とある島のとある場所、そこには無数の船が集まっていた。駆逐艦。重巡洋艦、中にはポケット戦艦もあった
それは行方不明になっていた海洋実習の生徒たちの船であった。
そしてその島の洞窟にある謎の基地に、その生徒たちが集められていた
そして生物兵器RATtにより洗脳された生徒たちはその先頭にいるゾル大佐の言葉に耳を傾けていた
「優秀な少女諸君。君たちは実に優秀な船乗りであり戦闘員たちだ。やがて我がドイツ第4帝国は戦争に勝利し、世界を征服したのち、この世界も支配する・・・・その時諸君らは同じ年代の少年、少女の指導者になるのだ!」
ゾルが鞭を向け子供達にそういうと、洗脳された生徒たちは頷く
「そしてまず、我々がこの世界を征服する前に邪魔なものを排除しなければならない。だが、戦艦などの戦闘間を操る君たちならたやすいことだろう。まず君たちの役目は、各都市への艦砲砲撃、もしくは他の船の撃沈などの通商破壊だ・・・・その前に君たちは我等第4帝国に対し忠誠を誓えねばならない」
そう言うとゾル大佐は鍵十字を掴む鷲のレリーフに右手を上げ
「偉大なる総統と!第4帝国の栄光のために!!」
そして
「「「偉大なる総統と!第4帝国の栄光のために!!ハイル!!」」」」
全員ナチスに忠誠の誓いを立て右手を挙げたのだ
「では作戦開始!!行けっ!!!」
「「ジーク・ハイル!!」」
生徒たちはゾル大佐にそう答えると、各自自分の艦艇乗り出港し始めるのだった。
・・・・一人を除いて、
それはミーナの親友であり、アドミラル・シュペーの艦長である
テア・クロイツェルだった
『ん?・・・・どうしたのかね?』(ドイツ語)
『大佐・・・・・是非、武装親衛隊に推薦したい人物がいます・・・』(ドイツ語)
『言ってみたまえ』
『ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルク・・・・・・・我がアドミラル・シュペーの副長。そして・・私の親友です』
『ヴィルヘルミーナ・・・・そう言えば晴風にドイツ人がいたという報告があったな‥‥‥よし。では君にこことは別行動をしている武蔵とは違う別の任務を与えよう・・・・』
場所は航空母艦信濃に戻り
「それで、少尉。我々の世界は今どうなっている?」
山口少将の問いに一瞬考えてから口を開く
「あなたが戦死して半年後に遣欧艦隊は編成され陸海空の精鋭部隊が次々にアフリカやヨーロッパに送られました。俺は残党狩りのため南太平洋に残りましたが・・・・・最近ではアフリカ戦線ももうじき片がついて、疾風中尉や杉田曹長も欧州の空でナチス相手に暴れまわっていますよ」
「・・・・そうか」
そう言うと山口少将は胸ポケットから煙草を一本取り出し火をつけ一服する。その表情は何か虚しさを感じるものだった
「少尉…君はこの世界をどう思う?」
「はっきり言って平和な世界だと思っていますよ。日露戦争以降の戦争や紛争は一切ない。まさに我々が求めた理想郷だと思っています」
「真霜君から聞いたが君は幼いころ、この世界に来たことがあるみたいだね?」
「ええ…たった一か月ではありましたが、その間にかけがえのない大事な家族ともいえる人に出会うことができました。俺にとっては第二の故郷以上に本当の故郷のように感じていますよ」
「・・・・そうか」
「提督。真霜姉・・・・・宗谷一等監察官から聞いていると思いますが、この世界にも奴らが来ています…あの忌々しき鍵十字の奴らが・・・」
「ああ・・・・連中は狡賢い…特に聞いたところ奴らは精鋭部隊。しかも武装ssの連中だ。この世界の軍事力・・・・ブルーマーメイドやホワイトドルフィンでは太刀打ちできまい…だが不可能ではない」
そう言い煙草の煙を吐き
「奴らを止めるすべはまだある・・・・奴らを止める軍・・・・日本海軍はまだここにある。信濃がまだここにある。そしてここに提督と・・・パイロットがいる。たった二人だけだが、七航戦だ」
そう言うと二人の間に風が吹いた
「おっと、そちらのお嬢さん方をすっかり忘れていた。彼女らが噂の晴風の乗員たちかな?」
「はい。居候先の船乗りたちです」
山口少将と目が合った明乃とましろ慌てて、それぞれの敬礼で返す。
「やあ、そんなに固くならんでよろしい。私は日本国防海軍少将、山口章香だ。わが軍のパイロットが世話になった」
「横須賀女子海洋学校。航洋艦『晴風』艦長の岬明乃です!!」
「同じく副長の宗谷ましろです!!」
「よろしく明乃少佐に宗谷大尉・・・・いや君たちは軍人ではなかったな。君たちの活躍はブルーマーメイドを通して聴いていた。なかなか優秀な船乗りだね君たちは」
「いえ、私はそんな大層なものでは…」
「いや、15,6にも満たない学生が30人でしかも駆逐艦を動かし、潜水艦やポケット戦艦、さらには戦艦比叡を相手に奮闘し、さらには事件の発端の原因を解明しそれを解決しようとするなど、誰にもできないものだ。。誇っても罰は当たらんさ」
「ありがとうございます」
「まあ、外で立ち話もあれだ。続きは中で話そう・・・・少尉にも見せたいものがある。こちらへ」
そう言い、山口は守以下晴風の乗員を信濃の中へ案内する。だがさすがに全員というわけにはいかず、電信員の鶫だけは連絡のため晴風に残った。
信濃の中に案内される中、幸子は
「すごいです!私たち異世界の軍艦の中にいるんですよ!!」
「落ち着けココ・・・」
興奮し写真を撮り幸子に対しミーナはなだめる中、明乃は
「(この船とあの人…どこかで見たような・・・・)」
信濃と山口提督をどこかで見たような気がする明乃だったがそれがどのときか思い出せなかった。そして
「ついた…ここだ」
そう言い山口提督が立ち止まった場所は格納庫でありそこには大量の航空機があった
「何だ・・・これは…飛行機がこんなに・・・・」
大量にある航空機にましろたちは驚く。
「彗星艦爆、天山攻撃機、零式艦戦52型甲・・・・・全て損傷機だ。まともな機体は何処にもない。だが不可能ではない」
「…爆装や燃料は?」
「ほとんど吹き飛んだ。だが、いくらかは残っている。かつての我が機動部隊もとい航戦のような戦いは出来ない。だがこの世界の技術と搭乗員育成次第では機動部隊までとはいかんがそれに近いものは出来る」
「それにしても…本当に信濃だ!他の乗員は何処にいるんですか?」
「分からん・・・・・この世界に飛ばされたとき、いたのは私だけだった。遺体一つも見当たらなかったよ」
「それはおかしな話ですね?」
「まったくだ・・・・」
と二人は話す中
「あの・・・・ところでこの船は一体何なのですか?見たところ飛行船支援教育艦みたいですが?」
幸子がそう訊くと
「そう言えばこの世界は航空機が存在しないのだったな」
そう言うと山口は煙草に火を消し、幸子たちに振り向くと
「これは空母・・・・・航空母艦。いうなれば、動く飛行機基地であり海の荒鷲たちの住む城・・・・と言ったところかな?」
そう言いふっと笑う山口提督だった