真・恋姫†無双〜世界の変革者達〜   作:レイ4886

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この物語は、二人の作者によって構成されています
なので若干の手法の相違などあるかもしれませんがご了承ください


裏章 プロローグ

周りが何も見えない黒洞々たる空間

上下左右を見渡してみてもどこまで続いているかわからないような奥行きをほこる闇の中

目が覚めたオレは、そのような場所に立っていた

 

いや、もしかしたら宙に浮いていたのかもしれない

暗黒で自分の状態を明確化できないから今の自分の状態さえわかり得ない

ともかく、そこに存在していた…と言っておけば間違いはないだろう

 

「ここは…?」

 

若干、掠れたような声でオレはそう言った

オレの記憶の中にはこのような空間に見覚えはない、ましてや、このような空間を俺は知らない…

ここはどこなのだろうか、という感情が昂り始め記憶に見落としでもあったのか?オレが記憶の中を模索しようとする

すると…

 

「貴様が来たことがない…といっても無理はないだろう

ここは輪廻転生の輪に導かれしものが来るような場所ではないのだから…」

 

急に目の前に、金髪の青年が現れた

何処と無く神々しいオーラを放ち、その口調にも一句一句に覇気がある

さらに先ほどの発言から、こいつは人の心中を読むことができるらしい…

害意を持って接してきているわけではないみたいだが…

どうするべきか

暫く返答を躊躇しながらそう考えていると

 

「ほう、常人には見えぬはずの我が見えるか…それに我を目の前にしても冷静に考察できるその分析力と考察力…賞賛に値する」

 

なぜか賞賛された

そのことに嬉しくないわけではないが今必要なのはそのようなことではない

ここで必要なのは情報、ここがどこなのか?こいつは誰なのか?

言葉からしてこいつはこの空間を知っている

 

恐らく、輪廻転生という言葉から導かれる通りだと何かしらの事象でオレは死んでしまったのだろう

あくまで推測の範疇だが

 

それならば、ここの空間を知るこいつに聞きだせる分だけ聞き出しておいても損はないだろう

 

「我の賞賛を無視するか…まぁよい

貴様が欲しがっている情報を一つひとつ答えることにしてやろう…

ここは、冥界と顕界の狭間、所謂現世とあの世をつなぐ場だ。先ほども言ったが、輪廻転生を巡るものが来るような場所ではない…

では、何故貴様がこのようなところにいるのかというと…」

 

そう言ったところで青年は一呼吸おき、それから一言

 

「すまん!!」

 

と言った

 

「…?」

 

その謝罪に対して意味がわからず、反応に戸惑っていると

 

「先ほど貴様は、死んでしまったといったな、だが貴様が死んだのは我のミスだ!

ほんの些細なミスから、寿命が有り余る人間を殺してしまうとは…」

 

些細なミス、寿命が有り余る、人間… その発言に違和感を持ち、こいつという存在が一体なんなのか?とことん気になり始めた…

そこで俺は一つの質問をすることに

 

 

 

お前は…何だ?

 

 

 

 

「済まない、自己紹介を忘れていた

我は…貴様らの世界…我らは顕界と読んでおるが

そこで信仰されているまぁ所謂

神と呼ばれる種族のものだ

とはいっても、我はまだ中級神なので神力はあまり持ち合わせていないのだがな…」

 

あえて誰だではなく何だ?と聞いた

そこには、お前という存在は一体何者なのかという意味合いがあったのだがなんとか答えてくれたみたいだ

さて、こいつが神…とすると先ほどの言葉も頷ける

人を造像し、管理している存在なんだ

そんなミスで人を殺してしまうのもあり得るのかもしれない

こちとらはた迷惑でしかないのだが…

 

「それでは、これから貴様が行うべき行動を説明するぞ」

 

ちなみに聞いておくが…現世に帰るという手段は

 

「済まないが不可能だ…、いくら神とはいえど、魂の抜けた骸に既に抜けてしまった魂魄を吹き込むのは不可能だ…」

 

申し訳なさそうに神がそう言う

まぁ、ここまでは正直予想できた

そもそもの質問も結構な希望論を込めたようなものだ

元からあまり期待はしていない

 

「従って貴様には残りの寿命を消費してもらうため、異世界にて残りの人生を謳歌してもらうことになる

この期間が終われば、貴様もまた輪廻転生の輪に戻ることも可能であろう

まぁ、まだ推測でしかものを言えないというのは歯痒いが…」

 

いかにももどかしいと言わんばかりの表情でそういう神

それに対して苦笑していると、ふと一つの疑問が浮かんだ

 

 

容姿や記憶はどうなるんだ?

