ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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ただいま・・・・

 

守の流星での決死の雷撃によって武蔵の動きを止めることに成功し、晴風は武蔵へと接近し、そして武蔵に乗り込んだ突入メンバーは、ウィルス感染した武蔵の生徒達を次々と無力化して行く。

そして明乃は親友であるもえかのいる艦橋へ昇って行った  

そしてやっとたどり着いた艦橋外部の扉

 

「モカちゃん!!」

 

明乃は、扉を叩きながら中に立て籠もっているもえか達に救助しに来た事を告げる。

 

「あっ!?・・・・・ミケちゃん!」

 

それに気づいたもえかは、バリケードを構築している木箱や消火器、鉄パイプをどかし始めた。

そして、それを見ていた3人ももえかを手伝おうとバリケードをどかし始める。

やがて、扉が少しづつ開き、次の瞬間

 

「う、うわわぁ・・・・」

 

扉が開いて、明乃は、中に倒れこもうとしたが

 

「あっ!?」

 

突然誰かが前に現れ、明乃は、押さえられる。

明乃は、誰だろうと思い恐る恐る顔を上げると

 

「やっと会えたね・・・ミケちゃん!」

 

それは、明乃がずっと助けたかったもえかだった。

 

「モカちゃん・・・モカちゃん・・モカちゃん・モカちゃん・・・・!!」

 

それを知った明乃は、思わず泣きながらもえかに抱き付く。

 

「ミケちゃんってば、無茶するんだから・・・」

 

「だって・・・」

 

「ほんとにもう・・・」

 

「御免・・・」

 

「でも、ありがとう」

 

2人は、再会を祝うのだった。

 

「ところでミケちゃん。あの空を飛んでいた物体は・・・・」

 

艦橋に籠城し、現状がまったく理解できなかったもえかがそう訊くと

 

「あのね…あの飛んでいたのは・・・・」

 

明乃がそう答えようとしたとき

 

「大変だよ艦長!!」

 

と、媛萌が慌てて階段を上り息を切らしながら声を上げる

 

「大変だよ!さっき晴風から連絡来たんだけど!マー君が!!!」

 

「っ!?」

 

 

 

海洋学校校長室

 

「校長、てんじんの古庄教官からお電話です」

 

「繋いで頂戴」

 

「はい」

 

「校長、古庄です」

 

「武蔵はどうなりました?」

 

「守君の乗る飛行機によって武蔵は行動不能にその隙に晴風が強襲接舷し武蔵を止めました。乗員もワクチンを打ち、救助も完了。あとは横須賀へ帰還するだけです」

 

「そうですか‥‥貴女も晴風の皆もよくやってくれました‥‥お疲れ様です」

 

真雪は武蔵の乗員救助と横須賀にせまる脅威が排除された事に胸をなで下ろす。

 

「あの‥‥校長‥もう一つお伝えしなければならない事がありまして‥‥」

 

すると、古庄は重い口調で真雪に語り掛ける。

 

「なんでしょう?」

 

真雪の言葉に古庄はある報告をした

 

「・・・・・・・・え?」

 

その報告に真雪は眼を見開き、言葉が出なかった

 

「‥‥古庄教官、もう一度言ってくれないかしら?」

 

真雪の言葉に古庄はもう一度ある報告をする

 

「それは・・・・・事実なの?・・・・・・そう。わかったわ貴女達は予定通り武蔵と共に横須賀に帰還してください」

 

そういうと、真雪定通り横須賀に戻ってくるように伝え電話を切った。

 

「あの校長‥なにがあったんですか?」

 

「武蔵は‥生徒達はどうなったんですか?」

 

真雪と古庄の話を断片的にしか聞こえていない教頭と秘書は心配そうな顔で武蔵や生徒達の安否を真雪に尋ねる。

 

「武蔵の件は片付いたわ‥‥生徒達も全員無事よ」

 

「そうですか‥‥」

 

「よかった」

 

「‥‥」

 

