ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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夜中の浮遊物には要注意!

明乃たちが入浴している頃、媛萌と百々、美海は、先の戦闘での損傷確認をしていた。

 

「左舷、フレーム番号135番、垂線付近に20cm×50cmの発光、僅かな重油の漏れを確認!!」

 

「うぇ、結構被害大きいッスぅね!?」

 

美海が上からライトを照らし、媛萌が損傷部分を確認、それを百々が記録する。武蔵の砲弾を浴びて轟沈しなかったのは幸いであったがやはり損傷は激しかった

 

 

そして、入浴をしていた麻侖たちはというと 

 

「あぁ~良い風呂だったなぁ~」

 

入浴を終え、ラムネを飲みながら麻侖は満足そうに戻っていった。そして同じく彼女らと入浴した。明乃、鈴、ミーナも一緒に艦橋へと戻ろうとした時、

 

「武蔵の艦長はお主の友人なのか?」

 

ミーナが武蔵の艦長は明乃の友人なのか訊くと明乃は頷き

 

「うん、幼馴染‥‥昔からの‥‥武蔵に一体何がなったんだろう‥‥どうしたら助けられるんだろう‥‥」

 

明乃がそう言うと

 

「もしかすると我が艦長と同じように一人で船を守ろうとしているのかもしれんな。武蔵の艦長も‥‥」

 

「ミーナさん‥‥」

 

(そうだよね、ミーちゃんだって自分の乗っていた艦が行方不明なんだもんね‥‥そこには当然大切な人だって乗っていた筈‥‥不安を抱えているのは私達だけじゃないんだよね‥‥)

 

「我が艦長は、テアはいつも素早く決断し毅然と行動する素晴らしい艦長じゃ‥‥きっとお主とも気が合うと思うぞ」

 

「私はそんな立派な艦長じゃ‥‥」

 

「いや、十分お主にも素質がある。もっと自信を持て、此処まで艦を引っ張って来たのはお主じゃないか。感謝しておるぞ・・・こうして此処に居られる事に・・・」

 

「そうだよ!・・・逃げ逃げだった私だって、頑張ろうって思ったし・・・」

 

ミーナと鈴がそう言うと

 

「それを言うのなら。岬艦長が拾ってくれなければ、俺も海の上で漂流しそのまま死んでいたよ」

 

と、そこへタオルを持った守がやってきた

 

「マー君」

 

「艦長が拾ってくれなければ姉さんに再会することもなかったしな。感謝してもしきれないよ」

 

守はそう言うが明乃はなぜか晴れない顔をしていた

 

「ん?どうした?」

 

その様子を気にしてか、ミーナが声をかける。

 

「あっ、いや、なんでもないよ」

 

「そうか?だが、艦長が不安になれば、艦内全ての乗員が不安になる。だからいつも艦長は、その不安を胸に押し隠し、一人で全てを背負う‥‥我が艦長はそう言っておった‥‥」

 

「一人で背負う‥‥か‥‥」

 

と少し不安げに言うと守は

 

「何も全部一人で背負う必要はないと思いますよ?」

 

「え?」

 

「人間一人じゃ限界がある。もしつらいときは仲間を頼ればいい。それに艦長。艦長の航海は始まったばかりじゃないですか。最初はそれでいい。この大きな海でいろんなことを学んでその経験で立派な艦長になればいいですよ・・・艦長にだっていろいろな人がいるんですから。岬艦長は岬艦長の信念貫いて後悔のない決断をすればいいですよ」

 

「後悔のない・・・・決断?」

 

「ああ・・・・俺は艦長さんならで来ますよ。みんなと力を合わせれば」

 

「マー君・・・・ありがとう」

 

守の言葉に明乃は礼を言うと鈴は

 

「そう言えば、マー君は何でここに?」

 

「ああ。後部甲板の二式水戦の様子を見るついでにシャワーでも浴びろうかと思ってね」

 

