ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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赤道祭でハッピー(開催)

その頃艦橋では、幸子が出し物で演劇をする事にしたので、その演劇のあらすじを考えていた

 

「シロちゃ~ん!この続きは如何したら良いと思います?」

 

幸子がましろに台本が書かれたタブレットを見せる。

クラスメイト達の大半が赤道祭には興味がない中、幸子は赤道祭には興味がある方で赤道祭では、演劇をやりたいらしく、その台本を書いていた。

 

「如何でも良いと思う・・・」

 

それに対して、ましろは嫌な顔しながら如何でも良いと言う。

 

「ええー!投げやりだな・・・」

 

ましろの言葉に幸子は、投げやりだなと言い返す。

 

「相変わらずだねココちゃん・・・」

 

そのやり取りに鈴は苦笑し、信濃から戻った守も苦笑すると

 

「じゃあ、マー君はどうですか?」

 

「え?俺?」

 

「任侠詳しそうですから参考意見くださ~い!」

 

と、守の腕にがしっと抱き着く幸子に

 

「・・・・・・」

 

またも焼きもちなのか、ましろが少し頬を膨らませジト目で見ていた。

すると・・・・

 

「艦長。校長より連絡です」

 

「えっ?校長先生から?どんな内容?」

 

鶫が学校からの伝達事項を伝える。

 

「『晴風は補給・修理が終わり次第ブルーマーメイドが行うパーシアス作戦に協力せよ。ブルーマーメイドに合流後は後方第二陣に着くように』だそうです」

 

「後方第二陣‥‥予備兵力か‥‥まあ、学生艦だから当然の判断だな」

 

守は、晴風が後方第二陣に配置されたのは、恐らく晴風が学生艦だからなのだと理解した。

真霜も流石に武蔵相手に学生を危険に晒す事は避けたいが、艦の数が足りない為、避ける訳にはいかない。

だからあえて、学生艦を安全な後方第二陣に配置したのだ。

 

「本格的にウィルス退治が始まるんだね!」

 

「ほぉー後どんだけ覚醒させるんだ?」

 

芽衣があとどれくらいの艦がウィルスに感染しているのかを尋ねる。

 

「5艦ですね!・・・4艦は所在が判明していますが武蔵は不明です。」

 

幸子が現在、ウィルス感染している艦数を芽衣に教える。

 

「はっ‥‥」

 

武蔵と聞いて、明乃は俯く。

 

「あっ・・・・」

 

「ん・・・・」

 

明乃の俯きに2人は、気にしてしまう。そんな時

 

「艦長!!艦長!!」

 

突然、洋美が艦橋に飛び込んできた。

 

「クロちゃん何?」

 

突然、艦橋に飛び込んできた洋美に何かと問う。

 

「あっ!いえ・・・機関長が…」

 

「え?麻侖?」

 

「麻侖ちゃんがどうかしたの?」

 

守と明乃が麻侖に何か遭ったのかと洋美に問うが

 

「その‥‥‥‥拗ねました」

 

「「「「・・・・・・・え?」」」」」

 

まさかの答えに唖然とする艦橋員一同だった。

 

 

 

 

その頃、晴風のとある通路では、和住が何かを作っていた。そこをお手洗いから戻った小笠原が見つけ、和住に声をかける。

 

「何作ってんの?」

 

「できてからのお楽しみお楽しみ~」

 

そう言って彼女は木材に釘を打ち込んでいった。

 

 

 

 

 

黒木から麻侖が拗ねたと聞き、明乃やましろ、守が赤道祭の様子を見に行くと、準備は思いのほか進んでいなかった。

麻侖と黒木以外の機関科のメンバーは先程の麻侖の様子を見たせいか、祭りの準備をしているが、内田、勝田、山下の三人は甲板でトランプをしている。

 

「成程。自分の思うように盛り上がらなくて拗ねたのか‥‥」

 

「いつもは威勢がいいんですが一旦ヘソを曲げるとテコでも動かなくて…」

 

「そっか、クロちゃん、マロンちゃんと幼馴染だったね!・・・お祭り任せっぱなしにしていた私も悪かったよ・・・」

 

明乃は、赤道祭の準備全てを麻侖と洋美に任せっぱなしだった事に関し謝罪する。

 

