ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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歓迎会

ナチスが裏で暗躍しているとき、晴風艦内ではびしょ濡れになった服を着替えた守が艦内を歩いていた

 

「さてと・・・・どうしようかな」

 

守がそう呟く。あの後いろんなところに行って手伝いをしようかと声をかけたのだが、みんなよそよそしくなぜか避けられ断られていた

特に厨房ではなぜか杵崎姉妹や美甘に追い出されてしまった

 

「う~ん・・・・なんか嫌われるようなことしたかな?いやあれは嫌っているような感じじゃないような?」

 

首をかしげながらそう言う守。すると

 

「・・・あ」

 

「・・・あ」

 

角を曲がろうとしたとき、晴風クラスの水着を着たミーナに出会う。すると守は軽く頭を下げ

 

「V、Vielen Dank. Mina(ど、どうも。ミーナさん)」

 

「っ!?」

 

急にドイツ語であいさつした守にミーナは驚いた

 

「Sprichst du Deutsch?(お主、ドイツ語が話せるのか?)」

 

「Kann ein bisschen sprechen(少しだけ話せる)」

 

守がそうドイツ語で話すと

 

「おどろいたの~後、わしは日本語は話せるから日本語でいいぞ」

 

「そうですか。そっちの方が私も話しやすいです。それとどうでした俺のドイツ語なんか違和感ありませんでしたか?」

 

「いいや。まったくじゃ。むしろあまりの流暢さに同じ国の者と話しとると思ったぞ?どこで習ったんじゃ?」

 

「あ~学校で・・・・かな?」

 

本当は敵であるナチスドイツを捕虜にした時に尋問するために軍訓練学校で習ったとはいえなかった

 

「学校か…日本の学校は英語だけじゃなくてドイツ語も習うのか?」

 

「あはは・・・・まあ、俺のいたところはそうだったよ。ところでミーナさん。その格好は?これから海水浴に?」

 

「ああ、皆水着を着ているから、儂も貸してもらったのじゃが、どうもすこし小さくてな・・・・」

 

貸してもらった水着が小さいのかミーナは守にそう言う

 

「お主は入らぬのか?」

 

「あいにく水着はないので?」

 

「貸してもらえればいいだろ?」

 

「いいや。俺、男だから無理ですよ」

 

「何!?お主男だったのか!?」

 

「・・・・・」

 

ミーナの驚きに「またかよ…」というような表情をする守。もう慣れたこととはいえやはり自分の顔は女性よりの顔立ちでしょっちゅう女に間違われる。特に海水浴なんかでは海水浴の係員に「なんで女の子が男子の水着なんて来ているの!!」

とか言われ連行され注意されたこともしばしば

 

「ええ・・・・こんな顔ですけどれっきとした男ですよミーナさん」

 

「そ、そうか…不思議なものだな?」

 

「(なにが?)それよりもミーナさん。なんか最近、晴風の人よそよそしくないですか?なんか避けられているというか?」

 

「ああお主もか。わしもなぜか避けられている感じでな…なぜだろうな?」

 

と守とミーナは首をかしげるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聴取が終了したのでこれで失礼します」

 

「発砲についての正式な処分は帰港した後で学校から下されると思うけど損害もなかったし厳重注意程度で済むんじゃないかしら」

 

「ありがとうございます」

 

「お疲れ様でした」

 

立石の聴取が終わり、平賀と福内は哨戒艇に乗り、帰って行った。

 

「タマちゃんもお疲れ様」

 

「うぃ~」

 

表情がとぼしい立石だったが、見るからに落ち込んでいるのがわかる。

 

「だ、大丈夫だよ、立石さん。学校にはちゃんと説明して私も一緒に謝るから」

 

「また私もばっちり付き添うよ~」

 

「うぃ‥‥」

 

明乃と西崎に励まされて少し嬉しそうな立石だった。

その時、

 

「ん?」

 

明乃は甲板で項垂れている鈴の姿を見つけた。

 

「ん・・・如何したのリンちゃん?」

 

「うっ・・・うっ・・・」

 

明乃は、如何したと問うが鈴は、何故か落ち込んでいた。

 

「・・・皆と遊ばないの?」

 

「さ‥‥さっき心理テストをやったんだけど‥‥」

 

「ん・・・?」

 

「私の性格って、真面目系クズって言う結果で‥‥」

 

「えっ!?」

 

