ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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小笠原へ

「……え?小笠原に?」

 

守は真雪の言葉に呆気にとられる。そして真雪は頷き

 

「ええ、守君。私の学校は入学式の後に航海演習をすることは知っているわね」

 

「え?はい。知っていますけどそれと俺と小笠原、いったい何の関係があるんですか?それに二式水戦も」

 

「実はねその航海演習の集合場所が小笠原の西ノ島新島に集合することになっているのよ」

 

「・・・・・・まさか西ノ島上空で曲芸飛行をしろということですか真雪さん・・・いえ校長先生?」

 

守がそう訊くと真冬はそうだと言わんばかりににっこりと笑う。それを見た守は

 

「あのですね校長先生。ただの演習に飛行機を出す必要があるんですか?」

 

「これといって意味はないわ。ただ・・・・・」

 

「ただ?」

 

「守君。あなたはそろそろましろに会うべきだっと思ってね」

 

「っ!?」

 

その言葉に守は驚く

 

「あなた。このままではおそらくずっとましろに会わないままだと思うの。もしかしたら9年前みたいに突然元の世界に戻ってしまう可能性だって否定できないわ」

 

「それは・・・・・・」

 

確かに真冬の言うことにも一理ある。守自身もましろに会うタイミングがつかめずかといって堂々と会う!なんてそんな器用なことはできなかった。それに自分は9年前と同じなぜかこの世界に転移していた。もしかしたらまた6年前に前触れもなく元の世界に戻ってしまうことも否定できなかった。

真雪はそうなる前に早く守をましろに合わせる必要があった。そして真冬は守に二式水戦を使って合同演習という名目でましろに合わせるというふうに考え提案したのだ

 

「ですが二式水戦は一応はブルーマーメイドの管轄で勝手に動かしても大丈夫なんですか?」

 

「それなら真霜と話し合ったわ。小笠原の父島にはブルーマーメイドの補給基地があるわ。だから守君はブルーマーメイドの新型機の飛行試験のついでに横須賀海洋学校の演習に参加する・・・ということにしたわ。真霜もそれがいいって同意していたしね」

 

「随分と無理やりですね・・・・・」

 

「私自身もそう思っているけど、仕方ないわ。・・・・・で守君。後はあなたの判断に任せるわ」

 

「・・・・・・・」

 

真雪の言葉に守は考える。もしこれを断れば自分はいつ姉であるましろに会えるかわからない。もうそろそろ潮時かもしれない。そう思った守は決意を固め

 

「わかりました。小笠原での航海演習の参加。引き受けます」

 

海軍式敬礼をする守。それを見た真雪は微笑み

 

「あなたならきっとそう決断すると思っていたわ守君」

 

「はい。校長のおかげでやっと決断できました。それで航海演習はいつごろに?」

 

「入学式の4月6日からよ。それで小笠原の集合地点に着く予定時間は7日になっているわ

 

「う~ん。今から半月後ですか・・・・・わかりましたではその日に伊豆大島から出発します」

 

「伊豆大島?横須賀からはいけないの?」

 

「二式水戦の航続距離は1150キロ。ここから小笠原までは1000キロ。ギリギリです。万が一のことも考えて少し手前の伊豆諸島から飛びだちたいと思います。さすがに二式水戦を小笠原に運ぶためにブルーマーメイドの船を使うわけにもいきませんし、それに機体が長距離で順調に飛べるか試したいので」

 

「わかったわ。じゃあ、お願いね守君。真霜には私が言っておくから」

 

「了解。では失礼します」

 

そう言い守は敬礼して部屋を出ると入れ違いで古庄教官が入ってくる

 

「校長失礼します。例の件ですが・・・・・」

 

「ああ。西ノ島の海洋生物の研究員を乗せる話ね。それなら向こうと話はつけてあるわ。ごめんなさいね演習で忙しいのに」

 

「いいえ、構いません校長・・・・・・それで森君はあの話を受けたのですか?」

 

「ええ。嬉しそうにしてたわよ」

 

「そうですか。それはよかったです。私自身も森君のことが心配でしたので」

 

