「それで?晴風のという駆逐艦の動きはどうなっている?」
とある場所でナチス将校のゾル大佐が兵士に訊く。彼女らはある兵器を探していた。そして例の武蔵の暴走や他の艦が行方不明になったことをブルーマーメイドに潜入している兵たちから聞いたゾルは生物兵器捜索を止め、本来の作戦を実行しつつ晴風の様子を探っていた
「ブルーマーメイドの探知地図をジャックし、確認しましたが、これと言って動きはありません」
「例の兵器に搭載したレーダーの反応はどうだ?」
「他の感染した艦は、反応あり、そしてこちらの思うままにコントロールは出来ています。ただ・・・晴風は反応が微弱になっています。恐らく洗脳波を遮断する箱か何かに入れられている可能性が・・・・」
「あれがただの生物じゃないと気づいたのか?となると厄介だ・・・・」
「どうしますか?始末しますか?」
「今ある武装は何だ?」
「この前のUボートは出た切り消息不明。今あるのは魚雷艇のs100二隻と試作の水上戦闘機一機と
「ならば…丁度いいのがある」
「はい?」
「晴風には例の計画の標的艦になってもらう・・・・・」
「・・・・なるほど。了解しました。直ちに晴風に距離の近い戦闘艦を晴風に向かうようにコントロールします」
「うむ・・・・それとだ。ブルーマーメイドに潜入している工作員にも伝えろ何か動きがあれが独自の判断で始末しろ・・・と」
「了解いたしました大佐」
と、二人がは話す中・・・・
「・・・・・・・・」
誰かがその話を盗み聞きしていたのだった
一方、その頃晴風では
守がましろに自分の世界を話した後、二人の関係はそのままだった。そして二人の話を聞いていた晴風のみんなもいつもと同じように守に接していた。ある時は機関科のマロンと一緒に機械いじり、ミーナさんや幸子さんに仁義切りについて質問されたりとしたりと、いつもの日常だった
だが、ある事件が晴風を襲った
4月22日 20:30
マリアナ沖
晴風、大浴場
それは、砲雷科の光、美千留、順子、楓、理都子、果代子の6人が、入浴している時だった。
「くうう・・・・!!」
「んふふ・・・」
「気持いー!!」
「全方位、泡わだね・・・」
「ああもう髪の毛ギシギシ!!」
光、美千留、順子が気持ち良さそうにシャワーを浴び、果代子が辺りが泡わだと言いながら、隣では、理都子が自分の髪がギシギシになったのを気にしていた。そんな時
「はあ・・・・ん!?・・・これは・・・」
光、美千留、順子と同じくシャワーを浴びていた楓は、ある事に気づく。
「まりこう、如何したの?」
何かに気づいた楓に如何したかと問う光。すると、楓は、シャワーを浴びるのを止め、タオルを体に巻いて
「お無くなりになります…」
そう呟くと、シャワーからお湯が出なくなった。
「ま…まさか…」
光は、震えながら、お湯が無くなったのに気づく。この日から晴風は、深刻な水不足になったのだ。
その頃、艦橋では、守と明乃達が海図と睨めっこをしていた。
「マークされたのが、武蔵が目撃された位置です」
海図の上には武蔵の目撃地点に印がされているが、法則性がなく、どの位置に居るかは、不明であった。
「何所へ向かうつもりなのかな・・・?」
「んん・・私の推測ですが、本土に近づきたいのかも…」
「本土に近づいてどうするつもりなんだ?む・・・・情報が少ないから何とも言えないな・・・・」
「学校からは、武蔵を追いかけろって言われたんだよね!」
「救援部隊が出てるとは言え、現在、確実に連絡が取れて、直ぐに動ける艦が我々しかないらしい‥‥」
ましろが今の状況を説明する。その他の艦艇は、武蔵以外の行方不明の艦艇を捜索中で、今現在、直ぐに動ける艦は、晴風のみだった。
「あぁ~あ、美波さんが言っていた通り、皆あのネズミっぽいのに如何にかされちゃったのかな?」
「恐らくはそうかもしれないな・・・・・それに」
そう言うと守は何か考え込む
「(まさかと思うが・・・・ナチスらもこの世界に来ているのか?前のUボートも奴らの艦だったし・・・・そうだとしたら)」
