進路関係で忙しくあまり投稿出来ずお待たせしてしまいすませんでした
さて続きをどうぞ
元の青い宮殿。
淡く発光する柱と天井に囲まれた広間で、イズモは一人、戦況を頭の中で整理していた。
イズモ「とは言ったものの、魔女教徒の連中と腸狩りを同時に相手するとなると、かなりの戦力が必要だな」
視線を落とし、思考を加速させる。
知っている未来と、この世界の現実が噛み合わない不快感が胸に残る。
イズモ「あと、あの殺人うさぎやら何やらもいるし」
脳裏に浮かぶのは、雪原を埋め尽くす白い群体。
対処が遅れれば、守るべきものは一瞬で消える。
イズモ「試練は終わらせた。殺人うさぎが来る前に、先に避難させよう」
決断と同時に通信が割り込む。
カエデ無線「侵入者あり。捕縛システムを突破されました」
一瞬、空気が張り詰める。
イズモ「わかった。システムを殺害モードに移行。衛星兵器を投下」
イズモ「レムをシェルターB二八九〇へ移動させろ」
カエデ無線「わかりました」
短いやり取りの後、イズモは静かに息を吐く。
胸の奥に、どうしようもない現実感が沈殿していく。
イズモ「……やっぱ俺らだけじゃ無理そうだな」
その言葉を合図にしたかのように、視界が歪む。
再び、エキゾナの異空間へと引きずり込まれた。
白と虚無が溶け合う空間。
そこに、見慣れた青年が立っていた。
カヲル「やあ、イズモくん」
イズモ「あんたがこの空間にいるってことは……またか」
カヲル「ああ」
エキドナ「誰だい、あなたは」
イズモ「俺の記憶にアクセスできるなら、わかるはずだけど」
エキドナ「君はイレギュラーすぎてね。記憶が部分的に読み取れないんだ」
エキドナ「あれは、その欠けた部分から作った存在だったからさ」
イズモ「それにしてはクオリティ高いけど……まあいい」
イズモ「彼は渚カヲル。俺と同じ、使徒だ」
カヲル「そう。アダムであり、第十七使徒」
カヲル「そして、別の世界線では第十三使徒でもある」
イズモ「それでカヲル。やっぱり近いうちにパラレルワールドの融合が起きるのか?」
カヲル「そうだよ。でも今回は世界崩壊の危機はない」
カヲル「その点は安心していい」
イズモ「なるほどな。Xデイはいつだ?」
カヲル「あと数週間後だね」
エキドナ「なんの話をしているんだい?」
イズモ「クデュックの世界線と、この世界が融合する」
イズモ「しかも数週間後だ」
エキドナ「止められないのかい?」
カヲル「ああ。この距離まで近づいたら、もう不可能だ」
エキドナ「わかった。でも、それをみんなが信じてくれるとは思えないよ」
イズモ「信じてもらう必要はない」
エキドナ「どういうことだい?」
イズモ「融合後、それぞれ好きな役職に就けばいいだけだ」
イズモ「それとカヲルくん。受け入れ態勢をミサトさん中心で整えておいてくれ」
イズモ「外惑星系の調査や、パラレルワールドの探査と維持には人手が要る」
イズモ「俺と関係のある人間については、配属先も決めておく」
カヲル「了解したよ」
イズモ「で、エキゾナ。要件は終わった」
イズモ「そろそろ帰してくれないか?」
エキドナ「いいけど、ひとつ聞いてもいいかな?」
イズモ「うん」
エキドナ「クデュックでは、自動人形に魂を入れることはできるのかい?」
イズモ「まあ、形式的にはな」
イズモ「ただ、本当に魂が入っているかどうかは分からない」
エキドナ「どうやっているんだい?」
イズモ「詳しい技術は、この世界の人間には理解できないと思う」
イズモ「わかりやすく言えば、記憶を自動人形に入れているだけだ」
エキドナ「なるほど。記憶に魂が宿る、と」
イズモ「科学的に考えればそうなる」
イズモ「魂の概念なんて、二〇四五年の世界でも分からないことだらけだしな」
イズモ「そもそも、俺がポータルなしで異世界転移できてるのも、神様と呼ばれる存在のせいだと思ってる」
イズモ「科学的に説明できないことばっかりだ」
イズモ「……って感じだから、戻してくれるか?」
エキドナ「ええ」