ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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海鷲の城

4月26日

トラック諸島沖、ピケロット島環礁

武蔵を捜索していた晴風は、トラック諸島沖を航行している途中、守の二式水戦による偵察飛行にて、行方不明だった比叡と遭遇する。

比叡がトラック諸島に向かっていると分かり晴風は、単独で比叡のトラック侵入を阻止、座礁させる事に成功した。

偵察飛行の際守は比叡から銃撃を受け脇腹に怪我を負ったがましろの輸血により一命をとりとめることができた。

その後遅れてきたブルーマーメイドにより比叡は、完全に制圧されたのだった

 

「比叡は、他の支援隊が後の面倒を見る事になった。」

 

座礁した比叡は、後から来るブルーマーメイドの別働隊に任せる事になった。

 

「よろしくお願いします。」

 

真冬に対し、明乃は深く頭を下げる。

 

「でだ、我々は、引き続き、武蔵以外の不明艦捜索を続ける・・・お前達は如何するきだ?」

 

真冬は、このまま武蔵捜索を続けるが、明乃達は、如何するのか問う。

 

「如何しますか、艦長?」

 

「学校からの指示は、武蔵探索です・・・皆の異存が無ければ、そのまま続けたいと思います。」

 

明乃は、晴風の生徒全員の異存がなければ、このまま武蔵捜索を続けると言う。

 

「へっ!よ~し、よく言った!・・・唯無理は、しない様に、無理だっと思ったら、我々に連絡を入れって、避難しろ!・・・本来これは、私達ブルーマーメイドの仕事だからな!」

 

「はい!」

 

明乃は元気よく返事をし頷く真冬。そして真冬は守を見て

 

「それで守。お前はどうする?今なら姉ちゃんと一緒に来るか?近くの病院まで運ぶぞ?」

 

真冬は心配そうに守を見る。守は比叡に遭遇した時に脇腹に銃弾を喰らっていた。美波さんの治療で元気ではいるものの、やはり病院でもう一度見てもらった方がいいと促すのだが、

守は首を横に振り

 

「いいや。俺は晴風に残るよ・・・・」

 

「守・・・」

 

守の返事にましろは心配そうに言うと守は

 

「なんだか今はここは慣れちゃいけないと思ってさ。それに」

 

そう言うと守は手紙を出し

 

「これのこともあるしね」

 

と、そう言うと真冬は

 

「そうか・・・・・わかった。そこまで言うなら止めねえよ。ただ・・・」

 

そう言うと、真冬は守とましろを抱きしめ

 

「二人とも無茶だけはするな。無事にみんなで横須賀に戻ろう・・・そして9年前のように一緒に過ごそうな」

 

「姉さん・・・・」

 

「真冬姉・・・・」

 

真冬もましろ同様に守を心配しそして妹であるましろのことを心配してそう言った。それはいつもの破天荒さはなく。ただ家族を心配する一人の姉としての表情だった

そんな真冬に二人は嬉しい気持ちになっていた

その時

 

「艦長!」

 

「ん?」

 

通信員の鶫が突然、スマホを持って、此方に駆け込んできた。

 

「広域通信に正体不明の大型艦目撃情報が複数入っています!!」

 

鶫がスマホで広域通信の内容を5人に伝える。

 

「南方200マイル、アドミラルティ諸島と北東300マイル、トラック諸島方面か・・・」

 

正体不明の大型艦の目撃情報は、二つ。

一つは、此処から南の位置にあるアドミラルティ諸島ともう一つは、此処から北東のトラック諸島付近からだった。

 

「よし!・・・我々は、トラックへと向かう!・・・すまぬが、近場のアドミラルティ諸島を確認して貰えるか?」

 

「分かりました!」

 

真冬は、トラック諸島付近に向かう事に決め、明乃には、アドミラルティ諸島の方をお願いし、タラップを登り、弁天に戻る。

こうして弁天は、トラック諸島付近へ、晴風は、アドミラルティ諸島へと向かう事になった。

晴風の生徒達は、弁天に向かい手を大きく振り、それを見た真冬は、制帽を振り晴風を見送るのだった

晴風は、アドミラルティ諸島へと進路をとる

 

「よーし!やるぞ~!」

 

「単位よーけ貰えるぞな!」

 

「ねぇねぇ!ひょっとして、私達って結構やるんじゃない?」

 

「そうそう!比叡ってすっごい艦なんだよね!・・・それを止めたって凄くない?」

 

「下剋上…」

 

比叡のトラック侵入を阻止した事で、晴風の生徒達は、自信に溢れているせいか、浮かれていた。

そんな皆を明乃、ましろ、ミーナは、仕方ないなと言った表情で見る。

そんな中

 

「・・・・・・」

 

守は先ほどの手紙を見たまま、ぼ~としていた

 

「マー君?」

 

「守?」

 

明乃やましろが声をかけても返事はなかった

 

「(俺以外にも・・・・・しかもあの山口提督か・・・)」

 

手紙の送り主のことを考える中

 

ミ~ミ~

 

「ん?」

 

足元から声が聞こえ守は下を向くとそこには子猫の多聞丸が心配そうに鳴いていた。多聞丸はあの救出劇以来ましろと守に懐いていた

 

「おお・・・どうした多聞丸?」

 

そう訊くと多聞丸はましろの方を向き守はましろたちを見ると

 

「大丈夫か?ボーとしておったぞ?」

 

「マー君。大丈夫?」

 

と皆が心配そうな表情をしていた。幸子は

 

「その手紙の人のことが気になるんですか?」

 

幸子が訊くと守は静かに頷く

 

「そう言えば、守。さっきその手紙の主を『多聞丸三世』と呼んでいたけど…知っている人か?」

 

