「どこだ…ここ…?」
俺は、見渡す限り何も無い空間で目が覚めた。上下左右前後東西南北など三十二方位全てが白く、白く、白い、どこまでも真っ白な空間でだ。
「あれ、俺、何してたんだっけ…夢か…?」
「お主は死んだんじゃよ」
「⁉︎」
驚いた。いきなり白髪で立派な白髭を持ち、それっぽいような杖を持っているいかにも神様っぽい老人が目の前に現れた。つーかもう白は飽きたよ。
「まぁそう言うな、自分の身体は普通にみえるじゃろ」
確かにそう言われてみればそうだな、だがまぁそんなことはどうでもいい。
「俺は…あぁそうか、死んだのか」
「随分と物分かりがよいのぉ、普通は取り乱すくらいのことはすると思うがな。そういうやつは嫌いではないぞ」
そりゃあ生前が生前だったしなぁ、嫌でも状況判断や臨機応変な対応ってやつを覚えさせられるよ…でもその結果がこの歳での死かぁ…まぁ因果応報ってやつかな…
しかしおかしいぞ、冷静に思い出してみるとあれだ、俺は確かトラックに轢かれたはずなんだが……なんでいま五体満足でここにいるんだ?常識的に身体はバラバラになるだろ。
「そこはほら、神の力というやつじゃ」
神すげぇな。しかしそうか、こいつは心がわかるのか。それは対話が楽だな。
「揺るがんのぉ、そんな奴は今のところ始めてじゃ。大抵のやつは泣き叫ぶめんどくさいやつか狂喜乱舞して急かすようなやつばかりじゃったし。そういえばそうじゃ、お主、生まれ変われるぞ」
「はい?」
思わず声に出てしまった。とはいえなんでだ?俺はもう死んだはずじゃないのか?そんなホイホイと生まれ変われるのか?
「そこはほれ、大人の事情というやつじゃよ。察してくれ」
「お、おう…まぁ生き返れるのならなんでもいいや。ほんでどの世界だ?まさかまた人生始めからやり直しか?」
それはできればごめんこうむりたい。今度の人生ではなんとか普通に暮らしてぇな、またこれまでの生活とか真っ平御免だ
「そういうわけではない、お主が行くのは三国志の世界じゃ。せいぜい群雄割拠の時代を生き延びてくれ」
まじかよ…なんで戦が日常茶飯事のように行われているような時代に行かなきゃならねぇんだよ
「それはわしの趣味じゃ、まぁ心配するな。なんでも二つだけ願いを叶えてやろう、それがわしからの餞別じゃ」
趣味かよ……とはいえ二つかぁ…とりあえず例を聞いてみるか
「これまでどんな願いを叶えてきたんだ?」
「そうじゃのぉ、例えば破壊を司る程度の能力や無限の魔力、テレポートなど様々な注文を叶えてきたぞ」
うわぁ、見事に人外の能力ばっかだな
「んー、じゃあ三国志の世界だしとりあえず武力は欲しいなぁ……んー、じゃあ武力チートと戦闘中でのみ働く直感チートかなぁ…」
「お主も時代的にはそこまで変わらんくらいの力を望んだの、ちなみに理由を聞いてもよいか?」
理由ねぇ…
「前者の理由だがとりあえず戦に巻き込まれて野たれ死になんてことにはなりたくないからな、後者は軍師泣かせにはなりたくないが感覚は大事だ、ものすごく」
「ほう、まぁそういう考え方もあるかの。そうじゃ、転生者が己の強化を願いに頼むやつには聞いておく決まりなんじゃが、お主はバクチ制度をするかの?」
バクチ制度?なんだそりゃ?
「バクチ制度というのはな、例えばお主の願いのように武力チートや政略チートなどにはわしらには上げることのできる上限というものがあるんじゃよ」
まぁ地球を破壊できる力とか人間に耐えれる限界とかあるしな
「流石にそんなものは無理じゃがバクチ制度では転生時点ではその力を手に入れないが、生活の途中で己の全てが変わるほどの衝撃を受けたらその望んだ能力をわしらの上限よりも遥かに高い力で手に入れることのできるというものじゃよ」
つまり平凡な人生だったら頼んだ力は手に入れずに普通の人生だが、どっかで条件を満たしたらものすごい凄い力が手に入るってことか
「まぁそんな感じじゃ、ちなみに条件は人によるぞ……それでするか?せんのか?」
文字通りのバクチだな、すぐに得るか、いつか何倍かで得るかってとこが
普通の人生なら能力なんてなくていいな、戦とかに巻き込まれないんだったらそれが一番幸せだろ、自称神
「自称じゃなくて実際神なんじゃがな…わかったぞ、では最後にひとつ、まずこの中から一枚選んでくれ」
そう言って神はトランプのエースからキングのカードを一枚ずつ、計十三枚出してきた。
ん?十三っていうと…
「その通り、まぁお主の生まれる場所を決めるだけのことじゃよ」
そうか、でも南蛮とか入れたら州の数なんていくらでも変わるけどまぁどれでもいいな……ほいっと。
「四……か、嫌な予感しかしねぇな…」
「まぁそう言うな、次はこの中から三枚ほど選ぶがよい」
次に神は五十枚ほどの紙の束を取り出してきた。
「多いな…まぁ三枚か。これとこれとこれだな」
「その三枚か…なかなか乙なものを選んだの」
正直言うとどうでもいい、というか何の紙なんだよそれ。
「それは秘密じゃ、その方が楽しみじゃろう」
「まぁ否定はしねぇよ、どうせすぐわかることだろうし…これで全て終わりか?」
「ああそうじゃ、チュートリアルは全て終わったぞ」
「んなゲームみたいに……まぁもう会うこともねぇ。これでさよならだ」
「そうじゃの、もうすぐ時間も来ることじゃし。それではお前の人生、楽しみにしておくぞ」
「そういうことかよ…まぁせいぜい世直しくらいのことはしてやるよ、首洗って待ってな」
そう言うと俺は、今度は視界が真っ暗闇になった。
もうわしと会うことは無いんじゃが…という神の声がだんだん小さくなっていく。
あぁ、今から俺はあの三国志の世界に行くのか。三国志は生前なかなか好きだったから大体のあらすじはわかるな。とりあえず生き残ることを第一に考えておこう。でももし、三国での戦いとかに巻き込まれたりしたら……
「世界を……変えてやる…」
皆様はじめまして、レイ4886というものです。この度ふと思いたって好きなゲームの一つである恋姫の二次創作を書くことにしました。リアルが高校生なんで更新は不定期になるかもしれませんがなるべく温かく見守っていただければ幸いです。批判や意見、要望などは大歓迎ですが作者の心はガラスのように脆いのであまり強い批判は避けてくれると嬉しいです。では、よろしくお願いします。