ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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海狼vs青人魚

オーシャンモール四国沖店

少し時は戻り、一方、晴風を捜索している平賀達は、真霜からの情報を頼りにオーシャンモール四国沖店にいた。

 

「宗谷監督官の情報によれば、晴風は、この付近の海域に潜んでいる筈!」

 

「間宮と明石、浜風、舞風に、この近海の哨戒を依頼しましょう。」

 

「そうね!・・・そうして頂戴!!・・・但し、夜まで見つからない様なら、戻って来るように伝えて・・・」

 

「はっ!」

 

「それと私達も哨戒艇にて哨戒を行います・・準備をして・・・」

 

「はっ!」

 

平賀達は間宮と明石、浜風、舞風に、この近海の哨戒を依頼する。自らも哨戒艇にて哨戒する為、桟橋へと向かう。

すると、反対側の桟橋に平賀の知る顔が見えた。

 

「(あれって・・・・森君!?)」

 

そこには森が女の子と話しながら歩いているのが見えた

 

「平賀さん?」

 

「哨戒任務は中止!!」

 

「えっ?」

 

「小笠原で晴風を探索して行方不明になった隊員を発見したわ」

 

「本当ですか?」

 

「ええ、これから接近するわよ。もしかしたら晴風の乗員について何か知っているかもしれないわ」

 

「わ、分かりました」

 

平賀達は急いで守達を追うが、既に人ごみの中に紛れてしまった。しかしながら彼女たちは守たちを追い、そして外に出ないよう出入り口を封鎖した形で後はモール内を捜索し始めるのであった

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

一方、守たちは買い物で抽選券を貰ったので、福引する為、福引会場に向かっていたが、守は何かの視線を感じ、そっと後ろを見る。

 

「(あの制服は・・・・ブルーマーメイド。晴風乗員を捜索しているのか?だとしたらスキッパーを置いているところは抑えられている可能性はあるな。でも真霜姉さんの部下なら・・・・いや、撃沈命令を出している上層部の犬かもしれない。慎重にやらないとな…ここは少し尋問するか・・・・」

 

「マー君?どうしたの?怖い顔しているけど?」

 

明乃が守にそう言うと

 

「みんな。驚かない様に‥‥自分達は先程から見張られている」

 

『えっ!?』

 

守が声を殺して他のメンバーに囁く。して他のメンバーは守の言葉を聞き、ギョッとする。

 

「だ、誰なんでしょう‥‥?」

 

「恐らくブルーマーメイド」

 

「ぶ、ブルーマーメイド!?」

 

和住が慌てて周囲を見渡そうとするのを守るが止めた。

 

「しっ!和住さん落ち着いて。周辺を見ないでください」

 

「あっ、はい‥‥」

 

「でも、どうしよう‥‥ブルーマーメイドに捕まっちゃったら、私達牢屋行き?」

 

美甘が不安そうに言う。

 

「大丈夫、それを回避する為の作戦をこれから皆に教えるよ」

 

そう言い守が言った作戦とは、現在明乃たちは変装をしているため顔はばれてないが守の顔はブルーマーメイドに知られているため自分が囮となりブルーマーメイドの隊員たちをひきつける。その間に別のメガフロート都市へと向かった後、そこで船かスキッパーをチャーターして晴風へと戻る指示を出した。

 

「で、でも。マー君は?マー君はどうなるの?置いていけないよ」

 

「大丈夫。どうしても確かめなければならない事が有る‥‥自分が戻らなくても晴風は学校に戻るように姉さんに伝えてくれ」

 

「でも・・・・」

 

「明乃艦長・・・・」

 

守は静かにそして真剣な表情で明乃を見る

 

「あなたのお心遣い。とても嬉しいです。ですがあなたは晴風の船員を無事、本土に戻すことが今あなたの任務です。幸い私は晴風の生徒ではないので無事やり過ごして見せますよ」

 

「でも・・・・」

 

「小を殺して大を生かす‥‥それが最善の方法だ。まして、君達はまだ学生だ‥‥わけのわからない陰謀に巻き込まれるいわれはない筈だ」

 

「で、でも‥‥」

 

「いいから、此処は自分に任せて」

 

守の真剣な眼差しにそれ以上の事は言えない明乃、和住、みかん、美波の4人であった。

 

「分かった・・・・でもマー君。無事に戻ってきてね」

 

「大丈夫です。こう見えて俺は精鋭部隊に所属しておりましたので」

 

「え?」

 

「いいえ。なんでもありません。それじゃあメガフロート都市が封鎖される前に行ってください。何かあれば連絡をしますので」

 

「う、うん・・・・」

 

そう言い、守は明乃たちと別れ別行動をとることにしたのであった

 

「あ、目標。モールの外を出ました」

 

平賀の部下の一人がモールを出た守を見て無線連絡をし、早速、守を追う。まずは一定の距離を取りゆっくりと距離を詰めて行く。

 

