「敵機来襲ッ!!!」
ラバウルの空は常に忙しくそして激しい空中戦が数多く起きた
そして今日も、敵の爆撃機を迎撃するため俺たちは滑走路にある零戦へと向かった
「エンジンまわせぇー!!」
「おい急げッ!!」
爆撃機を迎撃するため陸海軍の戦闘機パイロットたちは我先にと自分の愛機へと向かう
「おい梓!お前の機体あっちだろ!!」
守も自分の愛機に乗ろうとしたがそこには後輩の中野梓が乗っていた
「あっちは誰かが乗っています!こういう時は早い者勝ちです!!」
どうやら彼女の愛機は誰かが乗ってしまったようだ
「降りろ!」
「無理です!ではお先に!!」
「あっ!ちょっと!!」
そう言うや否やは梓は発進し、そして他の戦闘機隊も発信していってしまう。そしてその瞬間空にある雲の隙間から数十基の敵機がやってくるのが見えた
(もう飛行機発進はできない!ならば!!避難するのみ!!)」
今更予備の戦闘機に乗り込んで発信しても離陸途中に敵機に撃ち落とされる危険性を感じ、防空壕か塹壕へと走り出す。
「撃てっ!撃ち落とせ!!」
対空機銃部隊が敵機に向かって銃弾を放つ。その中、敵機は機銃部隊や基地にある飛行機、そして基地にいる兵に向けて機銃掃射する
そしてその中には守も
「うわっ!?やばい!!」
背後から迫る銃弾に守は精一杯走り、そしてすぐ横に塹壕があるのを見つけ、そこに飛び込み、その後、先ほどまで自分が走っていた地面が銃弾によってえぐられ土が飛び散る
「ふぅ~あぶなかった・・・・」
軽く息をつくと
「お前も無事だったか准尉」
「か、加藤中佐」
自分が飛び込んだ塹壕の中には、数日前に出会った加藤中佐がいた
「君は出撃しなかったのか准尉?」
「あ・・・はい。愛機を後輩に乗られて、それで他の機で行こうとしたら敵機がやってきたので・・・・中佐の方は?」
「私は、飛燕が今整備中だったから出撃しなかった」
「他の機体にはしないのですか?」
「飛燕は初陣のころから使い続けている機体だから、飛燕の方が手になじむし、それ以外に乗る気はないわ」
「あ、そうですか・・・・・」
そう言いながら俺と中佐は空を見て上空で起こっている空戦を見ていた
「来たわね・・・・あれは・・・」
「メッサーシュミット・・・・機首が大きいからG型ですね」
「ん?二機と二機に分かれたわね?」
「ええ…奴らは二機でかかってくるんです」
「それで最後は一騎打ちかしら?」
「いや、連携を組んで攻撃します。加藤中佐はご存じないのですか?」
「すまない。私はここに来るまで大陸の赤軍相手に戦っていたから、そこでは一対一の格闘戦が多かったから・・・・・准尉。できればここでの戦い方を教えてくれる?」
「もちろんです・・・・」
と俺はここでの戦い方を教えた
「つまり、編隊での攻撃が主流なのね?」
「はい。うちでも格闘戦派が多いので一騎打ちだと思って深追いするとやられます」
守がそう説明する。零戦などの日本機は格闘戦では無敵だ。それは敵側も知っている。だから向こうは編隊を組んで戦う・・・・否。むしろ編隊を組んでの戦闘が今の空中戦の常識であり、一対一の格闘戦はまずない。
だが、やはり格闘戦を好むパイロットは多く、向こうが一機で旋回戦を持ち込んできたら、一騎打ちを申し込まれたと思って、その機体を追いかける。だが前方の相手に夢中になって周囲を怠った結果、別の敵機に撃ち落とされる…ということが多々あった
「そうか…ありがとう参考になった」
と、中佐が例を言うと、11時方角から大型の爆撃機が数機現れた
「・・・・ハインケル爆撃機だ」
「ええ・・・」
守の言葉に加藤は頷く、そしてハインケルhe111爆撃機はラバウル基地へ嫁ぐ次に爆弾を落としていき、何もできない守たちは、この様子を悔しそうに見ていたのだった
「基地の修理は3日間かかるのか・・・・・」
「はい・・・・面目次第もありません森さん。」
