ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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海狼、海鷲と再会する

この世界にきて新たな生活が始まって、早一週間近くが過ぎた。この生活にも9年前と同じ慣れていき。何不自由なく暮らしている。だが、働かざるもの食うべからず。衣食住は真霜姉さんらブルーマーメイドに保証されてはいるがただじっと部屋でゴロゴロとするのは俺は嫌で、俺は姉さんに頼み、今はこの横須賀女子海洋学校の警備員としてバイト扱いで働いている。まあ、普通に学生として生きることもあった。戦争のせいで小卒で終わった学生人生。一度は憧れはしたんだが、軍人として生きた今、今更そう言うのには戻れずに警備員という道を選んだ。まあほかに理由があるとすれば学費云々でこれ以上姉さんに迷惑をかけたくはなかったっていうのが本音なんだけど。

かといって勉強は怠っておらず、夜には中高大の参考書を買って勉強をしている。わからないところがある場合はたまに部屋を訪問してくれる海洋学校の先生に教えてもらっている。

 

「ふう……やっぱり海を眺めてのお茶はうまいな……」

 

現在俺は自室でお茶を飲みながら海を眺めていた。今日は警備員の仕事もなく、参考書も高校までは覚えた。というより、さっきのセリフなんか年寄り臭かったな

 

「はぁ……少し散歩でもしようかな?」

 

会おういい俺は立ち上がると部屋を出て階段を降り学校へ出ようとすると

 

「あら?森君。お出かけ?」

 

「あ、どうも古庄先生。はい。少し周辺を散歩しようと思いまして」

 

そこへこの学校の教師であり元ブルーマーメイドで暇な時間にはよく俺の勉強を見てくれる古庄薫さんが声をかける。声をかけられた俺は古庄さんに海軍式敬礼をすると古庄さんも返礼する

 

「それで森君。勉強のほうは捗っっているの?」

 

「はい。古庄先生のおかげで今は高3までの内容を理解しました」

 

「そ、そうなの……あの短期間ですごいわね」

 

俺の言葉に古庄さんは苦笑する。まあ確かにあの短期間で覚えられる時点でおかしいと思うしな。俺自身も少し驚いている

 

「それで今日は気分転換にこの街を散歩しようと思いまして」

 

「そうなの。楽しんできてくださいね」

 

「はい。ありがとうございます」

 

そう言い俺は敬礼をし、古庄さんと別れると俺は学園を出て横須賀の町を歩いた。そして俺がまず最初に思ったことは

 

「横須賀は何度も言ったことがあるけどやっぱりこの世界の横須賀は少し違うな……」

 

俺は小声でそう呟く、俺は前の世界ではラバウルに配属される前は霞ケ浦航空学校卒業後、横須賀海軍航空隊で数か月の訓練をしたことがあった。そして訓練終了後ではよく仲間と一緒に横須賀の町を歩いたものだ。

 

「(やはり、日露戦争後、日本が水没しているから狭く感じるのかな?それにあっちこっち人工島も見えるし、海洋都市とはよく言ったものだ)」

 

俺はそう思いながら街中を歩く。歴史や日本水没ということを除けば自分の故郷の日本となんも変わりはない。しかし、日露戦争後なにも戦争が起きていないっというのは本当に奇跡に思えた。もし俺の世界でも第三次大戦が起きなければ今頃は普通の学生として高校受験に勤しんでいただろうな……そんなことを考えながら俺はとある神社に来ていた

 

「諏訪神社か……確か合格祈願の神社だっけ。そう言えばましろ姉さん今年受験だっけな。ちょうどいいか」

 

そう言い俺は石段を上がり、神社の前に立つ。どうやらこの世界の諏訪神社も同じようだ。そう思い俺は鈴を鳴らし。お賽銭に5円玉を投げて手を叩きお辞儀する

 

「(どうか、ましろ姉さんが志望した学校に合格できますように……)」

 

俺はましろ姉さんが無事に受験に合格できるように諏訪神社の神様に祈った。今はましろ姉さんに会えない俺にできることと言えばこれしかなかった。俺は神社に祈った後、その場を後にする前にもう一度神社に礼をし、その場を去った。

 

「さて……次はどこに行こうか……そうだ。せっかく横須賀にいるんだから三笠公園で戦艦三笠でも見に行くか」

 

俺は次に行く場所を決め、戦艦三笠がいる三笠公園へと向かおうとしたとき、ポケットに入れてあるスマホから着信音が鳴る

 

「ん?」

 

俺はポケットからスマホを出し手相手を見るとそれは真霜姉さんからだった。

 

「もしもし、姉さん?どうしたの?」

 

