ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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歓迎会その2

二人の歓迎会が始まりラスメイト達はそこで出されたケーキに舌鼓をうっている中、

 

「ねぇ、ミーナちゃんは何で自分の事を『わし』っていうの?」

 

和住がミーナの一人称に関して、今まで疑問に思っていたのだろう。

此処で彼女に質問をした。

 

「ん?おかしいか?日本の映画を見て覚えたんじゃが?」

 

「仁義がない感じの映画ですね。『あんたは儂らが漕いどる船じゃないの。船が勝手に進める言うなら進んでみぃや!』」

 

幸子がサングラスを取り出し、例の一人芝居をする。すると、

 

「『ささらもさらにしちゃれー!』じゃな」

 

ミーナもそれに乗る。

 

「しかし、上手いなぁこのケーキ」

 

ミーナが再びケーキに口を着けていると、

 

「これ記念品」

 

「貰って」

 

杵﨑姉妹からは紅白の達磨がプレゼントされたミーナ。

 

「お、おう‥ダンケシェーン 」

 

ミーナは達磨にちょっと引きながらも折角のプレゼントと言う事で杵﨑姉妹から紅白の達磨を受け取った。

 

「あの映画シリーズ全部見たんですか?」

 

「見たぞ」

 

「私、四作目が好きで」

 

「おお、あれかあれはええのう」

 

幸子は晴風でやっと話が合う人物が見つかり嬉しそうだった。

 

「マー君はそう言うのを見たことありますか?」

 

と、幸子は守にそう訊くと

 

「俺はそのシリーズは見たことないけど、仁義切りとかは見たかな?(リアルで)」

 

「仁義切り?」

 

守の言葉に皆は首をかしげると和住は

 

「ああ、映画のヤクザが「お控えなすって」とかいうあれ?」

 

「そうそう。あれ」

 

「マー君。それ出来たりする?」

 

姫路が仁義切りをできるかどうか聞くとましろは

 

「さすがにできるわけ・・・・「できるよ」できるのかっ!?」

 

ましろは守が仁義切りできることに驚く。

 

「ちょうどここに晴風[[rb:組 > クラス]]の組長さんいるからやってみる?」

 

「マー君。私、組長じゃなくて艦長なんだけど・・・・でもちょっと見て見たいかな?」

 

「おうおう、見せてくれってんだ!」

 

「私も興味あります」

 

と、みんながそう言うと

 

「ではさっそく・・・・・」

 

守はそう言いコホンと席を立てると明乃に向け中腰の姿勢を取り、右手を明乃に向け伸ばし手の平を上に向けて、片方の手は後ろにまわし

 

「お控えなすって・・・」

 

「え?」

 

いきなり手を差し出され少し驚く明乃だったが、守はつづけた

 

「早速お控え下すってありがとうございます。艦長さんにはお久しゅうございます。手前生国を発しますは大日本。大日本の大江戸の江戸川の者でございます。家業。横須賀女子海洋学校の警備員を務めさせ、宗谷家及び晴風副長宗谷ましろの義弟。性は森。名は守。と申しまするこれからはお世話になりまするゆえ何卒よろしくお願い致します!・・・・・・」

 

「「「・・・・・」」」

 

「ど、どうだったかな?」

 

仁義切りが終わると周りは静まり返る。守は恐る恐るどうだったか訊くと・・・

 

「すごいよマー君!まるで本物みたいだったよ!!」

 

「うん!なんていうか迫力があった!!」

 

と、みんなはそう言う。どうやら守るの仁義切りは大うけのようだった。

誘て幸子やミーナも「今度やってみよう」と小声でそう言っていた。

そしてましろも

 

「私はそう言うのはよくわからなかったけど、まあ、勢いは伝わったぞ?」

 

と、そう言われた。まあいきなり無理もないか。すると幸子が

 

「あ、そう言えばマー君手。確かあれに乗ってきたんですよね?」

 

話題を変えるべく、幸子が指さしたのは後甲板に置かれている二式水戦について質問をすると

 

「あーあれ。私も見た。飛んでいたよね~」

 

「そうそう。あれマー君が操縦していたんでしょ?」

 

「どうやって飛んでいるの!?」

 

と飛行機の存在しないこの世界に生きる彼女たちには守の乗る飛行機に興味津々だ。

 

「え・・・と。その皆さん落ち着いてください。ちゃんと説明しますから一気に言わないでください。俺、聖徳太子じゃないんで」

 

と、困った表情をすると

 

「みんな落ちつけ。それじゃあ守が話せないだろ?取りあえずは順番にだ」

 

と、ましろがみんなにそう言うと、みんな返事をして一人づつ質問をすることになった

 

「ありがとう姉さん」

 

「いいや。気にすることはない。困ってたらお互い様だろ?」

 

と互いに笑い話す二人にみんなは

 

「二人とも仲いいね?」

 

「やっぱり姉弟だからかな?ちょっと妬けちゃう」

 

「でも姉弟というより、ちょっと若夫婦に見えない?」

 