武蔵の件が無事に片付いたにも関わらず真雪は悲痛な表情をしていた。

 

「‥‥校長、何かありましたか?」

 

教頭はそんな真雪の様子に気づき、声をかける。

 

「実は・・・・・・」

 

 

 

 

ブルーマーメイド本部

 

「そう・・・・連中には逃げられたのね真冬」

 

「すまねえ姉ちゃん・・・・」

 

一方、ブルーマーメイド本部でも武蔵の救助作戦が成功した報告が入り、本部内も歓喜の声があがる中、真霜は真冬からの報告を聞いていた。

その報告は激闘の末、武装親衛隊に逃げられたという報告であった。

敵の幹部を追い詰めたまではよかったが、突然の爆発と黒煙で動きが止まり、その隙に逃げられたという

そしてこの戦いで討伐隊、死者20名、重傷者40名以上出し、相手を逮捕できたのは3名、武装ssの死者は60名とのことだった

 

「いえ、それほど相手が上手ってことだわ・・・・・とにかく連中との闘いは続きそうね」

 

その後、真霜は後のことを真冬に任せ電話を切る。そして真霜はふぅと息をつき椅子にドサッと座る。

ここ数日は緊張のしっぱなしで精神的疲労が凄かった。

 

「(連中の戦い・・・・長くなりそうだけど。これでひと段落はついたわ・・・・・マーちゃん・・・・無事かしら?)」

 

真霜は守の安否が気になった

 

「でも無事なら・・・・また一緒に暮らせるわね・・・・・昔のように」

 

そう嬉しそうな表情をする真霜の携帯が鳴る。それは彼女にとって凶報を知らせる着信だった。

 

「ん?お母さん?」

 

スマホのディスプレイに表示された「宗谷真雪」と書かれた文字に首を傾げつつ電話に出る真霜。

 

「はい、もしもし」

 

「真霜‥‥」

 

「ん?どうしたの?武蔵の事ならこっちにも報告が入ってきているけど?新しい伝説を作り損なったわねお母さん」

 

「‥‥真霜‥心して聞きなさい」

 

「えっ?なになに?改まっちゃって」

 

真霜のお茶らけた声がこの後すぐに悲痛なモノへと変わる

 

「・・・・・・え?」

 

真雪の報告に真霜は動揺のあまり思わず携帯を落とすのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・あれ?・・・・ここは?」

 

守はなぜか見渡す限りの彼岸花なお咲き誇る川辺を歩いていた。先ほどまで流星に乗っていたはずなのに

 

「・・・・・そうか・・・・ここが三途の川ってやつなのか」

 

守はなぜがすぐに自分がいる場所を察した・・・・ここはあの世。しかも三途の川なんだと

 

「そうか・・・・・俺は死んだんだな・・・・役目を果たせたんだな」

 

そう、寂しそうに笑う。いや薄々わかっていた。武蔵の機関銃の弾を食らい、そして武蔵に衝突したときに自分の命は尽きたんだと・・・・・

守は川辺に座り込み川を見る。あの向こう側に行かなければならないということに

 

「もう少しだけ姉さんたちといたかったかな・・・・・」

 

引き返すことはできない・・・・・わたってしまおうと、足を一歩前に出そうとすると

 

「あなたはまだこっちに来るべきではないよ・・・・・森少尉」

 

「だな。お前がここに来るには早すぎるな」

 

「・・・・・え?」

 

後ろから声がし、守が振り向くと、そこには二人の男女が立っていた。その人物は守がよく知る人物だった

 

「林原・・・・・加藤中佐・・・・・」

 

後ろにいた人物は、訓練生からの親友であった林原と、ラバウル戦線で親しくなった陸軍中佐の加藤であった

だが、二人はこの世にいなく、皆あの大戦で死んだはずだった

 

「・・・・迎えに来たのか?」

 

「そんなわけないだろう。追い返しに来たんだよ。お前がこっちに来るなんて後100年早いよ」

 