「‥‥」

 

守は、顔は向けずに視線を後ろに向けつつブルーマーメイドの隊員の動きを警戒する。そしてどんどん人気のない薄暗い路地を進んで行く。そしてその瞬間守は走り出し右の道へと走り出す

 

「なっ!?」

 

その行動を見た隊員は急いで彼を追い曲がると、そこには行き止まりになっていた

 

「え?行き止まり?じゃあ、彼はどこに?」

 

行き止まりのはずなのに守の姿が見えないのを不思議に思っていると

 

「ここにいますよ?」

 

「っ!?」

 

頭上から声がし上を見るとそこには両壁に手と足をかける守の姿があり、そして彼は足と両手を離し、

 

「うぐっ!?」

 

そして彼女の背後に回り拳銃の銃床で頭を殴り気絶させた。すると彼女の無線から

 

『どうしたの?応答して彼を見つけたの?』

 

と、平賀の声が聞こえた。すると守は無線機を取り

 

「はっ!たった今、彼を拘束しました場所は○○地点。彼が言うには平賀二等監察官一人で来てほしいとのことであります』

 

なるべく気絶された人物の声に近いように声色を変え、そう言うと

 

『わかったわ。すぐに行く』

 

と、返事が来た。そして守は無線を切ると気絶させた女性を運ぶのであった

 

 

 

「ここのようだけど・・・・・」

 

無線で一人で来た平賀が来た場所は建物と建物の間で狭く、薄暗く、そして人通りが少ない。すると道の角に薄暗くて顔はよく見えないがブルーマーメイドの隊員の帽子と横顔が見えた

 

「平賀隊員。こちらです」

 

と、そう言われ、その人物は路地の角を曲がり平賀は少し警戒しながらその隊員の後について行き、そして角を曲がった瞬間。急にその隊員らしき人物が平賀の足を払い彼女のバランスを崩し、バランスを崩した平賀をその隊員は袖と後ろ襟を持ち、壁に押し付け、手をねじる。

 

「イタッ!!ちょっとこれは何の冗談なの!?あなたどこの部隊!!」

 

と、そう言うと、その人物は平賀の耳元に近づきこう言った

 

「日本国海軍ラバウル航空隊であります。平賀さん・・・・」

 

「っ!?」

 

聞き覚えのある声に平賀はその隊員の顔をよく見ると、そこにはブルーマーメイドの帽子をかぶった守であった。

 

「ま、守君!?」

 

「おっと、動かないでください。動けばその頭を撃ちますので。それにしてもたったの数人で数か月前まで精鋭部隊に所属していた人間をたった一人の隊員で簡単に捕まえられるなんて、ずいぶん安く見られたものですね。平賀二等監察官殿?」

 

そう言い、彼に左手にはコルト拳銃があった。そして守のその声は、平賀が聞いた事のある守の声では無く、冷たい無機質な声だった

 

「ま…守君」

 

「‥‥久しぶりですね‥‥平賀さん‥‥まさかこんな形で再会する事になって残念です」

 

「そ、そうね‥‥でもなんで?それに他の隊員は?」

 

「あそこで眠ってもらってますよ」

 

そう言い、平賀は守が銃を向けた場所を見ると路地で倒れている隊員を見つける

 

「守君・・・・何で?」

 

「おっと・・・任務報告の前にいくつか質問をします。まず一つ。此処で何をしていた?」

 

「わ、私は宗谷監察官からの密命で‥‥」

 

「真霜姉さんの?はてさてそれは本当に姉さんからの命令かな?」

 

「どういう意味ですか?」

 

「真霜姉さんではなくその上の海上安全整備局の上層部の命令で晴風を撃沈し、もしくはその乗員を事故に見せかけ抹殺の命令を受けた・・・と私は考えているんですが?」

 

「ち、違います!!私は宗谷監察官の命令で晴風乗員を保護しに来たんです!!」

 

「口ではどうとでも言える」

 

「本当です!!信じて下さい!!」

 

「私もこの世界に戻っていろいろ世話してくれた平賀さんを疑いたくはないのですがね。ですが今が状況が状況・・・・ましろ姉さんたちの命がかかっていますのでね。本当に真霜姉さんが晴風を保護を目的とした命令なのか直接真霜姉さんに聞いてみる事にしよう‥‥電話をかけろ‥‥ただし片手でな‥‥」

 

守は片方の手で平賀の腕を拘束し、もう片方の手には拳銃を持っていた。一方の平賀も片腕は守に拘束されているがもう片方の手は使える。

しかし、守を拘束しようとすれば、その瞬間撃たれる可能性があった。そのため、平賀は守の指示に従い、器用に懐から携帯を取り出し、真霜に電話をかける。

 

「もしもし」

 

平賀からの電話を真霜は海上安全整備局にある自分の部屋で受けた。

 

