のバッタロボットへと変わった。

「「すっげぇぇぇ!!」」

 二人して感動していると、そのそばを、歓声を上げながらルフィたちが走っていった。

「待て―! 鳥―!!」「まて―!!」「待ってぇぇえ!!」

 前を行く赤い小さな鳥を追って、鬼ごっこを楽しむルフィたち。

「何やってんだあいつら……」

 ウソップとフランキーは、それを呆れた目で送っていった。

 

 *

 

 日が少し翳りを見せ始めた頃。

 お目当ての医学書を手に入れた伊達丸とチョッパーは、民家の裏の細い道を並んで歩いていた。

「へ~。お前が、あの医術大国ドラムの出身とはねぇ……」

「お前もなんかかっこいいじゃねェか!!『戦う医者』とか呼ばれてて」

 医者として通じる不思議な何かがあるらしい二人は、互いの様々なことを紹介しあう仲になっていた。

「そういや、なんでこんなへんぴなトコにお前は来たんだ?」

「……ま、目的があるからな」

 伊達丸はそう言うと人差し指を突き出す。

「?」

 チョッパーがいぶかしげな顔をすると、伊達丸はすぐさま答える。

「一億ベリー稼ぐ」

「…………え!? え〰〰〰〰〰!!?」

 目を剥くチョッパーに、伊達丸はにしし、と笑って見せた。

「驚いたか。あたしはきっと、こんだけ稼いでみせる。……文字通り命がけでな」

「…………」

 伊達丸は得意げにはなを鳴らすと、呆然としたままのチョッパーを置いて歩き出した。

 固まったチョッパーは、ぎこちない動きで伊達丸についていく。

「何でそんなに稼ぎたいんだ?」

「あ? あ~……それはだな」

 伊達丸は一瞬口ごもり、ふっとチョッパーから目をそらす。そんな二人の近くを。

「まてぇ〰〰!!」「待て~♪」「ま…、待っ………」「待てよ~ぅ!!」「ア〰〰〰〰ウ!!」

 と、大騒ぎしながらルフィたちがかけていった。

「…………ん?」

「なんだ?」

 

 *

 

 日もそろそろ傾き始めた頃。

 町の一端に建てられた、オープンテラス。

 そこに並べられた席に、ナミとロビンは座っていた。傍らには、戦利品と思われる衣類の数々が並べられている。

 テーブルに置かれたグラスの中で、溶けかけた氷がカラン、と涼しげな音を響かせる。

 木製のリラックスチェアにもたれかかるナミは、テーブルに積み重ねられた紙の束に目を通しながら、冷たいソーダを喉に流し込む。

 真新しい一枚の地図を手に、ナミは興味深そうに微笑んだ。

「なるほどね……。あの伝説は、全くの偽りってわけでもない、と」

「ええ。遺されていた遺跡や文献をあさってみたけれど、どれも同じことを書いていたわ」

 ロビンも資料に目をやり、何かおかしそうにクスッと笑った。

「その様子じゃ、まだあきらめきれないみたいね」

「と~ぜん!」

 そうやる気満々にガッツポーズをとるナミは、レストランにいた時と打って変わっている。

「こんなとこまで来たんだもの。お宝の一つや二つ手に入れなきゃ気がすまないわ」

 ナミの気迫に、ロビンは別の理由で同意する。

「私も、まだこの島に興味があるわ。……いろんな意味で、気になることがあるの」

「気になることって何なんだい、ロビンちゃん?」

 おかわりのドリンクを運んできたサンジが尋ねると、ロビンは資料の一枚を抜き取ってサンジに見せた。

「例えば800年前、欲望の怪人と呼ばれた者たちを封印した、王の行方。島の東がその最後の地だという話だったけど、結局見つからなかったわ」

「東って……、あの海に沈んでる?」

「ええ」

 そういって、ロビンはまた新たな資料を見せる。そこに描かれていたのは、円形に描かれた何枚もの動物の絵と、三つの円が並んだ長方形の図だ。

「私たちがここに来たもともとの目的、古の力・コアメダル。そして王の行方。伝説の通りなら、この二つは同じ場所にあるはず。あんな話を聞いちゃったんじゃ、一度はそれを拝んでみたいわ」

「勢い余って封印解いちゃったりしないでよね……?」

「……クス」

 ナミの冗談に、ロビンは意味深に笑った。

「待て〰〰!!」「待て待てぇ!!」「……ッ、……!!」「待てよ〰ぅ!!」「ア〰〰〰ウ!!」

 ロビンの思わせぶりなセリフに固まるナミとサンジの目の前を、何も知らないルフィたちが走っていく。

「冗談よ。存在が確信できればそれで満足よ」

「ですよね!!」

「まぁ、でも。ちょっとだけなら見ても構わないんじゃないかしら?」

「…………」

 バタバタバタ……

「ま、まぁ、あたしはとりあえずお宝よね。王様が残した秘宝ぐらいあるっしょ!!」

「その手がかりも、もしかしたら王の行方と同じところにあったりしてね」

「……ま、まっさかぁ~」

 バタバタバタバタバタバタ……

「………………」

 バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ……!!

「うるさいわ!!!」

 

 ゴンッ!! ガンッ!! ドガンッ!!

 

 鈍い音がこだまし、ルフィたちはキレたナミに一撃で沈められた。

「ご、ごめんなさい……」

「私、うるさくしてないのに……」

 仲良くボコボコにされたルフィたちは、そのまま地面に転がされる。息が切れてふらふらになっていたエールは、それが止めとなって倒れこんだ。

「今、まじめな話をしてんのよ!!」

「お宝盗む?」

「うっさい!!」

 ウソップの冷やかしに、ナミは怒鳴り返す。

 ルフィは殴られながらもげらげらと笑い、その姿にフランキーやサンジ、ロビンも一緒になって笑う。

 

 いつの間にか、自分も一緒になって笑っていることに気付いたエールは、戸惑いながらも構わず笑った。

 少しだけ、自分の中で何かが満ち足りた気がして、エールは胸が熱くなるのを感じた。

 

 ―――チャリン!

 

 その時、エールの耳は何か金属が落ちる音を拾った。

「――――――!?」

 思わず振り返ったエールは、その音がどこかで聞いた覚えのあるものであることに困惑する。

 不安げな目で辺りを見渡し始めたエールに、ナミが訝しげな目を向けた。

「? どうしたのよエール」

「…………何、今の」

 エールが呟いた瞬間。

 

 ――――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

 町の方角から、大地に轟く獣の方向が響き渡った。

「!!?」




仮面ライダーに最近よく出るお助けメカ。
この小説だと出番少なそうだな……。
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