守の言葉に林原はあきれて言う

 

「そうね。彼の言うとおりだわ」

 

「林原・・・・中佐・・・」

 

「それにさ。お前には帰りを待っている人がいるんだろ?俺は婚約者置いて死んじまったけどさ。お前は俺のようになってほしくねえだよ。そんなこと親友である俺が許さねえよ」

 

「そうね・・・あなたとの将棋の決着はこの時じゃないわ。貴方が老いて、人生全うしたら、また付き合うわ准尉。貴方の人生…これからじゃないの」

 

「二人とも・・・・」

 

二人の言葉に守は涙を流す。すると、はるか後ろから自分を呼ぶ声が聞こえた

 

「ほら、あなたを待っている人たちがあなたを呼んでいるわ」

 

「早く行ってやれ、あんまり待たせるんじゃねえぞ。俺たちは気長に待てるから。残りの人生楽しんでこいよ。そして本当にこっちに来たときはその時の土産話聞かせてくれ」

 

「二人とも……ありがとう」

 

守は敬礼すると二人も返礼し、ニコッと笑う。すると当たり一辺が真っ白な光に包まれるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「守?・・・・守!・・・お願いだ目を覚ましてくれ!!」

 

晴風の後部甲板で、横たわる守にましろが涙を流しながら彼に呼びかけるが返事はない。ましろの他、てんじんの古庄やみくらの平賀たちも心配な表情を浮かべていた。

それはましろが守を引き上げた時、彼の意識はなく呼吸もしていなかったからだ。おまけに腹部に大きな怪我をしていた

 

「マー君!シロちゃん!!」

 

そこへ武蔵から急いで駆け付けた明乃、もえか、そしてカバンに包帯や止血剤、造血剤、AEDなどの救命道具を詰めて慌ててやってきた美波がやってきた

 

「美波さん!守が・・・守が息をしていないんだ!!」

 

「「っ!?」」

 

ましろの言葉に、美波は最悪の状況を考えたが、彼女は守のそばに行き容態を見る。

だがやはり彼女が予想していた通り最悪の事態だった。

腹部の出血が原因なのかそれとも不時着が原因なのかわからないが、身体は冷たく、呼吸をしておらず脈もない。

 

「‥‥」

 

美波は首を横に振り守は既に手の施しようがないと意思表示をする。

 

「副長・・・・・残念だが。彼は・・・・・」

 

「そ、そんな訳ない‥そんなわけあるか!まだ助かる!!まだ助けられる!!」

 

美波が呼び止めるがましろは止まらずカバンからAEDを取り出し用意する。

しかし、そんなましろの手を握り美波は辛いかもしれないが現実を突きつける。

 

「無駄な事は止めろ‥‥副長、辛いかもしれないが現実を見ろ‥‥彼は‥‥副長の弟は死んでる・・・・・‥死んでいるんだ!!」

 

美波にしては珍しく声を荒げてましろに守は既に死んでいる現実を突きつける。

 

「そんな・・・・・そんな・・・・・・わあぁぁぁぁぁーーーー!!!」

 

ましろは守の身体にしがみつき大声をあげ目からは溢れんばかりの涙を流して泣いた

 

「そんな、マー君・・・」

 

明乃は両手で顔を抑えて、思わず座り込む。その肩をもえかが支えた。

そしてその周辺を晴風のみんなが泣いた

 

「マー君・・・・・横須賀で会おうって言ったじゃない・・・」

 

「うっ・・・・ぐす」

 

杵崎姉妹や美甘が涙を流し

 

「守~~~!!一緒に釣りに行くって約束したじゃんかよ~~~!!!こんなのあんまりでい!!」

 

麻倫も大泣きしながらそう叫ぶ。そして古庄は学校側に、森守の死亡を報告するのだった。

こうして横須賀女子海洋学校の新入生海洋実習はウィルス騒動と初の死亡者と言う波乱の展開で幕を下ろした。

 

そうなるはずであったが・・・・

 