「守?どうしたんだ?」
「マー君?」
守の考え込む表情を見てましろと明乃は心配そうに訊く
「え?」
「少し怖い顔をしていたよ?どうしたの?」
「守・・・まさかと思うが何か心当たりがあるのか?」
ましろが訊くと守は
「いや・・・・ちょっと引っかかったことがあったけど多分。俺の気のせいだと思う・・・・」
「そうなのか?本当に大丈夫なのか?」
「ああ。今のところはねまだ確定できないから」
守はましろにそう言うと幸子が
「とりあえずは、この海域で捜索してみるしかないですね?」
と言う事で取り合えずは、この海域で武蔵を捜索する事になった。
そんな中、お風呂に入っていた光達からシャワーが止まったと言う連絡が入り、知らせを受けた守と明乃、ましろ、幸子、応急委員の媛萌、百々が艦底の貯水タンク室に向かう。
晴風、貯水タンク室
貯水タンク室に付き、媛萌と百々は、タンクの残水量を確認する。
すると、タンクの残り残水量がかなり減っていた。
「艦長・・・!!異常見当たりません・・・タンクの修理はした筈なんだけど・・・」
「まだ何処からか漏れてた見たいッス!」
武蔵との戦闘後、貯水タンクの修理はしたものの、何処かで水が漏れてた様だ。
更に運が悪く蒸留装置も今は不調で海水からの蒸留が出来ない状態となっている。
「補給を要請するしかないですね、かんちょ・・・」
「うん…そうだね・・・」
2人の関係は、まだ修復できていない様で、ぎこちなくどこか気まずい雰囲気だった。その様子を横で見ていた守は、2人を心配そうに見つめる
「はぁ・・・補給艦との合流は五日後です」
「それまでは節水だな‥‥」
「だねトイレやお風呂、洗濯に使う生活水は海水をそのまま使用し、食器は紙皿や紙コップ、割り箸を使い、出来るだけ真水を使わない様にした方がいいですね」
ましろの言葉に守は頷いて言う。水の一滴は血の一滴というくらい海上や砂漠での水は大切なものである。
残念ながら、補給艦と合流できるのは5日後でそれまで水は、持たないだろう。
となるとやる事は、水の使用量を減らす事、つまり節水である。
「納沙さん、周辺の天気で雨雲がないかを調べて」
「わかりました」
こうして五日間の節水生活が始まった。
「あぁ~喉乾いた~」
医務室のベッドで勝田が横になりながら愚痴る。
「ラムネを飲めばよかろう」
美波はパソコンを打ちながらあっさりと勝田の愚痴を返す。
「もう飽きたぞな~」
「そうか」
「太るしね~」
慧はラムネを大量に飲まない理由を話す。やはり、年頃の乙女、体重は気にするのだ。
「お水を使わないメニューってあったかな?」
講義室では、青木、和住、みかん、杵﨑姉妹が節水を呼び掛けるポスターや貼り紙を作っていた。
「そう言えばトイレはどうなるの?」
「えっ?もしかしてトイレ禁止?」
杵﨑姉妹がトイレの問題を心配をする。
「トイレ流すのは海水を使うみたい」
「そうなんだ」
和住がトイレは問題なく使用できる事を伝える。
「あんなにトイレットペーパー買い込んだのに‥‥」
オーシャンモールでトイレットペーパーを買い込んだのが何だか無駄になった気分だった。
そして出来上がったポスターや貼り紙を艦内に貼りに行ったら・・・
「誰だ!塩水使ったのは!出てこい!どいつだ!」
まだ艦内に海水を使用する連絡が行き届いていなかったみたいで、ウォシュレットを使った黒木のデリケートゾーンに海水は合わなかったみたいで黒木はトイレの中から怒声をあげる。
洋美の怒声を聞いた媛萌は、ヤバイ表情をする。
海水使用の被害はトイレを使った黒木以外でも‥‥
「クロちゃんの話聞いた?」
「うぃ」
風呂に入る為、服を脱いだ西崎と立石。
すると、風呂の扉には、
『本日より浴槽とシャワーは海水を使用」
と書かれた貼り紙があった。
「あっちゃ~」
「うぅ~」
「三日ぶりなのに…洗うべきか?洗わざるべきか?」
海水が使われている為、風呂を諦めるか?