「一晩寝ればすっかり気分も変わるんですがどうやって機嫌を直したものか…」

 

麻侖の機嫌をどうやってなおすか頭を抱える黒木。そこへ、

 

「なんや?どうかした?」

 

と、そこへ青い前掛けに鉢巻をし、モップを持ったハルカが立っていた

 

「・・・・・魚屋のおじさん?」

 

「誰が魚屋のおじさんや!」

 

守の言葉にハルカはつっこむ

 

「あ、ハルちゃん。その格好って・・・・」

 

「ついさっきまで晴風の側面を掃除してたんや。やっぱ船が奇麗なのは一番さかい」

 

「そっか・・・ありがとう」

 

「どういたしまして・・・・・それでこれは何の騒ぎや?」

 

「それが・・・・・」

 

明乃は今までの経緯を話す

 

「そっか~それはあかんな~せっかくのお祭りも中止されちゃ、うちも困るさかい少尉は何かアイディアは?」

 

「それがなんとも・・・・」

 

「「「「ん~~~~」」」」

 

皆が考え込んでいると

 

「あのさ。私が個人的に作った物で気分が盛り上がるんじゃないかと‥‥」

 

そこへ和住が『我に策あり』と言う感じで麻侖の機嫌をなおす方法を提示する。

 

「確かにそれなら、麻侖の機嫌の機嫌もなおりそうね」

 

黒木は和住の提案を聞き納得し、麻侖を探しに行った。そして守は何かひらめいたのか

 

「明乃艦長。一つ提案があります」

 

「何?マー君?」

 

「道化師になる覚悟はありますか?」

 

「え?」

 

守の言葉に明乃は首をかしげるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、黒木は麻侖をあっさりと見つけた。伊達に麻侖の幼馴染をしている訳では無い。

 

「やっぱりここにいた」

 

「よくわかったな」

 

麻侖は機関制御室で不貞寝していた。

 

「麻侖いつも拗ねると船の下に潜り込んでいたじゃない」

 

「そうだったかな?」

 

「ちょっと来て。麻侖が喜ぶ物があるから」

 

「焼肉?」

 

「食べ物じゃない」

 

「パイナップル缶?」

 

「それも食べ物じゃない」

 

「じゃあ、なんだってんでい!」

 

「来ればわかるから」

 

「?」

 

黒木に促され麻侖は渋々ついて行く。そして、着いて行った先の甲板では‥‥

 

『ワッショイ!!ワッショイ!!』

 

クラスメイト達が神輿を担ぎ、楓が笛を吹き、松永が太鼓を叩いていた

 

「神輿なんてどこにあったんでぃ?」

 

「私が作ったんだ」

 

「個人的に作っていた物ってのはこれだったのか‥‥」

 

「私両親が神田の生まれで祭りって聞くとつい血が騒いじゃうんだ」

 

「生粋の江戸っ子!」

 

麻侖がキラキラした尊敬の目で和住を見つめた。そう和住が作っていたのは神輿であった。神田生まれの彼女。神田にも神田祭と江戸時代から続く祭り街のため、赤道祭の話を聞いた瞬間、祭りには神輿が必要と判断し、張り切って製作していたのだ

 

「はっはっ・・・・・・!いやーめでたい!めでたい!」

 

すると、魚雷発射管の上で鼻眼鏡を付けた明乃が踊りを披露していた

 

「なーにやってんだ?艦長は?」

 

普段の明乃からは信じられない光景を見て麻侖は、驚いていた。

 

「浮かれてんのよ、お祭りだから・・・」

 

「・・・・え?」

 

明乃のコスプレと踊り、そして和住が作った神輿の登場であまり乗り気ではなかったクラスメイト達もその様子を見て関心を持ち始める。

 

「なんか楽しそー」

 

「水鉄砲大会よりは楽しそうかも」

 

「折角のお祭りだから、目一杯楽しんでいこう!!」

 

「艦長‥‥よーし!盛り上がっていくかー!」

 

『オオォー!!』

 

こうして意外な展開をみせつつも麻侖の機嫌は治りクラスメイト達も赤道祭に興味を示しだして、赤道祭の準備は何とか間に合い無事に赤道祭を開くことが出来た。

赤道祭の開始は板で作った赤い扉の前に美海が海の神ポセイドンを意識したコスプレをして桜良が女神を意識したコスプレをし、赤道を渡るための鍵を艦長の明乃に渡す寸劇から始まった。