 

「守・・・・・守」

 

ましろは動かぬ彼の胸に顔をうずめ泣き続ける・・・・すると

 

 

 

 

 

 

 

ドクゥン・・・・・・・

 

 

 

「え?」

 

「シロちゃん?」

 

かすかだか彼の心臓の音が聞こえた。すると・・・・

 

「・・・・・姉さん・・・・」

 

「っ!?」

 

今まで閉じていた彼の眼がゆっくりと開き、そして、目尻に溜まった涙を彼かがふき取った

 

「姉さんの泣き顔は似合わないよ・・・・・」

 

活力のない声、ぎこちない笑顔だった…だが彼女にとってはそれは輝いて見えた

 

「守・・・・守!!」

 

ましろは守に抱き着き再び涙を流した

 

「え?・・・マー君生きてた?」

 

「美波さんの誤診?

 

「マー君よ・・・・本当にかった・・・・」

 

「ほんとうに・・・・」

 

「驚かすんじゃねいやい」

 

みんなが安堵したり、死んだと聞いてたのに生き返ったのを見て唖然とする中、美波は

 

「・・・・・・ふう。すまないどうやら誤診だったみたいだ」

 

確かに彼の心臓は止まり脈もなかったはずなんだが、とりあえず彼は生きている。

だからさっきのは自分の誤診だったと言いながら安堵の息を吐いていた。

 

 

 

 

 

その後、無事の武蔵の生徒はワクチンを撃ち正常に戻すことに成功。そして武蔵に搭載された毒ガス弾も平賀たちの手によって無事に回収されたのであった。

 

そして、晴風以下の艦隊は横須賀へと帰還を果たした。

横須賀のある埠頭では沢山の救急車が待機していた。

まず初めにてんじんが接岸し、武蔵の乗員達を下ろす。

ワクチンを打ったとはいえ、検査が必要だったからだ。

そして横須賀女子所属の艦船も次々と接岸し、生徒達は次々と埠頭へと降りていく。

そして晴風のみんなも無事に横須賀の土を踏むことができた

 

「やっと帰ってこれた~」

 

「おお懐かしき横須賀よ!」

 

「うい~」

 

 眼前に広がる横須賀の海と港に「晴風」艦橋内部の空気は明るい。

その中・・・・

 

「ましろ・・・・」

 

「母さん・・・・真霜姉さん」

 

真雪と真霜がましろに声をかける。

 

「その‥守君が死んだって本当なの?」

 

真霜の問いにましろは・・・・

 

「守なら・・・・・」

 

そういい晴風のらったるを見る。その視線に二人はそこを見ると。そこには飛行ジャケットを着た少年が立っていた。その姿に二人は驚いた表情をする。そして少年は階段を降り二人の前に立つと不動の姿勢を取り、そして敬礼をする

 

「日本国海軍少尉!森守!!横須賀に無事、帰還しました!!」

 

堂々とそう言うと

 

「マーちゃん!!」

 

真霜が彼に抱き着く

 

「もうっ!本当に心配したのよ!死んだって聞いてたから本当に!」

 

と涙を流しながらも彼を抱きしめる。そして真雪も

 

「戻ってきてくれてうれしいわ・・・・・守君」

 

と穏やかながら嬉しそうな表情を浮かべたのだった。

そしてその後、真雪は晴風生徒に労いの言葉と共に海洋実習の終わりを告げられ、解散となる。

 

生徒達が寮や自宅へと帰宅していく中・・・・

 

「姉さん・・・・・」

 

と守がましろに声をかけ、ましろは振り向くと・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・・ただいま」

 

と、にっこり笑って言う。その表情は9年前と同じあの頃のい守の笑顔であった。

ましろはその表情を見て涙を浮かべ

 

「……お帰りなさい・・・・守」

 

と優しい笑みでそう返すのであった

 

 




これでテレビアニメ版本編は終了です

次回からovaや少しずつオリジナルストーリーも入れたいと思います
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