ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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晴風の休息

4月15日午前10:30

 

アスンシオン島沖

行方不明の教育艦を捜索している東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊の哨戒飛行船が単艦で航行中の武蔵を発見する。

その報告は、直ちに旗艦あおつきに届いた。

 

「・・・哨戒船から入電です!!・・・発5分隊2号船宛旗艦あおつき 武蔵を発見・・・北緯19度41分東経145度0分で巡行中・・・無線で呼びかけるも応答なし・・・ビーゴンの反応も消えてますし、おそらく無線も含め、電装系の故障だと思われます。」

 

主任は、電子機器の故障で応答が出来ないんだと認識し、艦長席に座る教頭員に報告する

 

「武蔵の位置を横須賀女子海洋学校に連絡しろ!!」

 

「は、はい!」 

 

武蔵発見の報告を直ぐに横須賀女子海洋学校に連絡を命じる。

 

「まぁ見つかって良かった!!・・・随分と心配しているだろうな、生徒の安全確保は、優先事項なのに、複数同時に実習艦が行方不明になるとは‥‥」

 

少し安心したのかため息をつきそう言う

 

「それにホワイトドルフィンやブルーマーメイドの報告によれば太平洋各地でおかしな集団が動いているという情報が入った」

 

「それは私も聞きました。なんでもその集団のマークが赤地の中央に白い丸。そして鍵十字の印だったと・・・・・」

 

「晴風も同じ印の潜水艦と交戦したとか・・・・・教員間が行方不明になるは変な連中がうろつくはいったい何が・・・・・いや、何が起きたにせよ、直ちに武蔵の保護に向かおう!・・・哨戒船を呼び戻せ!!」

 

こうして、東舞鶴男子海洋学校の教員艦8隻は、直ちに武蔵の保護へと向かう。

 

 

 

 

 

 

一方晴風は四国沖の入り江に停泊していた。そして晴風の他に補給に来た間宮、明石とも別れ、晴風は現在、釜の温度が上がっていない事と平賀達による志摩の事情聴衆の為、この沖合で立ち往生な状態だった。

その為、暇な晴風の生徒は、終わる12時まで休息を取る事にした。

 

 

そして守と夕張は・・・・

 

「よし!これで終わり!」

 

「何とか直りましたね」

 

二式水戦の修理が終わり、顔中オイルまみれになった二人が疲れ顔でそう言う

 

「修理してから・・・・・ああ、ダメだ何時間経ったか覚えていないわ」

 

「俺もです。でも助かりました。おかげで俺の愛機も無事に直りましたよ」

 

「礼を言われるほどじゃないわ。仕事だしね。それと例の奴。ちゃんとできたわよ」

 

「ありがとうございます」

 

「いいって。いいって。お姉さん。喜んでくれるといいわね」

 

とにっこりと笑う夕張さん。そして彼女はふわぁ~と欠伸をし

 

「あ~ごめんね森君。私、船に戻って眠るわ・・・・・それで森君はどうする一緒の船に乗って横須賀に戻る?」

 

「いえ、俺はもうしばらくましろ姉さんのところにいます。真霜姉さんや真冬姉さんにも俺のことは心配しなくていいって伝えてください」

 

「分かったわ。じゃあ、森君。私はこれで」

 

「お疲れさまでした夕張さん」

 

そう言い夕張さんはブルーマーメイドの船へと帰っていった。そして守も軽い欠伸をして

 

「・・・・まずい。俺も眠たくなってきた・・・・こいつ飛ばすのは少し仮眠をとってからでいいかな?」

 

守はそっと二式水戦に触れ少し頷くとふらふらした足取りで歩きだすのだった

 

 

一方、晴風生徒の方はというと、パラグライダーで遊んだりスキッパーを使って遊んでいたりしていた

 

「イルカだ!?」

 

「生イルカっす!!」

 

スキッパーに乗る百々たちの近くにイルカの群れが通り掛かり、百々が興奮しながらその姿をスマホで撮る。

そして甲板では

 

「こら、準備運動をせずに!!飛び込んだら危ないだろ!」

 

晴風の甲板では、ましろが準備運動をせずに海へと飛び込む生徒達に注意を促が

 

「艦長もそのまま飛び込むのは、止めて下さい!!」

 

「イ、イルカ・・・・!!イルカ・・・・!!」

 

今度は、側に居た明乃が水着を着ずに飛び込むのをましろが取り押さえて、止める。

 

「対象まで距離・・5.0・・・全長は、2m30cmってとこ・・・・バン!!」

 

