ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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追憶の若鷲2「パイロット・ハンター パート2」

狙撃兵に案内された場所は大きな大木の下にある穴だった。

その中に入ると

 

「・・・・何だよこれは」

 

中にあったのは、たくさんの武器弾薬だった

 

「小銃は愚か、野砲まである・・・・・」

 

「海岸へ泳ぎ着いたら小銃と弾薬だけ乗せたボートが漂着したんだ。他には敵さんの分捕ったものもある」

 

狙撃兵の言葉に俺は目を凝らしてみると確かに、中にはドイツの銃器や対戦車砲まで置いてあった

だが、俺が見つけたのはそれだけじゃない棚みたいなところにたくさん並べてある飛行帽だった

 

「これは・・・・」

 

「敵の戦利品だ・・・・・飛行機乗りは生かしてはおけない・・・・・・・味方でなければ貴様も殺す所だ。本当は殺したくて殺したくてしょうがないんだ。たかが百キロなんて軽はずみに言う感覚の持ち主だからな空を飛ぶ連中は・・・・・ほら食え」

 

憎々しげに俺に言うのと同時に飯盒で炊いたご飯と缶詰を渡す

 

「・・・いただきます」

 

俺は狙撃兵に礼を言い食べると狙撃兵はハンモックに寝っ転がり皮肉そうに

 

「あんたらは爆弾を落とすときどんな気持ちだ?泥の上を二本の足で必死に逃げる人間の辛さが貴様にはわかるか?なあ小僧よ」

 

「俺は戦闘機乗りだからまだ対地、対艦爆撃はまだしていないよ・・・・・だが、飛行機から脱出した時、パラシュート降下中に敵に撃たれたことはあったな」

 

そう俺は返事をした。そう俺は何回かパラシュート降下中に討たれたことが多々あった。パラシュートで降下しているときは無抵抗だ向こうからすればふわふわ浮いているパラシュートなどいい的だ。そんな恐怖を俺は体験している

俺の心情をよそに狙撃兵は上を見上げ

 

「いいよな…おめえら航空兵ってやつは。果てしない高い空へ飛べて椅子に座って戦争ができて、椅子に座ったまま敵のところに行ってそして椅子に座ったまま帰れるんだからよ・・・・・」

 

そう言う狙撃兵は自分の狙撃銃を胸に抱き

 

「本当にいつも空から見て羨ましかったよ…羨ましくって羨ましくって仕方なかった・・・・だが、その羨ましいやつに俺の乗る船は撃沈された・・・・てきの羨ましいやつのせいで、みんな死んだんだ・・・・・もう三年以上も前だ・・・・」

 

そう言う狙撃兵の顔はどことなく悲しそうだった

 

「三年間も一人でいたのか・・・・」

 

狙撃兵の言葉に守はそれ以上何も言えなかった。三年間・・・・言葉で言うなら短く聞こえるが実際は遥かに長い時間だ。そんな時間を彼は一人でここにいたのかと。どんな思いか守には想像できなかった。

 

「「っ!?」」

 

すると外で大きな音が聞こえた。二人が外に出ると音は空から聞こえた。上を見上げると一機の飛行機が煙を吐いて墜落するのが見えた

 

「あれは・・・・ナチのメッサーシュミットだな」

 

守がそう言うとメッサーシュミットから人が飛び降りてパラシュート降下するのが見えた。

 

「ふん…おい見ろ。羨ましいのがまた降りてきた・・・・・」

 

そう言うと狙撃兵は狙撃銃を手に取る。守は

 

「俺もついてっていいか?小銃ぐらいなら訓練で撃ってたからできる」

 

「むやみに撃たれても困る・・・・・それと照準眼鏡の付いたやつには触るなよ。俺が苦心して調整したんだからな」

 

「わ、分かった」

 

そう言い守は、照準眼鏡の付いていない九九式短小銃を手にし、狙撃兵とともに敵兵が降りて行った場所へと向かう。すると気につるされたパラシュートを見つけた

 

「・・・近くだな。ここに居ろよ・・・・いいかむやみに撃つんじゃないぞ?」

 

狙撃兵に念を押され、守はその場に隠れた。すると目の前の草むらがガサガサと揺れ始めたと思ったら、数十メートル先に敵兵が顔を出し、守は驚いて思わず撃ってしまった。しかし小柄な守に対し九九式小銃の反動が強かったせいか体が反動に耐えきれずに大きくぶれ弾は外れ敵兵は草むらの中に隠れてしまった