「あ、そうか。マー君も濡れていたもんね。ごめんね」

 

「いやいや。夏の暑い日でしたから丁度涼めましたよ」

 

「そ、そう・・・あ、お風呂あがったから次は言っていいよ。次の人が入るのまだ先だから」

 

「そうですか。じゃあお言葉に甘えて」

 

そう言い守は明乃と別れた。そしては浴室へと入り、ドアには《男子使用中》という立札を立てて湯船へと入るのだった

湯に浸かりながら守は

 

「(人望・・・・あるじゃないですかあの艦長さん。姉さんと艦長さんは互いにいいコンビになりそうだけど、あの状態じゃ・・・・どうにかできないかな・・・)」

 

そう考えながら守。そして武蔵について考えていた

 

「(シュペーに続いて武蔵も謎の反乱。もし反乱であるなら反乱を起こした側から何かに要求が出るはず。だがそれが出ない。しかも武蔵の艦長は発光信号で「原因不明」って言っていた。これは何かの陰謀を感じるな…学校の生徒じゃわからない何かが動いているのかもしれないな・・・・・)」

 

いろいろ考えても答えが出ない自問自答を繰り返しながら守は湯につかり汗を流すのであった

 

 

 

 

 

艦橋へ戻った明乃であるが、やはりましろの姿を見てちょっと気まずくなる。

それはましろの方も同じでちょっと気まずそうだ。

そこへ、

 

「あの、艦長。ちょっといいですか?」

 

通信長の鶫が艦橋へと上がって来て、明乃に声をかける。

 

「どうしたの?」

 

「さっきから全然通信が入らないんだけど艦内から微弱な電波を拾っていて‥‥」

 

「携帯じゃないの?」

 

晴風の通信機器以外の電波と言う事でクラスメイトの携帯かと思い西崎が尋ねるが、

 

「ううん、違うんだよね~?」

 

鶫が言うには携帯やラジオの電波ではない様だ。

 

「調べる必要があるね・・・・・シロちゃ・・・副長、後は、お願い」

 

「は・・・・・はい」

 

明乃は、気まずいながら、ましろに留守を任せる。こうして、明乃は、鶫の案内の下、謎の微弱な電波が流れている場所へと向かう。

そして何故か、五十六を抱いた志摩もついて行く。

その途中、楓と慧も合流し、鶫がダウジングを使って、謎の微弱な電波の発生箇所へと皆を導く。

 

「それでお分かりになりますの?」

 

楓がダウジングを興味深そうに見る。ちなみにダウジングとは、地下水や貴金属の鉱脈など隠れた物を、棒や振り子などの装置の動きによって発見できると謳う手法のことである

 

「無理でしょう・・・そんなので電波が拾えたら‥‥」

 

貴金属や鉱脈を探知する方法では電波なんて拾えるわけがないと慧が否定すると・・・・・・

 

「あっ!?こっち!」

 

『えっ?』

 

突然、鶫の持つダウジングが反応する。その反応先は・・・・・

 

「此処?」

 

何と反応先は、晴風の医務室だった。5人は恐る恐るドアをそっと開け中をのぞいてみると・・・・・

 

「うふふふ‥‥」

 

スタンドライトの灯りだけを灯し、怪しい笑みを浮かべ、あのハムスターに似た小動物を解剖しようとしている美波の姿があった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

その姿を見た慧は思わず絶叫する。

 

「あら、おばけですわ?」

 

楓はお化けと言う割には落ち着いた口調で言う

 

「いや、あれは美波さんだから・・・」

 

明乃が、冷静にツッコミを入れる。すると、開けられた医務室へもう一匹、ハムスターに似た小動物が入って来た。

 

「むっ?」

 

美波とハムスターに似た小動物が睨み合っていると、立石が抱いていた五十六の目も光り、眼前のハムスターに似た小動物へと襲いかかる。

死闘の末、マウスは、五十六に捕獲され、明乃の前に引き出された。

 