 

「これが赤道を渡るための鍵であるぞー!」

 

美海が明乃にボール紙で作った鍵を渡すとありがたくそれを頂く明乃。

 

「拍手~!」

 

麻侖が言うとみんなも拍手をする。

 

「じゃ、次は航海の無事を祈るんでぇい!」

 

次は艦内神社があるところで巫女姿になった鈴と鶫が居り、二人の手伝いをする為に楓と慧も同じく巫女の衣装を着て鈴と鶫の少し後ろに控えていた。

そして鈴と鶫はもえかに航海の安全を祈願するお祓いをしていた。

 

「お二人のご実家は神社だったんですね」

 

「そうなの。お諏訪様」

 

楓の言葉に鶫がウィンクをして答える

 

「あの‥‥」

 

『ん?』

 

明乃のお祓いが終わった時にましろが2人に声を掛ける。

 

「副長?」

 

「何しろ運が悪いもので、いっぱい祓って貰えるだろうか・・・?」

 

「ああ・・・」

 

「は、はい・・・」

 

ましろは、誰よりも運が悪い自分をいっぱい祓ってくれと2人に頼む。その後、ましろは2人によっていっぱい祓って貰った。

ましろのお祓いが終わった後

 

甲板では麻侖が大きな団扇を持ち先頭を歩いて後ろからはクラスメイト達が神輿を担いで晴風を一周していると通信マストでマチコが綱一本で華麗なバランス感覚の芸を見せた。

 

「こっちも負けてらんねぇぜ!それわっしょいわっしょい!」

 

麻侖が大きな団扇を思いっきり振り風が舞うと神輿を担いでいたクラスメイト達は片手でスカートを押さえた。

 

その後日は落ちてきて甲板では各々が出した屋台からいい匂いが立ち始める。

 

「おいしいたこ焼きだよー!」

 

みかんと若狭がたこ焼き屋の屋台を開き、多聞丸はたこ焼きを頬張っていた。

 

「お祭りの匂いぞな・・・!!」

 

「何食べよ・・・?」

 

 

みんなは嬉しそうに屋台を見ていた

桜良がフランクフルトの屋台を開いたのだが、そこに五十六がやってきてフランクフルトを一本口に咥えてそのまま走り去って行く。

 

「あー!ちょっと五十六!」

 

シュペーで食べたソーセージが余程美味しかったのかソーセージが大好きになった五十六だった。

 

「これ梅干し?」

 

慧が質問をするとあかねが

 

「横須賀名物チェリーチーズケーキなの・・・レモン絞って食べても美味しいよ・・・」

 

杵﨑姉妹の屋台では、梅干しを利用した試作のチェリーチーズケーキが振る舞われていた。

 

「ほぉ・・・なかなか」

 

守もケーキの味に喜んでいると

 

「あ、マー君。こっちのも美味しいよ食べてみて」

 

「これも美味しいからこれも」

 

と杵崎姉妹に両腕を掴まれ自分の作ったケーキを守に食べさせる

 

「あはは~モテモテやな~~少尉はんは、これは副長さん苦労するで」

 

その様子を綿あめを手に持ちお面を頭にかぶせながら見ているハルカは苦笑してみていた

 

「ふむ・・・やはり祭りというのはこうでなくてわな」

 

明乃に招待された山口も、まるで子供に戻ったかのようなウキウキした表情をし、屋台を見ていた

 

砲雷科のメンバーは射的の屋台を開いたのだが、西崎と立石がその景品を根こそぎ持っていってしまった。

 

その為、砲雷科は出禁となった。

 

松永、楓、鶫の三人が笛と太鼓で演奏をしてマチコが踊りを披露するとマチコのファンのクラスメイトは踊るマチコの姿にうっとりとしていた。

 

そして周りの屋台も盛り上がって気分が最高潮になった時、

 

「皆の衆!七時からは教室で出し物をやるぜぃ!」

 

「盛り上がっていくぞ!」

 

『オオォー!!』

 

と、夜7時からは講堂で出し物をすることになったのだった

 




次回は晴風の教室での出し物会です!
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