ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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一応、守が来た日にちは原作開始前。つまり受験が始まる3か月前となります


海狼の休日

「はぁ~何よこれ……」

 

海上安全整備局で真霜は机に座ってため息をついていた。理由は数日前に保護した守のことだった。守を保護した後、ブルーマーメイドの隊員たちは守の持ち物を検査していた。無論、守の持っていた二式水戦もだそれ以外の持ち物はアメリカ製のM1911A1拳銃にそして小太刀くらいの長さの刀。そしてもう一つは守の持っていた手帳。そこには守の経歴や階級などが書かれていた。名前と出身地そして年齢などは真霜がよく知っているため問題はなかったが真霜が見たのはその下に書かれている経歴だった

 

階級:准尉→少尉

 

20xx年。茨城県霞ケ浦航空飛行学校に入校し中の上あたりの成績で卒業、横須賀海軍航空隊に准尉として着任。

             ↓

 

20xx年、ニューブリテン島ラバウル航空隊海軍基地に着任。301部隊に勤務を命ずる

             ↓

 

20xx年、第五航空戦隊、空母「瑞鶴」に2カ月間勤務

             ↓

 

20xx年。少尉に昇進し、ソロモン諸島、第452航空隊、201部隊第3水上戦闘機小隊隊長に着任す

現在の撃墜数。共同撃墜を含め72機。

 

と、書かれていた。それを見た真霜は

 

「マーちゃんが軍人だって言うことは本人から聞いていたけど、あの歳で小隊長なんて、マーちゃんの世界って本当にどうなっているのよ。下手をしたら私の役職よりもハードなことしているじゃないの」

 

ため息をついてそう言う。たった数年間で各地を転々として戦うなんて、いろんな意味ですごい。しかもまだ小学校を卒業したばかりの少年がこんだけの戦いを経験しているなんてとても信じられなかった。

 

「そう言えば。マーちゃん。今頃学校の警備員の仕事。がんばっているのかしら?古庄先輩からはまじめに頑張っているって聞いているけど、大丈夫かな~」

 

と、真霜は現在、横須賀女子海洋学校で警備員の仕事をしている守のことを心配するのであった。

 

 

 

 

 

 

一方、守はというと

 

「はぁ……本当に江戸川区。海の底なんだな……」

 

現在守は、休暇で自分の生まれ故郷である江戸川区に来ていた。守自身はまだ働く気はあったが、警備員の先輩や学校の先生らに『休みもとらずに働きすぎだからたまには休め』と言われて半ば強制的に休暇を取っていたのだ。そんなに働きすぎかな?大戦中に比べればのんびり仕事をしていた感じだけど。まあ確かに仕事を始めてから、姉さんたちに倉庫に呼ばれるときを除けば今日まで一度も休暇を取っていなかったけど、それで働きすぎっていうのは少し大げさな気がする。

 

「まあ……別世界とは言え、生まれ故郷を見れたからいいとするか。海の底だけど……」

 

俺は、免許を取ったばかりのスキッパーで海の底に沈んでいる街を見ていた。

 

「さて、せっかくここに来たんだし、釣りでも楽しもうかな。よく釣り場にしていた臨海公園も海の底だし、どこかいいところに。千葉あたり行けばいいポイントでも見つかるかな?」

 

そう言い俺はスキッパーに積んでいる釣竿を見てそう言う。因みに俺の趣味は釣りでラバウル時代では同じ趣味の杉さんと一緒によくしたものだ。そう言えば杉さんあの時、鮫を釣り上げたっけ、しかもメジロザメ。あの時は喰われるかと思ったな……そんな昔のことを思い出しながら俺は千葉のとある港の岸壁についた。

 

「おおっ~ここならいいのが釣れそうだな」

 

そう言い俺はスキッパーを止め、流されないようにロープをアーカイブスに巻き付けて固定する。そして俺は釣り針にオキアミをつけて糸を垂らす

 

「さて……釣りは俺と魚の我慢勝負。俺が勝つか魚が勝つか勝負だな」

 

そう言い俺は波の音を聞き鼻歌を歌い

ながら、釣りを楽しむのであった

 