 

「バカヤロっ!だからむやみに撃つなと言ったのに!!」

 

狙撃兵は守に怒る。そしてため息をつき

 

「はぁ・・・・やれやれ。これで敵も迂闊に動かなくなるな・・・・」

 

「俺が言うのもなんだけど、引き上げた方がいいんじゃないか?」

 

「動いたら負けだ」

 

「だが、敵が住処を見つけて武器を見つけたら・・・・?」

 

「・・・・それもそうだな。あそこには迫撃砲もあるからな・・・・ゆっくり歩け。音を立てるなよ」

 

そう言い二人は茂みの中を静かに歩く

 

「簡単には見つからないと思うけどな・・・・・・」

 

そう呟く狙撃兵だが、突如焼け焦げた匂いとパチパチと何かが燃える音がし始める。すると先ほどまでいた住処の大木が燃えているではないか

 

「しまったっ!?」

 

狙撃兵がそう言った瞬間、弾薬に引火したのか大木は爆発し、まるで花火のようにヒュルル、ヒュルル~と花火のような音を上げた。爆発時に伏せていた守と狙撃兵。そして隠れ家が跡形もなくなくなるのを見た狙撃兵は

 

「あんまり弾幕を貯めておくもんじゃないな・・・・・残った財産は体につけた弾薬だけか・・・・・おおむね百六十発ほどか…くそっ!!」

 

悪態つく狙撃兵。すると守はホルスターから拳銃を抜き立ち上がる。

 

「ん?どうしたんだ小僧?」

 

狙撃兵がそう言うと守の前に例の敵搭乗員が拳銃を持って立っていた

それを見た狙撃兵は

 

「ほぉ・・・こりゃ面白い、両方とも自動拳銃だ。やれよ。見ててやるぜ。お前が殺れたら、俺が奴を倒す。両方共とも相打ちで死んだら…まあそれでもいいな。両者ともパイロットだ。両方死ねばありがたい」

 

「「・・・・・」」

 

そう言う狙撃兵に対し両者には緊張が走り守はコルトガバメント。敵兵はルガーP08をぎゅっと握る。それはまるで西部劇のガンマンの決闘のようだった

そして二人はたがいに銃を向けて発砲。二つの銃声がジャングルの中に響き渡った。

そして銃弾に倒れたのは・・・・・・

 

 

敵の方だった

 

それを見た狙撃兵は

 

「銃を抜くのはあいつの方が早かった。だがあいつの弾丸は当たらずお前の弾丸は当たった・・・・コルトかルガー。どちらかと言えば命中精度はルガーの方が上だ、至近距離ではお前は死んでいただが、距離が離れれば、精度の他に射撃手の腕が必要となる。お前の方が敵よりも腕がよかったから。あんたは死なずに済んだんだ」

そう言う狙撃兵は倒れた敵兵を見る

 

「くそっ!こいつのせいで俺の財産がこれだけになっちまったよ。戦車が押しかけてもやれるぐらいの武器があったのに、せっかく集めた食料も含めてみんな吹っ飛んだ」

 

悔しげに言う狙撃兵に対し守は

 

「俺は・・・・百キロ歩いて友軍のところに行くよ・・・・君も来ないか?」

 

「どこへ行っても同じだ。ここに残る。それにここは飛行機のよく落ちるところだ。こんな楽しい狩場はないよ・・・・・で、あんたはいくのか?」

 

「ああ・・・・」

 

「じゃあ、俺の拳銃とお前の拳銃。換えてくれないか?できるだけいいのを持ちたい」

 

狙撃兵は拳銃の入ったホルスターを守に渡す守は自分の拳銃とホルスターを狙撃兵に渡す

 

「こんなんで良ければ・・・・」

 

「こんなの・それはどういう意味だ?」

 

守の言葉に狙撃兵は少し顔をしかめると守は

 

「今は規定で大戦時の物だけど。もしそれがなければもっといい拳銃や狙撃銃を渡したいと思っただけだよ」

 

とそう言うと狙撃兵はむっとした表情になり

 

「いまさらそんなこと言ったってしょうがないだろ!どんな銃も俺には関係ない!旧式だろうが新式だろうが、この九九式とガバメントが、俺にとって最高の武器だ!世界一と信じているんだ!!意地でも信じているからここにいる!いまさら協定の話などしても仕方がないんだ!」

