ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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姉の反乱、守の決意

「・・・・・・・・」

 

「ねえ、もうあのまま二時間たつわよ森君?」

 

「仕方がないわよ。森君のお姉さんが乗る船が反乱を起こしたんだから・・・・・」

 

猿島からの通信後、守は窓の外を見つめながらボーと立っていた。その様子を見たブルーマーメイドの隊員たちは心配そうに見ていた。

 

「でも学生艦が反乱って本当かしら?そう言えば竹井主任は?」

 

「主任なら、船に乗ってさるしまが沈んだ海域に行ったらしいわよ」

 

「本当にどうなっているのかしら?これも何かの演習?」

 

「ただの学校の演習に海上安全委員会にあんな連絡はしないわよ」

 

そう話す隊員たちだが守にはその会話は聞こえず、ただ外を眺めていた

 

「(姉さんの乗る船が反乱・・・・・・・信じられない。それにあの生真面目なましろ姉さんに限って・・・・だが、古庄先生も冗談を言う人ではない・・・・・一体、俺の知らないところで何が起きたんだ・・・・・)」

 

守はいまだに姉であるましろが乗る船、晴風が反乱を起こしたなんて信じられなかった。嫌信じたくはなかった。だが現在、無線では晴風が反乱したという連絡が飛び回っている。そして今、この島にいるブルーマーメイドたちは竹井さんに連れられ猿島が沈没した海域に向かっていたのだが、今のところは幸いにも死者は出ていないらしいが肝心の晴風反乱を電信した古庄先生は意識不明で今病院に搬送されている。もし、このまま事件の真相がわからなければ、晴風の反乱行為は確定し、このままではブルーマーメイドによって武力鎮圧という最悪の状況が起きてしまう可能性があった

 

「(いったいどうすれば・・・・・・・)」

 

深く考えている守。すると・・・・・

 

「あ・・・・あの・・・森君。大丈夫ですか?」

 

先ほどの交流会で仲良くなった若いブルーマーメイドの隊員が心配そうに訊いてきた

 

「・・・・・・・え?ああ。大丈夫です」

 

「でも、辛そうですよ?」

 

「アハハ・・・大丈夫ですよ。あ、俺、外の空気を吸ってきます。では・・・・・」

 

そう言い軽く頭を下げるとその場を逃げるように出て行った。その様子をほかの隊員たちは心配そうに見つめていた。

 

 

 

 

「姉さん・・・・・」

 

外に出た守は一人海岸を歩いていた。なにか心配なときがあった時はいつも海岸を歩いていた守だが、不安や心配が消えることはなかった。

 

「(なぜ、学生艦が反乱を?・・・・もしや何か不満があってクーデターを?いいや。リストによれば演習に向かう船には金剛型級の戦艦がいたはずだ。ただの駆逐艦、しかもまだ一年生の学生が反乱を起こすとは考えにくい・・・・・・・それにさるしまの沈没場所も気になる。沈没場所は集合地点から離れた海域、もし反乱がおきたなら集合場所で起きるはずだ。この事件、不可解すぎる)」

 

そう思っていると突然スマホが鳴り、守はスマホを取り出すと相手は真霜だった

 

「・・・・・・もしもし真霜姉さんか?」

 

『ああ、マーちゃん。ね、マーちゃんも知っていると思うけど・・・・・』

 

「ああ、ましろ姉さんの乗る学生艦が反乱を起こしてさるしまを沈没させたという事件だろ?」

 

『ええ…マーちゃんはこのことどう思っているの?』

 

「俺はましろ姉さんが反乱を起こすとは思ってないよ。姉さんは?」

 

『こっちだって同じよ。でもね上の方は晴風が反乱したと完全に決めつけて、今でも撃沈命令を出しそうな雰囲気なのよ』

 

「確実な証拠もないのになんて馬鹿なことを・・・・・・それで真雪さんの方は?」

 

『お母さんも、晴風が反乱したなんて信じていないみたいよ』

 

「そうか・・・・・それよりも真霜姉さん。この事件は不可解だと思わないか?」

 

『不可解?』

 