「あ、確かに~」

 

と、こそこそと話していることに二人は気づかなかった。そしてみんなは守の乗ってきた飛行機について質問をし始めた

 

「ねえ、マー君。あの飛行物体ってなんなの?」

 

「あれは飛行機と言って空を飛ぶ乗り物だよ。従来の浮力で浮かぶ飛行船や気球とは違ってプロペラの回転による揚力で飛び立つのさ」

 

「でも、私たちは見たことないよ?」

 

「確かに。それがあったらニュースになってるよ?」

 

「もしかしてブルマーが新開発したのかな?」

 

と、みんなそう話し込む。たしかに気球や飛行船より早く飛ぶ飛行機が登場すればニュースになっているはず。彼女たちが不思議がるのも当たり前だ。

すると次の質問が飛んでくる

 

「あの、その飛行機ってどのくらい速いの?」

 

「飛行機のエンジンの馬力によってさまざまだが俺の乗っている機体は最大時速は560キロは出る」

 

「「「560キロ!?」」」

 

守の言葉に皆は驚き

 

「何それすごく速いじゃん!?」

 

「あれがそんなに早く飛べるの?」

 

と、驚く中、明乃は

 

「560キロって…大体どのくらい速いのマー君?」

 

「そうだな…大体一秒で160メートルの速さで飛ぶかな?」

 

「すごく速いね!?」

 

守の言葉に明乃はどのくらい速いのか理解しさらに驚いた。するとみんなは

 

「ねえ、ねえマー君!あれが飛ぶのを見て見たい!」

 

「私たちも!!」

 

と、守の説明にみんなはあれが飛ぶのを見たいとお願いする

 

「ちょ、ちょとみんな。いきなり言ったらマー君が困るよ?」

 

みんながそう言う中明乃はそう言いなだめようとするが

 

「構わないですよ?」

 

「え?いいのか守?」

 

「ああ。修理も終わったし。ちゃんと飛ぶか試験飛行をしようと思ったから大丈夫だよ姉さん」

 

そう言いニコッと笑う守。そして二式水戦は飛ぶために晴風の魚雷用クレーンで海面に下ろされると

 

「あれ?この前より窓の付いているところ長くなってない?」

 

「あ、本当ぞな」

 

と、秀子と聡子は二式水戦のキャノピーが少し長くなっていることに気が付いた。

 

「ああ、実はさっきブルマーの人にお願いして二人乗りにしてもらったんだよ。まあラバウル仕様かな?」

 

そう実は修理のとき、守は夕張に頼んで二式水戦を二人乗りに改造してもらったのだ。キャノピーを延長して操縦席の後ろにもう一つ、椅子を着けた

 

「じゃあ、私たちも乗れるってこと!?」

 

「そうかな?そうだな第三者の意見も聞きたいし」

 

「じゃあ、私が乗る!」

 

「私も私も!」

 

「ワシも乗りたいぞ!」

 

と、みんな初めての飛行機に乗りたいと守に頼みと、守は

 

「ちょっと待ってくれみんな。申し訳ないけど、先約がいるんだよ。まずはその人からでいいかな?」

 

「先約?」

 

「誰だろう?」

 

とみんなが首をかしげると、守は

 

「姉さん」

 

「え?わたしか!?」

 

先約が自分なのに驚くましろ

 

「ああ。ほら9年前に約束したでしょ?」

 

「9年前・・・・・・・・あ!」

 

守にそう言われましろは9年前のことを思い出す

 

 

 

 

9年前

 

『マー君。これ何?』

 

『これは飛行機だよ。ましろお姉ちゃん』

 

『飛行機?何それ?』

 

『飛行機って、飛行船や気球よりも早い乗り物だよ』

 

『そんなの聞いたことないよマー君?』

 

『ほんとだよ。本当に飛行機は風を切り裂くように速い空飛ぶ乗り物なんだよ』

 

『へ~そうなんだ~。じゃあ、マー君がその飛行機のパイロットっていうのになったら一番初めに?私を乗せてくれる?』

 

『うん。絶対に姉ちゃんを飛行機に乗せるよ!そして見せてあげる空の世界を』

 

『ほんと!?』

 

『うん!約束する』

 

『じゃあ、約束ねマー君』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・覚えてくれていたのか?」

 

「うん。だから。姉さんには飛行機に乗った第一号になってほしいんだよ」

 

「で、でも‥守る。私は元々運が悪いんだ‥‥だから、私が乗ったら多分飛ばないか、飛んでも直ぐに海に堕ちるから‥‥」

 

「大丈夫だってちゃんと整備もしたし」

 

「でも・・・」

 

「姉ちゃんの不幸は俺がしっかりとサポートする!昔から助け合ってきたじゃないか姉さん。だからこいつは飛ぶ。絶対に姉さんを空の世界に連れてってあげるから。だから俺を信じてよ姉さん」

 

「守……分かった。お前を信じるよ守」

 

ましろがそう言うと守はニコッと笑う。こうして守るとましろは二式水戦へと乗ろうとするのであった

 

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