「バキュンとくる感じ!!」

 

「102、10度旋回!!」

 

光と順子、美千留の3人がイルカの群れに対して、照準遊びをする。そんなこんなで晴風はいたって平和だったのだ。それを見たましろはため息をつき

 

「こんなにのんびりしてて、良いのか?」

 

誤解は解けたとはいえ、まだ行方不明になっている学生艦の他。先で問題を起こした立石と付き添いに西崎が事情聴取を受けているのに自分たちは遊んでいいのだろうか?ましろはそう呟くと

 

「入学式から此処までずっと、皆緊張の連続だったしね・・・、ちょっとぐらい羽伸ばしても良いんじゃないかな~?」

 

「伸ばし過ぎだろ!!」

 

と、鳥みたいに両手をパタパタさせる岬にそう突っ込むましろ

 

「皆、ホッとしてるんだよ!!・・・私達、反乱したわけじゃないって、わかって貰えた見たいだから・・・」

 

「とは言え、速やかに学校に戻るべきだろう。」

 

ましろは、直ぐにも横須賀女子海洋学校に戻るべきだと告げるが

 

「まだタマちゃん、平賀さん達に話し聞かれてる見たいだし、釜の温度も上がりきっていないから・・・」

 

そう言う明乃。そして釜焚き場・・・つまり機関室では

 

「う・・・・・畜生、上がれてぇんだ・・・!!」

 

麻侖がうちわで扇ぎ、釜の温度を上げようとしていた

 

「私達直ぐには、出発できないよ!」

 

明乃は、ましろに状況を説明しながら、生徒達を見守る。

 

「は~い・・・撮るよ・・・」

 

美海が皆の写真を撮ったり、聡子と秀子、まゆみがビッチバレーをし、楓と鶫、慧がスイカ割りも行われており、先程、照準遊びをしていた光と順子、美千留も今度は、ライフル式水鉄砲で遊び始める。

 

「しかし、一刻でも早く、着いた方が・・・」

 

例え出港できない状況でもましろは、一刻も早く学校に帰還すべきだと言うが

 

「明石と間宮は、着いたかな?」

 

「えっ!?」

 

「武蔵のところに?」

 

ましろが問う中、明乃は、明石と間宮が無事に武蔵と合流できたのだろうか、気になっていた。

そんな明乃をましろは、唖然と見る。その様子をましろはかつて守と離れ離れになった自分と重なって見えた

 

「大丈夫です艦長。きっと間宮も明石も武蔵のところにたどり着けています」

 

「うん・・・・ありがとシロちゃん」

 

ましろの言葉に明乃はそう言うのであった。そんな中、隣では、

 

「今月の運勢は‥‥」

 

「あっ!?さそり座は、9位!!」

 

機関員四人衆は、雑誌の占い記事で自分の星座の運勢をそれぞれ確認していた。

 

「おうし座は11位‥‥」

 

「え~11位?」

 

麗緒は、自分の星座が12星座の内、下位だった事に嫌な顔をする。

 

「ビリじゃないから良いんじゃない!」

 

そんな麗緒に留奈がフォローを入れる。

 

「・・・因みにふたご座は何位だ?」

 

ましろが気になって、自分の星座の順位を尋ねる。

 

「・・・12位‥‥特に水辺では、運気が下がりますって‥‥あ、でも狼がいれば災から逃れられますって」

 

「こんな海辺に狼がいるわけが・・・・・」

 

ましろがそう言いかけた時、、光と順子、美千留の3人の水鉄砲のうちの一つが流れ弾として、ましろに当たろうとしたとき、誰かがましろの前に突然立ち、彼女の代わりに水をかぶった

 

「うわっ!?冷たっ!?」

 

「ま、守!?」

 

ましろの代わりに水鉄砲を食らったのは、先ほど修理を終えて仮眠をとっていた守だった

 

「「あっ!?」

 

「マー君。御免、御免」

 

自分の弾が守に当たった事に順子は、謝罪する。

 

「ふぅ…おかげで少し目が覚めた・・・・・」

 

ずぶ濡れになり、守は仮眠し起きた後に残っていた眠気が覚めたとそう小声で言うと

 

「ま、守!?大丈夫か?」

 

ましろが心配そうに守に言うと

 

「ん?大丈夫。大丈夫。少し濡れただけだちょっとタオル取ってくる」

 

「じゃあ、私も一緒に行こうか?」

 

「大丈夫。一人で行けるよ」

 

