ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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今年で戦争終結から75年。あの戦争の悲しい歴史を私たちは繰り返してはいけない・・・・・そして後世にも語り継がなければならない。
もう二度とあの戦争のような悲劇を生まないためにも・・・・・


目覚める海狼

逃亡中だった晴風はなぜかこの世界に転移したナチスドイツの潜水艦UボートXXI型に攻撃された。そして晴風はUボートから逃げて一時間が経とうとしていた。

 

『周囲、何も見えません!!』

 

マチコから周辺に異常はなく、平穏な夜の海が広がっている報告を受ける。

 

「1時間経過か・・速度差からも、十分距離は、開いたかと」

 

「そうなの?」

 

「向こうも、最高速度でずっと水中を動けるわけじゃない」

 

ましろは潜水艦はずっと水中で動くことはできず、時たま水面から浮上していると考え、そして最初の攻撃から一時間が経過し、もう潜水艦の追尾を振り切ったと推測した

 

「じゃあ、何とか逃げられたかな?」

 

「逃げるなら任せて!」

 

「それって自慢する所ですか~?」

 

「コ、ココちゃ~ん」

 

明乃の言葉に安心してそう言う鈴に幸子が茶化する。そしてそのやり取りに艦橋は笑い声が満ちた。

 

 

 

医務室

 

「・・・・・・」

 

突如、医務室で寝ていた守が目を覚ましてた。辺りを見渡すとそこには白いベットに医療道具が置いてあった

 

「また医務室か・・・・俺ってなぜか医務室に縁があるな・・・・・」

 

頭をさすりながら、そう呟く守。すると隣にだれか寝ている人物に気が付く。それは金髪の外国人らしい少女であった。その少女を見た守は

 

「・・・・エミリア・ハルトマン?」

 

守はかつてナチス武装親衛隊に所属していたエースパイロットである彼女の名を言う、そう、その少女はそのエミリア・ハルトマンに似ていたのだ。だが

 

「いやいや・・・ここは俺のいた世界とは違う世界。あのナチス武装親衛隊のエースがこんなところに居るわけないか・・・・・・シュペーの関係者か?」

 

そう自分に言い聞かせる。すると・・・・

 

「目が覚めたか?」

 

と、そこに医務員の美波が守に声をかける・・・・・

 

「あなたは・・・・(なんでこんなところに小学生が)?」

 

「鏑木美波。晴風の衛生長だ」

 

「晴風!?ここは晴風の船内なのか!?」

 

「そうだ。お前は確か副長の弟・・・・・で間違いないか?」

 

「副長?・・・・・もしかして宗谷ましろのことか?」

 

「そうだ。それに君は噂で聞いた飛行物体の操縦手というのも間違いないか?」

 

「(飛行物体?二式水戦のことか?)あ・・ああ。日本国海軍水上戦闘機隊所属の森守少尉だ・・・・俺は一体。」

 

「(日本海軍?)艦長や副長の話によれば、海の上を漂っていたところを艦長たちが引き上げたと聞いた。それに副長はお前が目覚めるまでずっとお前の看病をしていたんだぞ。後でお礼を言うと良い」

 

「姉さんが・・・・・」

 

守が姉である、ましろがずっと看病してくれたことを美波さんから聞かされる。すると・・・・

 

「っ!?」

 

「どうした?」

 

急に何かを感じたのか守の顔つきが少し変わる。その表情に美波さんは不思議そうに訊くと

 

「(感じる・・・・殺気が・・・・あいつらの・・・ナチスの気配が)」

 

いろんな戦場を転々としナチスドイツと戦ってきた守は、艦内の雰囲気がただ事じゃないこと、そして微かに何者かの殺気を感じていた

 

「えっと・・・美波さんだったか?艦内があわただしい雰囲気だが、もしかして今は戦闘中なのか?」

 

「ああ。現在潜水艦に追われている様だ」

 

「潜水艦?潜水艦と交戦しているのか?だがこの部屋を見るからに・・・・・すまない俺の飛行服は?」

 

「ここに掛けてある」

 

「すまない」

 

そいい守はベッドから起き、飛行服を着る。

 

「・・・よし!」

 