鈴の口からなんか普段は出ないような言葉が出て来た。如何やら、空に勧められた心理テストの結果が良くなかった様だ。

 

「でも、当たっていると思う・・・だって私・・逃げてばっかりの逃げ逃げ人生だし‥‥」

 

「逃げ逃げ人生?」

 

鈴は明乃に「逃げ逃げ人生」とは、どんな人生かを話した。

 

「うん‥‥小学校の時にね・・・皆で肝試しをしたんだけど‥‥友達を置いて逃げちゃったの!!」

 

「‥‥」

 

「いつもいつも気付いたら逃げてばっかりで‥‥」

 

過去を振り返す鈴。小学校時代、下校時犬に吠えられて、逃げてわざわざ遠回りして帰り、修学旅行の時、仁王像を見て、怖くなって逃げ出して担任の先生やクラスメイト達に迷惑をかけ、今年の年始には神社にお参りに行ったら、そこの巫女さんに絡まれて、無理矢理労働を強いられて、その途中で逃げて‥‥

確かにこれまでの人生、鈴本人の言う通り、辛い目や怖い目に会った時は逃げてばかりいた。

 

「そんな時はいつも一人で海を見てた。不思議と気持ちが落ち着いて‥‥それで海が好きになって‥‥ブルマーを目指して船に乗っていれば逃げ場はないから逃げ逃げをやめられると思ってたんだけど‥‥結局また船ごと逃げ出して‥‥」

 

「‥‥逃げるのは悪くないと思うよ」

 

「えっ?」

 

リンは逃げることを岬に攻められると思っていたが予想外の言葉に顔を上げる

 

「だって、私達、3回も戦闘したのに無事なんだよ!・・・それは、リンちゃんが逃げてくれたおかげだよ!・・・的確に状況を見極めてうまく逃げるのはリンちゃんの長所じゃないかな!」

 

明乃は微笑みながら鈴の長所を言う。

 

「‥‥」

 

鈴は明乃の顔をじっと見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、医務室では美波が例のハムスターに似た小動物に餌を与えていた。

与えられた餌を食べ始めるハムスターに似た小動物。

すると、

 

ビィービィー

 

「?」 

 

美波の腕についている電波時計がなり、彼女はその時計に目をやると、

 

「っ!?」

 

電波時計はバグを起こした。

 

「‥‥」

 

美波はバグを起こした時計とハムスターに似た小動物を交互に見た。

この小動物がバグを起こしている原因なのかと

 

 

 

 

その頃、南方海域では、東舞校の教官艦が武蔵へと接近していた。

 

「武蔵安定して巡航中ですね」

 

双眼鏡であおつきの副長が武蔵の状況を報告する。見た所、特に武蔵には異常を感じられず、動いている事から機関も正常に稼働し、損傷箇所も見当たらない。

 

「みんな無事ならばいいが」

 

 すると、武蔵の砲塔が旋回しはじめて、東舞校の教官艦めがけて発砲してきた。

 

「撃ってきました!」

 

「四番艦から受信、機関部被弾、航行不能!」

 

武蔵の初弾で東舞校の教官艦の一隻が航行不能となる。

 

「発光信号を送っていますが応答ありません!」

 

「我々を脅威と誤解しているのか?」

 

東舞校の教頭は、武蔵の生徒が、自分達が武蔵に攻撃を仕掛けてくると思い込んでいるのかと思い、

 

「二番艦は接近し音声にて呼びかけてくれ」

 

発光信号ではなく、音声信号にて武蔵へと呼びかける様に指示を出した。

 

「武蔵の生徒諸君!我々は東舞高の教員だ。君達を保護するために来た!速やかに停船し指示に従い‥‥」

 

二番艦が音声信号をやりはじめると、武蔵は右舷の副砲を旋回させ、発砲。

二番艦は艦首に浸水する被害を受けた。

 

「‥‥砲撃をやめさせよう。どこかに穴を開けて傾斜させれば砲は仕えなくなる」

 

教頭は武蔵相手にこのあきづき型大型教員艦では不利であり、撃ってくるのであれば下手に接近も出来ない。

そこで、浸水させて武蔵の船体を傾斜させることにより給弾機を使用不能にさせる事にした。

 

「生徒の船を撃つことになります‥‥」

 

「砲を撃てなくしてから生徒を保護する」

 

「‥‥了解。対水上戦闘用意!」

 

この間にも武蔵の攻撃は続き、

 

「三番艦被弾!」

 