『ああ、出たわね。マーちゃん。今日は暇?』

 

「え?ああ。暇だよ」

 

『そう、それならちょうどいいわ。マーちゃんの乗っていた二式水戦?だったけ?それの修理が終わったみたいだから。来てくれる?』

 

「え!?本当か姉さん!」

 

『ええ、場所はブルーマーメイドの倉庫にあるから、場所は今からメールで送るわ』

 

「わかった。すぐに行くよ」

 

俺はそう言いうと、すぐに姉さんからメールが来てメールを見るとそこには先ほど話していた二式水戦のある倉庫が記されている地図が表示される

 

「そこか……三笠公園の近くだな。よし!」

 

そう言うと俺はスマホをポケットに入れ、目的地である倉庫へと向かった。そして目的地に着いたのはよかったのだが……

 

「ここはブルーマーメイド以外立ち入り禁止よ。子供が入っていい場所じゃないわ」

 

「いやですから……」

 

案の定、そこはブルーマーメイドの施設なので何も知らないブルーマーメイドの隊員の人に入ることを止められてしまう。真霜姉さんの関係者だといっても全く信用してもらえずに俺はどうしたものかと困っていると

 

「あら?森君。来ていたの?」

 

「あ、福内さん。それに平賀さんも」

 

そこへ施設から福内さんたちがやってくる。するとブルーマーメイドの隊員は

 

「福内三等監察官。この子とお知り合いなのですか?」

 

「ええ。あの倉庫に置いてある例の物の持ち主よ。今回はそれを見に来てもらったのよ。通してあげて」

 

「えっ!?こ、この子が!?し、失礼しました!」

 

と、隊員は慌てて俺を中に通した。そして平賀さんは

 

「森君。待っていたわ。宗谷一等監察官も中で待っているから」

 

そう言うと俺は頷き二人と一緒に倉庫へと向かう。そして倉庫につき中へ入ると倉庫の中央に一機の水上戦闘機が置かれていた

 

「二式水戦……」

 

俺は二式水戦に近づく。明灰緑色のボディーに零戦22型と同じ栄21エンジンを搭載した機体。そして何より尾翼に描かれている波を背にした青い狼のマーク。間違いない俺の乗っていた二式水戦だ。俺は懐かしそうにその機体を触ると

 

「あら、マーちゃん。もう来たの」

 

そこへ真霜姉さんとオレンジ色のつなぎ服をしたポニーテイルの女性がやって来た

 

「ねえ、真霜。その子が例のこれの持ち主?」

 

「ええ、そうよ夕張」

 

姉さんが夕張と呼んだ女性にそう言うと夕張と呼ばれた女性は俺にニコッと笑い

 

「初めましてかな?私は夕張。ここブルーマーメイド横須賀基地で飛行船やスキッパーなどの技術班整備長をしているものよ」

 

「あ、えっと……日本国海軍少尉の森守です初めまして夕張整備長」

 

俺はとっさに敬礼すると夕張さんはフフッと笑い

 

「そんなに固くしなくていいわよ。真霜から話は聞いてはいたけれど。異世界人の軍人である上に真霜さんの弟さんだなんて今でも信じられないわね」

 

「でも本当よ夕張」

 

「わかっているわ。あなたが嘘を吐く人間じゃないことは高校の時から知っているからね。それで森君だったわね。確かに言われてみれば君の目、とても強い意志が感じられるわね」

 

「そ、そうでしょうか?」

 

「そう言うものよ。官としか言いようがないけど。私にはわかるわ。それで話を変えるけど。この二式水戦……だったけ?これの詳しい情報が欲しいのよ。いや、真霜からこれが空を飛ぶ乗り物だってことは聞いているんだけどね。私は君の言葉でこれの情報が知りたいのよ。教えてくれる?」

 

「え?ええ……それは構いませんよ」

 

俺がコホント咳払いすると真霜姉さんや夕張さん。そして平賀さんや福内さんは興味津々な顔で見ていた

 

「こいつの名前はスバル社製。A6M2-N型水上戦闘機。別名、二式水上戦闘機と言って旧海軍が零式艦上戦闘機を水上機に改造した戦闘機で1942年(昭和17年)7月6日に正式採用されました。武装は機首に12・7ミリ機銃2丁と翼に20ミリ機関砲が二門装備されています。機体は本来11型をベースにしていますがこいつは派生型の22型がベースの水戦で、最高時速はエンジンを改良していますから560キロは出て、航続距離はベースとなった零式戦の3,000キロよりは劣りますが1,150キロ飛べます」

 

と、そう言うと皆はポカーンとした表情をする

 

