ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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不穏な動き

一方、雨の降る中、日本本土横須賀にある病院で、晴風を攻撃した教員艦「さるしま」の艦長であり教師である古庄教官がブルーマーメイドの隊員に晴風砲撃事件について事情聴取を受けていた

 

「晴風の反乱を最初に報告したのは猿島ですよね?なぜ反乱と断定を?」

 

「晴風が実習の集合時刻に遅れて当該海域に到着。その際こちらから砲撃を行いました。晴風は短魚雷で反撃し本艦に命中。これを反乱とみなし報告しました」

 

「遅刻程度で先制攻撃を行った理由は?」

 

「それは‥‥」

 

「他の乗員は全て艦長が命令したと証言しています」

 

「命令したことはよく覚えています。ですがなぜそういう判断に至ったか自分でも不明なのです」

 

命令したのは覚えているがなぜそのような命令をした動機は彼女自身にもわからなかった。 

ふつうはそんなことあるはずはないのだが、事実そうなのだ。

彼女自身と隊員が困惑していると、ドアからノックがし

 

「監督官の宗谷です」

 

そう言い真霜が古庄の病室を訪れた。

 

「差し入れを持って来たわ。私も古庄教官から話を聞きたいのだけど少しいいかしら?」

 

「はい。ご苦労様です」

 

真霜は、古庄から話を聞く為、しばらく2人だけにして欲しいと頼み、ブルーマーメイド隊員もそれを受け入れ、退出する。

 

「大丈夫ですか古庄先輩。救助が来るまでの間、海を漂流してったて、聞きましたけど・・・」

 

「後輩に心配かけるなんて情けないわね。ありがとう大丈夫よ」

 

「すみません、調書が完成するまでは此処に居てもらいます」

 

古庄のこの処遇は軟禁に近い処遇であった。

 

「これ、食べて下さい」

 

「ありがとう」

 

真霜は持って来た差し入れのドルフィンケーキを庄に渡す。

 

「生徒に向かって発砲したのに。なぜそんなことをしたのか思い出せないなんて自分に腹が立つわ‥‥」

 

古庄も教官としてあるまじき行為をしたと自覚しているのだが、肝心の詳しい経緯が思いだせない。

そんな自分に腹が立っていた。

 

「他の乗組員もちゃんと記憶はあるのになぜこんなことをしたのか思い出せないと証言しているのです。先輩だけじゃありません。サルベージした猿島の戦術情報処理システムもログが消えていました」 

 

真霜は事件の経緯が纏められた報告書を古庄に見せる。

 

「ログ‥消失‥13時20分から機能を喪失していたとみられる、か‥晴風は本当に大丈夫?」

 

「艦長以下全員無事です」

 

「そう・・・・」

 

真霜がそう言うと古庄は安心する。そして

 

「そう言えば森君は・・・・・小笠原に行った森君はどうなったの?」

 

「マー君・・・・・守なら、晴風が行方不明になった後、飛行機で捜索に行って、無事に晴風と合流できたそうよ」

 

「そう・・・あの子。お姉さんに会うことができたのね・・・・」

 

「ええ。接触した平賀二等監察官から、ましろに会うことができて彼自身も嬉しそうだったと聞いたわ」

 

「そう・・・良かった。小笠原に立つ前の彼、どこかしら元気がなかったから・・・・」

 

古庄は守がましろに無事に会えたことに安堵する。事情を知っている彼女も内心は守について心配していたからだ

 

「そう言えば守君は先輩の学校の警備員をしていたのですね?以前にも元気がないって母さ・・・・宗谷校長から聞いていましたけど。先輩。彼について何か知っていたりしますか?」

 

真霜は先輩である古庄に守が依然あったとき心なしか元気がないことを聞いた。それを聞いた古庄は

 

「そうね・・・・実は私も彼のことが気になっていたのよ。仕事はちゃんとしていたんだけどね。むしろ仕事のし過ぎで逆に心配になるくらいだったわ。あの子は仕事熱心な子なんだけどね・・・・・そう言えば以前こんな相談をしていたわね」

 

「相談?」

 

「ええ。前に一度だけね」

 

「それはどんな相談ですか?」

 

真霜がそう言うと古庄は若干神妙な顔になり

 

「最近悪夢を見るそうなんです」

 

「・・・・悪夢?どんな?」

 

「それは詳しく入ってはくれなかったけど、私の推測だけど、恐らく森君のいた世界の戦争のことだと思うわ」

 

「戦争・・・・」

 

「それにこうも言っていたわ。『戦争とはいえ命を奪ってしまった償いはどうすればできるのだろうか・・・』てね」

 

「マー君・・・・・」

 

二人とも守りが異世界人であり。そしてその世界では戦争があり、守も兵士として戦争に参加していたことは知っていた。だが、いつもにこやかな彼が内心心の傷がそこまで深いことには二人とも知らなかった

