ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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決戦近し。それぞれの想い(杵崎姉妹、美甘編)

機関室を後にし、身なりを奇麗にした後、守が歩いていると

 

「あ、マー君」

 

偶然に美甘と出会った

 

「ああ、美甘さん。どうも」

 

「美甘でいいよ。それよりマー君・・・・今、暇?」

 

「ん?うん。特に用事はないかな?」

 

「そっか!じゃあ、ちょっとだけ厨房に来てくれる?」

 

「え?う、うん」

 

何が何だかわからず、守は首をかしげながら美甘と一緒に調理室へと向かうと・・・・

 

「あ!マー君いらっしゃい」

 

「待ってたよ~」

 

と、杵崎姉妹がいた

 

「ああ、どうもあかねさん、ほまれさん」

 

守は二人にあいさつすると

 

「ところで・・・・俺は何で呼ばれたの?もしかして調理で手伝ってほしいこととかある?」

 

「ううん。違うよ。実は今日はマー君にお願いがあるの!!」

 

「お願い?」

 

と、あかねが守に近づいて守の手を握る

 

「あ!」

 

「ちょっとあっちゃん!マー君に近づきすぎ!!」

 

「ああ・・ごめんごめん」

 

あかねと美甘が慌てて言い引き離し、あかねも少し申し訳なさそうに言う

 

「・・・・・で、俺にお願いって・・・・何?」

 

「うん実はね。あっちゃんがいろいろと試作料理作ったんだけど・・・」

 

「ああ、そう言えばあかねさんて新作料理考えるの好きだったよね?」

 

「うん。でね。私たち以外に第三者の意見も聞いてみたくて・・・・ダメかな?」

 

「いいや。問題ないよ」

 

「「「やったー!!」」」

 

守の返事に三人は憂いそうに言う。そして、あかねや美甘たちの作った新作料理の試食会が始まった。

 

「マー君どう?」

 

「うん。中々悪くないと思うよ。保守的でむしろ美味しい」

 

「ほんと?」

 

「うん。あと・・・・このシュークリームにグミ入れたのは改良した方がいいかな?グミの甘さとシュークリームのカスタードクリームの味が喧嘩しちゃってる」

 

「なるほどなるほど・・・・」

 

「もう、あっちゃんは攻めすぎだよ~~」

 

「そうかな?このぐらい革新的な方がちょうどいいくらいだと思うんだけどな?あ!そうだ!革新的と言えば、私いいことを思いついたんだけど」

 

「どんなの?」

 

美甘が質問すると

 

「ずばり!水着で和菓子とか料理を作って接客する!これはかなり革新的だよ~~!!」

 

「「「却下」」」

 

あかねの提案に三人は当然却下を出す

 

「え~~~水着と和菓子、ミスマッチで斬新だと思ったんだけどな~」

 

「それはちょっと・・・・・」

 

「斬新すぎかな?」

 

「それに水着だと調理中に火傷とか怪我をしやすくなって、かえって危ないよ(それに来る客も下心丸出しの人しか来ないと思う・・・・)」

 

「そっか・・・・確かに言われてみればそうかもしれない」

 

三人の言い分にあかねは納得し、そして4人は試食を続けていると

 

「そう言えばマー君たち飛行機乗りって何を食べているの?」

 

美甘の言葉に杵崎姉妹は守を見ると

 

「飛行機によってさまざまだけど、俺たち戦闘機乗りのご飯ておにぎりとかかんぴょう巻きとか巻物系が多かったかな?」

 

「え?なんで?」

 

「操縦桿握りながら片手でも食べられるからかな?」

 

「あ、そうか。お弁当だと両手使うもんね~」

 

「飲み物は無かったの?」

 

「あったよ。主にラムネとかお茶かな?ラムネの場合は少し炭酸を抜かないといけなかったけど」

 

「炭酸を抜く?なんで?」

 

「シュワシュワした方が美味しいよね?」

 

「まあ、そうなんだけどね。空高く飛んでいるときに炭酸を抜かないと、気圧の影響で、まるでロケットみたいに中身が吹きこぼれるんだよ」

 

