ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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海鷲の城その3

信濃格納庫の中

 

「それにしても・・・・すごい大穴だな~こりゃ?」

 

麻侖が上を見上げる。上の甲板は大穴が開いて日が指していた

 

「そうですね?戦艦の砲撃にでもあったんですか?」

 

幸子が山口に訊くと、これほどの大穴は戦艦の砲撃で空いたのかとみんなが重いっていたが山口は

 

「いや・・・・これは航空機の急降下爆撃でこうなった」

 

「飛行機で?でも飛行機ってこの船に比べたら小さいよね?それでこれほどの大穴が開くの?」

 

留奈が首をかしげると守も

 

「確か信濃の甲板の装甲だったら500キロ爆弾なら耐えられると思いますけど?」

 

「ああ・・・だがエレベータを上昇させるときにスキを突かれてな。そこに爆弾を落とされ、その爆炎で艦内にあった魚雷と爆弾が誘爆し、このざまだ・・・・それと、そこのお嬢さんの質問だが、確かに戦艦や空母に比べたら飛行機はとても小さい。例えるなら象と蚊のようなものだ。だが考えてみなさい魚雷か爆弾を積んだ飛行機が100、200以上で襲い掛かれたらどうなるかね?」

 

「それは・・・・ちょっと怖いかも・・・・・でも想像できないかな?」

 

留奈は少し想像し顔を青くするが、それでも信じられないという表情だった

 

「まあ、君の気持ちも分からんでもない。実際、ブルーマーメイドに説明しても理解はされなかった。この世界。我々の専門分野である現代航空機の戦いや艦対空の戦いはこの世界において、全くの未知であるという事だ。実際にズタボロになったこの信濃を見て真っ先に『おそらく戦艦辺りに砲撃されたのだろう』と判断したぐらいだ・・・急降下爆撃と艦内誘爆でこうなったと説明した時には連中ポカンとしていたよ。艦内に偶然転がっていた不発の爆弾を見て慌てながらやっと信じたが・・・・」

 

「えっ!?不発弾があるの!?」

 

「落ち着きたまえ。すでにブルーマーメイドの連中が持って行った」

 

鈴が不発弾があることに驚いたが、すでにブルマーが持ち出したことに皆はホッとする

 

「でも、信じられません・・・まさかあの航空機でこれだけの損害が出るなんて・・・・・」

 

ましろが穴の開いた甲板や、壊れた航空機を見てそう言うと

 

「私たちの異世界では戦艦の時代が終わり航空機中心の戦いになっている。1940年代はまさに戦艦の時代から航空機の戦いに変わった時代だった・・・」

 

「それで…その航空機はどんな活躍をしたのですか?」

 

幸子が訊くと

 

「少尉。君は知っているな?我々の世界の戦争のことを、まず、1941年12月8日に起きた日本のハワイ真珠湾攻撃で、日本の航空機部隊がアメリカ太平洋艦隊の戦艦部隊を大破、もしくは撃沈させ、その二日後のマレー沖海戦ではイギリスの戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスを撃沈している。他には欧州での戦いではドイツ戦艦ビスマルクがイギリス軍艦載機の攻撃で、撃沈とはいかなかったが、操舵装置を破壊され致命的な傷を負った」

 

「そ、それは本当か!?」

 

山口の言葉にミーナは驚いた顔をした

 

「ああ・・・最後は追いついてきた英本国艦隊に袋叩きにされて沈められたよ・・・・・その後ビスマルクは我々が戦っている戦争・・・第三次大戦でも再建され登場しているが、大した活躍はまだない」

 

「そんな・・・・」

 

ミーナはさらに驚く。ミーナは守に守の世界のドイツのことを聞いてはいた。だがもう一度訊くとやはり驚きが隠せなかった

 

「そして我々の世界の戦艦大和、武蔵も、1944年のレイテで武蔵が、1945年に大和が九州沖で米艦載機の猛攻によって撃沈された」

 

「え!?嘘!!あの大和が!?」

 

「それに武蔵も!?」

 

「信じられない!?」

 

皆は驚いた表情をする。守るから守のいた世界で戦争があったことは聞いてはいたが、まさか航空機で巨大戦艦である大和と武蔵が撃沈されていたことに驚いていた。

 

「本当なの?マー君。その話?」

 

明乃が守に訊くと守は頷き

 

「ああ・・・・大和も武蔵も航空機の攻撃でなん十発の魚雷や爆弾の攻撃を受けて沈んだ・・・・大和級の46センチ砲も航空機の攻撃には成すすべがなかったよ」

 

「そんな・・・・・」

 

