ゾル大佐がウィルスの他に恐るべき殺人作戦の準備をする中、晴風は行方不明だったアドミラル・シュペーを発見していた
4月27日
アドミラルティ諸島沖
数時間後、アドミラルティ諸島沖に到着した晴風は、早くも航行しているアドミラル・グラフ・シュペーを発見した。やはりあの先頭ご修復されたのか蒸気パイプは元通りに直されいた
晴風は、気づかれない様にアドミラル・グラフ・シュペーの後方に付く。
晴風艦橋
「めぐちゃん!・・・シュペーの位置は?」
晴風、電探室
「前方10マイル!」
晴風、艦橋
「野間さん!・・・向こうの様子は?」
晴風、見張り台
「砲の仰角はかかってませんが・・・」
「確かに、此方に気がついた様子はないぞ!」
「よし、戦闘よーい!」
明乃の号令の元、楓が戦闘配置のラッパを吹き、主砲に砲弾が装填される。
「第四戦速!」
「第四戦速!!」
更に速力を27ノットに上げ、シュペーの左側に舵を取る。
「ドアホ、もう少し右じゃ、シュペーの艦橋から死角になる様に・・・」
ミーナは、アドミラル・グラフ・シュペーの死角に入ろうと鈴に少し右に舵を切るよう命じる。
鈴は、言われた通り舵を少し。右に切る
『・・・テア、今行く』
ミーナが小声のドイツ語でテア、今行くと呟く。
「戦闘、右魚雷戦! 30度シュペー!!」
アドミラル・グラフ・シュペーの死角に入ったところで明乃は、魚雷戦の号令を出す。
「敵針180度、敵速20ノット、雷速52ノット、写真角0度。」
芽衣が水雷方位盤でアドミラル・グラフ・シュペーの位置を捕捉する。
「距離2万で遠距離雷撃!」
「一番管発射雷数4、有りっ丈ぶっ放すよ!」
「はーい・・・!!」
魚雷発射一番管に乗る里都子はそう返事をする
晴風、艦橋
「発射準備よし!!」
「攻撃始め!!」
「撃てぇ!!」
晴風から魚雷4本がアドミラル・グラフ・シュペーに向け発射される。
「はっ!?シュペー!主砲旋回中!」
魚雷発射された直後、此方に気づいたのか、アドミラル・グラフ・シュペーの主砲が晴風に向けられる。
「作戦通り!」
作戦通りに動くシュペーに晴風のみんなは勝機を感じた
「リンちゃん、回避を・・ おも~かじ!」
「おも~かじ!」
晴風は、右に回避行動をする。
「向こうが魚雷を回避して、速度を落ちたところを主砲で狙うから見張りよろしく」
『はい!』
明乃の作戦は、此方の魚雷をアドミラル・グラフ・シュペーが回避したところで晴風が全速でアドミラル・グラフ・シュペーに突入し、弱点である蒸気パイプを主砲で再び破壊、その後、接舷して、制圧する作戦である。
「シュペー発砲!」
予定通りアドミラル・グラフ・シュペーは、反撃してきた。
「もーどせ!」
「もーどせ!」
明乃は、右から左へと舵を戻しながら、アドミラル・グラフ・シュペーの砲撃を回避する。
晴風の周りに3つの水柱が立つ。
「魚雷、シュペーに向かっている!」
魚雷は、順調にアドミラル・グラフ・シュペーに向かっている。
「魚雷に合わせて、突入!!」
明乃は、予定通りアドミラル・グラフ・シュペーが魚雷を回避したところで突入の命令を出そうとした。
「(うまくいきすぎてる・・・・本当にこのまま簡単に終わるのだろうか?)
あまりにも作戦通りに行き過ぎることに守は疑問を感じた。
その時
「シュペー回避しません!」
「何!」
何とアドミラル・グラフ・シュペーは、晴風が発射した魚雷を回避せず、そのまま直進をしてきたのだ。
「・・・・っ! 主砲!」
「うぃ!」
魚雷では、回避しなかったので、今度は、砲撃で回避させようとする。
晴風の砲弾は、アドミラル・グラフ・シュペーの至近に着弾したが、アドミラル・グラフ・シュペーは、全く進路を変えず、そのまま直進する。
「何故進路を変えない!」
魚雷と砲撃を浴びせているのに何故、アドミラル・グラフ・シュペーは、回避しないのか、ましろは、驚愕する。
「かよちゃん!次行くよ!」
「はいー!」
だが、一度目の失敗で辞める訳には、行かない。再び晴風から魚雷4本が発射される。
魚雷発射後、アドミラル・グラフ・シュペーの副砲が晴風に向けて連射してきた。
副砲弾は、晴風の左右至近に着弾し、その中の1発がまたしても晴風の第三主砲に命中した。
「被害報告!」
『三番砲大破!』
『二番砲被弾射撃可能ッス!』
『機関全力発揮可能でい!』
副砲の砲撃で第三主砲塔は、大破し、側に合った第二主砲塔も被害を受けたが、砲撃は、可能、機関も今のところは、異常は、無い。
まだ辛うじて、戦闘続行は、可能だ。
だが、続けてアドミラル・グラフ・シュペーの主砲が砲撃してきた。
晴風は、全速で回避する。
「夾叉されました!」
殆んどが至近に着弾したので完全に晴風は、アドミラル・グラフ・シュペーに捕捉されていた。
「リンちゃん、回避して!」
「ヨーソロー」
明乃は、何とか回避しながら捕捉から逃れようとする。