「そう言えば古庄先生は守君の勉強を見ていたんですよね?」

 

「はい。時間が空いたときによく・・・・・それにしても驚きました」

 

「何が?」

 

「実は・・・・・」

 

そう言い古庄教官は数枚の書類を真雪に見せる。すると真冬は驚いた表情をする

 

「実は勉強を教えるついでに軽く彼にテストを出してみたんです」

 

「このテストの点数・・・・・本当なの?これは横須賀女子どころかブルーマーメイドの国家試験に出すほどの難問ばかりなのよ?なのにこの点数。全問正解しているわ」

 

「ええ、私も正直驚いています。それに戦闘時の指揮のシミレーションもしてみたんですが文句なしの戦術でした。これがその結果です」

 

「すごいわ・・・・・砲雷戦の基礎もしっかりできているし、何よりこの空から攻撃への対処法をまとめたレポート。下手をすれば今までの戦い方が一変するわね」

 

「ええ。私もこのレポートを見た時は驚きました。今までは砲撃か雷撃しかなかった戦法しかなかったので空からの攻撃について書かれたレポートを見た時は正直驚いています。もし飛行機が大量生産され、実戦に参加すれば戦艦など砲撃が主力の時代は終わるかもしれません。特にこの輪形陣なる陣形は理にかなっています。聞けば彼は戦闘機・・・・つまり飛行機という空飛ぶ乗り物で小隊長を務めていたと言っていたのもあながち嘘ではありませんね」

 

「ええ・・・・これはパンドラの箱ともいうべきレポートね。これ誰かに見せた?」

 

「いいえ。校長だけにです」

 

「そう・・・・・一応このレポートは私が預かっておきます」

 

「わかりました。では私はこれにて失礼します」

 

そう言い古庄教官は部屋を出るのであった。そして部屋に残された真雪は先ほど古庄が渡した守の書いたレポートを見ていた。それには艦隊戦のレポートのほかに『航空機による艦船への攻撃法』や『航空機からの攻撃からの防衛法』などが書かれていた。特に真冬が見たのは航空機による攻撃法だった。そしてその文章には『大和型戦艦の攻撃例』と書かれていたものだ。その文章には守のいた世界の第二次世界大戦で米軍がレイテ、沖縄戦で大和、武蔵を攻撃したときの細かい戦法が書かれていた。それを見た真雪は

 

「まさか・・・・あの大和がそんな戦法でやられるとはね・・・・・いえ、もしこの世界にも航空機があってその戦法が使われたら・・・・・大和級といえども」

 

真冬はそのレポートを見て冷や汗をかくのであった

 

 

 

 

 

 

一方、守はというと

 

「はあ・・・・・ましろ姉さんにやっと会えるのか」

 

守は6年ぶりに会えるましろとの再会を楽しみにしていた。ほかの物から見ればそんなのを待たずにさっさとましろの家に行けばいいのにと思う人がいるかもしれないが、やはり守はましろに会うのにどことなく躊躇していた。やはりまだ完全に過去に犯したことのことできっかけがなければ会えないという感情があったのだろう

 

「それにしても小笠原か・・・・・・始めて行くけどどんな島かな・・・・・」

 

警備員の服に着替えて、いつも通りに学校の周りを見回りする。守は小笠原に入ったことがなかった。守が行くはずの小笠原の父島にはブルーマーメイドの補給基地があると聞いたとき、守は

 

「父島か・・・・なんだろう。何か懐かしいというか不思議な感じだな」

 

と独り言を言う。父島といえば守のいた世界では海上自衛隊の父島分遣隊がいる島だ。もしかして自分の父のいた海上自衛隊がいた基地と同じ島だからそう思ったのだろうか、守にはわからなかった。ただ小笠原と二式水戦と聞いたとき守は何か変な運命じみたものを感じていたのだ

 

「ま、考えてもしょうがないか。それよりも仕事仕事。不審者が入らないように見回りしないとな」

 

そう言い守は仕事に戻るのであった

 

 




ちょっと無理やりでしたが何とか投稿できました
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