しかし、三日も待ったので、身体や頭を洗いたい。
そして、二人が下した決断は‥‥
「‥‥」ボサボサッ・・・
「‥‥」ボサボサッ・・・
「なんじゃ?その頭は?」
食堂で西崎と立石が爆発した頭で無言のままラムネを飲んでおり、何故頭が爆発しているのか怪しんだミーナが二人に尋ねる。
二人は海水だがやはり三日ぶりの風呂への誘惑には勝てずに海水風呂へと入った。その結果、爆発頭になってしまったというわけだった。
「見事に爆発しちゃったね」
「うん」
ただ、海水が二人の髪に合わなかったみたいで二人の髪の毛はボサボサとなった。
そんな二人の横を‥‥
「髪は女の命ですのに‥‥」
同じ海水を使用した筈なのに楓の髪はちっとも痛んでいなかった。
「キラキラ‥‥」
「あれ?なんで?」
「知るか!!」
全く痛んでいない楓の髪を西崎と立石は信じられないモノを見たように見ていた。
「鯖の水煮にトマトの水煮~」
「ミックスベジタブルにカンパン‥‥」
「見事な缶詰料理だな~おい」
「贅沢言わない」
「まっ、しょうがないよ」
「食べよう」
「一雨降らねぇかな?」
「もう限界だよ~」
食事に関してもなるべく水を使わない料理‥‥というか缶詰が提供された。
とは言え、何も食べれない状況より遥かにマシなので、機関科のクラスメイト達は割り切って缶詰め料理を食べた。
そんな中、
「どうしよう…」
「パンツが潮の香りってイヤだよね…」
「うん」
「なんかね‥‥」
洗濯室でも洗濯には海水を使用しているので、衣類‥とくに下着を洗濯に出す事を嫌悪したり躊躇ったりするクラスメイトも居た。
そんな中、晴風の生徒達が海水で苦労しているのに、守は、難なく海水を利用している。
例えば、自分の服や下着の洗濯は、洗濯機を使わず、甲板で、たらいに海水を入れて、洗濯をするし、また、入浴など海水なのに平気で入浴する
そんな守を皆は、『なぜ、マー君は、平気なんだろう』『やっぱり異世界の軍人さんだからかな?』だと思うが、守が食堂室で缶詰め料理を平気で食べてると機関科の4人が・・・
「ねえ、マー君」
「ん?・・・如何したの?」
「皆が苦労しているのにマー君だけ、何でそんなに平気なの?」
留奈が隣で食べている守にそう訊くと守は少し考え、
「元居た世界で俺は空母・・・・軍艦に勤務していたことがあったんだけど、必要な水以外は洗濯や風呂は全部海水だったよ。それに海上生活・・・・特に長期任務の際は水は貴重だからね。必要な時にしか使わない決りだったしな」
「え?なんで?」
「それは、任務や活動が長い時だと、いざ必要な時に、無かったら大変だろ?」
「でもその時は補給すればいいじゃない?」
「平時ならまだしも、あの頃は戦争中だったし、いつ敵の潜水艦か航空機の攻撃に会うかわからなかったからな。本当に『水の一滴は血の一滴』ていう状態だったよ・・・・・もし無断で水を無駄に使ったら男女構わず、拳骨が飛んでくるよ」
と、守が乾いた笑みでそう言うとみんなは苦笑してしまう。
「うわぁ・・・拳骨は、嫌だな・・・」
「さすがは軍人殿・・・説得力があるわね」
留奈はそう言い空も拳骨されることを想像して嫌な表情をする。
「それじゃあ、缶詰なんかも平気なの?」
「これよりもっとひどい食事をした時があった。それに比べれば・・・・ね」
「これよりってどんな?」
「あ~それは聞かない方がいい。明るい人生を送りたいのなら」
「それほどひどいの!?」
麗央の質問に守が答えると瑠奈は驚いた表情でそう言った
守はラバウルの激戦で食料の補給が届かなかった出来事を思い出した。あの頃はナチスの勢力が拡大し、輸送船や輸送機がラバウルに来ることができず一か月以上、食糧難が起きたことがあった。その時は現地調達をしていた海岸で魚が取れるのはまだいい方だったが、それがない場合は蛇やカエルや野ネズミを見つけて調理したことがあったがそれはまだましな方だったが・・・・・
「(さすがにコックローチのソテー食ったことは言わない方がいい…いや、絶対に言わない方がいいな・・・・・)」
昔のことを思い出しながら守は缶詰の鯖の水煮を食べてるのだった・・・・