「ちび可愛・・・・・」

 

「五十六すごいね!ネズミ捕まえたんだ!あれ?色が違う‥‥」

 

明乃が五十六が捕まえたハムスターに似た小動物へと手を伸ばそうとすると、

 

「触るな。それはネズミではない」

 

美波がそれに待ったをかけた。その直後、

 

「通信回復しました!」

 

「電探復活!これでなんでも見えます」

 

「周辺の音がよく聞こえています」

 

全ての機能不全を起こしていた電子機器が機能を回復したと報告が続々と上がり始めた。

 

「え!?ひょっとして・・・」

 

報告を聞いた明乃は、今捕まえたマウスが原因なのかとマウスを見る。

 

「如何やらコイツが原因だった様だな!」

 

美波も明乃と同じ、このマウスが電波障害の原因だったと指摘する。

 

「これ何なの?」

 

明乃は、このマウスは、一体何なのか美波に問う。

 

「遺伝子構造が鼠とは、僅かに異なっていて、更に何者かに細工された形跡があった」

 

「細工?」

 

「異常な電波を発し計器を狂わせるだけじゃなく人間の脳波にある思考を植え付け洗脳し暴走させる・・・・それが砲術長が前に暴走した真相だ」

 

「洗脳・・・・」

 

「うぃ・・・・」

 

洗脳という言葉に志摩は震え

 

「だが、誰がそんなことを・・・・・」

 

「それはわからない。ただ言えることは砲術長が暴れたのも電子機器が故障したのもそいつが原因の可能性がある」

 

「じゃあそれを調べれば、対策を立てられる?」

 

「可能性はある」

 

「五十六凄い!!お手柄だよ!!」

 

真っ先にマウスが原因だと発見した五十六を明乃は、大いに褒め。

 

「今日から提督って呼ぼう!!」

 

更に五十六を大艦長から提督に昇進させる。

 

「大!!」

 

「大提督!」

 

しかも提督より上の大提督だった。

 

「勝手に提督とか付けたら不味くないですか?」

 

二人の言葉に幸子がそう言うと

 

「じゃあ、元帥はどうだ?」

 

「あ、マー君。お風呂あがったんだ」

 

と、いつの間に風呂を終えた守が立っていた。

 

「それよりどうしたの?五十六が昇進したみたいだけど?」

 

「ああ…実はね・・・・」

 

明乃は守に事の敬意を話すと守は

 

「う~ん・・・・ということは人工的に作られた物か・・・いったい誰が」

 

そう思う守は不意にナチスのことが頭をよぎったが

 

「(いいや…あり得ない。この世界ではナチスは生まれていない。ヒトラーも画家で親衛隊のヒムラーも養鶏場の主で生涯を閉じている。そんな世界にナチスがいるわけが・・・・いや、でもこの前ナチスの潜水艦に襲われたな・・・・今はまだわからないことだらけだな・・・・)」

 

そう考える中、ましろが

 

「それより学校に報告が先だろう!!」

 

と、指摘した瞬間、見張り所にいる野間が

 

「前方右舷方向に浮遊物‥‥っ!?機雷です!!」

 

野間が晴風の針路上に機雷がある事を報告する。しかも一つだけじゃない無数にばらまかれていたのだ

晴風は、電子機器が今まで不調を起こしていたので、知らないうちに機雷原のど真ん中に迷い込んだのだ。

 

「取舵一杯!!全速後進!!」

 

明乃は、直ぐに回避するよう指示する。

 

「と、取舵一杯!!」

 

鈴は、左に舵を切って、回避行動をする。

だが、時遅く機雷は、晴風の右舷に命中した。

 

『右舷にて爆発!!』

 

「被害報告!!」

 

ましろが機雷爆発の被害報告を知らせるよう命じる。だが幸いにも浸水や沈没する事はなかった。

こうして機雷に囲まれた晴風は身動きが取れなくなってしまうのであった

 

 

 

 

 

 

 

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