「ああ、さるしまの沈没地点は集合場所から離れた海域、そこに向かう理由はあったのか?それに学生艦が反乱を起こす理由も見当たらない。ただドンパチやりたいってだけなら演習で砲撃演習や紅白に分かれての艦隊模擬戦もあったから、それが理由ではない」

 

『わからないわ。艦長である古庄教官も意識不明だから事情も訊けないし・・・・・』

 

「真相は闇の中・・・・・か、そう言えば他に演習に参加していた船はどうなんだ?」

 

『それがね、数隻ほど行方不明になっているの・・・・・』

 

「晴風の反乱に数隻の行方不明艦か・・・・・・これはもう演習どころの騒ぎじゃなくなったな」

 

『ええ、現在、真冬らのブルーマーメイドやホワイトドルフィンたちが晴風の他、行方不明になってなった学生艦を探しに出ているわ』

 

「そうか・・・・・・・なあ、姉さん?」

 

『ん?何マーちゃん?』

 

「もしも姉さんが晴風の艦長でこんな騒ぎになったらどうする?」

 

『え・そうね・・・・・私だったら、演習の一環だともって、一度集合場所・・・・・・て、マーちゃんもしかして晴風は・・・』

 

「うん。俺の予想だが、晴風は集合場所の西ノ島新島に向かった可能性がある」

 

『なるほど・・・・じゃあ、さっそくそこから船を・・・・』

 

「いや、姉さん。あくまで予想だ。それにその島に行くなら速度が第一だ・・・・・・」

 

『・・・・・・何が言いたいのマーちゃん?』

 

真霜が少し疑うような声色を変えてそう言うと守は

 

「俺が二式水戦で行く。ここから西ノ島新島までの航続距離は問題ないし、それに二式水戦の速度ならすぐにつける」

 

『確かに飛行機までなら船よりも飛行船よりも速いけど、マーちゃん。それ本気なの?』

 

「ああ。俺も姉さんのことが心配だし、無事を確認したい。それに空の上なら万が一砲撃されても回避できる」

 

『・・・・・・・』

 

「姉さん。俺は真霜姉さんたちとは血は繋がってはいない。けど俺にとってこの世界は第二の故郷でありそして姉さんたちのことは本当の姉だと思っている。だからこそ、姉であるましろ姉さんのことが心配なんだ。もしかしたら船の中で何かトラブルに巻き込まれている可能性だってある。俺はすぐにでも出撃して、ましろ姉さんが無事なのを確認したい。だから姉さん。頼む!!」

 

守は必死にそう言うと真霜は

 

『はぁ~あなたってそういうところはシロにそっくりね。言い出したら聞かないんだから・・・・』

 

「・・・・・じゃあ、」

 

『ええ、ブルーマーメイドの監察官としては危険すぎて反対だけどね。でもお姉さんとしてはまあ反対だけど、認めるしかないわね。それにマーちゃんはブルーマーメイドの保護下であって、部下じゃないからね。マーちゃんはあくまで日本海軍ていう組織の所属だもんね。いいわ。偵察任務として森守少尉に晴風の捜索を頼むわ。お願いできる?』

 

「はい。任せてください」

 

『でも、無理だけはしないようにね。怪我したらそれこそ許さないんだから』

 

「アハハハ…分かっているよ姉さん」

 

そう言い守は電話を切ると、強く頷き、二式水戦の泊めている海岸へと向かうのであった

 

 

 

 

数分後、海岸

 

「じゃあ、森君。お願いね!」

 

「はい!出ます!!」

 

その後守は二式水戦に乗り、父島にいる大勢のブルーマーメイドの隊員に見送られながら、二式水戦のエンジンを発動させ、西ノ島新島の海域に晴風がいないか調べるため出撃するのであった。そして二式水戦は進みだし。大きな水しぶきをあげて大空を飛びあがった

 

「すごい・・・・もう見えなくなったわ・・・・・」

 

飛び去った二式水戦を見てブルーマーメイドの隊員たちは呆気にとられた表情をしながら遠くへと飛ぶ二式水戦を見送るのであった

 

「ましろ姉さん・・・・・待ててくれ。絶対見つけて。必ず姉さんたちの無実を証明して見せる!」

 

守は強い決意を秘めながら姉、宗谷ましろの乗る晴風を探しに行くのであった

 

 

 

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