 

そう言うと狙撃兵は99式狙撃銃を手に持ち上げ

 

「いいか!!これはこの世界の中で一番いい銃だ!一番優れた小銃だ!!俺にはこれしかないんだ!だからこれば一番いいんだ!!」

 

今までにない自信に満ちそして大声を上げる狙撃兵に守は

 

「そうか・・・・すまない。じゃあ、俺はいくよ・・・・達者でな」

 

そう言い守は立ち去ると狙撃兵は後ろで

 

「いいか!また飛行機が変になっても二度とここへは下りてくるなよ!!あんたが生きてたせいで俺の手順が狂った!今度降りてきたのがあんたでも撃つかもしれないぞ!!」

 

そう狙撃兵は叫ぶが守はただ黙って歩くだけだったそして狙撃兵はボルトを動かし

 

「俺の射程距離は千メートルだ・・・・・」

 

そう言い守をじっと見る。そして撃たれた敵兵を見るがそこには飛行帽だけだった

 

「しまった・・・・死んではいなかったのか?」

 

そう言うと狙撃兵はどこかへと消えた。そして例の敵兵は腕を押さえながらそばにあった木の棒を拾いこっそりと守に近づいていた。その様子を木の上に登って照準眼鏡で見ていたものがいた

 

「ちっ…あの小僧足が速いな。もう千メートル超えやがったか・・・」

 

照準眼鏡で守を狙っていた狙撃兵は悪態つき代わりに守に背後から近づく敵兵を捕らえ・・・・そして引き金を引いた。そして彼の放った鈍色の7.7ミリ弾は守を襲おうとした敵兵に命中した

 

「っ!?」

 

敵がうめき声をあげた折れることに守は驚き後ろ見るとそこには眉間に穴を開け死んだ敵の搭乗員がいた。そして気の上では

 

「新記録だ・・・・・・あんたにはわかるだろ?」

 

狙撃兵はそう言い鉄帽を脱いだ。その顔は守と歳の変わらない少年であった。

 

「・・・・・・・」

 

守は何か思ったのか暫く黙ってその場に立っていたが、その後再び仲間のいる百キロ先へと歩き始めるのであった

 

 

 

 

 

 

数日後、仲間のところへ戻った守は元の基地に戻りまた二式水戦で哨戒任務についていた。そして数日前に落ちた地点の近くまで来ると。上空から

 

「おい、エーリッヒ!左下の方にヤップの水上偵察機がいるぞ!叩き落してやるぜ!!」

 

と、二機のメッサーシュミットが守の乗る二式水戦を見つけそのうちの一機が急降下するともう一機が

 

「おい!ヴェルター!馬鹿よせ!そいつは偵察機じゃないぞ!ルーフだ!ゼロにフロートを付けた戦闘機だぞ!!」

 

相方が止めるがそれを聞かずに二式水戦へ襲い掛かる。しかし二式水戦は小回りを利かせ相手の背後を取り、銃撃する。そしてメッサーシュミットは二式水戦の銃弾で火を噴いた

 

「エーリッヒ!助けてくれ!!やられた、もうコントロールができない!!・・・脱出する!!」

 

そう言いパイロットは脱出する中、相方は

 

「そいつはプロだ!プロの乗った戦闘機を相手にする奴はバカだ!悪いが助けに行けない神に祈れ!!」

 

そう言いメッサーシュミットは逃げていくのだった。そして脱出したパイロットのパラシュートが開いた。だが、近くの島でその操縦手を狙う者がいた

 

「・・・・・・」

 

引き金を引きはなたれた弾丸はパラシュート降下中のパイロットの額に命中し、パイロットは絶命した。それを見た守は狙撃兵のいる島を見つめ

 

「・・・・・・死ぬなよ」

 

と、一声入れ、その空域を後にするのだった 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴風艦内

 

「と、まあこんなことがあったんだよ」

 

「へ~そんな凄腕の人がいたんだ・・・・・」

 

守が話し終えると光が少し驚いてそう言うと順子が

 

「ねえ、マー君。その狙撃兵さんとはまた会ったの?」

 

「いや。会ってないな・・・・もしあったら今頃撃たれてるかもしれないし・・・・・ただ言えることは」

 

守は上を見上げ

 

「あの狙撃兵は・・・・・今でも空を睨んでいるかもしれないね」

 

と、そう答えるのだった

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