 

 

 

「ほら、クロちゃん。早く来いよ!」

 

「ちょっと待ちなさいよマロン。そんなに慌てなくても魚は逃げはしないわよ」

 

「てやんでぇ!これが待っていられるかってんだ。せっかくの息抜きの釣りなんだし早くやんなきゃ損だでい!」

 

と、黒木洋美と江戸っ子口調が特徴の柳原麻侖が釣竿を手にいつも釣りをしている岸壁に来ていた。すると岸壁のほとりで一人、釣りをしている子がいた

 

「あ~もう先客が来ている~」

 

「まあ、いいじゃないのマロン。広いんだし。ほら、釣りを楽しも」

 

洋美の言葉に麻侖は頷き釣針に餌をつけて糸を海に垂らす。すると洋美が

 

「それで麻侖。あなた本当に横須賀海洋女子の受験受ける気なの?」

 

「あったりめぇだろ!クロちゃんがそこに行くなら、私もクロちゃんと同じ学校に行くって決めてんでい!」

 

「いや、別に私もマロンが一緒なら別にいいけど。でもいいの?今更だけどそんな理由で進路を決めちゃって…親とかにも相談しないと…」

 

「親には前から、クロちゃんと同じ学校へ行く!て言ってあるから!」

 

「なんか動機が不純じゃない?」

 

「宗谷って奴に憧れて行くクロちゃんに言われたくねぇ!!」

 

と、洋美の言葉に麻侖がそう突っ込む。そして二人はそのまま釣りをしていた

 

「なかなか釣れないな~クロちゃん」

 

「まあ、釣りって聞くところ我慢勝負みたいだからね。あっちの子もまだ釣れていないみたいね」

 

そう言い洋美は向こうのほうで釣りをしている子を見る。少女らしき子は鼻歌を歌いながら静かに釣りをしていた。すると、遠くの方から一隻の船がやって来た

 

「おっ!クロちゃん!あれ!あの船を見てみろよ!」

 

「あれ?『和菓子杵崎』……和菓子屋さんね」

 

「ちょうど甘いものが欲しいと思ったし、ちょうどいいや!おーい!おーい!!」

 

マロンが大声をあげて手を振ると、屋台船はマロンたちの元へやってくるのだった。そして船が岸壁につくと

 

「お~い!やってるか~い?」

 

「いらっしゃいませ」

 

屋台船から双子の姉妹の杵崎ほまれと妹のあかね、そしてその友達である伊良子美甘が出てくる。そしてあかねが

 

「それでご注文は?」

 

「団子一丁!」

 

「は~い」

 

マロンが勢いよく注文し、誉れが団子を作り始める。すると隣にいた洋美は

 

「……マロン。お金持っているの?」

 

「・・・え?」

 

洋美にそう聞かれマロンは財布の中を覗くと入っていたのは50円玉一枚だけだった

 

「うっ……江戸っ子は宵越しの銭はもたねんでぃ……」

 

「まだ、宵越していないでしょ?それに私たち千葉県民でしょうが」

 

お金がないことにガックシうなだれる。マロン。そしてお金を持っていないことを訊いたほまれは

 

「マロンちゃん。残念だけどお金を持っていないなら、お客様じゃなくてお友達だよ?この団子はお預け」

 

「お茶ぐらいは出しますよ~」

 

「うぐぐ……」

 

金がなくてはお団子は食べられない。ほまれたちの言葉ににマロンはがっかりする。すると……

 

「おい、こらぁ!!」

 

「てめえぁ!誰の許可を得て営業してんだコラァ!!」

 

『っ!?』

 

急に怒鳴られ、5人は後ろを振り向くとそこにはいかにもガラの悪いヤクザみたいな男性二人がいた

 

「な、なんだ?」

 

マロンが驚いた顔でそう言うと男の一人が

 

「おい、ここいらはな俺らのシマなんだよ。その俺らの許可なしで何、団子を売っているんだ?」

 

「す、すみません。すぐに退かせますんで……」

 

あまりの気迫に美甘がそう言うが

 