「うわ~それ掃除が大変だね?」

 

「うん。しかも敵地に向かう中で、その吹き作業って結構疲れるんだよ。それで集中力下がったりするし・・・・」

 

「「大変だ~~」」

 

「説得力あるね。マー君」

 

「まあ・・・・ね」

 

守は苦笑する。戦場ではないがラバウルに来る前に横須賀航空隊の飛行訓練で守はそれをやらかし当時の上官に叱られた経験があった

 

その後試食会も終わり、みんなで片づけをしているとき

 

「そう言えばマー君。お腹の傷はもう大丈夫?」

 

美甘が心配そうに訊くと

 

「ああ、美波さんに抜糸してもらったから、もう大丈夫だよ」

 

「ほんと?」

 

「ああ、ほんと。ごめんね心配かけて」

 

「うん。みんな心配していたんだよ。もしかしたら 死んじゃうかもって」

 

「本当にごめん」

 

守は改めて皆に心配かけたことを謝る

 

「いいの。こうしてマー君が無事なら・・・・そう言えばマー君。信濃に残るんだよね?」

 

「ああ、俺の愛機も壊れてしまったし、それに上の人に待機しろって言われちゃったしね。みんなと一緒に行けないのが残念だよ。みんなが戦いに行くのになのもできないって」

 

「ううん。マー君はよく頑張ったよ」

 

「そうだよ。比叡の時もそれにシュペーの時も」

 

「うん。それにいつも晴風のみんなの手伝いしてくれたでしょ?正直、頑張りすぎて心配だったんだよ?」

 

「そんなに?」

 

「うん体壊しちゃうんじゃないか?って」

 

三人の言葉に守は少し首をかしげる。『そんなに働きすぐだったのかな?』と・・・・でも言われてみれば少し働きすぎだったかなとも思えた

すると美甘が

 

「あ、そうだ。マー君。今度の海洋実習が終わったら、また試食会をしない?」

 

「あ、それいいかも。それまでに私、いろいろ新しい料理作ってみる」

 

「あっちゃん。あまり攻めすぎなのはダメだよ?」

 

と三人の言葉に守はふふっと笑い

 

「そうだね…その時はまた御呼ばれしようかな?」

 

「ほんと!?じゃあ約束ね」

 

「ああ・・・・だから無事にこの事件終わらせて横須賀に戻ろうな」

 

「「「うん!!」」」

 

こうして麻侖に続き守は三人に約束をした。そして食器などの片付けも終わり、守は美甘たちと別れた

 

「行っちゃたね…マー君」

 

「うん・・・・・でもまた会えるよ」

 

「そうだね・・・・それにマー君は戦いに来ないから・・・もう怪我とかしなくていいんだよね?私心配なんだ。マー君・・・・別世界で兵隊さんだったんでしょ?また無茶するんじゃないかって」

 

「大丈夫だよ。だって約束したもん・・・・また横須賀で・・・」

 

「うん。きっと・・・・・」

 

三人はそう言い、そして守との約束を果たすまで必ずみんなと一緒に横須賀に戻ろうと決心するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・・なんかこの船を離れるのは寂しい物だな」

 

一通り、船の内部を回った守はそう呟く、晴風の修理はもすぐ終わる。そして修理が終わり次第晴風はパーシアス作戦に参加すべく出港する。後方と言っても、何が起こるかわからない。最悪の場合、武蔵と交戦する可能性は極めて高い・・・・

 

「もしそうなったら…その時は」

 

守は信濃に残されたものを思い出す。あれなら何とかなるかもしれない。だがそれと引き換えに・・・・・・

 

「いや、麻侖や美甘さんたちと約束したんだ・・・・それに・・」

 

守は胸につるしたロケットペンダントを軽く握り、そしてペンダントを開き中の写真を見る

 

「・・・・・・」

 

最愛の人と一緒に撮った写真を見て守はふっと笑う。すると・・・・

 

「守・・・・・」

 

後ろから声をかけられ振り向くと

 

「・・・・・・・姉さん」

 

そこにはましろが立っていたのだった

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