だが、回避中、またしてもアドミラル・グラフ・シュペーは、魚雷を回避せず直進してきた。
「全魚雷、シュペーの船底を通過!」
魚雷は、そのままアドミラル・グラフ・シュペーの艦底を通過した。
「回避しなかった…これじゃ弱点を狙うのは、無理だ!」
一度ならず2度までも失敗した事でましろは、弱点を狙うのは、無理だと覚った。
「(ウィルスに感染しているとはいえ感染者には意識があるし、何より乗員は晴風とは違い経験がある。以前と同じ手は通用しないってことか!)」
「・・・・如何しよう?」
「照準もバッチリだったのに…」
「しゅほう・・・」
「逃げるも嫌だけど・・・」
「これでは、接舷乗り込みなぞ不可能じゃ‥‥出直すべきじゃ‥‥」
最早、2度の失敗で作戦続行は、絶望的になり、ミーナは、撤退を進言する。
「ミーちゃん諦めちゃ駄目だよ!」
だが、幸子は、それに反対する。
「しかし直撃したら、この艦、一瞬で吹き飛んでしまう・・・これ以上、皆を危険に晒す訳には、いかん!」
だが、ミーナは、これ以上、晴風の生徒を危険に晒す事は、出来ないと断固撤退を進言する。
「(確かにこのままだと犠牲者が出る…だが、ここで逃せば・・・・)」
守も何か手はないか考えると、幸子が
「でも、前に行けたじゃない!」
と言って、前回のアドミラル・グラフ・シュペーの戦闘の事を言う。
「はっ!・・・艦長、副長、スキッパーなら行けるんじゃない?」
それを聞いた芽衣は、その時、明乃がスキッパーで砲撃を回避しながらミーナの救出に向かった事を思い出し、スキッパーならアドミラル・グラフ・シュペーに向かう事が出来るんじゃないかと進言する。
「確に小さくて小回りのきくスキッパーなら砲撃を避けるのは、容易です・・・ですが至近弾でも吹き飛ばされって、もう作戦続行は不可能になります!」
だが、スキッパーは、小型ゆえ、砲撃を回避するなぞ容易にできるが、至近弾で吹き飛ばされてしまえば、使い物にならなくなるし生徒にも危険が及ぶ。
「如何します、艦長?」
果たして救出に行くのか、それとも・・・・・艦長である明乃の決断にかかっていた。
「・・・私は・・・行きたい!」
明乃は、芽衣の進言通り、スキッパーで作戦続行を決断する。
そして、自らもスキッパーでアドミラル・グラフ・シュペーに向かう事を決める。
「・・・どうせそう言うと思ってました・・・行って下さい!!」
ましろは、事前に明乃のする事は、分かっていたので、それに反対せず、行くよう薦める。
それを聞くと明乃は、自分の艦長帽を取り、ましろに渡す。
ましろは、それを受け取る。
「了解です! ・・・以後の本艦の指揮は宗谷ましろ!・・・貴官に命じます!」
「了解です!」
こうして、晴風の指揮権は、明乃からましろに一時的移譲した。
「突入班・・・用意!!」
画して、スキッパーによるアドミラル・グラフ・シュペーへの乗り込み作戦が開始された。
明乃とミーナは、突入班の聡子、マチコ、美海、百々、楓、美波、五十六の6人1匹と共にスキッパーでアドミラル・グラフ・シュペーへと向かう。
そして、ましろは、いつも後ろで留めてる髪留めを外し、艦長帽を被る。
「先ずは、シュペーの目をこっちに引き付けるぞ!!」
『はい!』
ましろは、明乃達をアドミラル・グラフ・シュペーに無事に着かせる為、アドミラル・グラフ・シュペーの目を晴風に引き付けさせる作戦に出た。
「守・・・・」
ましろは隣にいる守を見るその顔は少し不安そうだった。初めて船の指揮を執ることに不安があるのだろう
「大丈夫だよ。姉さんならできるよ」
「そうか・・・・ありがとう」
「それに姉さん。その帽子。よくにあってるよ」
「なっ///っ!?」
守の言葉に思わずましろは顔を赤くする
とは言え、晴風は、アドミラル・グラフ・シュペーの目をこっちに向かせる為、アドミラル・グラフ・シュペーに接近する。
そして、明乃達は、スキッパーでアドミラル・グラフ・シュペーの死角に成っている岩陰を進んでいた。
「突入予定時間まで後30秒!」
「了解!」
明乃は、晴風の砲撃と同時に岩陰から出てアドミラル・グラフ・シュペーに突入する行動に出る。
「後20秒!」
「サドちゃん、合図を出したら突入して!」
「うちの腕を見せる単騎ぞな!!」
そして、晴風でも明乃達が岩陰から出た同時に砲撃する構えを執っていた。
「10秒前!」
「艦をシュペーに後200近づけって!」
「任せてー!」
ましろは、あと200程接近させる。
「4・・3・・用意!」
「撃て!!」
晴風は、アドミラル・グラフ・シュペーに向けて砲撃を開始。
「艦長着ました!」
「どんぴっしゃ!」
砲撃の合図と同時に明乃達が岩陰から出現。アドミラル・グラフ・シュペーの反対側から乗り込むべく向かうのだった
果たして作戦はうまくいくのだろうか?
だが、晴風も守もまだ気づかなかった。シュペーの後部に新たに付けられたカタパルトの上に翼を休めている鋼鉄の悪魔の鳥に・・・・