「対水上戦闘噴進魚雷、攻撃始め!」

 

残った教官艦から一斉に噴進魚雷が発射され、武蔵の右舷に命中する。

 

しかし‥‥

 

「目標、速力変わらず、主砲動いています!」

 

「演習弾では無理か!」

 

先程撃った噴進魚雷は全て模擬弾の為、武蔵には損傷は全くなかった。

 

 

 

 

一方、武蔵と東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊の戦闘している頃、晴風では

 

『ええ・・艦長の岬です・・・クラス全員急いで艦首付近の前甲板に集まって下さい以上・・・』

 

明乃は、突然、生徒達を艦首の前甲板に集合するよう放送を掛ける。

 

『ん・・・?』

 

「何ですかね・・・」

 

突然の召集に何だろうと思い、兎に角、前甲板に集合する。

 

「何だ、急に召集かけたりして?」

 

ましろは、何故、急に召集掛けたか、明乃を問い質すと明乃は、

 

「あのね皆!!・・・今から・・・ミーちゃんとマー君の歓迎会を始めま~す!!」

 

何とミーナの歓迎会を始めた。

 

『わぁ・・・・!!』

 

ミーナの歓迎会に皆は、ミーナに歓迎の拍手で迎える。

 

「えっ!?ワ、ワシの?」

 

「おろ?」

 

明乃が招集内容を言うと拍手が起こった。

 

『船の皆は家族』

 

その信条を明乃は忘れておらず、イレギュラーながらも晴風の乗員となったミーナの歓迎会をする事にしたのだ。

その企画を立てたのは、学校側から行方不明になった学生艦の捜索依頼が来る前の事で、炊事委員の子らも賛成してくれたので、今更中止には出来なかった。

 

歓迎されるミーナはもちろん守も突然のサプライズに驚いている。

 

「そう言えば、まだだったわね!」

 

「お~い!!お~い!!、やちまえってんでぇい!!」

 

洋美が思い出したようにそう言い麻侖も歓迎会に賛同する。今まで、戦闘が多かったので歓迎会を開く余裕が無かった。皆拍手しながら、美甘と杵崎姉妹が歓迎用のケーキを運んで来て

 

「今火を付けるからね・・・」

 

美甘がケーキのロウソクに火を付ける。

 

「も、もしかして、コソコソしてたのは!?」

 

「なるほど、こういうことだったのか・・・・」 

 

「良いから、良いから」

 

「・・・守も来いって!」

 

「ちょ、ちょっと麻侖!?」

 

ミーナと守は、杵崎姉妹が何故、自分を避けていたのか、ようやく分かりながら、麻侖と麗緒にケーキの前へと連行される。

 

「じゃあ、私達の新しい仲間のミーちゃんとマー君から、何か一言!まずはミーちゃんから!」

 

「んっ?」

 

明乃からミーナに何か一言言う様、言われ戸惑うミーナ。

 

「・・・え・・・晴風乗員諸君!・・・全くこの晴風というのは変な艦じゃ、上下関係は、だらしない、規律は、いい加減、艦長は、全然艦長らしくない!」

 

「やっぱり?」

 

「異議なし!」

 

ミーナの言葉にましろは、その通りだと頷く。みんなが心配そうな顔でミーナを見る中ミーナはつづけた

 

「‥‥こんな如何ゆるい艦、見たこと無い・・だが・・・・・へ、へペンハイムのシュタルケンブルク城みたいで小さいが風情がある。」

 

「あのう~、例えが分かりずらいです。」

 

幸子は、ミーナの例えが理解できなかった。

 

「じゃ、ニュルンベルクのソーセージじゃ」

 

ミーナの例えに皆笑ってしまう。

 

「それに、こんな風にワシを歓迎してくれるとは…晴風乗員諸君‥‥ワシは、この手厚い歓迎にド感謝する!!」

 

と照れながらもそう言う

 

「じゃあ、次はマー君」

 

明乃の言葉に守は一礼して

 

「皆さん改めまして森守です。今回、私のようなイレギュラーに岬艦長とそして晴風クラスの皆さんに歓迎され本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします!」

 

ミーナと守はそれぞれ感謝の言葉を言い、そしてミーナがケーキの上に立つロウソクの火を消す。

火を消した途端、皆は、拍手する。

 

「はい!じゃあみんなでケーキを食べようね」

 

 美甘がそう言いケーキを切り分ける。こうしてミーナと守の歓迎会が始まった。

 

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