軍刀と拳銃をつけた後部屋を出ようとすると

 

「待て、どこに行く?」

 

「艦橋だ。艦長と話がある」

 

「案内しようか?」

 

「いや、陽炎型なら以前にも乗ったことがある。それに衛生長さんは他の患者さんの面倒見なきゃいけないだろ?」

 

「そうだった。すまない」

 

「いや。艦橋の場所を教えてくれようとして感謝するよ。じゃあ」

 

そう言い守は部屋を出る。そして廊下を走り歩いているとき、晴風が大きく揺れる

 

「この揺れ、砲撃じゃない雷撃のものだな・・・・・なのにこの明るさは・・・全く何をやっているんだ!」

 

そう言い艦橋へと目指す。一方、艦橋ではまたUボートに攻撃されていた。

 

『雷跡フタ! 左120度30! こちらに向かう!』

 

マチコの言葉に晴風は旋回し魚雷を回避する

 

「また・・・・・相手の魚雷はあとどれくらいだろう・・・」

 

「こんなに直ぐ見つかるとは・・・」

 

明乃とましろは、双眼鏡で魚雷が発射された方向を確認する。すると・・・・

 

「何をしている!ここの艦長もしくは先任は誰だ!!」

 

「「っ!?」」

 

急に男性の声が聞こえ二人は艦橋内に戻ると、そこには飛行服を着た守がいた。すると幸子は

 

「今、潜水艦と戦闘中でして・・・」

 

「それは医務室で聞いた。なら、なぜ明かりをつけたまま航行している!相手に自分の場所を教えるようなものだぞ!すぐに全部に明かりを消せ、撃沈されるぞ!!」

 

軍人としての癖なんだろうか、守は現在晴風が航海灯や明かりをつけたまま航行しているのを厳しく指摘する

 

「は、はい、全部照明消して」

 

守の言葉に明乃はすぐに照明を消す。

 

「うわっ!何にも見えない!!」

 

「落ち着けすぐに赤色灯が付く!」

 

行き成り照明を消されうろたえる芽衣に守が落ち着かせると艦内に赤色灯が付く。すると鈴が

 

「でも、こんな事したら、他の船とぶつかっちゃう」

 

「大丈夫だ。海は広い。ほかに船がいたらレーダーですぐにわかる!操舵手さん。取舵いっぱい」

 

「は、はい!と、取り舵いっぱい!!取り舵20度」

 

守の指示に鈴は舵を取る。

 

「ソナー員さん。聴音を聞き逃さないように」

 

『畏まりました!!』

 

「これで少しだけ時間が稼げるが、それを逃すほど甘くはないな・・・何か対抗策を・・・」

 

守がそう呟くと・・・・

 

「・・・・守?」

 

ましろが守に声をかける。声をかけられた守はましろに方を向く

 

「本当に・・・・守なのか?」

 

ましろは不安そうな表情でそう訊く。その眼は今にも泣きだしそうだ。そして守は静かに頷き

 

「久しぶりです。姉さん・・・・・9年ぶりですね」

 

「お前・・・いままで一体どこに」

 

「姉さん。俺も姉さんの再会を喜びたいし、話したいこともあります。だが、今は交戦中です。積もる話は潜水艦を何とかした後にしましょう」

 

「あああ・・・そ、そうだったな・・・」

 

今は潜水艦と交戦中だったことを思いだしましろは頷く。

 

「本当に弟だったんだ・・・・」

 

「でも似てないね?」

 

芽衣とまゆこがそう言う。すると守は

 

「え・・・と晴風艦長は誰ですか?」

 

「え?あ、はい。晴風艦長の岬明乃です」

 

「海軍少尉の森守です。それで先ほど潜水艦と交戦と聞きましたが艦種はわかりますか?」

 

「海軍少尉?・・・・ええっと。ごめんなさい。それが分からなくって」

 

「魚雷の種類は?航跡は見えましたか?」

 

「え・・・とマチコさんが言うには航跡は見えたそうです」

 

「となると酸素魚雷じゃないな・・・・・」

 

と守は考えていると・・・・・

 

「このド下手くそな操艦はなんなんだ!艦長はだれじゃい!!・・この船はド素人の集まりか!!」

 