ましろがそう訊くと守は

 

「会ったことはない・・・・だけど海軍内では有名な人物だ。かの闘将山口多聞提督に負けず劣らずの機動艦隊随一の名将。そのあまりの厳しさに「人殺し多聞丸」もしくは祖父の山口多門の孫だから『多聞丸三世』と呼ばれた人物・・・・それが山口章香少将だ」

 

「そんな、すごい人物が、この世界に・・・・・」

 

明乃がそうこぼす。

守はその人物を思い出す

 

山口章香。海軍少将であり、かつては航空母艦飛龍に乗って、ポートモレスビー港奇襲作戦に参加し、アジア制海権を奪還するために機動艦隊とともに活躍した人物で、守がこの世界に戻る半年前のポートモレスビー攻略作戦で新たに乗艦した航空母艦「信濃」とともに運命を共にしたはずの人物だった

その人物がこの世界にいる。そしてこの手紙を送った。しかも空母と共に来たということに驚いていた

 

「マー君・・・・会いたいの?」

 

明乃の問いに守は小さく頷くと

 

「シロちゃん・・・・ニューアイルランド諸島ってアドミラリティ諸島に近かったよね?」

 

「はい・・・・て、艦長。まさか!!」

 

「うん。アドミラリティ諸島に行くついでにそこに行ってみようと思うんだけど・・・ダメかな?」

 

「そんな。明乃艦長。私のことは後で構わないので・・・・」

 

明乃がアドミラリティ諸島ではなく、山口提督がいるニューアイルランド諸島に行こうと言い守はそれを否定すると明乃は

 

「大丈夫だよ。それにすぐ近いし、シロちゃんはどう思う?」

 

「う~ん・・・・まぁ、航路からして問題はないと思います」

 

「はい。それに私もマー君の言っていた航空母艦という船がどんなのか見てみたいですしね」

 

「ワシも問題ないぞ」

 

とみんなは頷く。それを見た守は

 

「皆さん・・・ありがとうございます」

 

と深々と頭を下げお礼を言う。そして晴風は進路を若干変更し、アドミラリティ諸島を通過しニューアイルランド諸島へと向かった。

そしてしばらくすると、アドミラリティ諸島とニューアイルランド諸島の中間地点の岩礁に地域につく

 

「確か手紙に書かれた場所はここいら辺って書いていたはずだよね?」

 

明乃がそう言うと

 

「前方の岩礁に大型艦が座礁しています!」

 

野間の言葉に皆はその地点を見ると。全貌にある大きな岩礁に大きな軍艦が座礁していた

 

「何あれ…でかい」

 

「大和級の大きさですね?」

 

芽衣と幸子が驚いた表情でそう呟く。それは皆も同じなのか驚いた表情をしていた

 

「・・・・間違いない・・・信濃だ」

 

守は座礁している軍艦が信濃だと確信する。そして晴風は座礁している信濃の近くに留まると、晴風の乗員は皆甲板に出てその大きな軍艦。

航空母艦信濃を見る

 

「すごい・・・・・こんなにでかいの初めて見た」

 

「あっ!誰か出てきたよ!」

 

姫路がそう言うと、誰かが信濃から出て来て階段を降りて来て岩礁の上に立つ。その人物は海軍第一種軍装を来た。二十代くらいの女性だった。

守はその人物を見ると

 

「まじだ・・・・まじであの多聞丸三世だ!」

 

「ああっ!マー君!」

 

守はそう言うと晴風から降り彼女が立っている岩礁に立つと

 

「ソロモン諸島防衛部隊452航空隊!第三戦闘小隊『新選組』隊長!森守少尉であります!!僭越ながら山口少将!相撲を一番!!」

 

「ん?」

 

守がそう言うや否や、守は勢いよく山口少将と相撲を始めた

 

「何をしておるんじゃ?」

 

「なんで相撲を…?」

 

「シロちゃん?」

 

「私に聞かないでください・・・・」

 

「クロちゃんもやるか?」

 

「やらないわよマロン」

 

そして、それを見て困惑する晴風一同

 

「君は何をしているのかね少尉?」

 

「いえ、ポートモレスビー攻略作戦で戦死されたはずなので亡霊かどうか確かめるため提督の得意な相撲でぶん投げて確認しているところであります!!」

 

「なるほど・・・・少尉。君はもしかして‥・・・杉田軍曹か疾風少尉のいた部隊にいなかったか?」

 

「お二人をご存じで?」

 

「疾風少尉は私が飛龍にいた時の搭乗員だ。そして杉田隊のことは海軍航空隊では有名だ。『空飛ぶ暴走族』『空の狂犬部隊』・・・・まあ、いろんな意味で有名だったよ」

 

「ええ…少し前までラバウルの杉田隊に居ましたよ」

 

「やはりか・・・・それで少尉。戦争はどうなっている?まあ、アジアを奪還し欧州へと向かったはずだが、向かうまでには随分と準備と時間が掛かったんじゃないか?」

 

「敵を撃滅したとかなんとか聞かないあたり、さすがでありますな・・・・・」

 

「もともとあの戦いで陸軍と海軍の兵力はかなり消耗したからな。特に海軍に至っては空母も他艦艇も結構傷を負ったり、この信濃を含め沈没したりしたから・・・・なっ!!」

 

「うわっ!?」

 

その瞬間、山口少将が一歩引いた勢いで守を叩き落とした。文句なしの山口少将の勝利である。

 

「…ああ、引き落とし」

 

相撲に詳しい果代子がポツリと決まり手を呟いて、一瞬の沈黙が場を包み込んだのだった

 

 

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