基地の近くにある、レストランで後輩である中野と食事をとっていた。このレストランは航空隊行きつけの店だ
「いや、中野が謝ることじゃないよ。それに中隊長から聞けば敵機一機落としたらしいじゃないか?」
「いや。あれは中隊長が撃ち漏らした機に止めを刺しただけで・・・・」
「それでもお前の撃墜戦果じゃないかよ。胸を張れ胸を」
「森さん・・・・私には張るだけの胸はないです」
「そう言う意味じゃないよ」
と自分の胸を見てガックシうなだれる中野に守は呆れたように言うと
「同席良いかしら?」
「あ、加藤中佐」
「ああ・・・敬礼はいいわ。ここでは階級とかは無しにしましょう」
と、小さく笑う加藤中佐に守も中野も断る理由もなく同席を許し、彼女は席に座る。そして料理が来て皆で楽しく食事をしていると
「どうだ!今日俺は敵を5機も撃墜したんだぞ!!」
と、馬鹿みたいな大声を出し、周りの部下に自慢している海軍搭乗員がいた
「おい、中野・・・あれって」
「ええ。篠原大尉ですね」
と、いやそうな表情で大声を出す人物を見る
「誰なの?知っている人?」
加藤がそう訊くと守が
「篠原大尉。
「そこまで言うかしら・・・・・」
守の説明に加藤は苦笑する中、篠原大尉の馬鹿声は続く
「そしてハインケル!この俺にかかれば2.3機あっという間に火だるまよ!この俺が撃墜したんだぜ!!」
と店内に響き渡る大声に他の搭乗員はうんざりの表情だった。どうやら彼は人望がないみたいだ
「…と、大尉さんああは言っちゃいるが、中野。お前いたんだろ?本当のところどうなんだ?」
「まったくのボウズですよあの人は。しかもフラップ出したまま飛んでいた物だから空戦場の下をふらふら飛んでいただけで何にも役に立ちませんでしたよ。むしろ邪魔でした」
「ああ、やっぱりか」
「まったく。あの人を注意する杉田軍曹や疾風少尉がいないからってあの人は調子に乗りすぎなんですよ。もう口を閉じてほしいです」
嫌そうにそう言うと、それが聞こえたのか篠原大尉は中野を睨みそしてこっちへ近づき
「おい、何か言ったかよ小娘?見れば下士官のようだが、内容によってはお話ししないといけないな~」
指をバキバキと鳴らし脅す大尉。すると・・・・
「私が言ったんですよ篠原大尉」
と、加藤中佐が立ち上がり
「馬鹿みたいに大声出して他の客にご迷惑が掛かりますので、どうかその口を閉じてください……そう言ったのですよ」
加藤中佐がそう言うと篠原大尉は顔をトマトのように顔を真っ赤に染め震えだす。つかみかかりたい気持ちだったが相手は陸軍中佐。自分より階級が上なうえしかも陸軍。ここで問題を起こせば軍法会議にかけられてもおかしくない
「ちぃ!!」
状況が悪いと感じた篠原は舌打ちし、レストランを出て行ったのだった
「すみません中佐。身内が飛んだ失礼を」
「いいえ。いいのよ。私もああいう奴嫌いだから」
「と、いうよりあの人を好きになる人なんているのでしょうか?」
「「ないない」」
三人はその後楽しく食事をしていると加藤が
「あ、森准尉。この後また将棋に付き合ってくれないかしら?」
と守にそう言う。実は守と加藤はその後、将棋をよくする仲になっており、たびたび彼女と将棋を良くしていたのだ
「ええ。いいですよ。でもあなたのことですから、もう持ってきているんでしょ?」
「あら、バレちゃった?」
と、そう言うと、加藤中佐は懐から携帯式の将棋盤と将棋の駒が入った袋を出し、袋から将棋の駒を出す。
「変わった形の将棋の駒ですね?」
中野が首をかしげてそう言う。その駒は銀色で不格好な形をしていた
「私の手作りよ」
「器用ですね?材料は何ですか?」
「プロペラよ。敵の爆撃機の。『虎は死んで皮を残し。敵機は落ちて将棋の駒となる』ってね。さ、始めましょ准尉」
「分かりました。中野、立会人をしてくれ」
「分かりました。でも門限までに勝負付けてくださいよ?」
そう言いながら、守と加藤は中のが見守る中、将棋を打つのであった