誰かが環境に入ってそう怒鳴る。それは、前のアドミラル・シュペーとの戦闘で救助したミーナがだった。

 

「え・・・・とお前は、誰だ?」

 

ましろは、ミーナに自分は、誰かと聞くと、艦橋にいる全員が注目する。

 

「ん、・・・・・・・・ワシは‥‥ヴィル・・・」

 

ミーナが名を名乗ろうとした時、

 

「あっ!?ドイツ艦の子だよ、目が覚めたんだ!!」

 

ミーナが名乗る前に明乃が彼女の正体を言ってしまう。そして守は

 

「(あ、やっぱりエミリア・ハルトマンじゃなかったか・・・・他人の空似って奴か)」

 

守がそう思っていると、ミーナは

 

「で・・・今は潜水艦と戦闘中と衛生長から聞いたが、すぐに明かりを・・・」

 

「あ、それ、もう俺が言いました」

 

「お、おう。そうか。すまぬの・・・・それより今は、戦闘だ!!・・直ぐに反撃の準備に移る!!・・潜水艦戦ならワシに任せろ!!」

 

「へ~」

 

ミーナの心強さに明乃は、感心する。

 

「潜水艦の本場は、ドイツだからな!!」

 

『お~』

 

更に艦橋にいる者もミーナに感心する。

 

「流石ドイツ」

 

「ドイツ」

 

「そいつ?」

 

幸子と鈴は、そんなミーナを褒めると守も

 

「俺も協力する。航空兵とはいえ、何か力になれるかもしれないからな」

 

「お主は?」

 

「日本国海軍少尉の森守だ」

 

「海軍?日本に海軍はいないはずじゃが・・・・・?」

 

「守。お前はいったい何を言っているんだ?」

 

守の自己紹介にミーナとましろは首をかしげる。

 

「ま、まあ・・・いい。まずは、ド基本の爆雷で・・・」

 

「1発しか無い!!」

 

「「じゃ、ド定番の対潜迫撃砲を・・・」

 

「そんなの積んでないって・・・」

 

「Mk32対潜魚雷は?」

 

「いつの時代だよ、てか、知らん!!」

 

「姉さん。RUR-5アスロックは・・・・ないよね?」

 

「そんなものない。というよりアスロックってなんだ?」

 

ミーナと守の言葉にましろは否定する

 

「じゃ、何があるんじゃい~!!」

 

ミーナがそう言うとそれを聞いた鈴と幸子が面白そうに笑っていた。そして明乃は

 

「そう、私達には、何もない・・・・だから、知恵を貸して欲しいの・・・」

 

明乃は、ミーナと守に知恵を貸して欲しいと頼む。

 

「水中で動くものは、何か無いのか?」

 

「う・・・ん・・・」

 

「何か!!」

 

明乃がそう言うとミーナは、明乃に水中で使用できる物が無いか問う。そして考えている明乃にミーナは、急かす。そして守も

 

「(対潜爆弾があれば、二式水戦で行けるが・・・・・)・・ん?」

 

守も考えていると、不意に椅子の上に置いてある鮫のぬいぐるみを見つけ、それを見ている大柄の猫を見つける

 

「あれ?五十六元帥?なぜ晴風に?それにあれ、姉さんのぬいぐるみのブルースか?・・・・・鮫・・・・魚・・・・・潜水艦・・・・・水中で使える代物・・・・・・あっ!!」

 

「「「っ!?」」」

 

突然守が声を上げ皆はびっくりする

 

「ど、どうしたんだ守!?急に大声を出して?」

 

ましろが守に訊くと

 

「岬艦長!方法があります!」

 

「え!?ホント!どんなの!?」

 

「魚釣りです!!」

 

「「「・・・・は?」」」

 

守の魚釣りという言葉に皆は頭の上に?マークを浮かべる

 

「え・・・とそれって」

 

「あれです!」

 

そう言い守は椅子の上に載っている鮫のぬいぐるみを指さす。それを見た明乃は・・・・

 

「・・・ああ!?」

 

鮫のぬいぐるみを見て、明乃は守の言いたいことを理解し、手を叩くのであった。

果たして守が思いついた作戦とは・・・・・・・

 

 

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