あの海洋実習事件から翌日のこと、
「帰ってはこられたけど、「晴風」とは当分お別れだね」
そんな中、明乃は港のドックに入れられた晴風を見て寂しそうな表情をする。
あの戦いで晴風は深刻なダメージを負いぼろぼろの状態だった。特に機関部は、無理をしすぎたため、一歩間違えれば沈没する危険性があった状態であった。
そのため、晴風は今オーバホールをするためドック入りをしているのだ
ドック入りしなければいけない期間はわからないが、どう素人目に見ても1~2週間で済むレベルではなかった
自分の乗る艦がそのような事態になってしまったことに、明乃も責任を感じずにはいられず、心の底からは喜べなかった。
「みけちゃん。こんなところにいたの?」
「モカちゃん・・・・」
彼女の隣には親友であるもえかが立っていた
「晴風・・・・直るといいね・・・・」
「・・・・モカちゃんの武蔵もドック入りなんだって?」
「うん・・・舵もスクリューも全損・・・・中破状態だってブルマーのドックの人が言ってたよ
「そう・・・なんだ」
そう。今現在、武蔵も晴風と同じドック入りをしている。原因は守の放った航空魚雷が舵とスクリューに命中し、航行不能。損害は中破状態であったが、下手をすればそこから浸水し沈没する危険性があったとブルーマーメイドの技術者や後から合流した明石艦長がそう言っていた
「・・・・モカちゃんは…もう大丈夫なの?」
「うん・・・・でも、今回の事件の犯人・・・・・捕まっていないんだよね・・・」
「そうみたい・・・・・たしかゾル大佐って名乗っていたんだよね?」
「うん・・・・遠目で見たけど、とっても怖い人だった・・・・」
もえかは少し震えた声でそういう。現在ゾル大佐らアーネンエルベたちは姿をくらましている。
ブルーマーメイドは今回の事件の重大さや彼らナチスの危険性から、彼女らを国際指名手配とし、特別チームが結成され、全世界にあるブルーマーメイド支部も奴らの行動に目を光らせることになったのだ
「でもよかった‥…武蔵が殺人兵器にならなくって・・・・みんなも無事に戻って」
もし、あのまま、武蔵を止めることができなければ、Ratビールスによって感染し洗脳された生徒たちが、ゾルたちによって運ばれた毒ガス弾を東京に放っていただろう。そうなれば東京はおろか日本中が被害にあり、そして操られた生徒たちも実行犯として、処罰されていただろう。どっちにしても最悪な結果になっていただろう
それが無事に阻止され、みんなの洗脳も解かれたことにもえかはほっとしていた
「そう言えばミケちゃん・・・・・あの空を飛んでいた乗り物に乗っていた子のことなんだけど」
「マー君?のこと?」
「うん。今その人どこにいるの?」
「ああ・・・・マー君は今・・・・」
横須賀病院
「つくづく俺って、俺ってなぜか医務室に縁があるな・・・・・しかも真霜姉や真雪さんに軽く説教された」
「当たり前だ・・・・あんな怪我をしたから自業自得だ守」
現在守は横須賀の病院に入院していた。理由は分かる通り、武蔵との戦いで負傷していたからだ。そしてそんな守をましろが隣に座ってリンゴの皮をむきながら看病していた
「それで守・・・・痛いところはないか?」
「ああ…ここの先生の腕がいいのかもう痛くはないよ。先生が言うには半月くらいで退院できるらしいよ」
「そうか・・・・よかった」
守の言葉にましろはほっとした表情を見せる。そして守は
「武蔵や他のみんなも元に戻ってよかった・・・・・・」
今回の事件で生徒たちに怪我がなく解決したことに少し安堵する守…だが
「(だが、ナチスがこれくらいでこの世界のことをあきらめたとは思えない‥・・・真霜姉は言っていないけどおそらく奴らはどこかへ逃亡したんだろうな・・・・これは少し長い戦いになりそうかも・・・・)」
守はゾル大佐らナチスのことを考えた。連中のことだからこの世界を簡単にあきらめるはずがない。むしろ敗戦濃厚の中、見つけた新世界を手放すわけがない。きっと次の手を考えているに違いないと・・・・
「守?守!」
「うわっ!?な、何姉さん?」
ましろの声に思わず驚く守
「いや、ずっと考え込んでいたからどうしたのかな?って思って」
「ああ…ごめんちょっと考え事してた」
と軽く笑う守にましろは
「なあ、守・・・・・」
「ん?」
「守の戦争は‥…終わったのか?」
ましろはそういうと守は少し考え
「わかんない‥‥でも一区切りはついたかな?」
と軽く笑う。そう彼の中の戦争の炎は完全には消えていない…だが、前に比べて大きくはなっていなく、少し落ち着いたかのように小さく感じていた
「そうか・・・・・」
ましろは少し微笑んだ。そして
「ほら、皮をむき終わったぞ守・・・・・それで・・・」
「?」
少しましろは顔を赤くし、守は不思議に首をかしげるとましろは剥き終わりカットしたリンゴを取ると…
「ほ、ほら・・・・・」
そういいともったリンゴを守に向けると、守は察したのか
「あ・・・あ~ん」
と少し恥ずかしそうに口を開け、ましろは守の口にリンゴを入れる。
つまり「あ~ん」というやつだ
「お、おいしいか?」
「う、うん」
二人は恥ずかしそうに話す
「‥・・・もう一個・・・・食べるか?」
「い……いただきます」
守るとましろは、恥ずかしながらも、つかの間の平穏を楽しむのであった。
『失敗したなゾル大佐‥・・・』
鷲のレリーフから総統の声が響き、ゾル大佐はただ静かに黙っていた
『だが、その命まだ生かしておいてやる・・・・・貴様のおかげでこのフロンティアはわが第四帝国の新たな拠点として作ることができそうだ・・・・敗戦濃厚な現在もはや戦局を覆すのは難しい。わが世界でのナチズムは終わろうとしている…だが、この世界でまた新たに誕生することとなる新たな帝国を・・・・我が第四帝国・・・・ナチズムは誕生されてから一度も消えることのないイデオロギー…常に闇の世界で暗躍し続けてきたのだ』
「わかっております総統。我が組織はドイツを掌握し第四帝国を作る前から数々の紛争や戦争やテロを裏で暗躍し操作してきました・・・・・偉大なる第三帝国の残り火として・・・・そしてその残り火・・・ナチズムの種もまたこの世界に植え付けましょう・・・・まずは中近東…ヨーロッパから始めましょう・・・・」
『日本はどうするのだ?』
「ふふふ・・・・問題ありません・・・・すでに手は打っております」
そういいゾル大佐が振り向くと奥の闇からカラカラと何かが転がる音とともに二人の人物がゾルの前に現れた。
一人は元の世界に戻っていたはずのシュミット大尉。そしてもう一人は車椅子に座ると白服に黒いスーツマントを着た銀髪の幼い少女・・・その姿は鏑木美波に瓜二つであった
「ようこそ…お待ちしておりました。ratビールスの開発者。生物兵器のプロフェッショナル…アーネンエルベ生物兵器開発部本部長、ナターシャ・イワノビッチ博士・・・・・・いや」
「死神博士」
次回はovaを書こうと思います
新たに登場してほしい軍艦
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駆逐艦リンチェ