「謝って済むもんじゃねえな~ショバ代として売上金、全部寄こしな!」

 

「えっ!?そんな困ります!」

 

あかねがそう言うと洋美は

 

「払う必要なんかないわよ。どうせこいつらどこかのチンピラでしょ?私とマロンは長い間ここを釣り場にしているけど初めて見る人だわ。たぶん難癖付けて金巻き上げようとしているだけよ」

 

と、そう言う。洋美の言葉にどうやら図星なのか男二人は一瞬顔をゆがませるが

 

「う、うるせぇ!ガキのくせに生意気言っているんじゃねえ!さっさと出さねえと店潰すぞこらぁ!!」

 

そう言い二人は船に入り込んで船に置いてあった長椅子を蹴り飛ばす。そしてもう一人が

 

「おい、よく見たら、このガキ、なかなかかわいいじゃないかよ兄貴。金がないならこいつらに体で払ってもらいましょうか?」

 

「いい考えだな。なら早いところやろうか」

 

そう言い二人組はマロンたちを襲うとするが

 

「おい……そこで何やってんだよコラァ?」

 

男達の背後から、ドスの効いた声が聞こえてきた。二人組が振り向くとそこには、先ほどマロンたちより少し離れていたところで鼻歌を歌いながら釣りをしていた子が立っていた。

 

「なんだてめえはぁ!?」

 

「うるせぇよ。こちとら釣りを楽しんでいるっていうのに、てめえらのせいで魚が逃げちまったじゃねえかよ。それに屋台船の人に難癖付けて金巻き上げようとするうえ、その子たち襲うだぁ?ふざけてんじゃねえぞ?」

 

と、鋭い目で威圧する子に二人組は

 

「なんだ?ガキがしゃしゃるんじゃねえよ!!」

 

そう言い一人が船から降りて少年を殴りかけたが、少年はすらりと避け、男の腹に膝蹴りを食らわす

 

「うがっ!!?」

 

男は腹を押さえて倒れる

 

「なっ!てめぇ!何をしやがる!」

 

そう言い兄貴格の男もその少年に襲い掛かり、そしてさっきの腹を押さえた男も向かうが、少年は男二人の攻撃をすらりすらりと躱し

 

「さて……ゴミは」

 

「「うがぁっ!?」」

 

少年は攻撃をかわした後、両手をを伸ばし、指を鉤状にすると男二人の鼻に引っ掛け

 

「海で魚の餌にでもなってろっ!!」

 

そう言い二人を海へ投げ飛ばし、水飛沫が上がる。

 

「おおっ……すごい」

 

それを見たマロンたちは唖然とする

 

「「げほっげほっ!!」」

 

海面から上がったチンピラ男二人だが、先ほどのそれじゃ済まさず少年は自分より大きい男二人の頭を鷲掴みにし持ち上げる

 

「なっ!?こいつちびのくせに何処からこんなバカ力が・・・・!?」

 

「てめっ・・・・・何者だ?」

 

顔を青くしそう言う二人に少年は

 

「おれか?俺はただの一般市民(カタギ)だよ。おいてめえら。これ以上、その子らに迷惑かけるんなら顔面が分からないくらいにボコボコした上に指詰めするぞ。嫌だったら。さっさとこの場から失せろ」

 

「「ひ、ひ~!!!す、すみませんでしたー!!」」

 

顔を青くし大泣きながら男二人組は逃げていくのであった。そして少年は軽くため息をつき

 

「さて……皆さん大丈夫?」

 

「あ、はい。あ、ありがとうございます………」

 

洋美がそうお礼を言うと少年はニコッと笑い

 

「そうか。それはよかった。さてと釣りにでも戻ろうかな……いや、この調子じゃ無理かな。今日は引き上げるか」

 

そう言い置いてきた釣竿を取ろうと戻ろうとすると

 

「あ、あの・・・・・」

 

「ん?なに?」

 

美甘に呼び止まれ少年は振り向くと美甘は

 

「あ、あの・・・・・・お礼に団子でも食べませんか?」

 

「……え?」

 

その言葉に少年は驚いた表情をするのであった

 

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