「速度が560キロって速すぎじゃない、それに1,000キロも飛べるの?」

 

福内さんが皆の言葉を代弁するかのように驚いてそう言うと皆はうんうんと頷く。すると夕張さんが手を挙げて

 

「はい!森君。ちょっと質問いいかしら?」

 

「なんでしょう?」

 

「その零式艦上戦闘機ってどんなの?」

 

「零式戦はこの二式水戦に足をつけたような飛行機です。これがその写真です」

 

そう言い俺はスマホからラバウル時代で俺が乗っていた零式戦22型の写真を見せる

 

「それが零戦?」

 

「はい。これは派生型の一つの22型です」

 

「派生型……マーちゃん。その零戦や二式水戦以外にも飛行機はあるの?」

 

「はい。軍用機で絞ると魚雷を積んだ攻撃機、爆弾を搭載した爆撃機、速度を活かして敵視察をする偵察機なんかがあります。特に爆撃機は小型なやつもあれば大きい爆弾をたくさん搭載して敵の町や工場を攻撃する大型爆撃機などがあります。確か……」

 

そう言い俺はスマホから第二次大戦で活躍した戦闘機や爆撃機。そして現在の戦闘機などの画像を保存したファイルを姉さんたちに見せると姉さんたちは驚いた表情をしていた。飛行機だけでもこんなにあるなんて思いもしなかったのだろう。すると姉さんは

 

「……で、マーちゃん。この航空機の戦果はどうなの?」

 

「航空機が一番活躍した第二次世界大戦の話をすると、まず1941年12月8日の真珠湾攻撃で旧海軍の攻撃部隊がアメリカ太平洋艦隊の戦艦を攻撃し、戦艦4隻を沈めています。そして同年の12月10日のマレー沖海戦ではイギリスの最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスが魚雷や爆弾を抱いた一式陸上攻撃機や九六式陸上攻撃機という大型攻撃機の攻撃で撃沈されてその海戦以降、戦艦の時代が終わり航空機の時代が始まり戦艦や軍艦は航空機の援護なしの任務では自殺行為だという常識になりました。そしてあの戦艦大和も武蔵も最期は米艦載機による空襲で撃沈されています」

 

「そんな……戦艦が撃沈。しかも大和や武蔵も……」

 

「まさか、そんな……」

 

姉さんたちは俺の言葉に驚いていた。まあそれはそうだろう要塞みたいな戦艦が小さな航空機で撃沈されるなんて誰もが思いもしないだろう。だがそれは事実だ。俺は第二次大戦での記録を姉さんに見せると姉さんも信じるしかなかった

 

「なるほど……話に聞いていたけどマーちゃんの世界ってかなり変わっているのね」

 

真霜姉さんが唖然としていると平賀さんが

 

「あれ?森君。森君は何年にこの世界に来たの?」

 

「え?20xx年だけど?」

 

「この資料を見るからにはジェット機?でしたっけ?なぜジェット機のあるのになぜ森君がいた世界の時代には第二次大戦の兵器を使っていたのですか?」

 

「「「あっ・・・・」」」」

 

平賀の言葉に姉さんはあっとした顔をし俺を見る。いい質問だよ平賀さん。

 

「あ~え~と……。第三次大戦のころに変な交戦規定ができたんだよ。それが第二次世界大戦で使用もしくは試作に着手したものを使用するというのがあって、第三次大戦では使用武器は第二次大戦のものを使用しているんだよ。まあスマホや服は規定外だから問題なかったが」

 

「なんでそんな条約で来たの?」

 

「それは俺が訊きたいくらいだよ。まあ上の事情ってやつだろな」

 

「「あ~」」

 

俺の言葉に姉さんたちは納得した表情をする。

 

「それで俺の二式水戦が直ったって?」

 

「ええ。一応は直ったけど。まだ調整するところがあるからな。飛ばすのはもうちょっと待ってくれる?」

 

「で、本音は?」

 

「もう少し、この未知の可能性である飛行機を隅から隅まで調べたい!」

 

「ゆ、夕張整備長。そう無理を言っちゃ……」

 

「いいですよ」

 

「え!?いいのマーちゃん!?」

 

「ええ、こいつを壊さなければ問題ないですよ。後、勝手に魔改造したりしなければいいですよ。調べるときは慎重にそして優しくお願いします。こいつは俺の大切な相棒なんで」

 

「だ、そうよ夕張。もし壊したりしたら……分かっているわよね?」

 

「わ、わかったわ。善処するわ」

 

姉さんの怖いくらいの笑みに夕張さんは頷き、こうして引き続き二式水戦は夕張さんらブルーマーメイドに預けることになった

 

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