異世界介入ログ:最上イズモ   作:最上 イズモ

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今回でリゼロ編完結いたします
次はオリジナルと転スラを書いていきたいなと思います


新たなる世界 リゼロ編END

クデュック中枢セクター、白い照明に満ちた会議室で、カヲルは静かにモニターを見つめていた。

数式と星図が重なり合うその奥で、世界融合の予測ラインが確定していく。

 

カヲル「あと数週間後、イズモがいる世界と融合するよ」

 

淡々と告げられた言葉に、向かいのリツコは一瞬だけ眉をひそめ、それから小さく息を吐いた。

 

リツコ「もうそんなことで驚かなくなった自分が怖いわね」

 

異世界、並行宇宙、世界融合。

かつてなら荒唐無稽だった事象が、今では日常業務の延長にある。

 

カヲル「今回は魔法が存在する世界だ」

 

リツコの視線がわずかに鋭くなる。

 

リツコ「それなら戦力増強にもなるし、クデュックの科学技術発展にもつながるわね」

 

魔法という未知の体系。

それを解析し、再構築できれば、クデュックはまた一段階先へ進める。

 

カヲル「イズモ君が人事は考えてくれてるみたいだから、次に会ったとき聞いてみるよ」

 

リツコ「ええ、お願いするわ」

 

一週間後。

イズモのいる世界、境界観測拠点。

空はいつも通り青いが、空間の縁にわずかな歪みが走っていた。

 

カヲル「人事の方、決まったかい?」

 

イズモは観測窓の外から目を離さず、短く頷いた。

 

イズモ「ああ」

 

詳細な人事計画はすでに共有済みだ。

魔法適性、精神安定性、世界移行への耐性。

どれも簡単に決められるものではない。

 

カヲル「そっか、それならいいね」

 

少しだけ安心したように、カヲルは微笑む。

 

カヲル「みんなには言ったのかい?」

 

イズモ「言ってはいるけど、本当に信じているかは分からない」

 

異世界融合など、実感できるはずがない。

目に見える兆候が現れるまでは、噂話と変わらない。

 

カヲル「なるほど」

 

数時間後。

再びクデュックサイド。

 

カヲル「ってことみたいだね」

 

ホログラムに映る世界配置図を見ながら、ミサトが腕を組む。

 

ミサト「たしかサードアースのプロキシマケンタウリAが空いてたわね」

 

リツコは即座に端末を操作し、人口収容計画を表示する。

 

リツコ「一般市民はそこに新生ルグニカ大国を建国してもらうわ」

 

リツコ「魔法使いで優秀な人材は、クデュック新設の魔法部戦術科に編入しましょう」

 

ミサト「了解。あとはこの資料通りね」

 

融合まで、あと数時間。

 

管制室に緊張が満ちる。

警告音は鳴っていないが、全員が世界の終わりと始まりを同時に待っていた。

 

マヤ「パラレルワールド衝突まで、あと数時間です」

 

レイシア「了解。残りタスクを中断、全システムを受け入れ状態に移行します」

 

レイシア「融合時の再構築は一瞬ですが、既存システムが別物質へ置換される可能性があります」

 

レイシア「必要ユニットは独立モードにしてください」

 

一方、融合数時間前のイズモサイド。

 

イズモは大地の微かな振動を足裏で感じ取っていた。

空間の境界が、確実に近づいている。

 

イズモ「融合の兆候がもう出てきてる。そろそろだな」

 

不安を隠しきれない表情で、エミリアが隣に立つ。

 

エミリア「私たち、大丈夫なのよね?」

 

イズモは迷いなく頷いた。

 

イズモ「うん。周りの風景や物体が変わるだけだ」

 

イズモ「人は変わらない」

 

その言葉に、エミリアは少しだけ肩の力を抜く。

 

イズモ「エミリア、新生ルグニカの統治を頼む」

 

突然の言葉に一瞬驚き、それでもエミリアは強く頷いた。

 

エミリア「うん」

 

そして融合。

 

空間が白く反転し、重力が曖昧になる。

次の瞬間、巨大な星間連絡船が姿を現した。

 

スピーカ「私たちはパラレルワールド組織、クデュックです」

 

スピーカ「トップ同士の合意により、国ごとプロキシマケンタウリA星系へ移動します」

 

スピーカ「この星間連絡船に乗って移動しますので、そのままお待ちください」

 

ざわめく人々の中で、エミリアはイズモを見る。

 

エミリア「私たち、どうなるの?」

 

イズモ「大丈夫だ」

 

イズモ「俺がいる組織だ。プロキシマケンタウリに着いたら自由に暮らせる」

 

エミリア「それなら……いいけど」

 

周囲を見渡し、仲間たちの不安そうな顔に気づく。

 

イズモ「初めてのことだからな」

 

イズモ「俺が創造してたとはいえ、この世界の人たちには早すぎる科学技術だ」

 

エミリアは深呼吸し、小さく笑った。

 

エミリア「とにかく、この船に乗りましょう」

 

イズモ「うん」

 

その後、魔法を持つ者たちは適性に応じて各班へ配属された。

 

イズモとエミリアは、プロキシマケンタウリ星系第二惑星に新生ルグニカを建国する。

 

その後も事件やイズモの突発的な転移は幾度となく起きたが、彼は必ず帰ってきた。

 

二人は混乱と変化の中で支え合い、穏やかな日常を築いていった。

 

世界が変わっても、選んだ未来だけは変わらなかった。

 

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