「む、宗谷監察官ですか?」

 

『平賀二等監察官。どうしたの?何かあったの?』

 

通話口から聞こえてくる平賀の声は心なしか震えている。

 

「それが・・・・守君と接触しまして?」

 

『マー君…守と!?それで彼はどこに?』

 

と、そうい言った瞬間守は平賀から携帯をとり

 

「やあ、姉さん。久しぶりだな?」

 

『ま・・・まーちゃ・・・・守君?』

 

「ええ、俺ですよ。一つ訊きたいことがある。平賀二等監察官に命令した晴風の保護・・・・それは事実ですか?」

 

『え…ええ。本当よ』

 

いつもと違う声色に真霜は少し冷や汗を流しそう答える

 

「本当ですね?今回の件。ましろ姉さん達の命がかかっている。もしそれが虚言であり貴女が海上安全整備局のタカ派の連中に付き合って実は晴風の乗員の命を危険に晒すなんてことないですよね?」

 

『あ、当たり前でしょ!?小笠原でも話したじゃない!!私も母さんもましろや生徒達を助けるために‥‥』

 

「そうですか・・・・・では信じてもいいんですね・・・・姉さん?」

 

『ええ。お願い。私を信じて頂戴。マーちゃん。私たちが全力でましろたちを守るから・・・・』

 

「・・・・・・」

 

守はしばらく黙ると

 

「わかりました。ではその言葉信じましょう‥…ただし」

 

「「?」」

 

守がそう言った瞬間。守は拳銃を空にあげ一発発砲する

 

「「っ!?」」

 

「約束を違えた場合。私はましろ姉さんたちの人命を優先としてあなた方ブルーマーメイド、および海上安全整備局を一人残らずせん滅するつもりなので・・・・・悪しからず」

 

『一人でブルーマーメイドたちと戦争をするつもり?』

 

「俺は今でも軍人・・・・戦争屋だと思っています。俺にとっても第三次大戦はまだ心の奥底に残ってます。俺は大切なましろ姉さんたちを守るためなら修羅にでも殺人鬼にでもなる覚悟ですよ。それがあなたたち平和に生きた人間と血塗られた歴史を歩み続け戦争をやってきた人間との違いですよ」

 

「「・・・・・」」

 

その言葉に二人はぞっとし恐怖感を覚えた。いつもにこやかで優しい守がこのような怖い顔をし怖い言葉を発するのだから

 

『わ、分かったわ。肝に命じとくわ』

 

「そうですか・・・・・それが分かれば任務報告です」

 

と、いつもの口調に戻る守

 

「現在俺は晴風に保護されています。そして事情を詳しく聞いた結果、さるしまで事件では猿島がいきなり発砲したため晴風は自衛行為によって模擬戦用の魚雷を発射したと判明。むろん晴風乗員に反乱の意思はなし、晴風乗員は宗谷校長の指示に従い横須賀の学校に戻る予定。そして現在は在庫不足によってここで買い物をしていました。これより平賀二等監察官らとともに合流し晴風に戻ります。以上です」

 

『そ、そう・・・わかったわ』

 

と、守は真霜に連絡し電話を切ると平賀の拘束を解き

 

「平賀さん。先ほどは手荒な真似をしてしまって申し訳ございません」

 

守は平賀に深々と頭を下げて謝罪する。

 

「いえ、分かってもらえたなら‥‥でも、守君は本当にあの時、私を殺す気だったんですか?」

 

と、そう言うと守は首を横に振り

 

「いいえ、入院のときいろいろ世話になった人を殺すことなんてできませんよ。あの隊員と同じように拳銃で殴って気絶させて、逃亡するつもりでした。それに・・・・」

 

「それに?」

 

「さっきはあんなことを言いましたが、できればもう・・・・・人を殺したくはないから」

 

「・・・・・あ」

 

肩をすくめ悲しい顔をする守に平賀は何かを察した。戦争を経験した守に彼女は何を思ったのであろうか・・・・

 

「まあ、とりあえず、あなたが本気で真霜姉と同じ晴風を保護してくれるんなら助かりました。それっじゃ、これから一緒にいた晴風の乗員と合流しますので一緒についてきてください。あ、あとこれさっき気絶させた隊員さんの帽子ですお返しします」

 

「あ、う、うん」

 

そして守は携帯で明乃たちと連絡を取り事情を説明し、スキッパーのところに集合するよう言い。そして平賀さんは気絶している隊員を運びながら守とともに合流地点へと向かうのであった。そして合流した後、晴風へと帰る際、二艇のスキッパーの内、一艇は美甘と明乃がもう一艇には和住と美波は乗り、守は平賀達が使用していたブルーマーメイドの哨戒艇を使い、途中、ショッピングモール沖で待機していた間宮、明石、浜風、舞風と合流し、それらの艦艇全てで晴風が停泊している海域を目指したのだった・・・・

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