 

「引き継がれるよ、あくまでこれは人生の続きなんだから

ただ、あくまで現世の顕界と貴様を引き離してしまったのは我のミスだ

そこで、貴様には二つだけだが能力を付加させてやる

上級神なら3つやることもできるんだが…

まぁ、これも貴様の運命だと思ってくれ」

 

自嘲気味にそういう神を横目に考える

ここまではある程度定石通り…だが能力の付加というのは想定外だな

これはどうするべきか…有効活用すべきだろうな

 

「流石に人外と思わしきものにはある程度の補正を入れるぞ

我とて、能力をホイホイと上げて人生に贅沢をさせてやれるほどの神力は持ち合わせておらんのでな

済まないが、そういうことでお願いしたい」

 

その言葉が逆にオレを悩ませる

どうするべきか…

それじゃぁ、これはどうであろうか

 

東方project 十六夜咲夜の

『時間を操る程度の能力』

紅美鈴の

『気を使う程度の能力』

どうだ?

 

「ちょっとまてよ…

気を使う程度の能力はそのまま使って問題ない

ただ、時を操る程度の能力はある程度制約がかかる

流石にチートな能力だしな」

 

まぁ想定済みだな

ちなみにその制約とは?

 

「うーん、これだと…時を止めている時、敵への干渉状態で時間を解くこと不可能

まぁつまり時間を止めた状態で敵を殺すとかは無理ってことだ

あと、霊力、妖力などの代わりに減少するのは体力

まぁこの程度か…」

 

意外に少ないのだな…

 

「このくらいしか出てこないからな、能力が能力だし…

まぁ、我とてそこまで厳格なわけではないからな」

 

ところで、聞き忘れていたが、転生先ってどこになるんだ?

 

「三国志という物語があるだろう?それの異世界

まぁ所謂パラレルワールド…といったところか」

 

三国志のif世界ってわけか?

 

「そゆことだ、そこでなんだが…」

 

そう言った後神は指を鳴らし、2つの白と黒の箱を目の前に出した

 

「この中には白い箱には貴様が降臨する地が、黒い方には貴様が出会う武将が描かれたくじだ

白い方は一つ

黒い方は三つ選んで引いてくれ

そうすれば後はこちらで処理する」

 

成る程な、その辺も気を使ってくれるわけか

ならば…

 

先に白い方に手を突っ込む

すると…

 

「ほう、あそこか…

割と平穏がありそうなところを選んだな」

 

暗くて見えないが神には見えたらしい

何処だろうか?正直全く予想ができない…

 

「それではもう一箱も引いてくれ…」

 

そう言われて手を突っ込む

すると

 

「フッ、ハハハハ!!

面白い組み合わせを選びおった

これはなかなか乙なものだな」

 

面白い組み合わせ…気になるが教えてくれそうもない

 

「それはそうだ!この段階で教えたら、貴様も我も面白みにかけるであろう」

 

まぁ、同意はするけど…不本意だな

 

「何、人生そんなもんだ

さて、これで貴様が転生する時に行う手続きは全て終了した

これから、転生するに至って何か質問はあるか?」

 

ならば一つだけ問うておこうか

 

オレがその転生先の世界を…

 

 

 

どれだけレールが敷かれたストーリーがあったとしても…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶち壊して構わねぇんだろうな?

 

 

 

「フフッ、ハハハハハ

これまた面白いことを言う!!

予想外の事象を度々起こしてくれるな!貴様は!!

それなら我も餞別に一つだけ言っておこう

 

 

貴様の人生だ!貴様の好きにすれば良いとな!!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、オレの意識は徐々に薄れて行った

輪廻転生の時に貴様がどの顔を引っさげて冥界へとくるか

楽しみにしておこう

 

という声を聞きながら…

 

三国志…前世でオレが読みに読みまくった本だったな

演義と、孔明を習って孫子兵法や墨子とかも読んだっけ

武将では、周泰が一番好きだったな

合肥の戦いでのあの大活躍は胸踊るものがあったな

 

そんなことは置いといて取り敢えず、ほとんどのやつは自分の身を守るといった保守的な態度で転生すると思うがオレは違う

オレがやるべきこと…それは

 

 

 

世界を…思いっきりぶち壊してやることだ!




今回は裏主人公目線でした
賛否両論あると思いますがこういう主人公なんだ
と納得していただければ幸いです

次回から数話は表主人公となります
それではよろしくお願いします!!

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