そう言い守は、タオルを取りに艦内へと入っていく。それを見た瑠奈たちは

 

「すご!?当たってる!!」

 

「でも、占いでは狼でしょ?マー君は狼じゃないじゃん?」

 

占いが当たった事に留奈は驚くが狼ではなくなぜ守なのか不思議に思っていたそんな中ましろは

 

「(偶然とはいえ、また守に助けられた・・・・・てあれ?そう言えば守。わざと私の前に出たような・・・・・)」

 

先ほどの守の行動。偶然にしては不自然すぎる。わざと彼が彼女の前に飛び出たようんば感じに思えたのだ

 

「あっ・・・心理テストもあるよ!・・・宗谷さん、やってみる?」

 

桜良が心理テストをましろに薦めるが

 

「やらん!!」

 

そう言いましろも艦内に入るのであった

 

「あ、知床さんやってみる?」

 

ましろが心理テストをやらんと言ったので、空は、側に居た鈴に変わりに心理テストを受けてみるかと尋ねた。

 

「え!?私!?」

 

鈴は物は試しとその心理テストを受けるのだった。

 

一方守は濡れた顔をタオルで拭き

 

「ふ~咄嗟に体動いちゃったけど、姉さんが濡れなくてよかったな・・・・おかげで目も覚めたし、姉さんもずぶ濡れにならなかったし、結果オーライだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、晴風の生徒が海水浴を楽しんでいる中、晴風の倉庫では、拘束している立石の事情聴衆が行われていた。

部屋には、調書を取る平賀と福内の他、志摩の付き添いとして芽衣が志摩の左右に座っていた。

 

「く~あ~い~な~!!あ~い~な~!!・・・私もキャッキャウフフしたいな~!!」

 

皆が海水浴で遊んでいる事に芽衣がぼやいていた。

 

「もう少しで終わるから、頑張ってね。」

 

芽衣のボヤキを平賀が返す。

 

「は~い」

 

平賀に促され、芽衣は、ぼやくのを止める。

 

「立石さん!・・・・もう一度聞くけど・・・・何故、急に攻撃したのか、如何しても思い出せないのね?」

 

福内が改めて志摩にあの時の事を尋ねると志摩は頷く

 

「うぃ‥‥」

 

しかし、志摩は、自分が何故あんな事をしたか、全く分からず、気づいていたら、既に明石と間宮を発砲した後だった。

 

「思い出せないなら仕方ないよ、タマちゃん!!・・・私だって撃てるものなら撃ってたし・・・あの状況だったらさ!」

 

芽衣もあの状況だったら、自分も撃ってたかもしれないと落ち込む志摩を慰める。

 

「ん・・・・終了しましょうか?」

 

「以上の聴取内容をまとめ海上安全委員会に報告します。」

 

長い志摩の事情聴取は、これにて終了した。

 

 

 

 

一方、太平洋のとある場所では

 

「Sieg Heil!!!」

 

「Sieg Heil・・・・」

 

数名の黒服の男性が黒い軍服に襟にssとかかれた服を着た女性に右手を上げそう言うとその女性も右手を上げ返事をする。そして

 

「どうだ?例の物は見つかったか?」

 

「い、いいえ・・・・それがまだ」

 

「早く見つけるのだ。我が第4帝国の秘密兵器を盗まれたと知れば、我々は強制収容所送りになる。何のためにここに来たか分からん」

 

「我々も探しているのですが。どうも例の物を持ち逃げしたものは日本のどこかに逃げたらしく・・・・」

 

「そこまで分かれば十分だろ?すぐに日本をくまなく探し見つけ例の物を奪い返せ。あれはまだ世間に広められるわけにはいかん。我が軍が極秘に開発した秘密兵器だぞ?」

 

「分かっています大佐」

 

「それで・・・無事保護したUボートはどうしている?」

 

「そ、それが、奴ら修理が終わり次第、すぐさま出港し、そのまま音信不通で・・・・」

 

「馬鹿な奴らだ。この世界は別世界だと伝え、我々に協力しろと言ったはずなのにな。それともssと一緒にいるのが嫌だったのかしらね?」

 

ため息交じりに言うと、一人の黒服の男が慌ててやってきて

 

「ほ、報告します!たった今、例の物を盗んだ人物のいる場所が特定しました!」

 

 

「そうか・・・・で、日本のどこだ?」

 

彼女がそう訊くと男は

 

「はっ!場所は神奈川県、横須賀の横須賀病院とのことです!!」

 

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