 

「「・・・・・」」

 

守のその心情を・・・・心傷を癒す解決策を真霜も古庄も見つけることができるただ沈黙が続いた。

そしてその沈黙が続いた病室に真霜の携帯にメールが入った。

メールの内容は武蔵発見の報告だった。

 

「先輩すいません。ちょっと急用が。それ食べてくださいね」

 

武蔵発見の報告を受け、真霜は急ぎブルーマーメイドの隊舎へと戻って行った。

そして古庄は真霜に渡されたドルフィンケーキを見てほほ笑むと部屋の外から

 

『先生!大変です!○○号室の患者さんが消えてしまいました!?』

 

『そんなバカなことがあるか!すぐに探しなさい!!』

 

「・・・・何かあったのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、とある港の倉庫で

 

「ここは何処だ!私をこんなところに連れて行って何をするつもりだ!!」

 

椅子に座らさせ、縄で縛られている病院服を着た男性がそう叫ぶと、その男をかこっている黒服、黒帽子、黒サングラスを着た男がその男の胸ぐらをつかみ

 

「黙れ。例の奴をどこにやった!!」

 

「な、何を言っているんだ早く私を開放しろ!私は海上安全整備局の海洋研究機関内開発部主任だぞ!私に一体何の用なんだ!!」

 

男がそう叫ぶと

 

「それはあなたの方が知っているはずですよ」

 

「た、大佐殿!」

 

「あなた方はゲシュタポ出身なのに尋問することもできないのですか?」

 

と、そこへ外国人らしき金髪で眼帯をしたドイツの軍服を着た女性が現れる

そしてその女はその男を見て

 

「さてと・・・・」

 

そう言い彼女は鎖でつながれた棒のようなものを取り出し、ビシッとまっすぐにする。さらわれた男性はそれは鞭でそれで拷問されるのではと思ったが、女性将校はその棒の先端にあるフックをもう片方のフックに引っ掛け簡易的なハンガーを作ると自分の着ていたコートをひっかける。どうやら彼女が持っていたのか簡単に作れる携帯式のハンガーだった様だ。

それを見た男性はホッとすると

 

「初めまして・・・・私の日本語はわかるかしら?」

 

「あ・・・あんたはいったい?」

 

「あんたに名乗る暇はないっと言いたいところだけど名乗ってあげるわ。私はドイツ第4帝国武装親衛隊所属ハイルヴィヒ・イイノデビッチ・ゾル大佐だ。では簡単な事情聴取をしましょうか・・・・・で我々から盗んだものは何処にある?」

 

「な、なにをいっているんだ?わ、わ・・・わたしにはさっぱり」

 

「よくご存じのはず・・・・・」

 

そう言い威圧を込めて静かにそう言うゾルと名乗った女

 

「我々が秘密裏に開発した生物兵器のことだ・・・・・貴様が盗み出して自分の研究として自分が開発したことにしているのは知っているのだぞ?」

 

「だ、だから私には何のことか知らん!早く解放してくれ!」

 

「私の質問に正直に答えてくだされば直ちに開放しますよ?さあ・・・・例の物は何処にやった・・・・」

 

冷たい目でそう言うゾル。そして右手にはワルサーP38が握られていた。もし喋る気がないなら殺されると感じた男は

 

「は…話したら本当に開放してくれるんだな?」

 

「ええ・・・・約束しましょう」

 

「・・・・・わかった」

 

そう言い男は話したことをすべて話した。

 

「なるほどね・・・・・あなた記録した?」

 

「はい。全部・・・・」

 

「お、おい!俺はすべて話したぞ!約束通り開放してくれ!!」

 

すべてを話したから早く解放してくれという男にゾルはその男を見てニヤッと笑い

 

「ええ…そうだったわね。約束通り開放してあげるわ」

 

そう言い彼女は自分の持つワルサーを男の頭に向けて

 

「・・・・・人生からね」

 

「っ!?」

 

そう言うか言い終わらないうちにゾルは男に向かって発砲。男は眉間から血を流し動かなくなった

 

「さっさとそれ処分しろ」

 

「はっ!」

 

「大佐どうします?」

 

「とりあえず例の居所が分かったがどこに回収されたかはわからない・・・・徹底的に探せ。最初はそうね・・・・例の海上安全整備局が流していた晴風とかいう軍艦から探せ。見つけ次第、動きを止め例の物を探す。抵抗するのであれば乗員は殺せ」

 

「無ければ?」

 

「沈めろ・・・・・」

 

「ハイル」

 

ゾルの指示で命令を受けた部下たちはナチス式敬礼を取りその場を去り、ゾルは

 

「まったく厄介なことになった」

 

とひとり呟くのであった

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