守の言葉に明乃は衝撃を受けた。その後、山口は明乃たちに戦後のことを話し、半ば勉強会みたいな感じになっていた。

 

「…ま、以上が我々のいた世界での出来事だ」

 

と、山口の講義?みたいなのが終わると

 

「山口提督・・・・提督やマー君の世界の日本は、資源を掘ったり、プレートのずれで低い場所が海に沈んだりとかはしてないの?」

 

「してない。そもそも、日本国内で資源が出る場所はない。メタンハイドレードにしても、主に海底深くにあって、まだ商業利用さえほとんどされていなかったはずだ。地震は多いが、陸地が沈んだりもしていない」

 

「じゃあ、東京や大阪も海に沈んでないということですか?」

 

 明乃が質問して場の空気も多少落ち着いたからか、今度は幸子が手を挙げた。

 

「ああ、こちらの世界では国土は沈んでない。だからそっちの世界のようなフロート船も存在しない」

 

「東京や大阪が海に沈んでない!」

 

「信じられない」

 

「俺たちからしたら、東京や大阪が地盤沈下して海に沈んでいる方が信じられないけどな」

 

守がそう言うと・・・・

 

「副長の弟が乗っていた飛行機やここにある飛行機の残骸から見て、その航空機とはありふれたものなのか?」

 

美波が質問をすると

 

「ああ。ここにあるものは全部軍用機だが、民間でも広く使われている。信じられないだろうけど、500人以上が乗れて丸1日あればヨーロッパやアメリカ本土まで飛んでいける。それにこの機体は80年前のモデルだ。今の主力はジェット…いうなればロケットを進化させたものであり時速1000キロ以上のが主流だ・・・・まあ、あの大戦のせいで今ある80年前の旧式兵器しか使用してはいけないという規約があるがな。なぜそう言う規定が生まれたかは訳は聞くな」

 

「速!?」

 

「スゴ!」

 

それを聞いた晴風一同は改めて航空機のすごさに驚いた。すると幸子が

 

「あの先ほどこの・・・・空母と言いましたっけ?その空母の名前が信濃なんですけど・・・・私たちの世界に戦艦信濃というのがあるんです。それと何か関係がありますか?」

 

訊くと山口は

 

「ああ。この空母は見た目は旧海軍空母信濃をベースに作られた空母だが、この空母のもととなった航空母艦信濃はもともと大和型三番艦になるはずだった軍艦だ」

 

「やっぱり…船体が少し大和型に似ていたのでもしかしたらと思ったんです」

 

「え?信濃って戦艦にならなかったの?」

 

「ああ、第二次大戦で空母が撃沈され不足になり、急遽、建造途中だった信濃を空母に改造したのだよ。まあ、その信濃も未完成のまま横須賀から呉に向かう途中、米潜水艦に撃沈されたんだがな」

 

「じゃあ、大和型戦艦は大和と武蔵だけなの?」

 

「ああ・・・こちらでは信濃と紀伊がいるみたいだが、我々の世界にはないよ」

 

明乃が質問すると山口が答えると山口は

 

「ところで・・・・さっきから気になってはいたんだが、そちらの外国人は誰かな?見たところドイツ人のようだが?」

 

山口はミーナを見て目を細めると守が

 

「あ、この人はこの世界のドイツ人です。ナチとは関係ありません」

 

「そうか・・・・いやどっかで見たような顔だったのでな。気を悪くしたのならすまない」

 

「ああ…いや、ワシは別に?」

 

山口が謝罪し、ミーナは少し戸惑う。ミーナの顔は守がいた世界のナチス空軍のエースパイロットであり、守の上官である疾風の好敵手であるエミリア・ハルトマンによく似ていたからだ。

すると、明乃の携帯から電話が鳴る

 

「あ、すみません。出てもいいですか?」

 

「構わんよ」

 

山口が頷き、明乃は電話を取る。相手は鶫からだった

 

「どうしたのつぐちゃん?」

 

明乃はどうしたのか訊き、スピーカーを大きくすると

 

『不明艦の目標が分かりました』

 

鶫から不明艦の正体が判明したと言う報告が入る。

 

「それでなんだったの?」

 

『はい!識別帯は白と黒。ドイツのドイッチュラント級直教艦アドミラル・シュペーです!』

 

「えっ!?アドミラル・シュペー!?」

 

「「「っ!?」」」」

 

何と不明艦の正体は、ドイツのヴィルヘルムスハーフェン海洋学校所属、小型直接教育艦アドミラル・グラフ・シュペーだった。

報告を聞いた晴風メンバーは驚く

中でも一番に反応したのは、他ならぬミーナであった。

 

 

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